アイドルマスターシャイニーカラーズ×ペルソナ5   作:フルーヴ

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小宮果穂と三島由輝

 Night

 

 とある男二人がファミレスで話をしていた。

 

「そういえば怪盗団のルポなんだけど、また書き直したんだ! 読んでくれないか!」

 

 彼は三島由輝。高校時代、バレー部に所属していた。しかしひょんなことから退学の危機に蓮・竜司と共に陥ったが怪盗団が解決。三島は怪盗団に心酔し怪盗お願いチャンネルを作成、怪盗団の活動に大きく影響を与えた。そして彼は怪盗団の行く末を見届け、怪盗団のルポを書くことを決心するのであった。

 

「前の段階でも十分いい出来だったじゃないか。何か気になる点でもあったのか」

 

「いや、大きくは変わってないんだけどね、やっぱり君に意見を貰いたくて。出版社よりも本人の意見がさ」

 

「そうか」

 

「じゃあ、俺お手洗い行ってくるよ。その間に少し読んどいててくれるかな?」

 

「ああ」

 

 三島はトイレに行ってしまった。一人残された蓮は書き直したというルポに目を通しはじめた。だが彼にはどこが変わっているのかわからなかった。集中して読んでいた蓮だが聞いたことがある声が聞こえてきた。

 

「あの……さーん」

 

「ん?」

 

「やっと気づきました。こんばんは、プロデューサーさん!」

 

「おお、果穂。ごめん、集中してたから気づかなかった」

 

 どうやら店内ということもありいつもとは違う小さめの声だったので気づくのが遅れたようだ。

 

 彼女は小宮果穂。283プロの放課後クライマックスガールズのセンター。見た目は大人のように大きいが実はまだ小学6年生。みんなを笑顔にするヒーローのようなアイドルを目指して日々全力で頑張っている。

 

「今日は家族でごはんを食べに来たんです。そしたらプロデューサーさんを見つけたので声をかけに来ました!」

 

「そうだったのか」

 

「あの、プロデューサーさん、何読んでるんですか?」

 

「これか? これはルポだよ」

 

「えっと、ルポって何ですか?」

 

「んー、そうだな。怪盗団っていうヒーローについて書いてあるんだ」

 

「そうなんですね! あの、あたしも読んでいいですか?」

 

「ああ、いいよ」

 

 書き出しはこうだった。

「お前のその歪んだ心、我々が頂戴する!」この言葉から当時の悪党たちは次々と「改心」されていった。心の怪盗団、ザ・ファントムは強きを挫き、弱きを助ける民衆のヒーローである。このルポはそんな怪盗団の活動記録である。

 

「プロデューサーさん、この字は何て読むんですか?」

 

「ああ、それはな『ゆがんだ』だ」

 

「これはなんですか?」

 

「ああ、それは『ちょうだい』だ。……少し難しい漢字が多いな」

 

「あ、そんなことは…….ごめんなさい、かっこよさそうなので読みたいんですがあたしには習ってない漢字が少し多いみたいです」

 

(……だよな、果穂にとっては漢字が少し難しいか……)

 

「あら、プロデューサーさんじゃないですか。いつも果穂の相手をしていただいてありがとうございます」

 

「あ、お母さん!」

 

「いえいえお気になさらず。私もいつも果穂さんには助けられています」

 

「娘を褒めていただいてありがとうございます。これからも果穂のこと見守っていてくださいね。それでは今日はこのあたりで失礼させていただきます。果穂、行くわよ」

 

「はーい! それじゃあプロデューサーさん、あたし帰ります! また読ませてください!」

 

「ああ、また今度な」

 

 果穂が帰ってすぐに三島が帰ってきた。

 

「いやー、びっくりしたよ。すごい美人な子だね。高校生かな? おかげで席に帰りづらかったよ……」

 

「すまない、三島。果穂は小学生だ」

 

「え、そうなのか! 果穂って君まさか……」

 

「放課後クライマックスガールズをよろしく頼む」

 

「……そういえば、アイドルのプロデューサーだったね、君。って、えっ! じゃあ、あの子、放クラの小宮果穂か! うわー、もったいないことしたなあ。ねえ、サインとかもらえたりしない……?」

 

「別にもらえなくはないが、それよりもルポの話だろう?」

 

「え、うーん、まあそうだね。そのために呼んだんだし」

 

「あのなあ、漢字が難しすぎる! 小学生が読めるような文章じゃないと一般には受けないぞ!」

 

「ええ……別に小学生向けの内容では……」

 

「いいだろう別に。怪盗団は民衆のヒーローだ! そして、ヒーローが好きなのは主に小学生だ! その層に受けなければ大衆受けなんてしない! 出版も絶望的だ!」

 

「そんな! 俺は怪盗団のすばらしさを適切に広めたいだけなのに……わかった、もっと簡単な表現を使うことにするよ」

 

(すまんな三島……これも果穂のためだ……)

 

 

 数週間後……

 

 Morning 283プロダクション事務所

 

「果穂、前に言ってた怪盗団のルポ、だいぶ読みやすくなったぞ。読んでみるか?」

 

「わぁー! ありがとうございます!」♪♪♪ ☆彡

 

(すごく喜んでもらえているようだ)

 

「前よりもずっと読みやすいです! しばらく事務所で読んでいってもいいですか?」

 

「ああ、もちろんだ」

 

「ありがとうございます!」

 

「じゃあ俺は少し出てくるよ。昼前には帰るから」

 

「わかりました!」

 

 ルポを読み進めていった果穂はあることに気づいた。

 

(この怪盗団のリーダーって、プロデューサーさんみたいです!)

 

 パーフェクトコミュニケーション

 親愛度+15

 

 ▽▽▽

 

 果穂が事務所でルポを読んでいると放クラのメンバーがやってきた。

 

「あら、果穂、今日は何を読んでいるのかしら」

 

「怪盗団のルポです!」

 

「怪盗団? 懐かしいね~」

 

「怪盗団?」

 

「悪い人の心を盗むかっこいいヒーローです!」

 

「昔、社会現象になっていたわね」

 

「確か小学生くらいのときだっけ。なんだか懐かしいな」

 

「懐かしいよね~、私の学校ですごくはやってたんだ。本当にいたのかな?」

 

「さあ、どうなのかしら。私はいると思うわ!」

 

「へぇ、意外だな。アタシは都市伝説だと思ってた」

 

「もしいるのでしたら凛世はお会いしてみたいです」

 

「私も~。心ってどうやって盗むのかな?」

 

「どうなのかしら、心が概念的なものと捉えるのがそもそも間違いかもしれないわね」

 

「うーん、私にはわからないな~。そうだ! プロデューサーさんも何か知ってるんじゃないかな?」

 

「そうね、ちょうどそのときはプロデューサーが学生のときだからある意味当時を知る人ね。何か知ってるかもしれないわ」

 

「おいおい、さすがにそれは可能性低いだろ……」

 

「あの……みなさん、あたし怪盗団ごっこしたいです! ジャスティスVのピンチに駆けつけて一緒に悪の怪人をやっつけます!」

 

「おお、いいね、その設定!」

 

「でも誰にやってもらうんだ? いつものだと人数が足りないんじゃ……果穂はジャスティスレッドがいいだろ?」

 

「プロデューサーさんです! 怪盗団のリーダーがプロデューサーさんみたいなので!」

 

「プロデューサーさま……?」

 

「プロデューサーに……?」

 

「プ、プロデューサーさんに?」

 

「確かに、人知れないところで誰かのために働いている。プロデューサーにはぴったりね」

 

(それに……私の心は)

 

(凛世の心は)

 

(アタシの心は)

 

(私の心は)

 

 

 既に盗られてしまっている。

 

 

(……もしかしたら本当に心の怪盗なのかしら)

 

(まさかそんなわけ……ないよな)

 

「???」

 

 状況がわかっていない果穂はみんなが急に黙りこけた理由がわからず、首をかしげることしかできなかった。

 




三島は怪盗団のルポを何年もかけて書きました。怪盗お願いチャンネルは日が経つにつれてインターネットの海埋もれていきましたが意外と覚えている人は多いみたいです。現在はフリーライター…は副業でどこかの会社に勤めています。今でも蓮はもちろん竜司とも割と遊びます。なお、竜司と同様、あまり女の人に縁はないです。
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