アイドルマスターシャイニーカラーズ×ペルソナ5 作:フルーヴ
Afternoon 283プロダクション事務所
「レッスン終わりました……プロデューサーさん」
「おお、霧子。おつかれさま」
幽谷霧子。アンティーカのメンバー。自信のない自分を変えたいと思った彼女は283プロにオーディションを受けに行き、合格。アイドルになる。儚げな印象とぐるぐる巻きの包帯が特徴の女の子。また、父親が働いている病院で手伝いなどもし、その患者さんがライブやイベントに来たりすることもある。
「お花に水やりをします……」
「いつもありがとう、霧子」
「いえ、わたしがしたいことなので……」
「まあゆっくりしてくれ。そうだ、はづきさんが冷蔵庫におやつを入れていたから食べていくといいよ」
「……! ありがとうございます……! 一体なんでしょうか……?」
「うーん、俺は見てないなあ。……っと電話が来た。すまん、霧子。お世話になっております、283プロの……」
(朝来た時も……電話していたのに……忙しそうです……)
蓮が電話を始めたので霧子は水やりをすることにした。
「ふう……長電話になってしまったな……」
「お疲れ様です、プロデューサーさん」
「霧子、事務所の掃除もしてくれてたんだな。ありがとう」
「いえ、これもわたしがやりたいことなので……でもプロデューサーさんに喜んでもらって嬉しいです」♪ ☆彡
「もうじき仕事も終わるから送っていこうか?」
「え、いいんですか? ありがとうございます……!」
「じゃあ……あれまた電話だ……ん?」
「?」
「もしもし……え……そんな急に……わかった。帰りに寄るよ」
「あの……その……忙しそうなのでやっぱりわたし……」
「そんな気にしなくても……そうだ、霧子は医学部志望だったよな?」
「は、はい」
「俺今からある医者の下で治験をするんだけどもしよかったら一緒に来ないか?」
「え、いいんですか? わたし、行きたいです。あとその……わたしも治験をしてみたいです」
「え? ……まあ、霧子がそういうなら。じゃあ行こうか」
「はい……!」
二人は283プロから出て四軒茶屋に向かった。
Night 四軒茶屋 武見内科医院
(まあ何回かお世話になってるが……数か月はここに来てなかったな)
「やっと来た。モルモット君」
(摩美々ちゃんみたいな恰好……)
「すまない、武見。遅れてしまって」
武見妙。場末の町女医。かつては大病院で働いていたときの担当の子の病気を治す薬を作るために治験のアルバイトが必要だった。そんなとき怪盗団活動に役立つ薬が必要となった蓮と利害が一致し、彼と取引していた。結果的に人生と患者の命を蓮に救われた彼女は蓮と交際することになった。今日もまた新しい薬のための治験をするようだが……?
「また仕事? あまり根を詰めちゃだめだよ」
「善処する」
「……ところでその子は?」
「は、初めまして……わたし、幽谷霧子です。今日、プロデューサーさんが治験するって言ってたので気になって付いてきました……」
「……幽谷? もしかして──病院の幽谷さんとこの娘さん?」
「え、父のことを知ってるんですか?」
「この前学会で喋る機会があってね。もしかして医者になりたいの?」
「は、はい。一応、医学部志望で……でもそれとは関係なく治験もやってみたいなって……」
「そうなんだ、だけどちょっときついやつだから今回はサンプルにはなれないかな。今日は見学だけね」
「は、はい」
「じゃあ、診察室へどうぞ」
「また新薬を開発してるのか?」
「うん、今日はそのテストかな。君のデータはたくさんあるから過去のデータと見比べられるからやりやすいかなって思ったの」
「なるほど……じゃあ、お手柔らかに……」
「吐いたら大変だからせめて上着は脱いだら?」
「ああ、そうする。だいぶきつそうだな……」
蓮は上着を脱いだ。霧子は蓮が唐突に上裸になったので恥ずかしくなった。
「あ……」
(しまった……いつものノリで……)
「じゃ、これね。前みたいにぐいっと一気にいってね」
蓮は渡された薬を飲んだ。
「うっ……」
(意識が薄れ……)
蓮は倒れこんでしまった。
「プロデューサーさん……! しっかりしてください……」
「大丈夫だよ。霧子ちゃん」
「え……?」
「ごめんね、彼の目の前だったから濁しちゃったけど今日は別に治験じゃないんだ。その……彼の保護者からね最近彼が全然休めてないんじゃないかって言われたからこうやって無理やり休ませてるの」
蓮は寝息を立てている。
「そうだったんですか……」
「……彼、無茶してなかった?」
「……最近大きな仕事があるって言っててずっと働いてました……」
「やっぱり……じゃあしばらく寝かせてようか。えっとメモを残しといて……せっかくだから一緒に晩御飯でも食べていかない? すぐそこの喫茶店においしいカレーとコーヒーがあるんだ。何なら進路の相談とかもしてあげるよ」
「……! いいんですか? ありがとうございます。ちょうど父も母も帰りが遅いって言ってて……」
「じゃあ、ちょうどよかったね。そうだ、これあげるね」
「えっとこれは……?」
「貼る大気功っていってね、私が開発した集中力が長持ちするようになるものなんだ。裏メニューみたいな感じで普段は売ってるんだけど今回だけは特別。誰かさんと違って受験勉強に必要でしょう? だからタダであげるよ」
「その……ありがとうございます……!」
「どういたしまして。お腹すいてるでしょ? じゃあ、もう行こっか」
「はい……! あ……プロデューサーさんに掛け布団してあげないと……」
「そうだね。彼にはゆっくり休んでもらおうか」
「おやすみなさい、プロデューサーさん……」
その後、二人はルブランでカレーとコーヒーを食べて帰った。
▽▽▽
「うう……霧子……?」
(これは……霧子のタオル……枕に掛けてくれていたのか?)
「しかし、ぶっ倒れるとは思わなかった。だが不思議と体が軽いな……武見は帰ったのか?」
蓮は机の上に置き手紙があることに気づいた。
『ごめんね、少し騙すようなことしちゃって。少しでも君の体が回復してくれたら嬉しいな。マスターを困らせちゃだめだよ。休む時はちゃんと休むこと。それから、この前言ってた薬の件だけどいつでも準備できてるよ。診察室の奥の棚に作って置いておいたから必要な分だけ持っていって。だけどお代はしっかり頂くから棚に書いてある番号と持っていった数をちゃんと残しておくこと。あと帰るときは施錠を忘れずに。薬のお金もらうときに一緒に返しに来て』
「……ありがとう、妙」
▽▽▼
次の日 Morning
「おはようございます……プロデューサーさん」
「おはよう! 霧子!」
「あの……疲れは取れましたか?」
「ああ、なんだかわからないけどすごく体の調子がいいんだ! これならいくらでも働けるな! はは!」
「……」
(もしかして、逆効果……?)
「あ、そうだ。霧子。このタオルって霧子のやつだろ?」
「え、は、はいそうです」
「俺に気を使ってくれてありがとう。洗っておいたから返すよ」
「い、いえ喜んでもらえてうれしいです……」♪ ☆彡
(よし楽しく話せたな)
親愛度+10
投稿するために以前のものを確認したらシャニPが霧子の前でおかしくなることを意識しすぎた文章だったので蓮がちょっときもくなってて笑ってしまった。
武見内科医院は地域の人に大人気。特に小さい子やかつてお世話になった子のいきつけになっているそうです。また、往診をしていることも付近の人に愛される秘密でしょう。そんな武見に彼氏がいることは彼女の態度でみんな気づいてます(本人は気づいてないと思っている)が苗字が一向に変わらないので結婚はしてないんだろうなと思われている。まさか彼氏が10股しているとは思ってはいまい…
武見と霧子のお父さんは学会で知り合った。武見が優秀な医者なので自身が務めている病院に何度かスカウトしている。だけど、武見自身今の生活がとても気に入っているので断り続けている。霧子のお父さんも理解を示してはいるため関係は良好。少なくとも医学会に干されるような事態になることはないだろう。