アイドルマスターシャイニーカラーズ×ペルソナ5   作:フルーヴ

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Caution!:このストーリーにはペルソナ5(R+S)の重大なネタバレになりうる要素があります。未プレイの人はいますぐプレイしましょう。あと、真乃ちゃんのプロデュースをしたことがない人もいますぐプロデュースしましょう。かわいいので。



心の怪盗団と283プロ

 あらすじ:オーディションに落ちたことで悪神アルコーンが現れ世界が奪われてしまった。世界を取り戻すために怪盗団およびその協力者たちは戦いを挑んだがその戦いで攻撃を受けたジョーカーは天空から地上へと落ちて行くのであった……

 

 

 ー旧聖杯の間ー

 

「畜生! ワガハイが行く! もしかしたらまたヘリになれるかもしれねえ!」

 

「モナ!」

 

「おい、待て!」

 

 モナは落ちたジョーカーを追って飛び出していった。

 

「自ら死に急ぐとは」

 

 悪神がモルガナの行動を嘲る。

 

「あいつらの心配はいらない。俺は信じている」

 

「リーダーもモナもそんなやわじゃないんだから!」

 

「みんな、ジョーカーが帰ってくるまでに体制を整えるのよ!」

 

 

 落ちていったジョーカーを追いかけていったモルガナは何とか追いつこうとしていた。

 

「ジョーカー!!! モルガナへんし──ーん!!」

 

 しかし、姿が変わることはなかった。

 

「ちくしょ──! 仕方ねえ! とりあえず回復だ、ディエゴ!!」

 

 ディエゴの癒しの力でジョーカーの傷が治る。

 

「うぅ……」

 

「起きろジョーカー! 時間がないからよく聞け!」

 

「……モナ?」

 

「今から地面に叩きつけられる前にワガハイが車になる! それをクッションにしろ!」

 

「……!」

 

「へっ、お前をかばって死ねるなら本望だぜ」

 

「いや全員で帰るぞ、モナ! はっ!」

 

 ワイヤーを近くの壁にひっかける。だが勢いは収まらない。

 

「ばかやろう! その程度じゃ」

 

「ぐっ……アルセーヌ! エイガオン!」

 

 ジョーカーはアルセーヌを召喚し呪怨の呪文を地面に向かって唱えた。ジョーカーの体が一瞬だが浮き上がりなんとか二人とも生きたまま地上に立った。

 

「はあ……はあ……」

 

「なんてやつだ、ジョーカー、さすがだ!」

 

「モナが回復していなかったら危なかった」

 

「まあワガハイのおかげでもあるな、貸しにしといてやるぜ。それよりも……」

 

 ジョーカーたちは元いた場所を見上げる。先ほどまで戦っていた舞台は非常に高い位置にあった。

 

「とりあえず上まで走るしかねえ」

 

「ああ」

 

 骨のような地面を上り、限界まで達したジョーカーたち。だがそれでもまともな行動じゃ届きそうにない。

 

「一応ひっかけられそうなところはあるが……」

 

「そんな時間はねえぞ! モルガナ、へんしーん!!」

 

 しかし、ヘリコプターの姿にはなれなかった。

 

「ちくしょー! このままじゃまずいぞ! なんとか方法を! ワガハイに鳥みたいな翼があれば!」

 

「翼……? そうか! 行くぞ、モルガナ!」

 

「は? お、おい!」

 

「今、思いついたことがある。それを実行する! アルセーヌ! 行くぞ!」

 

 ジョーカーはモルガナの発言で気づいた。アルセーヌには自由を象徴する翼があることを。そしてそれを活用できないかと。

 

「ペルソナで空を飛べた?!」

 

「つばさがあるだろ?」

 

「今のお前らしいな!」

 

 ジョーカーが落ちてからしばらくしてナビがジョーカーらしき反応をキャッチする。

 

「帰ってきた!」

 

「よかった……」

 

「へっ、心配かけやがって」

 

 だが悪神もその存在を把握していた。

 

「させぬ」

 

 それゆえ帰還の妨害を試みた。しかし、

 

「うるさい!」

 

「邪魔はさせん!」

 

「一斉攻撃だ! 撃て撃て!」

 

「おっしゃあ! 撃つぜ!」

 

 怪盗団による一斉射撃が始まった。決定打にはならないが動きを止めるには十分だった。

 

 一方、空を飛ぶジョーカーたちはあることに気づいた。

 

「おい、ぎりぎり届かないんじゃないか?」

 

「ワイヤーで……つかまれそうなところがない!」

 

「ジョーカー! つかまって!」

 

 ナビがアルアジフで助けにきた。ナビはアルアジフの中から手を伸ばし、その手をジョーカーは掴んだ。

 

「ありがとう、ナビ」

 

「さすがに持たないから早く戻って!」

 

「ああ」

 

 こうしてなんとか帰ってきたジョーカー。しかし着いた途端片膝を突いてしまった。

 

「くっ……はぁ……はぁ……」

 

(さっきのでだいぶ消耗しちまったな。力をほとんど使い果たしたみたいだ)

 

「大丈夫か? 回復薬ぶちこむぜ!」

 

「ナイスだスカル! お前ら! ジョーカーの力が戻るまでなんとかもちこたえるんだ!」

 

 

 

 ーメメントス跡ー

 

「我以外の大天使をしとめるとは大した奴らだ。だが、主の方は決着がつきそうだがな」

 

「先輩!!!」

 

「ちぃ! 何してやがる!」

 

「大丈夫かい……雨宮君。一体どういうことなんだ」

 

 

 

 ー283プロダクションー

 

「さて。こっちはある程度片付いたな……加勢に向かうか、ソフィー? ……どうした?」

 

「一ノ瀬、ジョーカーが危ない。なんとかできないか?」

 

「……! プロデューサーさま……!」

 

「何だって! 本当だ、どうやら本来の力が発揮できていないようだね」

 

「あいつがそんなんじゃこっちが片付いても意味ねーじゃねえか! どうしてなんだ」

 

「待ってて……どうやら、原因が人々の認知じゃないってことみたいだ。つまり、この世界は私たちが考えているものとちょっと違うみたいだね」

 

「似た世界でも全てが一緒というわけではないか……くそっどうすりゃいいんだ」

 

 そこにあさひが近づいてきた。

 

「あの、一ノ瀬さん」

 

「どうしたんだい、天才少女?」

 

「どうしてこんな世界になったんっすか?」

 

「それは……」

 

 一ノ瀬たちはあさひの疑問に答えることができなかった。そもそもどうしてこんな世界が急に出てきたんだろう、その理由がわからなかった。そこにはづきがやってきた。

 

「あの……みなさん、さきほど事務所のプリンターからこんなものが……」

 

 はづきが差し出したのは

 

「……!」

 

「これって……!」

 

「もしかして……!」

 

「予告状!!」

 

 そこにはこう書かれていた。

 

 283プロダクションに所属する25名のアイドルたち、あなた方は大罪を犯した

 人々に希望を与える偶像が今や絶望の渦の中 己が意義を見失いつつある

 よって我々がその『歪んだ欲望』を根こそぎ奪い取る

 我々は心の怪盗団

 結果あなた方は再び立ち上がるだろう

 人々に希望を与える姿を再び見せるために

 

 心の怪盗団ザ・ファントムより

 

「私たちの『歪んだ欲望』……?」

 

 真乃が疑問に思う。怪盗団の言う歪んだ欲望とは一体何かと。

 

「……さきほど、ラヴェンツァさんが言っていました。こんなことになってしまったのは『アイドルの』絶望が原因だと。きっとそのことを言ってるんだと思います」

 

「……! もしかしたら……この前の……」

 

「オーディションの結果!!!」

 

「負けちゃってみんな落ち込んじゃってた……」

 

「……でもそれだけでこんなことになるはずない。この前の失敗だけじゃないと思うわ」

 

「もしかしたらずっと前からだったんじゃ……?」

 

 アイドルたちが様々に感想を述べるなか、一ノ瀬は理解したのか結論を下す。

 

「なるほどなるほど……ってことはことの原因は君らか! だからこの辺で変な反応があったんだね!」

 

「おいおい、言い方ってもんがあるだろ……」

 

 ウルフがフォローするが時すでに遅し。しかし、そんなことおかまいなしにあさひが口を開いた。

 

「じゃあ、わたしたちに原因があるなら、わたしたちに何かできるんじゃないっすか?」

 

 一同はその提案に驚愕した。

 

「しかし……そうであったとしても何をすれば……」

 

 はづきはどうすればいいかわからなくなっている。そこでソフィーが提案した。

 

「じゃあ、逆のことをしてみたらどうだ? アイドルの希望を贈るんだ。ジョーカーに」

 

 これもまた驚くべき提案だった。

 

「その手があったか、ソフィア! でもどうやって……」

 

「私たちが希望を与える方法……」

 

 そこで果穂が閃いた。

 

「そうだ! みなさん、今から283プロ合同ライブをしましょう!!」

 

 純粋で突拍子もない発言ではあったがみんな納得の表情を浮かべている。

 

「そうか、私たちはライブを通じてファンの人に希望を送っている」

 

「……! それならプロデューサーさんを助けられる?」

 

「やるっきゃないね」

 

「やりましょう!」

 

「うん!」

 

 アイドル全員は何をするかという方針が定まった。しかし、問題はまだある。

 

「でも場所は?」

 

「そうそう、準備とかどーすんの? そんなすぐできないよね?」

 

 美琴と愛依が最大の問題をぶつける。そこで社長が口を開いた。

 

「実は今度、合同ライブをしようと思っていた場所がある。きっとこの時間なら私の力で何とか使えるようになるはずだ。ぶっつけ本番になるが大丈夫だな、お前たち」

 

「裏方なら私に任せてください~」

 

「はい! ありがとうございます!」

 

 どうやら問題はなんとかなり、方針が定まった。

 

「決まったようだな。じゃあ俺たちが同行するぜ」

 

「シャドウは任せろ。お前たちには指一本触れさせない」

 

 ▽▽▽

 

 ー旧聖杯の間ー

 

「ほう、何やら無駄なことをしているな。まだ立ち上がれるとは」

 

「何を言っている?」

 

「見せてやろう。その目で今度こそアイドルたちが絶望に堕ちる様を見届けるがよい」

 

 無数にあるモニターにアイドルたちの様子が映った。

 

「あれはライブか? どうして?!」

 

「……こんなときにソフィーたちが無駄なことをさせるわけがない。一体何の目的があるんだ……?」

 

 

 

 

 ーライブ会場ー

 

 即興のライブのはずだが既に人が集まっていた。

 

「……不思議です。どうして人が集まっているんでしょうか?」

 

「私がやった。さっきあらかじめライブの会場を教えてもらったときにその場所でライブがあることを事務所のPCから宣伝しておいたぞ。この世界を認知している者のスマホは機能してなかったから少し苦労した」

 

「さすがソフィアだ! 偉いぞ!」

 

 そんな風にソフィアが一ノ瀬に褒められているとき、はづきは急いで動き回っていた。しかし、とある問題が発生していた。

 

「すみません、衣装がこれしか用意できませんでした。照明さんや音響さんには急遽来てもらえましたが……」

 

「この衣装は……」

 

「そうだね、この衣装からわたしたちは始まったんだよね……」

 

 283プロに入ってすぐの研修生すなわち”白いツバサ”であった時に着ていた衣装しか今は手元になかったようだ。

 

 衣装は最初の衣装しかない283プロ、しかし時間になったのでライブが始まった。

 

『Spread the Wings!』

 

 つばさを広げて……

 

 

 曲が始まると同時にウルフはあることに気づいた。

 

「ん? あれはシャドウか?! あんなところに、畜生!」

 

「まて、ウルフ。どうやら少し違うみたいだ」

 

 ためしにソフィーはヨーヨーを当ててみたが反応がない。

 

「なんてことだ。いったいどうすりゃいいんだ?」

 

「あれはアイドルたちの敵みたいだ。あいつらがなんとかするしかない」

 

「じゃあ、ソフィアたちは待機だ。なぜかシャドウの群れは減ってるけど準備しているにこしたことはないよ」

 

「了解した。敵さんが来るとしたら……」

 

「あそこだ。ウルフ」

 

「OKだ、ソフィー」

 

 

 舞台の上のアイドルたちは合同ライブに現れた審査員に困惑していた。観客はどうやら認知していないらしい。

 

(この人たちは審査員さん? どうして合同ライブに……?)

 

 この人たちは私たちの歌やダンス、ビジュアルにいつものようにケチをつけてくる。

 

 なんとか一曲目は終えることができ、全員が一旦舞台袖に戻ってきた。しかし……

 

「いつもより、ずっと厳しい……メンタル……持たない……」

 

「やっぱりわたしたちじゃ……」

 

「そんな、プロデューサー……」

 

 度重なるシャドウ審査員の口撃でアイドルたちのメンタルは折れかかっていた。だがここで恋鐘の声が響いた。

 

「みんな何しとる! 諦めたらいかん! プロデューサーが頑張って戦ってるばい! ここでうちらが折れたらプロデューサーが負けてしまうばい! うちらはアイドルやけん! 笑顔じゃなかいかん!」

 

「恋鐘ちゃん……プロデューサーさん……うん、頑張ろう!」

 

「そうだね、こがたんの言う通り!」

 

「私たちが折れちゃプロデューサーに顔向けできないね」

 

 恋鐘の叱咤によってみんな持ち直したようだ。

 

「このままやられっぱなしなのも癪だからねー。じゃあ次行ってみよーか、チームルナ行くよー」

 

『リフレクトサイン』

 

 

「チームソル、行くわよ!」

 

『SOLOR WAY』

 

 

「チームステラ行きます!」

 

『プラニスフィア~planisphere~』

 

 

「次は全員で」

 

『Dye the sky』

 

 

 ここにきて審査員の口撃が激しくなった。

 

(まだ……諦められないよ!)

 

 アイドルたちのプロ根性が発動するなか、とある言葉がかけられた。

 

「からっぽです。何も感じません」

 

「ダメダメね! かわいくないわ!」

 

「歌詞が違う……がっかりです」

 

 アイドルたちのメンタルを折るために何気なく発したこの言葉であった。しかし……

 

(トレーナーさんがしっかり考えてくれたダンスを……)

 

(はづきさんがみんなのために頑張ってくれたメイクを、衣装を……)

 

 バカにするなんて。

 

(そして、なによりもPたんが大好きな283プロの歌を……みんなの曲の歌詞を……)

 

(私たちが間違えるわけがない)

 

 アイドルたちの中で何かが切れた。何気ない言葉によってアイドルたちに叛逆の意思が宿った。現れた仮面を外し、”白いツバサ”の姿から瞬時に各々の衣装に変わった彼女たちはもう折れない。

 

 

 限界なんて本当はどこにもない! 

 

 

 シャドウ審査員はこの曲のパフォーマンスで満足しきったようだ。

 

「シャドウ、消滅確認」

 

「すげえ……一体どういうことなんだ……?」

 

「わからないけど彼らだいぶ満足していたみたいだね」

 

「あの姿は一体……?」

 

 

 ー旧聖杯の間ー

 

「なんだと……?! 馬鹿な?!」

 

「お、おい……あれって……」

 

「間違いねえ、怪盗服だ!」

 

「ということは彼女たちペルソナを?」

 

「しかし、覚醒時の怒りを表に出さずにペルソナ能力を発現させるとは彼女たちなかなかやるじゃないか」

 

「だが、そのせいかやや不完全のようだ」

 

 そのとき銃声がした。

 

「ふん。そんな不意打ちが通用すると思ったのか?」

 

「ジョーカー?」

 

「あの子たちはもう大丈夫だ。これで異世界の歪みに飲み込まれることはないだろう。さあ、俺たちの仕事をするぞ!」

 

「だな!」

 

「あの子たちが頑張ってるのに私たちが頑張らないでどうするって感じだもんね!」

 

「絶対勝たなきゃ!」

 

「さあ、みんな注意しろよ! 来るよ!」

 

 

 ーライブ会場ー

 

 休憩中舞台袖にて自身の姿が変わったことにアイドルたちは困惑していた。

 

「どういうことだ? 服装が一気に変わったぞ」

 

「原因はわからないわ。だけど、一つのパフォーマンスとしてファンの方々は捉えているみたい」

 

「いいじゃん、これ」

 

「あは~、雛菜この服好き~!」

 

「美琴さん! 休憩終わり一番最初にがつんと行っちゃいましょう!」

 

「そうだね。じゃあ、私たち、最初に行ってくるね」

 

「はい! 美琴さん! にちかちゃん!」

 

 

 SHHisで『Oh my god』

 

 

「じゃあ私たち行ってくるっす~!」

 

「ふゆたちの魅力を伝えられるよう頑張ります!」

 

「さあ……行くよ……!」

 

「ストレイライト!」

 

 ストレイライトの『Wandering Dream Chaser』

 

 

「次は……甜花たちの出番……!」

 

「ええ……行きましょう!」

 

「見ててね……プロデューサーさん!」

 

 アルストロメリアの『アルストロメリア』

 

 

「さあ、次に行きましょう!」

 

「よし! 行くぜ!」

 

「行きましょう! ファンのみんなが待ってくれてます!」

 

「藁人形も見守ってくれています……」

 

「放課後クライマックスガールズ出動!」

 

 

 放課後クライマックスガールズの『夢咲きAfter school』

 

 

「あー、もしかして次って私たち?」

 

「ん」

 

「うん!」

 

「あは~、楽しみ~!」

 

 

 ノクチル『いつだって僕らは』

 

 

「次、わたしたち行こう……!」

 

「ああ、もちろんさ」

 

「あー、でもあれやらなきゃね」

 

「そうだねー、恋鐘ー?」

 

「行くばーい! せーの!」

 

「アンティーカ!」

 

 アンティーカ『バベルシティ・グレイス』

 

 

「さあ! 行こう! 真乃、めぐる!」

 

「うん! 楽しもうね! 灯織、真乃!」

 

「うん! 頑張ろう! めぐるちゃん、灯織ちゃん!」

 

 

 イルミネーションスターズの『ヒカリのdestination』

 

 

 各ユニットのパフォーマンスが終わったあと次の2曲で最後となる。

 

『multicolored sky』

『なんどでも笑おう』

 

 徐々にエネルギーが溜まる。

 

「これなら行けるよ! みんな! もう少しだ!」

 

 そして響きわたるEncore。加えて3曲。

 

『Ambitious Eve』

『シャイノグラフィー』

『Resonance+』

 

 これで全てのセットリストが終了した。

 

「みんな~、今日はありがとう! 楽しかったー? もう終わるなんてわたし寂しいな~」

 

「即興のライブでしたが楽しんでいただけたなら幸いです!」

 

「それではみなさん、せーの!」

 

「ありがとうございました!」

 

 聞くまでもなくライブは大成功だった。そして、希望のエネルギーは満ち溢れた。

 

 

 ー旧聖杯の間ー

 

「くっ!」

 

「さあとどめだ」

 

「させるかよ!」

 

「くそう……打開策が見当たらねえ……」

 

「だけど、必ず活路はあるはず!」

 

 怪盗団は全員食いしばっている。そろそろ限界だ。

 

「無様だな怪盗団。まだ足掻くというのか」

 

「うっさい!」

 

「諦めの悪さもこちらの美点でな」

 

「ふはははははは! そうだったな、怪盗団。ではその信念を折らせてもらおう……む……?」

 

 そこで、モニターに映像が再び映った。

 

『これがうちらの全力ばい! プロデューサー!』

 

『プロデューサーさん! これがあたしたちの全力です!!』

 

『負けないで! プロデューサーさん!』

 

『待ってるから。私たち』

 

『プロデューサーさん、頑張るっすよ!』

 

『早く終わらせちゃってください! プロデューサーさん!』

 

『これが私たちの最高の笑顔です! プロデューサーさんに届いてください!』

 

「!」

 

「なんだこれは……?」

 

「……? 何か来る?」

 

 ーライブ会場ー

 

 ライブを終えて希望の力が放たれた、同時にそれを阻止せんと大きな機械天使の姿をしたシャドウが入ってきた。

 

「させはしない……」

 

 だが、絶望から産まれたこのシャドウはアイドルたちの希望の力に勝てるわけがなかった。シャドウは体を弾かれた。

 

「ぐはっ!」

 

「まあ、この世界で産まれたならその力に勝つのは無理だよね」

 

「おのれ……なら元凶を絶つまで」

 

 シャドウがアイドルたちに直接攻撃をしてきた! 万事休すかと思われたそのとき、

 

「そう来ると思ったぜ! バルジャン!」

 

「アイドルたちの邪魔をするな。パンドラ!」

 

 ウルフとソフィーがSHOW TIMEを発動した。

 

「憐れな……人間どもめ……」

 

「へっ、ちょろいもんだぜ」

 

「おつとめごくろうさん。私たちのできることはここまでのようだ」

 

「ああ、あとは彼らに任せておこう」

 

 シャドウを消滅させアイドル達への被害を未然に防いだウルフとソフィー。彼らの活躍によって、アイドルたちの力が無事ジョーカーに向かって放たれた。

 

 

 

 ーメメントス跡ー

 

(……? すごい力が来る)

 

「まさか……行かせてたまるか!」

 

 シャドウは大きな力に気づき止めようとしている。それに丸喜は気づいた。

 

「ここでやつをしとめるんだ! その力を雨宮君に届けなければ彼は負けてしまう!」

 

「わかりました! エラ!」

 

「俺に指図するな! ヘリワード!」

 

 エラとヘリワードは同時に強力な攻撃をしかける。特大の物理攻撃が2回と超特大の万能属性攻撃がシャドウを襲った。

 

「ぐっ、貴様ら! ……っ?!」

 

 触手のようなものが絡まり、シャドウの動きを止めた。

 

「さあ、今だ!」

 

「はい!」

 

「いくぞ! 殴れ、斬れ、撃て、殺せ!」

 

 二人の総攻撃がヒット。

 

「主よ……」

 

 シャドウは消え去った。

 

「はぁ、はぁ……ようやく片付いたか」

 

「……あれ、芳澤さん、どこに?」

 

「私も先輩たちに加勢しに行きます!」

 

 ヴァイオレットは走っていった。

 

「……君は行かなくていいのかい?」

 

「俺の役目はもう終わりだ。そういう契約だろう?」

 

「そうだったね。じゃあ、後は彼らに任せようか。……頼んだよ、雨宮君」

 

 

 ー旧聖杯の間ー

 

 届いた力は虹色の光となりジョーカーを包み込んだ。

 

「……! これが、みんなの力か……!」

 

(真乃、灯織、めぐる、恋鐘、摩美々、咲耶、結華、霧子、果穂、智代子、樹里、凛世、夏葉、甘奈、甜花、千雪、あさひ、冬優子、愛依、透、円香、小糸、雛菜、にちか、美琴……)

 

(俺はもう負けない!)

 

「なるほど、アイドルから生まれた絶望は希望で塗り替えちまえばいいんだ! ジョーカー動けるか?! ……ジョーカー?」

 

(……?)

 

 ジョーカーの中でペルソナが語りかけてきた

 

『我は汝、汝は我』

 

『今こそ、己が秘奥の力見せるとき』

 

(力が溢れてくる……!)

 

 アルセーヌとサタナエルが融合し新たな仮面となる。

 

(俺は知っている、この仮面(ペルソナ)の名を!)

 

「終わらせるぞ、ラウール!」

 

「すげえ、姿が変わった!」

 

「ペルソナが進化した!」

 

「パワーアップだね!」

 

「すごい力だ! これなら勝てる!」

 

「させぬ」

 

 悪神は巨大なシャドウを呼び出した! 巨大なシャドウは次々とシャドウを呼び出している。

 

「野郎! まだこんな力があったのか!」

 

「くそ、これじゃ近寄れねえ! せめてあのでかいのさえ倒せれば……」

 

「任せろ! ペルソナ!」

 

 ジョーカーがペルソナの力を解放すると大きな月の幻影が現れる。その後、大量のシャドウたちの動きが止まった。

 

「すごい! 一気に睡眠状態になったわ!」

 

「先輩!」

 

「ヴァイオレット!」

 

「私が倒します!」

 

「俺がサポートしよう、ペルソナ!」

 

「アグネス! あなたもお願い!」

 

 ゴロキチのスキルによって全員の能力が上がり、アグネスのスキルによってシャドウたちの能力が下がった。

 

「ありがとうございます! 先輩、私を上空に!」

 

「ああ! 行くぞ!」

 

 SHOWTIME! 

 

 ワイヤーで空に飛びあがったヴァイオレットとジョーカー。ジョーカーが銃を乱射したあと、ヴァイオレットたちが追撃し、巨大なシャドウをしとめた。

 

「ポーズも忘れずに……ってそんなことしてる場合じゃないですよ!」

 

「貴様!」

 

「攻撃してきた! ヴァイオレット避けて!」

 

「!」

 

「いけない! ルーシー!」

 

 全ての攻撃を反射するバリアでヴァイオレットは守られた。

 

「おのれ、小癪な人間どもよ。まだそのような力が残っていたとは」

 

「はんっ! ワガハイたちの限界を勝手に見定められちゃ困るぜ!」

 

 ディエゴがたくさんパンチを繰り出している。

 

「お前はもう黙っときな!」

 

 ウィリアムが巨大な手で攻撃する。

 

「醜いお前はもう要らない!」

 

 ゴロキチが切り捨てる。

 

「リーダーの邪魔すんじゃないわよ!」

 

 セレスティーヌが燃やし尽くす。

 

「いいぞ! 動きが止まった!」

 

 怪盗団の総攻撃でジョーカーが攻撃できるチャンスができた。

 

「とどめだ、ジョーカー!」

 

「いっけー! ジョーカー!」

 

「有終の美を飾ろう、ジョーカー!」

 

「今よ、ジョーカー!」

 

「ジョーカー、頑張って!」

 

「先輩!」

 

「いけえ、ジョーカー! ワガハイたちの全てを託すぜ!」

 

「ジョーカー、前のやつと同じ場所が弱点だよ!」

 

「わかった」

 

「馬鹿な! こんなことは、ありえん!」

 

 ジョーカーはワイヤーで悪神の近くまで飛んでいき、そして言い放った。

 

「失せろ」

 

 かつて、サタナエルが放った「大罪の徹甲弾」に似たものをラウールも放った。

 

(これは283プロみんなの力だ……)

 

 その弾丸は悪神を貫いた。これが決定打となった。

 

 崩れかけた悪神は最期に呟いた。

 

「何故だ。何故勝てないのだ。力を得た我もやつらと同じように滅びるというのか……おのれ、トリックスターめ……またしても……」

 

 こうして悪神は滅び、怪盗団はまた世界を取り戻した。

 

 

 ▽▽▽

 

「ふぅ~、一仕事終わったな」

 

「疲れた~、やっぱ昔みたいにはいかないね」

 

「まさか、こんな会話をすることになるとはな」

 

「本当、そうだね」

 

「みんなおつかれさん! ルブランでなんか食べてく?」

 

「あ! いいですね! それ!」

 

「打ち上げってこと? 何だか懐かしいわね」

 

「ああ! 久しぶりに打ち上げか! いいな!」

 

「……」

 

「どうした? ジョーカー……ああ、そうか」

 

「っと打ち上げは今度にしようぜ、どうやらリーダーにはまだ一仕事ありそうだしな! 西城によろしくな!」

 

「そうだね! 早くいってあげなよ! 甘奈ちゃんきっと待ってるよ?」

 

「八宮さんたちが待ってるんだろう。待たせると悪いぞ」

 

「そうね。待たせるのは私たちだけでいいわよ。灯織さんによろしく」

 

「うむ、私たちはいつでも会えるしな! 早く結華たちに会いに行ってやれ!」

 

「久しぶりに戦ったから今日は疲れちゃった。夏葉ちゃんや放クラのみんなによろしくね」

 

「チョコちゃんやにちかちゃんにちゃんと無事だってこと教えてあげてください!」

 

「みんな……」

 

「さあ、ワガハイがいつ猫の姿になるかわからん、急ぐぞ!」

 

「ありがとう! みんな、打ち上げは明日の午後6時、ルブランで!!」

 

「おう!」

 

 ジョーカーとモナは走っていった。

 

 ーメメントス跡ー

 

「よしここらへんからならいいだろう、変身!」

 

「今度は人がいないからずいぶん広そうだ」

 

「クロウ! 今回も助けられた」

 

「まあ、気にしなくていいよ。どうやら俺は認知上の存在らしいからな」

 

「……そうだったな。丸喜は?」

 

「さあ? 気づいたらいなくなっていたな。……俺に構ってていいのか? 早くあの素直じゃない子に会いに行きなよ」

 

「……ああ、そうする」

 

(そうか……あのときも……)

 

「なにもたもたしてんだ! 早く乗れ!」

 

「すまない。……じゃあな、クロウ」

 

「ふん……じゃあな。ジョーカー」

 

 ジョーカーはモルガナカーに乗り込んで急いで事務所に向かった。

 

「たまには車で通勤もいいんじゃないか?」

 

「今度買おうかな?」

 

「いいと思います。私、気に入りました」

 

「ラ、ラヴェンツァ殿。どうなされたのですか?」

 

「いえ、私も車に乗ってみたかったのです。ふふっ、もふもふで気持ちいいですよ、モルガナ」

 

「気に入っていただけたのなら幸いです」

 

「そうか。安全運転を心がける」

 

「いや、多少は急げ!」

 

「ふふ、つかの間のドライブとしましょう」

 

 ちょうど事務所の近くで変身は解けた。

 

「どうやらここまでのようだ。ワガハイは屋上で待ってるぞ」

 

「ああ、ありがとう」

 

「おお、蓮じゃないか。おつかれさん」

 

「善吉、今日はありがとう」

 

「気にするな。だが、ペルソナを使うのはもうこりごりだぜ」

 

「まあそういわず。……ソフィアも一ノ瀬もありがとう」

 

「あれ? 気づいてたのかい?」

 

「蓮。おつかれさまだ」

 

「待たせてるんじゃないの? 早くいってあげないと」

 

「そうだな。じゃあ、最後に。明日の午後6時、ルブランで打ち上げだ。参加してくれるよな?」

 

「おう、行けたら行くわ」

 

「……」

 

「なんだよ、その目! わかったわかった、行くから! これでいいだろう?」

 

「みんないるんだろ? じゃあ私は行くぞ。な、一ノ瀬」

 

「わかったよ、ソフィア」

 

「ありがとう。待ってる」

 

 次いで事務所の階段の前に青い扉が現れた。

 

「トリックスター。少しだけ時間を頂いていいでしょうか」

 

 

 ーベルベットルームー

 

「まずはおめでとうございます。そしてあなたが世界を再び救ってくれたことに感謝します。さらに、あなたの最後のアルカナ、『世界』にどうやら変化が訪れたようです」

 

『世界』のアルカナをかざすと見たことのある文様が。これは……

 

「それはあなたもご存じの283プロの文様です。ふふっ、あなたが守りたい世界にふさわしいアルカナとなりましたね。彼女たちと日々新たな希望を探し、そして多くの人を導いていってください」

 

 そしてラヴェンツァは青い蝶の姿になった。

 

「では、私はこれで。最後に……大好きです、マイトリックスター。世界一の男よ」

 

 

 ▽▽▼

 

 

 283プロダクション事務所 Afternoon

 

 気づけばいつものスーツ姿だ。階段を上って、ドアを開けて、そしていつも通りの挨拶をする。

 

「ただいま戻りました!」

 

 

 

 おかえりなさい! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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