アイドルマスターシャイニーカラーズ×ペルソナ5 作:フルーヴ
Night 渋谷センター街路地裏
とある男が現在プロデューサーと呼ばれている男を尾行していた。
「……現在あの男はセンター街を歩いています……いつも通りかわいい子と一緒です。今日も何もなさそうですね」
その男は無線で上司に報告した。
「まあ後は帰るだけだろ。さっさと帰ってこい。全くもうあいつを解放してやれよ……」
上司はそのように愚痴を言ったが
「とはいえテロリスト予備軍のような男ですよ? 放っておくわけには」
「……まあお上があいつにびびるのも無理ないか。さすがにもう……」
「……! 路地裏に慌てて入っていきました。追跡します」
追跡した路地裏ではそのプロデューサーは別人のようになっていた。
「動くな。その子を解放しろ」
「あいつ銃を取り出して男を脅しています! 取り押さえますか?」
(ん? 銃? ああ……)
「いや、やめとけ。様子をみて危険な行動をしてからでいい。責任は俺が持つ」
(まあ、十中八九モデルガンだがな)
「ですが……! 男が逃げていきました。大事には至らなかったようです」
「おう、やっぱりそうだよな。じゃあ今日の追跡は終わりだ。お前らはもう帰ってきな」
「しかし……」
「お前ほとんど丸腰だろ? 十中八九あいつは尾行に気づいてるからお前さんが危ないぜ。後日俺が接触する。だから今日は帰ってこい」
「……はい。わかりました、長谷川さん」
男は尾行を止め、引き上げることにした。
(にしても急にどうしたんだ。雨宮?)
▽▽▽
Night ラジオスタジオ近く
「おつかれさま、咲耶」
「やあプロデューサー。アナタもおつかれさま。もしかして私を迎えに来てくれたのかい?」
白瀬咲耶。アンティーカのメンバー。元々別の事務所でモデルをしていた彼女は街中で蓮にスカウトされる。ちょうど契約終了の時期だったため283プロと契約しアイドルになる。人を喜ばせることが好きな彼女はファンサービスもかかさない。そんな王子様のような彼女を蓮は迎えに来たようだ。
「ああ、そろそろ終わるだろうなと思って。車で来たから寮まで送っていくよ」
「わざわざありがとう、ではお言葉に甘えさせてもらうとしよう。……おや?」
「あの……もしかして白瀬咲耶さんですか?」
咲耶のファンと思われる女の子が咲耶に話しかけてきた。
「プロデューサー……?」
「俺も仕事はもう終わったから遅くなりすぎない程度にな」
「ありがとう。ああ、そうさ。もしかしてアナタは私のファンなのかい?」
「は、はい! あの……」
(咲耶はファンサービスがすごいからな……ちょっと長くなりそうだ。さて俺は……)
「ちょっといいですかそこの人……」
「はい……ってなんだ善吉か」
長谷川善吉。怪盗団の協力者、コードネームはウルフ。京都府警から警視庁公安部に出向していた。かつて全国で起きた改心事件を解決するために怪盗団と取引する。その後とある事件で自身もペルソナ使いとして覚醒するのであった。どうやら現在も公安にいるみたいだ。
「おいおい、その反応はないだろ……」
「そういえば結構な頻度で尾行がついてるな。公安か?」
「まあ、バレてるよな。俺も別にしなくていいとは思ってるんだが……こればかりは上の意向でな。せめてもの報いに俺が責任者になっている」
「そうか」
「しかしお前、本当にプロデューサーしてるんだな……。よく部下が毎日女をとっかえひっかえして羨ましいと言っていたぞ」
「善吉もうらやましいのか?」
「馬鹿野郎、俺は葵一筋だよ。誰かさんと違ってな」
「う……それを言うためだけに接触してきたのか?」
「いや違う。そろそろ本題に入ろうか……雨宮、どうしてまたモデルガンを持ち歩いているんだ? もう必要ないだろう?」
「……! それが……」
蓮は善吉に事情を説明した。
「なるほどな……ソフィアと一ノ瀬がそんなことを……わかった覚えておこう」
「ありがとう、善吉。それから……」
「……わかってるよ。準備しておけばいいんだろ? あまり乗り気じゃないが俺ができるだけお前の尾行をすることにするよ。その方がお前も動きやすいだろ?」
「助かる」
その頃、咲耶はファンとの交流を一通り終えていた。
(さて、少し長引いてしまった……おや? プロデューサーが誰かと話している?)
「プロデューサー、少し待たせてしまったみたいだね」
「いや、全然平気だ」
「連れが帰ってきたな。まあそろそろ俺も帰るわ」
「……そうだ、善吉。最近ちゃんと家に帰れてるのか?」
「もしかして茜のこと心配してくれてるのか? 大丈夫だ。あいつももう小さくねえ。たまに帰ってるよ」
「……! もしかして単身赴任中なんですか?」
「え? ああ。そうだ。もともと俺は京都出身なんだが今はこっちで働いてるな」
「そうですか……わざわざありがとうございます」
「……咲耶」
「あまり踏み込むべきじゃないかもしれねえが……もしかしたらお前の父親もあまり家にいなかったのか?」
「……! その通りです。あまり私は父の気持ちがわからないんです。もしよければ、アナタのことを聞かせてくれませんか?」
「……」
「なんだそんなことでいいのか?」
咲耶は息を呑んだ。
「そりゃ俺だってあまり実家からは離れたくねえよ。娘の顔だって毎日見たいしな。でも世の中上手くいかねえもんだ」
「でも時々不安に思ってしまうこともあるんです。父はその……」
「何言ってんだ。子を思う親のことをなめんなよ。お前さんの父親が今どこでなにをしているかは知らねえが大丈夫だ。今でもお前さんは愛されてるよ」
「……! ありがとうございます。その言葉だけで私は救われます」
「ああ。……少し会いたくなっちまったじゃねえか。仕方ねえ、明日からしばらく休みでもとるか。てことだ雨宮。来週までには帰るからそれまで我慢してくれ」
「ああ。ごゆっくり」
「じゃあな、気いつけて帰れよ」
善吉は去っていった。
▽▽▼
「ねえプロデューサー」
「どうしたんだ咲耶?」
「この前言ってた大きな仕事って……あんなに大きなオーディションだったんだね」
「ああ、そうだ。黙っててすまない。あの場で先に言うとみんなに不公平だったからな」
「ふふっ、アナタらしいね。……もう誰を選ぶのか決めているのかい?」
「いや、……正直まだ悩んでいるんだ」
「そうだったのかい? 私はアナタが選んでくれるなら受けようと思っているんだけど」
「はは、まあ他の子との組み合わせとかもあるからね」
駐車場についたところで蓮は咲耶の死角からゆっくりではあるが車が近づいてきていることがわかった。
「おっと咲耶、危ないぞ」
蓮は咲耶を抱き寄せた。
「……! ありがとう、プロデューサー。だけどおおげさすぎやしないかい?」♪♪ ☆彡
「でも万が一ってこともあるだろ?」
「……そうだね」
「じゃあ帰ろうか」
「ああ、安全運転で。ゆっくりアナタと語り合いながら帰りたいな」
(よし、楽しく話せたな)
パーフェクトコミュニケーション
親愛度+10
善吉はこの後休みを取って実家に帰りました。茜は大学を出て実家周辺で就職しており最近特に困ったことはなかったため急に父親が帰ってきたことにとまどい、何しに帰ってきたんだと善吉をしばきました。が両者ともに嬉しそうだったらしいです。
ちなみに茜はたま~~~に怪盗団絡みのことで配信をしています。もしかしたら283プロで見ている人がいてたりして…