アイドルマスターシャイニーカラーズ×ペルソナ5   作:フルーヴ

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田中摩美々と岩井宗久

 某日 Night 渋谷

 

「……」

 

「おい、そこの嬢ちゃん」

 

「……どうしたんですかー?」

 

「もう遅い時間だ。ガキは家に帰んな」

 

「……ご丁寧にどうもー」

 

「嬢ちゃん素直に聞くって柄じゃねえな。まあ、何かあったらここの路地裏のミリ屋に来な。早く帰れよ」

 

(ふーん、他人に気遣う人もいるんだ)

 

 摩美々はそれでも帰らなかった。

 

 

 ミリタリーショップ「アンタッチャブル」

 

「いらっしゃいませ……岩井。やっと帰ってきたのか……」

 

 岩井宗久。渋谷センター街路地裏にあるミリタリーショップ「アンタッチャブル」の店長。イセカイでリアルに見えればシャドウたちに対抗しうる武器になることを理解した蓮はこの店でモデルガンやモデルナイフなどの武器を調達していた。だがある日、一つの紙袋を岩井が蓮に託したことで二人の交流が始まり、岩井は蓮のおかげで家族と過去のわだかまりが解けたのであった。この日は店番を急遽蓮に変わってもらっていたらしいが……

 

「すまねえな。急に店番してもらって」

 

「全く……俺もそんなに暇じゃないんだが……」

 

「なんだ、まっ昼間から街をほっつき歩くのが暇じゃないのか?」

 

「スカウト中だったから一応仕事中なんだぞ……」

 

「そんな数時間しなかった程度で変わりゃしねえよ。まあ冗談はさておき、今日はもうあがっていいぞ。おつかれさん」

 

(渋谷でスカウトするのはやめておこう……)

 

 蓮はそのまま外へ出た。

 

(岩井のせいで今日は収穫なしか……もう遅いし今日はそろそろ引き上げて……)

 

「……」

 

「(ん? かなりパンキッシュな格好をしてるなあの子……独特の雰囲気があるし、綺麗だし……──声、かけるしかない!)」

 

「ちょっといいですか?」

 

 

 ▽▽▽

 

 

 Morning 283プロダクション事務所

 

 田中摩美々、アンティーカのメンバー。夜遅くに街をうろついていたところを蓮にスカウトされた。自称悪い子。彼女は頻繁にプロデューサーにイタズラをしては叱られるという一連の流れを楽しんでいる。

 

「ふふー」

 

『造花じゃないか!』

 

『消しなさい』

 

(次はどんな反応ですかねー)

 

「プロデューサー、コーヒー淹れてきましたー」

 

「ありがとう、摩美々。早速いただく……」

 

「ごめんくださーい!」

 

 そこに来客があった。

 

「今行きます!」

 

「……」

 

「あ、どうもこれは……どうぞこちらへ……」

 

「運がいいですねー……」

 

 

 

 別の日 Morning

 

「あれ、摩美々じゃないか? おはよう」

 

「おはようございますー、プロデューサー。机の上書類が散らかっていたので片づけておきましたー」

 

「おお、ありがとう……って、これは「prrrrr」……すまない」

 

「……いえー早く出たらどうですかー?」

 

「……そうだな。はい、283プロダクションの雨宮です……これはこれは……いえ、はい……」

 

「……」

 

 

 別の日 Afternoon

 

「プロデューサー」

 

「どうした、摩美々?」

 

「冷蔵庫に誰のかわからないアイスがあったので食べちゃいましたー」

 

「え! 待て、それは確か……」

 

 そこにはづきさんが入ってきた。

 

「プロデューサーさん、凛世さんが電車を間違えてしまって撮影場所への到着が遅れそうとのことです。どうしましょうか……?」

 

「え……じゃあ俺が車で拾って送ります!」

 

「すみません、事務作業はしておくのでよろしくお願いします~」

 

「わかりました。では行ってきます!」

 

 プロデューサーは飛び出して行った。

 

「……」

 

 

 別の日 Night  渋谷

 

 この日、摩美々は撮影があり、遅くなったので蓮が迎えに来たようだ。

 

「おつかれさま、摩美々。撮影どうだった?」

 

「……いつも通りですー。早く帰りましょー」

 

「ああ。そうしようか」

 

 摩美々は少し機嫌が悪そうだ。

 

「……プロデューサー。眼鏡貸してもらえますー?」

 

「え……ああ。いいぞ」

 

「ありがとうございますー。……やっぱり伊達メガネなんですねー」

 

「ああ、そうだ。……そういえば誰にも言ってなかったな」

 

「まあみんな気づいてると思いますけどー……それよりもー……」

 

「どうした摩美々……?」

 

「それー」

 

「うわっ!」

 

 摩美々は眼鏡を外して無防備になったプロデューサーの目に向かってバブルガンでシャボン玉を大量に撃ち出した。蓮は咄嗟に顔をそむけた。

 

「ま……摩美々ー!!」

 

「ふふー、久しぶりにイタズラ大成功ですー。怒られる前に隠れちゃいますねー」

 

 摩美々は路地裏に入っていった。

 

 蓮はウェットティッシュで石鹸を拭いた。目の前から摩美々がいなくなったことに焦っているようだ。

 

「摩美々のやつ……どこに行ったんだ……?」

 

(人込みに紛れて……はいないな)

 

「仕方ない……あれをするか……」

 

「研ぎ澄ませ……」

 

 サードアイ。集中して物事を見ることで手がかりを探る術。かつて蓮はこの技を夢と現実、精神と物質の狭間の看守長から教えてもらった。

 

(……あれは泡だ。バブルガンから滴れた泡が続いている。あの先にいるな)

 

 蓮は路地裏に向かった。

 

「こら、まみ……っ!」

 

 

 一方路地裏に逃げた摩美々は……

 

(ふふー、久しぶりにイタズラできたー。これは怒りますよねー)

 

「そこの嬢ちゃんこんなところで何してんの?」

 

「……! お兄さんには関係ないですよー」

 

「へえそうなんだ。ところでさーお兄さんちょっとヒマしてるんだ。嬢ちゃん一緒にいいことして遊ばない?」

 

「……間に合ってますー。じゃあ私はこれで……」

 

 摩美々は逃げようとしたが男に腕を掴まれてしまった

 

「ちょっと……やめてください」

 

「いいじゃねえか、ちょっとぐらいさ……やっぱりねんねしてもらおうか?」

 

「本当に……人をむぐっ」

 

「うるさい嬢ちゃんだな。しばらく静かにしてもらうぜ」

 

(そんな……プロデューサー……)

 

 その時……

 

「動くな。その子を解放しろ」

 

「お、おい……俺の頭に何押しつけてるんだよ……」

 

「え……銃……? 本物……?」

 

(プロデューサー……?)

 

「え……ちょっと待ってくれよ。おい……まさか本物なわけ……」

 

「それを知るときはお前の最期だ」

 

「ひっ……」

 

「……これが最後の警告だ。失せろ」

 

 金属音が鳴る。その聞きなれない音は、その男を怯えさせるのには十分だった。

 

「ひ、ひえええええ!」

 

 男は怯えて逃げて行った。

 

「……プロデューサー」

 

 摩美々はプロデューサーに抱きついた。

 

「……無事か?」

 

「はい……」

 

「全くイタズラばっかりしてるからだ!」

 

「ふふー、反省してまーす……そんなことよりー、それって本物なんですかー?」♪♪ ☆彡

 

「そうだな……俺、摩美々に怖い思いさせちゃったよな」

 

「え?」

 

「俺はプロデューサー失格だ。だから……」

 

「ちょっと……」

 

「俺の命で償おう」

 

 蓮は持っている銃を自身のこめかみに当てた。

 

「ふがいないプロデューサーでごめんな、摩美々」

 

「プロデューサー! 待って!」

 

 カチッ

 

「……え?」

 

「……なんてな! はは、驚いたか? さっきの仕返しだ!」

 

「……趣味悪いですよー。本当に」

 

「全く、本当に趣味が悪い」

 

「い、岩井……」

 

「あのときのおじさん……」

 

「何だか騒がしいから外に来てみれば……安心しな、嬢ちゃんそれはモデルガンだ。それより……」

 

 岩井は近づいて言った。

 

「おい、蓮。人に向けるなって言っただろ。また警察の世話になりたいのか?」

 

「岩井……すまない、だが……俺は間違ったことをしたつもりはない」

 

「……はあ。今回はなしにしといてやる。その嬢ちゃんを助けるためだったんだろ? 昔から変わらねえなお前のその度胸は」

 

「ありがとう、岩井」

 

「!」

 

「そうだろうな。それより……お前らかなり距離が近いな」

 

 摩美々は岩井に指摘されたため慌てて離れた。

 

「別にー……そんなこと……」

 

「まあいい。嬢ちゃん早く帰んな。ん? どこかで会ったことあるか?」

 

「ちょっと前にー同じように注意されましたー」

 

「……もしかしてあのときの嬢ちゃんか。へえ、そのときにこいつにスカウトされたってわけだ。よかったじゃねえか、ガンマニア」

 

「……まあ偶然だ。偶然」

 

「それよりも早く送って行ってやれ。もう遅い時間だぞ」

 

「ああ、そうする。俺がいれば岩井も安心するだろう。さっきみたいな目に二度と遭わせないからな」

 

「プロデューサー……」♪ ☆彡

 

「相変わらず言うねえ」

 

「そうだ、岩井前に言ってたことだが……」

 

「おう、もう準備できてるぜ。……だがその話は後日だな」

 

「ああ、また取りに来るよ。じゃあ、俺はこれで」

 

「気をつけて帰んな」

 

 

 ▽▽▽

 

「プロデューサー」

 

「どうした、摩美々?」

 

「まだちょっと怖いんでー手握っててもらってもいいですかー?」

 

「ああ。いいぞ……ん? うわ! なんだこれは!」

 

「ふふー、さっきバブルガンを落としてしまったみたいでー」

 

「べたべたじゃないか! 早く洗いに行くぞ!」

 

「はいー、にしても久々にいい反応でしたよー、プロデューサー。それにー今日はプロデューサーの趣味も知れてよかったですー。早く行きましょー」♪♪ ☆彡

 

(あれ、手を離してくれないぞ?)

 

 パーフェクトコミュニケーション

 親愛度+25

 

 

 ▽▽▼

 

 帰宅後、摩美々は自室で考え事をしていた。

 

『また警察の世話になりたいのか?』

 

「プロデューサーって悪い人? モデルガンで警察の世話になったんですかねー?」

 




薫は地方の大学に行きました。岩井も心なしか嬉しそうですが今では家が広く感じているそうです。
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