アイドルマスターシャイニーカラーズ×ペルソナ5   作:フルーヴ

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Caution!:このストーリーにはペルソナ5(R+S)の重大なネタバレになりうる要素があります。未プレイの人はいますぐプレイしましょう。あと、真乃ちゃんのプロデュースをしたことがない人もいますぐプロデュースしましょう。かわいいので。



天井努と

 大規模オーディションを受けた283プロダクション。しかし、結果はだめだった。その結果の報告をするため、蓮とはづきは社長室へ向かった。そうして結果を聞いたあと、社長は口を開いた。

 

「ここまでだったようだな……」

 

「……すみません、自分が未熟なばかりに」

 

「今回に関してはなんともつまらん幕引きだったな」

 

 蓮は何も言えなかった。

 

「まあ、大方の予想通りといったところだろう」

 

「……え?」

 

「だが、お前は負けた。アイドルたちを勝たせられなかった」

 

「一体何を言って……」

 

 社長は立ち上がって言った。

 

「アイドルを頂点まで連れていけないプロデューサーはもはや私の283プロダクションには必要ない。はづき、これをもって雨宮プロデューサーを死刑とする」

 

 蓮は驚愕している。かつてこのようなことがあった気がしたからだ。

 

「え? ……どうしてですか?」

 

 はづきはとまどいながら理由を尋ねた。

 

「私の命令が聞けないのか、はづき? お前の妹を苦しめ、地獄のような状況に置いているのは目の前にいるこの男なんだぞ?」

 

「……はい、わかりました~……」

 

(はづきさんまで!? 一体どうなっているんだ……?)

 

「ま、待ってくれ! くっ……体が……?」

 

 蓮は突然、体の自由を奪われた。

 

 

 

「……プロデューサーさん、恨まないでください~……これも……ううん。やっぱり気にしちゃだめ……」

 

 はづきは抵抗できないプロデューサーに対して攻撃を加えていった。

 

 蓮:体が動かない! 

 

 はづき:明けの明星

 

 蓮:体が動かない! 

 

 はづき:八艘飛び

 

 蓮:体が動かない! 

 

 はづき:死んでくれる? 

 

 

(……ごめんなさい、私、もう……)

 

「ふざ、けるな……」

 

「え!」

 

「ふざけるなァ!!」

 

 再び叛逆の意志を取り戻した蓮はかつての怪盗の装束を身にまとっていた。

 

(これは……?)

 

「はづき何をしている! 早くとどめを……」

 

「できませんっ……そんなこと……私にはできません!」

 

「なんだと……? はづき貴様……!」

 

「お願いします、社長。彼に、またチャンスを……許してあげてください……」

 

「はづきさん……それより、お前は誰だ!」

 

「……え?」

 

「ふははははははっ! 見抜いたか!」

 

「あ、あなたは一体……?」

 

「中々できるようだな変革を望むトリックスターよ」

 

「……! お前はまさか……あのときの……!?」

 

「ふむ、それは違うな。だがやはり優秀だな、トリックスター。実はお前を再評価しようと思っていてな。私には絶望したアイドルが必要だ。案ずることはない……褒美にお前の望むものをやろうではないか」

 

「お前の甘言には乗らない」

 

「ふむ、やはりそうか。交渉決裂だな。では何もできないアイドルたちと共に滅びの刻を待つが良い。今回は貴様も何もできないだろうからな」

 

 そう言い残して偽物の社長は去っていった。同時に本物の社長が倒れた姿で現れた。

 

「ううっ……ここは……?」

 

「社長? ……大丈夫ですか? それと、プロデューサーさん、その姿はまるで怪盗団の……」

 

「はづきさん、隠していてすみません。はづきさんの言う通り俺は……!」

 

 そこに青い蝶が現れ、女の子の姿に変えた。

 

「どうやらまた世界の危機が訪れたみたいです、トリックスター」

 

「……ラヴェンツァ」

 

「あなたは、一体……? もう何がなんだか全然理解できないです~……」

 

「私はラヴェンツァ。時間がありません。手短に説明をば」

 

「どうして奴がここに?」

 

「彼奴はあなたたち怪盗団に滅ぼされた後、残留思念だけとなりました。彼奴の残留思念はあなたにまとわりつき、ずっと復活の機会を伺っていたようです」

 

「……」

 

「幸いにも、民衆はあなたたちのおかげで以前ほど怠惰になっていません。その結果、彼奴が依り代としている負のエネルギーは集まりませんでした」

 

「民衆ではない……か」

 

「ところが、彼奴は偶然にもあなたの近くにいた斑鳩ルカを発見しました」

 

「……? 彼女がどうしてプロデューサーさんの近くに? いえ、プロデューサーさんの前職は芸能とは全く無関係のはずじゃ……?」

 

「……そうか、あの時か」

 

「はい、あなたは一度すれ違っているはずです、緋田美琴と。そのときに偶然発見したと考えるのが自然でしょう」

 

「でも彼女とやつに何の関係が……?」

 

「彼奴は緋田美琴と離反することで絶望した彼女が自身の力になることをわかりました。つまり特別な人物……アイドルの絶望が自身の最高のエネルギー源になるという仮説を立てました」

 

「!」

 

「そこで、彼奴はまず、あなたが当時の職を離れるようにあなたの上司を暴走させ、283プロの社長と接触させました。案の定、社長はあなたを気に入り、そしてプロデューサーにしました」

 

「それじゃプロデューサーさんがここに来たのは……」

 

「ええ、彼の側から遠く離れることが難しかった彼奴はそのようにするほかアイドルと接触する機会がありません。仮に仮説が外れていたとしても彼の人生を狂わせるだけでも十分でした」

 

「しかし、実際はその仮説は当たっていたと」

 

「ええ……完璧なあなたが絶望させることは難しくとも未熟なアイドルたちを絶望させることは簡単だったでしょう」

 

「そんな……まさかにちかも……」

 

「……彼奴は力が溜まるころを見計らって283プロの社長になり替わりあなたとアイドルたちが大きな仕事に失敗するのを待ち続けた。そして、今回オーディションに落ちてしまった。そのことがきっかけとなり、彼奴のエネルギーは満ちました」

 

「……」

 

「そうしてできた絶望のエネルギーは想像をはるかに上回っていました。実際、彼奴はそのエネルギーでかつての悪神の力に引けを取らない力を得てもはや別の存在に昇華しました。なので、必要なくなったプロデューサーを始末するため、予想以上に有能だったはづき、あなたがプロデューサーにとどめをさすように命じたのです」

 

「……ですが、そのような強大な力を持っているならなぜこの場でプロデューサーさんを処理しなかったんでしょうか?」

 

「あなたが離反したこともありますが、何よりもっと力を発揮できる場所を彼奴は知っています。その場所に向かうことを優先したのでしょう」

 

「あまり納得がいかないです~」

 

「さて、話が長くなってしまいました。彼奴はかつての悪神から由来していますが今はもはや別の存在となっています。トリックスター、あなたのなすべきことはわかっていますね?」

 

「……ああ、やつを滅ぼす。283プロのみんなが羽ばたくための世界を奪われてたまるか」

 

 ▽▽▽

 一方そのころ、悪神の影響で世界が異世界と一体化しようとしていた。

 

「えっ、空が赤いっす!! どういうことっすか??」

 

「本当に気味が悪いわね。今日の天気予報はこんなこと言ってたっけ……?」

 

「早くプロデューサーさんに教えにいくっす!」

 

「あさひちゃん! 走っちゃ危ないよ! なんかわかんないけど、やべー感じだわこりゃ」

 

「ふえ~、おてんとさまどこいったと~? 空、赤い~。不気味たい~」

 

「こ、恋鐘ちゃん……でも、確かに、お空、赤い……」

 

「こんな時間に夕焼けになる……わけないよねー」

 

「プロデューサー~~~!」

 

「1、2、3、4……え? 何ですかこの空は?!」

 

「……赤いね、それに血のような雨も降ってる」

 

「気味が悪いです。SNS見てみましょう……あれ?」

 

「……? どうしたの、にちかちゃん?」

 

「スマホが点かないんです……」

 

「ごめん、私も点かないや」

 

「とりあえず事務所のパソコンとかで確認してみようと思います!」

 

 

 

 

 世界の異変に気づいたアイドル達は無意識に283プロへ来ていた。そうして集まったアイドルたちは怪盗服に身を包んだ男に出会った。

 

「え、嘘! 怪盗団?!」

 

「えっ、あの怪盗団?!」

 

「かっこいいです! でも、そんな場合じゃないです! プロデューサーさーん! ……あれ?」

 

(怪盗団!)

 

「あは~、隠してたけど昔大好きだったもんね~、円香先輩~。ちょうど小学校の時か~」

 

「っ! 雛菜、うるさい」

 

「雛菜ちゃん、そんなこと言ってる場合じゃないよ!」

 

「どういうこと、お姉ちゃん?!」

 

「……」

 

(きっと正体は隠したほうがいいですよね……)

 

「みなさん、これは……「あの……」

 

 はづきが適当に誤魔化そうとしたとき、それを遮るように真乃がみんなの前に出てきて黒コートの男に尋ねた。

 

「……プロデューサーさん、ですよね」

 

「!」

 

 蓮が振り返ると彼の目にみんなの姿が映った。蓮の目を見て全員、疑念から確信に変わった。怪盗の正体は自分たちのプロデューサーだと。

 

「装いには、心の姿が……現れます。ですのでその凛々しいお姿は今のプロデューサーさまの心の姿なのでしょう。……ですがそれは凛世たちがプロデューサーさまだとわからない道理にはなりません」

 

 凛世は説く。

 

「プロデューサーが私たちを見守ってきたように私たちもプロデューサーのこと見てきたんですよ」

 

 灯織が伝える。

 

「わかるから。どんな姿でも」

 

 透が皆の代弁する。

 

「! ……みんな。聞いてくれ、俺は……」

 

 しかし、その言葉は遮られた。

 

「よくわかんねーけどやるべきことがあるんだろ?」

 

「ええ、でもプロデューサーなら大丈夫よ!」

 

「ここで応援するよ! プロデューサー! 頑張ってね! それぐらいしか、わたしたちはできないから……」

 

 とまどっていた蓮だがそんなとき、冬優子が近くに来て言った。

 

「早く行きなさいよ、帰ってこなかったらあんたのこと許さないから」

 

「冬優子……」

 

「げほげほ……そういうことだ、プロデューサー。何のことかはわからんが今大変なことになっているのはわかる。必ず戻ってこい、プロデューサー。ごほっ……」

 

「社長! 今はゆっくり休んでください……」

 

「ありがとうございます、社長。ありがとう、みんな!」

 

「トリックスター、そろそろ参りましょう」

 

「ああ」

 

 そう言うとジョーカーは窓から屋上へ向かって行った。それに合わせて屋上に走っていくアイドルが一人いた。

 

「なーちゃん……?」

 

 

 ー283プロダクション事務所屋上ー

 

「彼奴はあちらの方角に……」

 

「やはりメメントスの……。ありがとう、ラヴェンツァ。わざわざみんなに聞こえないところで」

 

「……そういうわけではないです」

 

「え?」

 

「さあ、そろそろ仕事の時間ですよ、トリックスター。世界を取り戻すのです!」

 

 蓮がワイヤーで飛ぼうとしたとき、勢いよく屋上のドアが開いた。

 

「プロデューサーさん!」

 

「甘奈!!」

 

「……むぅ」

 

「お願い行かないで! もしプロデューサーさんが帰ってこなかったら甘奈……」

 

「……でも」

 

「でもじゃない! 甘奈、なんとなくだけどわかるの! もしかしたら帰ってこないんじゃないかって……プロデューサーさん、お願い……甘奈の前からいなくならないで……」

 

「……甘奈。すまない……」

 

「……甘奈、世界よりもプロデューサーさんの方が大事! だって甘奈、プロデューサーさんのことが……」

 

「甘奈ちゃん!」

 

「なーちゃん!」

 

「甜花ちゃん、千雪さん!」

 

「なーちゃん、プロデューサーさんを困らせちゃ、だめ」

 

「気持ちはわかるけどだめよ、甘奈ちゃん。私だって本当はプロデューサーさんにはここにいてほしいわ。……だけど私たちには私たちの使命があるように、これはプロデューサーさんの使命なのよ。一緒に待とう、ね?」

 

「……甜花、千雪、ありがとう」

 

「……ええ」

 

「ごめんね、プロデューサーさん……」

 

「……甘奈、絶対帰ってくるから。また、桜を見る約束があるだろう?」

 

「プロデューサーさん……」

 

「……そういえば、まだ言ってなかったことがあるな、ラヴェンツァ」

 

「……!」

 

「悪神が世界を奪う前に、我々が世界を頂戴する!」

 

 それを言い終わったとき、轟音が響いた。シャドウの集団が283プロを取り囲んでいる。そして、甘奈に向かって攻撃が飛んできた! 

 

「危ない! アルセーヌ!」

 甘奈「!」

 

 相手の攻撃をジョーカーが受け、呪怨の攻撃で反撃した。甘奈を狙ったシャドウを倒したが次々と敵が現れている。そんなとき屋上のさらに上から声が聞こえた。

 

「ジョーカー! 何もたもたしているんだ!」

 

 その奇妙なシルエットを見て甜花は率直な感想を述べた。

 

「ば、化け猫!」

 

「化け猫じゃねーよ! ワガハイはモルガナだ!」

 

 いつものように訂正していると屋上に続々とアイドルとシャドウが集まってきた。追いついてきたアイドルがモナを見て反応している。

 

「……もしかしてモルガナさん?」

 

「おお、マノじゃないか。久しぶりだな。といってもこうやって喋るのは初めてか」

 

「本当にしゃべってる! すごーい!」

 

「メグルもいたのか。残念ながら駄弁ってる暇はない。また今度な。ジョーカー、ナビから連絡があったがみんなメメントス付近に集まっている。ワガハイたちも行くぞ!」

 

「しかし、シャドウの群れが……真乃たちを守らなきゃ」

 

 そうこう言ってる間にピクシーの群れがきた。

 

「くそ、めんどくさいな!」

 

「銃で一掃するぞ!」

 

 ジョーカーとモナはガンとスリングショットでシャドウを撃退した。

 

「……! あれってモデルガンじゃ……」

 

 かつてそのモデルガンで助けられた者は言う。

 

「ガンナバウトと同じ動き……」

 

 普段一緒に遊びその動きを観察している者が言う。

 

「ううむ、確かに……ここを放置するわけにもいかないな。どうすりゃいいんだ」

 

「おっと、ここは俺たちに任せな、ジョーカー! ……バルジャン!」

 

「そうだ、ここはまかせておけジョーカー。パンドラ!」

 

「ウルフ! ソフィー! すまない」

 

「ジョーカー、お前はさっさと元凶を倒しに行きな」

 

「大丈夫、いっぱい倒すのは慣れてる」

 

「というわけだからここは私たちに任せてくれたまえ。私も準備はしてきたから。君の知り合いとは会えずじまいだったけどね」

 

「一ノ瀬、そうだったのか……今はここを任す。いくぞ、モナ!」

 

「そうこなくっちゃ! モルガナ変身!」

 

 ジョーカーとモルガナは屋上から飛び降り、そのまま東京の中心に向かっていった。

 

「待って! プロデューサーさん!」

 

「バカ! 危ない!」

 

 シャドウが立ちふさがったがウルフたちが助けた。

 

「全く、本当に危なかったね。お願いだからじっとしておいてくれ……って、どうやら聞こえてないみたいだね」

 

「行かないで……甘奈の傍にいて……」

 

 甘奈は泣き崩れてしまった。

 

「なーちゃん、泣かないで……」

 

「甘奈、今はプロデューサーを信じよう。大丈夫、私たちの心と同じように世界も奪ってくれるさ」

 

「咲耶ちゃんの言う通りよ。待ってましょう?」

 

「プロデューサーさん、武運を……」

 

 

「ウルフ、よりおっさんになったな。体は動くか?」

 

「うるせえぞ、ソフィー。公安舐めんな」

 

 

 

 

 ーメメントス跡ー

 

「すまない、みんな。遅くなった」

 

「お、到着したな!」

 

「でも、思ったより早かったね!」

 

「うむ、問題ないだろう」

 

「もう、あなたたち、そんな場合じゃないわ。それにしても丸喜先生やソフィアがいなければどうなってたかって思うと恐ろしいわ」

 

「ええ。感謝しなくちゃね」

 

「そうだ、もう予告状は送っておいたぞ。あそこでよかったんだな?」

 

「ああ、伝えた通りだ」

 

「よし! お前ら準備はできてるな! おしゃべりはここまでだ。さっさとあいつにはおねんねしてもらおうぜ!」

 

「行くぞ! ショウタイム!」

 

 クリフォトの世界を駆けていく怪盗団。そこには……

 

「くそ、やっぱりあいつらもいるか!」

 

「我らが神に仇なす愚か者どもよ。裁きの時だ!」

 

 大天使の姿をしたシャドウたちが襲い掛かってきた。

 

「畜生、こいつらに構っている時間はねーってのに!」

 

「さっさとなます切りにして行くぞ」

 

「それが一番いいわね、ペルソナ!」

 

 全員で臨戦態勢となったそのとき

 

「エラ!」

 

 剣の舞がシャドウを襲う。

 

「ぐあっ」

 

「あいつが転んだ!」

 

「ヴァイオレット!」

 

「ここは任せて先に行ってください! 先輩!」

 

「だけど、一人じゃ……」

 

「彼女は一人じゃないよ」

 

「丸喜先生!」

 

「やあ、久しぶりだね、みんな」

 

「どうしてここに?」

 

「というか大丈夫も何もあんた戦えなさそうだけどどういうこと?」

 

「確かに今は君たちみたいに戦えない。だけど、その代わり一人だけ認知上の存在をなんとか連れてこれたよ。さあ、暴れておいで」

 

「お前に指図されたくない、俺は勝手に暴れるだけだ! ヴァイオレット、俺の足を引っ張るなよ!」

 

「クロウ!」

 

「おう!」

 

 神の炎を表したシャドウが怪盗団を行かせまいと襲いかかってきた。そこでクロウとジョーカーが前に出た。

 

「ジョーカー! 俺の動きに合わせろ!」

 

「……ふっ」

 

「うおあああああ!」

 

 狂戦士となったクロウを後にし、ジョーカーはワイヤーで前に出る。

 

「行けっ!」

 

 ジョーカーの一撃で隙が出来たところにクロウが突っ込む。

 

「俺に指図をするなああああああ!」

 

 シャドウを滅多切りにしたあとジョーカーは無言で銃を放ち、シャドウを処理した。

 

「あのシャドウを一撃で……!」

 

「だがあと3体……」

 

「来るぞ!」

 

 残りのシャドウが襲い掛かってきたが

 

「お前ら目ざわりだ! ヘリワード!」

 

 クロウが残りのシャドウを万能属性の攻撃で怯ませた。

 

「さっさと行けよ、ジョーカー。それとも俺じゃ力不足とか思ってるのか?」

 

「いや、役不足なぐらいだ」

 

「先に行ってください!」

 

「ああ、ヴァイオレット、クロウ。ここは任せる」

 

「お前ら今だ! 行くぞ!」

 

 二人を背にして怪盗団は一気に神殿を駆け上がっていった。こうして怪盗団は悪神がいる最深部にたどり着いた。

 

 

 ー旧聖杯の間ー

 

 かつて統制の神がいた跡地にやつはいた。檻ではなくモニターが複数ある空間となっており、その中央に佇んでいた。

 

「ふむ、来たか怪盗団。相変わらず愚かな連中だ」

 

「相変わらずなのはどっちなのよ」

 

「もはやかける言葉もない」

 

 パンサーもフォックスも呆れている。だが悪神はおかまいなしに話を続ける。

 

「我はアルコーン。力が満ちた我にとってもうこの世界はわが手中に堕ちたも同然。抵抗は無駄だ」

 

「もういいぜ。話が通じないってのは昔からだろ」

 

「よし! お前ら、行くぞ!」

 

「ペルソナ!」

 

 ジョーカーのペルソナで全員を強化した。

 

「おう! 続くぜ! ペルソナ!」

 

 スカルのペルソナで全員の物理攻撃の威力が上がった。

 

「私も! ペルソナ!」

 

 パンサーのペルソナで全員の魔法攻撃の威力が上がった。

 

「愚かなことよ」

 

 怪盗団の動きを察知して姿を変えた悪神。正体を現した悪神の姿はかつての統制の神とよく似ていた。そして、気づけば舞台は天空になっていた。

 

「くっ、揺れて身動きが……」

 

 そこに閃光が飛んできた。

 

「ジョーカー!」

 

 スカル・パンサー・モナの3人がジョーカーを庇った。

 

「しまった! みんな様子がおかしくなっちゃった!」

 

「任せて! ペールーソーナー!」

 

 ノワールのペルソナで3人の状態異常を直した。

 

「すまない、ノワール。助かった。次はワガハイだ! ディエゴ!」

 

 モナのペルソナで全員の体力が全快になった。

 

「守ってばっかじゃ勝てないわ! アグネス!」

 

 クイーンが核熱の攻撃を放つ。

 

「セレスティーヌ!」

 

 パンサーが火炎の攻撃を放つ。

 

「ゴロキチ!」

 

 フォックスが氷結の攻撃を放つ。

 

「ウィリアム!」

 

 スカルが電撃の攻撃を放つ。

 

「ルーシー!」

 

 ノワールが念動の攻撃を放つ。

 

「アルセーヌ!」

 

 ジョーカーが呪怨の攻撃を放つ。

 

「ぐうっ……目障りだ」

 

 悪神は反撃する。

 

「きゃっ!」

 

「危ない!」

 

 ナビのサポートで間一髪全滅を免れた。

 

「助かったわ、ナビ」

 

「そんなん後で後で!」

 

「ああ、そうだな!」

 

「まだまだこんなもんじゃねえよな! 行くぞお前ら!」

 

 この後も怪盗団の攻撃で着実にダメージがためられていった。そして……

 

「さあ、いくぞ! サタナエル!」

 

 サタナエルを召喚したが……

 

「大きさが違う! なんでこんなに小さいの?」

 

「昔のような力がない……そうか、そもそもこの世界はかつての大衆の認知に似て非なる場所。民衆の心を盗んだ時のような力が発揮できないのも納得がいく!」

 

「そんな!」

 

(……くっ、あのときの技が使えない!)

 

「なら、至高の魔……」

 

「忌々しいそやつの姿は……消え去れい!」

 

 ジョーカーに閃光が直撃した。

 

「ジョーカー!!」

 

「あの位置はまずい、ジョーカー!」

 

「くっ……!」

 

「まずい! 足場が崩れてるよ!」

 

「畜生! 間に合え!!」

 

「ジョーカー!」

 

「間に合って!」

 

(すまない、みんな……)

 

 みんなの想いは届かずジョーカーは気を失ったまま落ちていった。

 

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