リンク嫌いのシンクロ使いがDT世界でリンクする話 作:春風しふる
あといつもの2.5倍くらい長いです
「なんだ…これ…」
森の中にひっそりとたたずみ、月明りに照らされ鈍い光を返している巨大な杯
全体にツタが絡み長い月日を感じさせるが一体だれが何のためにこんなものを作ったのだろうか?
「…ーい!おーい!イヴー!ユートー!どこにいるんだー!」
「イヴぅぅぅぅぅぅ!」
「がーぅ!」
アウラム達の声だ、どうやら俺たちのことを探しに来てくれたらしい
そこまで高さはないとはいえ非力な俺ではイヴを背負ってこの崖を上るなど不可能だったのでかなり助かる。
…俺も少しくらい鍛えたほうが良いかもしれない。
「アウラム、ニンギルス!こっちだー!」
「っ!ユート、今行く!」
「イヴぅぅぅぅ!」
崖の上からアウラム達が跳んでくる、特にニンギルスは血相を変えてイヴへ突進していった。シスコンここに極まれりである。
「大丈夫か、イヴぅ!怪我は無いか?どこか苦しいところは?お兄ちゃんが来たからもう大丈夫だぞイヴぅぅぅ!」
「わぷっ、お、お兄ちゃん落ち着いてよ、なんともないから…」
…いや、あれはもはや病気だな。
美しい兄弟愛というには目が血走ってたりとちょっと色々とやべえ。
俺たちの視線に気づいたイヴは恥ずかしそうに顔を赤らめ顔をうつむかせる。
俺の中のクールでニヒルなニンギルスのイメージが瓦解していく音がする。
「なんだあれは…」
「あはは…イヴのことになるとたまにああして暴走するんだよなあニンギルスは」
「がうがう」
アウラムとイムドゥークがあきれたようにやれやれと首を振る。
…いやイムドゥーク器用だなお前、実は中に人間が入ってたりしても驚かないぞ?
「それよりユートは大丈夫か?ケガもしてるし、服の汚れとかイヴよりすごいことになってるが…?
「…そっちは触れないでくれ」
マジで鍛えよう…明日から。
「イヴぅぅぅ!!!」
「あーもう!お兄ちゃんうるさいっ!」
その前にこの惨状を何とかしなきゃなあ…
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「しかし、森の中にこんな場所があったとはな」
俺たちは(イムドゥークの容赦ない全力鳩尾タックルが見事に決まり)正気に戻ったニンギルスと共にこの謎の杯と周辺を調査していた。
「でも変わったところは特にないよな、このでっかい杯もただでかいだけで何かあるわけでもなさそうだし」
「がう!」
「もしかしたら昔存在したっていう古代文明の遺跡…とかなのかも?」
俺も杯の表面にスイッチの一つでもないかと触れてみる、が、それらしきものは見つからず
そもそも材質も石かなにかのようで何かの装置という線は薄そうである
「うーん、昔の人が石で削り出した宗教的な何かなんじゃないか?その割に劣化してる様子もないのと祭壇の跡の一つもないのが気になるが」
他に気になることと言えば…例の謎の声だ。
「たしかイヴも謎の声を聞いたんだよな?」
「うん、朧気だけど誰かに呼ばれてたような気がする…その時は頭に靄がかかったみたいになっててはっきりとは覚えてないけど…」
申し訳なさそうに答えるイヴ
しかし俺だけが聞こえた幻聴でないとするならやはり怪しいのはこの杯だろうが…
「…まあ考えていても仕方ないか、イヴの体調も心配だし今日のところはここらで切り上げよう」
「それもそうだな、イヴが転びでもしてニンギルスのシスコンが発動しても面倒くさいし」
「がーう」
「お前らな…」
四人と一匹は顔を見合わせて笑い合う。
本当に一時はどうなるかと思ったが何もなくてよかった。
「…そういえばイヴ、例の祭具とやらはどうした?舞の帰りってことは持ってたんじゃないのか?」
「……あぁっ!?」
「嘘だろお前…」
「ご、ごめんなさい~!」
イヴが崖から落ちた時、落としたまま崖の下に放置されていた例の代々受け継がれているらしい祭具の杖、それを管理している巫女に存在すら忘れられちまうなんてなんというか哀れすぎる…。
慌てて拾い上げるイヴにアウラムとニンギルスも微妙な表情を浮かべていた
「ごめんなさい!ごめんなさい!ほんっとーにごめんなさい~!」
イヴは手に持った杖に何度も頭を下げている、涙目のイヴも見てて可愛いし絵面的にも面白い光景だがそろそろ止めてやるか…
「おいイヴ、そろそろ…」
フォン
突如、イヴの手の中の杖が光を放つ。
それはまるで鼓動のように一定間隔で明滅する。
「おい、みんなアレを見ろ!」
アウラムが指し示す先、俺たちの背後の巨大な杯がイヴの杖に呼応するように淡い光を明滅させていた。
あまりにも非現実的な光景に一瞬思考が停止する、しかし状況は動き出す。
「…かなきゃ…」
イヴが杖を手にしたまま、先程のようにフラフラと杯に向かって歩き出す
目が虚ろで尋常ではない様子のイヴを捕まえようと手を伸ばす
「おい、イヴどうしたん…」
「…ユートも、こっち」
逆にイヴに腕を捕まれそのまま引っ張られる、力強いな!?
アウラム達に助けを求めようとそちらを向くも2人は光に目を奪われたかのように杯をじっと見つめて動かない、足元でイムドゥークが必死に2人に吠えているが反応を示す様子もない。
どうも尋常ではないなにかが起きているようだ。
「お、落ち着けイヴ、どうしたって言うんだ」
「行かなきゃ…」
イヴに腕を引かれるまま明滅を繰り返す杯の目の前にくる。
そしてイヴは杯に杖を触れさせると虚ろな眼でこちらをじっと見つめてくる。
これは俺も触れという事だろうか…?
「…あぁ、クソっ。どうなっても知らないからなっ!」
イヴに掴まれている方と反対の腕を伸ばし杯に触れる…
カッッッッ!!!
杯が目も開けていられないほどの眩い光を放たれ咄嗟に顔を背け腕で目を覆う
強烈な光が収まり、目が慣れて来ると蒼く幻想的な光を放つ杯といつの間にか俺たちの目の前に現れた小さな、全身が青白い光を放つスポットライトのようなもので淡く照らされている妖精がいた。
「アストラル世界の住人かな…?」
その姿は遊戯王ZEXALに登場するアストラル世界の住人に酷似していた、まぁ彼らはこんなに小さく無かったが…似てるのでついポロッと口にしてしまったが、おかげで一周まわって冷静になる事が出来た。
目の前の妖精がゆっくりと目を開ける
「ぅうん…あ、あれ。私、何を…って言うか何これ、何この状況!?」
それと同時に横にいるイヴが正気を取り戻したらしい、状況が呑み込めず掴んだ俺の腕をブンブン振り回しながら慌てている。
「痛い痛い、落ち着けイヴ!」
「へっ?…あ、ご、ごめんユート!」
慌てた様子で掴んでいた腕を離すイヴ、危うく腕持っていかれるとこだった…
…さて、それよりも今は目の前の意味深な感じでじっとこちらを見つめながらふわふわと浮かんでいる妖精がなんなのか知ることの方が先決だ。
「…言葉は、通じるか?」
一瞬、キョトンとした表情を浮かべる妖精、しかしすぐに頷く
"私は、星杯の妖精『リース』"
妖精が腕を伸ばすと蒼く輝くミニチュアサイズの杯が現れる。
"この世界には、この星杯のような『星遺物』と呼ばれる強大な力を持った神が生み出した七つの遺物があるの"
"私はこれらを正しく使い、人類を導く使命をおっていたの、でも…"
杯を消し、七色に光る騎士のようなシルエットを映し出す
"ある日力を求めて暴走を始めた彼ら…
"私は星の勇者の素質を持つ人…ううん、貴方達を待っていたの。いつかこの世界に降り掛かると言われている『大いなる闇』を祓うために星の勇者たる貴方達の力が必要なの、だから…"
「星の…勇者…」
いつの間にかアウラムとニンギルスも話を聞いていたようで、アウラムがその言葉に反応する。
「大いなる闇に星の勇者…言い伝えは本当のことだったのか…」
ニンギルスが神妙な顔で何かを考え込む
俺自身まだ完全に飲み込めていないが俺がこの世界に来た理由ってもしかしてコレなのか…?
「…あー、つまり機界騎士とやらを倒して7つの星遺物?を手に入れておかないといつかくるって言う『大いなる闇』に手も足も出ずボコボコにされて人類全滅…ってことであってる?」
"その通りよ、アナタはとっても賢い勇者様なのね"
いやまぁ、神妙な顔してる3人には申し訳ないが、この展開はド定番だしなぁ…
それに、七つと聞くと集めなきゃ行けない気がするのは日本人の性みたいなものだ。
そんな事はまぁいい、こんだけお約束展開が続いたんだ、サブカルに精通していた俺の予想でしかないが、どうせその大いなる闇とやらも俺たちが生きている間に現れる可能性が高い
「…わかった、俺はその話乗らせてもらう」
「っ…おい、ユート!」
「危険なのはわかっている、でももしかしたら俺がこの世界に来てしまった理由が分かるかもしれないんだ。だから…」
ここの世界の暮らしも慣れてしまえば悪くない、だがいつまでもこの世界にいるつもりは無い、元の世界の遊戯王仲間や両親とこのまま会えないなんてのは嫌だしな。
「俺もやるぜ、友達が行くって言ってんだ、なら助けない理由はないからな」
「アウラム…!」
「…まあ、星の勇者に憧れてたしな、俺が選ばれし勇者だっていうなら願ったり叶ったりだ」
照れくさそうにしているが本当にいい奴だ
「私も行きます、私も…大したことはできないかもしれないけど、ユートの助けになりたい」
次にイヴが名乗りをあげる、しかし…
「俺は反対だ、ユートのことは…事情が事情だ、俺が止めるのは筋違いなのだろう。だがイヴやアウラムがその使命を負うには荷が重すぎる」
「ニンギルス、俺はっ…!」
「…少し黙っていろ、アウラム」
何か言い返そうとしたアウラムを眼光だけで黙らせると妖精リースに向き直る
「そもそもなぜ俺たちなんだ?俺たちが今日この場にいたのは偶然に過ぎない、それなのになぜ俺たち全員が選ばれた存在であると言える?」
"それは…ごめんなさい、わからないの。私にわかるのは勇者の素質を持っているかどうかとあなた達がかつての勇者様たちに匹敵する…ううん、もしかしたらそれ以上の力を持っているということだけ。もしかしたらこれこそが星の意志なのかもしれないけれど…"
本当に申し訳なさそうな表情を浮かべるリース、しかし険しい表情がさらに険しくなるニンギルス
「星の意志…運命とでもいうのか…」
"…私は力もないし勇者の素質もない、私にできることは勇者に星杯の力を与えることだけ…"
…世界を救いたいリースとイヴたちを危険な目に合わせたくないニンギルス、このままでは平行線でしかないだろう、ならば…
「いいんだニンギルス、俺もアウラムやイヴが傷つくところなんか見たくない。いままで助けてくれた分、今度は俺に任せてくれよ。リースももそれでいいだろう?」
"一人きりなんて無謀よ、でも…そうね、あなたからは不思議な力の流れを感じる、もしかしたら…"
「っ…それは…しかし…」
…俺の言葉はむしろニンギルスを決意を揺らがせることになってしまったようだ、本当にこの世界の人たちはお人よし過ぎるな
「ニンギルス」
「っ…しかし、アウラム…!」
「勇者の力ももらえるらしいし、もし心配ならニンギルスが守ってくれればいいじゃないか。それともこのまま別の世界から来たユートに任せて俺たちは黙って見てるつもりか?」
「ぐっ…だ、だがイヴは…」
「お兄ちゃん…私だけ安全な場所でみんなが傷ついてるかもしれないなんて嫌だよ?」
「うっ…」
二人に真剣な表情で見つめられ、たじろぐニンギルス。
勝負ありって感じだなあ。
"それじゃあ…!"
「…あぁ、俺も。いや、俺たちも行こう、さっきはああ言ったがユート一人に任せてはおけん、俺なら機械蟲如き群れで攻めてきても打ち倒す自信がある」
「ニンギルス…」
信用がなさすぎるのか優しさゆえか…両方だろうな、俺弱いからなあ…本当になんでこの世界に来たんだろうか?
"ありがとう、みんな…それじゃあこれを…星杯の力を受け取って"
リースはそういうと光の玉のようなものを5つ、イムドゥークを含めた4人+1匹に飛ばす。
その光はそれぞれの体に吸い込まれ…
「おぉ!」
「これって…」
「これは…」
「がう!?」
俺以外の3人+1人が光に包まれる
その光が晴れると3人は豪華で美しい鎧に包まれ、イムドゥークは体が一回りも二回りも大きくなり竜らしい姿となっていた
しかし…
「ぐっ…なんだ、これっ…!」
そうものすごく不快だった、体が全力で拒んでいるのがわかる。
圧倒的拒絶感が全身を襲い、次の瞬間光は俺の体からはじき出され、リースの手へと戻っていってしまった
"えっ…これって…"
「ユート、大丈夫!?」
慌てて駆け寄ってくるイヴ、膝をついて脂汗を浮かべているの体を支えてくれる
「あ、あぁ、だがなにがどうなって…?」
その時だった…
ギ、ギギッ
聞き覚えのある音が…
ギギギッ、ギギッ
あちらこちらから聞こえてきて…
ギギギギギギギギギギギギギギギギギギ
「く、
触手の模様や一つ目が真っ赤に染まった機械蟲の大群に囲まれていた。
長くなった上に投稿も遅くなってしまいまして本当に申し訳ないです。
ようやく話進めることが出来たけどこんな感じで良いのだろうか…?感想くれるとうれしいです!
神樹のパラディオンの扱いについて
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ユートくんのサブヒロインに!
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イヴ以外不要、アウラムとでもくっつけろ
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どっちともくっつけなくていい
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好きにしていいからさっさと続きを書け