魔法を科学()で蹂躙する奴ら   作:scp-1485人

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入学式

2095年 4月。

WW3後に世界各地で噴出した大国間の領土紛争も落ち着きを見せるなか、真新しい制服を身にまとい夢と希望に満ちた高校生の集団に俺は叩き込まれていた。

 

「なんだってこんな場所に…」

 

さすがにこんなことを聞かれて咎められるのもアレなので今年の新入生には聞かれないようにつぶやく。

自分のCAD技術を含む魔法関連に対する理解が浅いから国立魔法大学付属第一高校などという高校に叩き込まれたというのは理解しているのだ。

しかし、しかしだ!精神年齢が16+享年48である元おっさんにとっては輝かしい青春に場違いな自分がいるという不自然さに違和感しかない。

そう。これなら財団と楽しく鬼ごっこ()でもしていたほうが…いや、それはない。絶対にない!

こんな考えはきっと外宇宙の財団が発信しているに違いない悪質なミームなのだ!

頭によぎった不穏な考えを消しながらさっさと入学式を受けて帰ろうと校門の中に足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

―――

 

(や、やっと座れた…)

 

講堂は後ろの方の席は大体埋まっているようだったが、何とか出入り口に近い席を確保できたようだ。

ちなみに出入口に近い席をとる必要性は皆無なのだが、東幣重工の入社式以来、出入口に近い席でないと嫌なものを思い起こしてしまうのだから仕方がないだろう。

具体的には財団に確保された同僚とかニッソの《編集済み》に《編集済み》されて《データ削除済み》になった同僚とか…

とにかく出入口の近くは逃げやすいから命の危険が少ない。それに限る。

 

「…えっと。いいのか?」

「?何が?…なんかやらかした?」

 

そんなことを考えていると隣の生徒から文句を言われてしまった。

つい癖で試作品を持ってきてしまったのか慌てるがそんなものは持ってきていない。

…一応確認しよう。

 

「いや、そうじゃなくてお前一科生だろ?」

「ブルーム…だよね?」

「いちおうそうだが、別に問題なくないか」

 

鞄を開いて確認する必要はどうやらなかったようだ。

一応一科生が前に固まっているのはわかっていたものの、ブルーム云々よりも檀上からうちの馬鹿(ニッソ)の生物兵器がわいてくるかもと思うと前に行けない。

 

「ふーん…あ、自己紹介忘れてたね!あたしは千葉エリカ。よろしくね!」

「あ、えっと。私、柴田美月っていいます。よろしくおねがいします」

「…俺は司波達也だ。よろしく頼む」

「あー、じゃあ俺の名前は多々良造だ。」

 

『それではこれより国立魔法大学付属第一高校入学式を執り行います。』

 

どうやら自己紹介も終わったところで入学式が始まったようだ。

 

 

 

 

 

―――

 

(結局何も起こらなかったか…)

 

生徒の祝辞、祝電に続いて新入生総代の答辞が終わりIDカードの交付へと向かう多々良は式典ときいて前世の入社式のような物騒なものを想像していたため若干気落ちしていた。

別に期待はしていなかったのだが、入学式中ずっと緊張状態だったので疲れてしまったのだ。

 

「IDカードの交付の後の教室見学行ったほうがいいのか?」

 

そして疲れた頭で判断したことはろくな結果を生まないのだ。

 

 

 

自分のクラスであるA組に向かっているとやけに廊下が混んでいる。

周りの新入生が話していることを盗み聞くと、この先にどうやら生徒会長と新入生総代がいるらしい。

 

(教室までたどり着けなさそうだし今日は帰るか…)

「…総代の子きれいな子だとは思ってたけど近くで見たらむっちゃきれいじゃん!」

「いやいや。生徒会長も負けてないだろ!」

(そうか…。クラスメートの顔は覚えるべきだな!)

 

…疲れた頭で判断したことはろくな結果を生まないのだ。

 

 

 

人の波をかき分けながらA組に進むと確かに美少女が2人いる。

生徒会長は小柄のほうだろうか?確かに整った容姿をしておりその身長にしては大きいモノをもっている。

…何がとは言わないが

しかし、新入生総代も素晴らしい容姿。白く透き通るような肌に完璧な左右対称で均整がとれた美貌は生徒会長にも勝るとも劣らないだろう。

 

(確かにきれいだな…)

「しかし実にけしからんですな!」

 

小声でつぶやく隣の男。

まぁその意見については同意するが一つだけ確認したいことがあった。

それは…

 

「あ、そこの君!多々良君でしょ!」

 

廊下中に生徒会長の声が響き渡る。

そして、廊下中の視線が瞬時に自分に向いたとき隣の男はどこかへ立ち去っていた。

 

(逃げられたか…というかなんで呼ぶんだよ!)

 

しかたないか、そう思いつつ多々良造は渋々生徒会長と新入生総代の話の輪に入っていった。

 

 

 

 

 

 

―――

 

アジスアベバ。

かつてこの地域に存在したエチオピアの歴史的な首都であるその場所には、様々なロゴマークを胸や肩、帽子に縫い留め謎の武装を身に着けた者たちが集まっていた。

 

この世界において各国の諜報機関などが血眼になって何が行われているのか知りたがるエチオピア。

これは、そんなエチオピアで働く彼らの日常の物語だ。

 

 

 

「…アジスアベバ市街地制圧、完了です!」

「「「よっっしゃあぁぁ!」」」

 

一年にもわたるアジスアベバでのJOICLEのA-007-F01、俗にいう『繁栄の果実』掃討作戦は成功に終わりP部局をはじめとする企業連合の面々は久しぶりの休暇に心が躍っていた。

 

「やっと!やっと日本に帰れる!」

「いや待てなんでニッソのやつがここにいるんだよ!」

「Soyuz nerushimyy respublik~」

「イナゴの佃煮0個持ってきたぞ!故郷の味だ!」

 

呑めや歌えやのどんちゃん騒ぎを行っているキャンプ地に急報が訪れる…

 

「近くのガソリンスタンド跡地が…!」

「…おいおい」

「またか!またなのか!」

「何回俺たちの休暇を奪う気だ…」

 

彼らの目の前に広がる白い川、いや、白い川に見える奴らの群れ。

 

石油喰らい(ポリクイガ)!!」

 

彼らが日本に帰る日は遠い…

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