アイドルマスターシャイニーカラーズ×ペルソナ5 作:フルーヴ
Afternoon
(意外と早く終わったわ。休日の昼……今から何をしようかしら)
彼女は新島冴。ヤメ検の美人弁護士である。怪盗団参謀の新島真の実姉であり一度捕まった怪盗団リーダーの尋問を行ったこともある。あと独身で彼氏もいない。そんな彼女が街を歩いていると……
(あれは、蓮君? それに一緒にいるのは……小学生かしら? 何をしているのあの子は! ……いえ、彼はそんなことする子じゃないわ……)
しかし、次の瞬間、彼はお菓子を渡した。女の子はすごく喜んでいる。そのあと、女の子の方から手をつなぎ始めた。
(ちょっと! さすがにあれはだめでしょ?!)
気づけば、冴は駆け出して、彼に声をかけていた。
「ちょっと蓮君、こんな小さな子を連れてどういうつもりなの?! 誘拐かしら。説明して頂戴!」
「ぴゃ!」
「落ち着いてください冴さん、この子はうちのアイドルで……」
「アイドル? それ本当なの? まさかあなた小学生を騙して……」
「あ、あ、あ、あの」
「?」
「ぴ、ぴぇ……」
「小糸……無理しなくていいぞ」
「ごめんなさい、少し驚かせちゃったかしら……無理せず、ゆっくり事実を話してね」
「あ、ありがとうございます。じ、じつは、お、お仕事はもっと早く終わったんです。わたしが食べたいお菓子があるっていってわざわざ一緒に並んでくれたんです。あの、あまりプロデューサーさんのこと責めないでください」
「そうだったの……」
「あと今日の撮影を小糸は頑張ってくれたからご褒美に何かご飯でも連れて行こうとしていただけなんです」
「だけど大の大人が小学生を連れまわすのは感心しないわね」
「冴さん。まだ全然明るいじゃないですか。夜までには帰るようにしてますよ」
「そ、それにわたし、高校生です!」
未成年であることに変わりないが。
「! それは申し訳ないわ。本当にごめんなさい」
「せっかくなので冴さんも一緒にどうですか?」
「え、でも……」
「ぴぇ……」
(さっきの態度のせいで怯えてるわね……)
「せっかくだけど遠慮させてもら……」
「い、いえプロデューサーさんの知り合いの方……ですよね? な、なら大丈夫です!」
「で、でも……」
「き、来てください!」
「わ、わかったわ……」
福丸小糸、小柄で人見知り、そして人一倍頑張り屋な女の子。283プロのnoctchillのメンバー。幼馴染の透たちがアイドルになると聞き、彼女たちの後を追うように小糸は283プロの面接を受けた。そして無事面接に合格したため、今に至る。その際の書類は表面上、問題はなかったのだが……
「なるほど、あなたはそのノクチルのメンバーなのね」
「は、はい、楽しくやらせていただいてます!」
「透明感のあるコンセプト、いいグループじゃない。中でもあなたは応援したいと思ったわ」
「! あ、ありがとうございます! えへへ……」
小糸は嬉しそうだ。
「と、ところでさえさん? えっと、プロデューサーさんとどのような関係なんですか?」
「紹介が遅れたわね、私は新島冴、彼が高校生の頃からの知り合いよ。昔は検事をしていたけど今は弁護士をやっているわ」
「冴さんの妹が俺の1個上の学年でその流れで知り合ったんだ。いや、正確には少し違うか。何回かはルブランで会ってしっかり話したのは確か……ご……」
「蓮君、……その話はあまりしないほうがいいんじゃない?」
「そうだった。危ない危ない」
「?」
小糸は二人が何を言っているのか理解できなかった。
「そうだ、せっかくだから私の名刺を渡しておくわ。何か困ったことがあったら遠慮なく頼って。私は誰かの力になってあげたいから」
「あ、ありがとうございます……」
「俺も何度も助けてもらったなあ」
「それは私も同じよ、蓮君。それで小糸ちゃん、あなたから見て彼はどう思う?」
「さ、冴さん……」
「えっと、ぷ、プロデューサーさんはわたしたちノクチルが活動できるように頑張って働いてくれてます。透ちゃんや円香ちゃん、雛菜ちゃんとも予定を合わせて活動させてくれたり、あと今日みたいにお菓子を買ってくれたりとっても優しいです!」
「……ふーん」
(うう、なんか視線が痛いような……)
「あ、あと一度ノクチルはお仕事で大きな失敗をしちゃってほ、干されてしまったことがあるんですけど、そんなわたしたちに対して頑張って仕事をとってきてもらったこともあるんです! だ、だからプロデューサーさんにはとても感謝しています!」
「……へえ」
「……」
「やっぱり、あなたは変わらないわね。昔から困っている人のことは見捨てない、全力で助ける姿は変わってないみたい。小糸ちゃん、あなた本当にいいプロデューサーに出会っているわよ」
「!」
「それに、……聞いたことないかもしれないけど、彼は高校時代にとんでもない理不尽を被ったの。……それも今普通に生活できてるのが奇跡と言っても差支えがないぐらいとんでもないものを。今でもとんでもない賭けに勝ったと思ってるわ」
「そうなんですか……」
「だからあなたたちのことが放っておけなかったと思うわ。本当に」
「冴さん……」
「間違ってる?」
「……いや別に。ただ、あの時経験したことは悪いことばかりじゃなくいいつながりもできたから」
「そうね……本当に強いわねあなたは」
「それに、小糸たちが頑張っているのは事実です。そんな姿を見て俺も頑張ろう、報いようと常日頃から思っているだけです」
「プ、プロデューサーさん……え、えへへ……」♪♪ ☆彡
ほめて喜んでいるのはいつも通りだが、何かいつもより嬉しそうだと蓮は感じた。
「で、でもプロデューサーさん、わたしがいないとだめだめなんですからね! 昨日も頑張りすぎて夜遅くまで事務所にいたらしいじゃないですか!」
「うっ……どうしてそれを……?」
「昨日も? ちょっと、あなたの事務所って労働基準法守ってるの?」
「いや、それは……」
「じ、事務所の労働環境はい、いいと思います。結果的に撮影が長引くことはありますが、無理なスケジュールにならないようになってます。なのでわたしたちアイドルは大丈夫です。けど問題はプロデューサーさんです! この前、はづきさんと社長さんがプロデューサーさんが有給をとらないことに頭を抱えてました!」
「ちょ、小糸……」
「……やっぱりあなた働きすぎよ、昔から。真も頭を抱えていたっけ。本当に私の助けはいらない?」
「だ、大丈夫です。やっぱり休みとったほうがいいのかなあ……」
「たまには休みましょう! プロデューサーさん!」
「そ、そうだな。はは……」
(少しきまずい……話題を変えよう……)
「そ、そういえば冴さんは今日何をしていたんですか?」
「私? 大した事じゃないの。今日委員会があってそれに参加していただけ」
「委員会ですか?」
「そう。退屈じゃないと言ったら少しウソになるけど、必要なことだと思うわ」
「へえ……そ、そうなんですね」
「特に今日の議題はあなたたちにも関係があるかもしれないわ。文書偽造についての議題が挙がっていたの」
二人は驚愕した。小糸はアイドルを始めたとき親から反対されるのを恐れて親から許可をもらったかのように見せかけていたからだ。これは立派な有印私文書偽造にあたる。
「一応説明しておくと文書偽造というのは大きく私文書と公文書に分かれているわ。最近、官僚による公文書偽造事件が話題になったでしょう? それでその議題になったと思うわ」
「でも、公文書は俺たちが扱えるものではないからあまり関係がないんじゃ……?」
「そうでもないのよ。例えば運転免許証。これは国家が発行するでしょう? これらを偽造することは公文書偽造にあたるわ。確かにあなたが指摘した通りめったに問題にはならないけど」
「は、はあ……」
「あなたたちに関係があるというのは私文書偽造の方よ」
(……)
(まずい、小糸が不自然になるほど汗を掻いている……)
「特に私文書偽造における立件が最近増加していて、加えて未成年の割合も増加している。未成年が偽造文書を使用したことで社会的信用を失って大きな損害を被った企業もあるぐらいよ。……蓮君のアイドル事務所は未成年が多いでしょ? あなたが見ていないところでアイドル達が偽造文書作成に関わっているかもしれない。あるいはあなた自身がそういった文書に騙されるかもしれない。だから……ちょっと話聞いてるの?」
「あ、ああ、聞いてる……聞いてます。はい……」
「それにしても腑抜けた返事ね……大丈夫なのかしら……? 小糸ちゃんも一緒よ。特に、あなたはまだ法的に未成年なの、何か契約を結ぶときには親の了承が必要になる。仮に親が了承していないのに了承を得ていると見せかけて契約を結ぶことは立派な犯罪になりうるわ。場合によっては結んだ企業から損害賠償請求が発生するかもしれない」
「ぴぇ……」
「だから契約を結ぶときは必ず親の了承を得ること。もちろん、軽いお買い物程度には必要ないけど大きなお金が動きそうだったり自分の環境が変化してしまいそうな場合は必要よ。そして場合によっては蓮君や君の事務所の社長さんみたいな大人に頼ってね、大丈夫、必ずあなたの味方になるわ」
「それはそうだな。ところで冴さん……」
「……さっきからあなたたち様子が変よ、特に小糸ちゃん汗の量が尋常じゃないわ、どうしたの?」
「ぴゃ!」
(う、さすが元検事、尋問慣れしているな。細かいところまでよく見ている)
「まさかあなたたち……何かやましいことしているんじゃないでしょうね?」
「べ、べべべ別にやましいことなんて」
「本当? ……蓮君、あなたを信用していないわけじゃないわ。ただ、また本当に犯罪になることはしていないでしょうね? どうなの!?」
▽▽▽
小糸「な、なんとかばれずに済みました……プロデューサーさん、ありがとうございました……」
小糸(あれ、また犯罪になることって一体……?)
雨宮P「気にするな……小糸」
雨宮P(ところでなんか小糸が怪訝な顔をしてるな?)
パーフェクトコミュニケーション
親愛度+10
▽▽▼
蓮『なあ真』
真『どうしたの、あなたから連絡なんて珍しいわね』
蓮『今日、冴さんに会った』
真『お姉ちゃんと? それも珍しいわね』
蓮『もう二度と尋問は受けたくないです』
真『……そう』
この後、新島冴はノクチルの大ファンになりました。もちろん小糸ちゃん推し。
真が蓮と付き合ってるのは知ってますが蓮が10股していることは知りません。真が10股のことを冴に知られると本当にめんどうなことになりそうと思っているので黙っています。付き合いが長いとは思っていますが真の仕事が忙しいことを知っているので結婚の提案はできないみたいです。