アイドルマスターシャイニーカラーズ×ペルソナ5 作:フルーヴ
Noon 体育教官室
「失礼します。ボール倉庫の鍵取りに来ましたー」
彼女は西城樹里、放課後クライマックスガールズの一人である。体育前の準備のために体育教官室に来たようだ。
「おう、ごくろうさん! ちょっと待ってろよ……」
今返事をしたのは坂本竜司。怪盗団の切り込み隊長。コードネームはスカル。現在はこの学校の非常勤体育教師で陸上部の副顧問もしているらしい。生徒からは親身になってくれる先生として評判で、特に男子生徒に人気がある。さすがに教師が金髪にするわけにはいかないので今は地毛である。
「そういえば、西城は髪染めてるよな?」
「……校則は違反してねーけど」
「そうじゃねえ。俺もちょうど西城ぐらいのときに金髪にしてたから、なつかしーって思ってたんだよ」
「先生が?」
「ああ、そうさ。意外か?」
「いや、ふつーにありそうかなって」
「……そんな風に見えてるのね俺。ほら、鍵だ」
「ありがとうございます。……そんなに気にしないでください」
「気にしてねーよ」
別の日……
Noon 体育教官室
「失礼します。ボール倉庫の鍵取りに来ましたー」
「おう、いつも真面目だな西城」
「いえいえ、そんなことないですよ」
「そういうとこだよ。ほら、鍵」
「ありがとうございます」
「しかし、西城は球技でいい動きしてるよな。何かやってたのか?」
「……えっとバスケやってました。今はやってないですけど」
「そうか。で、今はアイドルだっけ? ちゃんと両立できてるか?」
「はい、いろんな人の助けを借りて上手くやっていけてます」
「さすがだな、じゃあ体育の時間にな」
「はい。失礼します」
またまた別の日
Noon 体育教官室
「失礼します。ボール倉庫のカギを……」
「おー、西城。そこの机に置いてあるぞ。いつもお疲れさん」
「ありがとうございます」
「あまり元気がなさそうだな。大丈夫か?」
「いえ、そんなことは……失礼します」
「ふーん、何かあったら言えよ」
放課後
陸上部が休みのため竜司は帰ろうとしていた。ちょうどいい機会なので蓮を誘ってラーメンに行こうと思い、メッセージを送った。そしてその直後、体育館の裏の自販機近くで黄昏ている樹里を発見した。少し様子が変だったので声をかけることにした。
「よお、西城。どうしたんだ、こんなところで」
「坂本先生。いや別に大したことは……」
「……バスケに未練があるんだろ?」
「別にそんなことは……」
「俺もさ、西城のときぐらいに一回陸上辞めたことがあるんだよ」
「!」
「あのときは陸上以外に楽しいことがあるってわかったけど結局陸上が好きだってのは変わんなかった。というか未練たらたらだった。……今の西城に似た何かを感じたんだよ」
「……」
「じゃなきゃ、ドリブルの音が聞こえる体育館裏のベンチでわざわざ缶ジュース買って飲まねえよ」
「アタシは……」
「あ、わりぃ、無理に話させるつもりはねーから辛いならやめとけよ。じゃ、また……」
「待ってくれよ先生。アタシは確かに……」
そこから竜司は樹里がどうしてバスケを辞めたのかということを聞いた。シンパシーを感じたのか樹里はプロデューサー以上にこの件については話しやすかっただろう。
「なるほどな……そういう事情だったのか」
「だけどアタシは今アイドルやって楽しいんだ。いい仲間にも出会えたし」
「ははっ、大丈夫そうだな。俺もそうなんだ。ちょうど陸上やってなかったときに最高のダチに出会えて今でも遊んでるんだぜ。きっとお前のダチも俺らみたいな関係になるんだろうな」
「なんかそれを聞くと嬉しくなります。大人になってもか……いいですねそういうの」
「へへっ、いいだろ。今日、部活休みだから久しぶりに会おうと連絡してんだけど……返事ねえな……今日はダメっぽいわ。西城は今日何もないの?」
「いや、このあと打ち合わせがあります」
「そうか、じゃあがんばれよ! 応援してっからな! 俺は帰るわ」
「はい、さようなら先生。今日はありがとうございました」
「あいよ、今度機会があれば俺のダチ紹介するな!」
そう言って竜司は帰っていった。
数日後……
Night
樹里は仕事帰りに街を歩いていた。
(少し遅くなっちまったな、寮母さんに連絡しないと……)
スマホを取り出そうとしたとき目を疑うようなことが起きていた。
(坂本先生と、プロデューサー? どうして一緒に歩いてるんだ?)
そして、竜司が樹里に気づいた。
「お、あそこに俺の教え子がいるわ。ちょい話しかけてきていいか?」
「ああ、もちろん。……え?」
「おーい! 西城!」
「坂本先生! とプロデューサー……」
「樹里……」
「え、知り合い? お前ら。というか今プロデューサーって……あっ……」
「ええっと、坂本先生。もしかして前言ってたダチって……」
「おう、こいつのことよ! な、蓮!」
「ああ。確かにそうだが……こんなことがあるんだな……」
「アタシもびっくりしてる……」
「まあ、お前が西城と知り合いって聞いて少し驚いたけどちょうどいいや! 西城! お前もう飯食った?」
「いや、まだだけど……」
「俺たち今から荻窪のラーメン屋に行くつもりだったんだけど一緒に来ねーか?」
「いや、でも……」
「いいっていいって気にするな! 蓮もいいだろ?」
「俺はかまわないよ」
「プロデューサーがいいって言うなら……わかった、アタシもラーメン食べに行きたい!」
「しゃあ! じゃあ行くぞ!」
荻窪 ラーメン屋
「やっぱこれだよなあ、昔からずっと変わんねえわ」
「ああ、そうだな。樹里、遠慮せず食べていいぞ」
「え? そんな、悪いよ」
「遠慮すんな! 俺も奢って~レンレン」
「竜司はだめ。樹里は今日仕事頑張ってくれてただろうから。遅くなったけどお疲れ様、樹里」
「え~……」
「お、おう。じゃあ、遠慮なく奢ってもらうよ。サンキュー、プロデューサー」
食事後……
「ぷはぁ~美味かった! ごちそーさま!」
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでした」
「おいおい、俺が礼儀正しくないみたいじゃないか」
「竜司はそれでいいんじゃないか?」
「アタシもそう思うよ」
「おいおい、お前ら……」
「プロデューサーたちはこの後どうすんの?」
「てきとーにどっかでだべって帰るつもり。さすがに西城は早く帰ったほうがいいんじゃないか?」
「じゃあ、樹里は送っていこう。駄弁れる場所か、うーん。事務所?」
「さすがにそれは先生でもダメだろ……アタシは先生なら寮の近くまでなら送ってもらってもいいよ」
「じゃあ、送ったあと考えよう」
「おう!」
3人は樹里を寮まで送り届ける間も駄弁り続けた。
「なあ、西城は283プロじゃどうなんだ?」
「お、先生っぽいことしてるな」
「別にそういうのは担任の先生もあまりしないけどな」
「うるせー、ちょっと気になっただけだよ」
「んー、そうだな。樹里は本当に竜司に似て思いやりがあって優しいよ。特に仲間思いなところが本当によく似ている。放クラでも頼りになる存在だよ樹里は」
「……プロデューサー。恥ずかしいって……」♪ ☆彡
「おー、やっぱわかってんなー、蓮! 俺をそんな風に思ってたんだな! 慈母神のような蓮に言われるとやっぱ嬉しいわ! 西城もやっぱり俺の見込み通り大丈夫そうだな! ははっ!」♪♪♪ ☆彡
「ありがとう……ございます。じゃ、じゃあ、アタシはこのあたりで。プロデューサー、坂本先生、今日はありがとうございました」
「おう、また学校でな」
「おやすみ、樹里」
「おやすみ、プロデューサー」
そういって樹里は帰っていった。
(よし、今日は樹里と楽しく話せたな)
パーフェクトコミュニケーション
親愛度+5
▽▽▽
283プロ寮
「ただいま戻りましたー」
「樹里さん……おかえりなさいませ……」
「おお、凛世。わざわざありがとう」
「いえ、偶然通りかかったものですから……今日突然の外食に皆様驚いておりました。一体どなたとお食事をしていらしたのでしょうか?」
「あー、今日はプロデューサーとラーメン食いに行ってたんだ」
空気が凍った気がした。樹里は舌足らずなことを後悔した。
「えっと……樹里さん……少しお話を伺っても?」
「あ、いや別に大したことは……ごめんな、凛世」
「そんな……樹里さんが……信じておりましたのに……」
「樹里……」
「おやおや、樹里……」
「信じてたのに……」
どこからか残りの寮生も出てきた。
「落ち着け! ちょっと待ってくれ! みんな!」
▽▽▼
吉祥寺 ダーツ&ビリヤードBAR:PENGUIN SNIPER
「久しぶりのダーツは楽しいな。祐介も誘っとけばよかった」
「確かに、連絡ができればすぐに来ただろうな」
「思ったけどよ~、アイドルのプロデューサーってかわいい子に囲まれてるわけだろ。いいよな~」
「……そうだな」
(この流れは……)
「バレンタインとかもいっぱいもらえて羨ましいよ……うちの体育教師男ばっかだからさ……本当なんでなんだろうな、俺……」
「……別にバレンタインに多くチョコがもらえても……」
「もらえてることは否定しねーのな……はぁ。彼女ほしい……」
「……頑張ってくれ。惣治郎も言ってただろ、合図を見逃すなって」
「どこ行ったらもらえるんだよそれ! ちくしょー!!」
「あ、そんな力任せに投げたら……」
BURST 701チャレンジは失敗してしまった。
(陸上部って男女混合だから生徒からチョコもらえそうだけどなあ……)
竜司は文章中にもあったように高校の体育教師になりました。きっと高校で起きた事件について思うところがあったのだと思います。ちなみに彼女はいませんし、陸上部にチョコを送る風習がないのでチョコは生徒からももらえていません。ただしそれは生徒からの人気がないという意味ではないです。生徒の悪ノリにもついていけるいい先生なのでむしろ人気はあります(特に男子生徒から)。
彼は過去にけがをして陸上を諦めざるを得ない状況に一時期置かれていたためけがには人一倍警戒しており、ひとまず陸上部のけが人を0人にすることを目標に頑張っています。