イナズマイレブンに似た世界に転生した件について   作:よしたろうex

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 1週間に最低1話は目標にしたいところ……。


FF地区予選一回戦の日

 今日はFF地区予選1回戦が行われる。相手は先輩達によると西ノ宮中らしい。最後に南条先輩が天竜中のグラウンドに到着したのを確認し、新島先輩が話し始める。

 

 

「みんな!今日は地区予選1回戦だ!初めての試合で緊張しているやつもいるかもしれないが、大丈夫だ!俺たちは強い!自分の力を信じ、出し切るんだ!……よし!勝とうぜ、みんな!」

 

「「「「おおっ!!」」」」

 

 

 先輩達が言うにルールは例年と同じらしく、グラウンドは戦う二校どちらかのグラウンドで行われるらしい。どっちなのかはクジ引きで決めるそうだが、うちは運が悪いらしく西ノ宮中のグラウンドで試合することになってしまった。西ノ宮中はここから遠く、歩いていく事も厳しいためバスを出してもらえるらしい。運転するのは、50歳前後に見える顧問の村田(むらた)先生だ。なんだ、村田先生いい人じゃないか。

 

 

「今年も運転の方、引き受けて下さりありがとうございます。」

 

(いやなに、いいんだよ新島君。普段は顧問らしいことも出来ていないからね。これぐらいやらないと、先生として失格だよ。)

「堂々とサボりに行ける!なんて楽な仕事なんだ!」

 

「……建前と本音逆ですよ、先生。」

 

 

 前言撤回。とんでもない人だったこのおっさん。新島先輩の対応を見るに、普段からこんな感じなのだろうか

 

 

「普段からこんな感じよ〜。」

 

 

 ナチュラルに心読まないで下さいよ、東雲先輩。

 

 

 

 

 バスでの移動中、話題を探すように隣に座るキラを見る。……キラって緊張とかしないんだろうか。

 

 

「?なに?」

 

「あーいや、なんでも……いや、緊張とかしてるのかなって。」

 

「緊張?うーん………してないって言ったら、嘘になるかもね。」

 

 

 そりゃそうだよな。誰だって初めては緊張するさ。実際、自分の力がどこまで通用するのかなんて分からない訳だしな。

 

 

「ちゃんと力を制御出来るかが不安なの。」

 

「あ、そっち?自分の力が通用するかとか……。」

 

「そんなの今気にしてもしょうがないでしょ?試合になったら全力で頑張るだけだし。」

 

 

 わお、なんちゅうメンタルしてんだコイツ。まあ、キラの場合は自分の実力からくる自信もあるんだろうが。

 

 

「力の制御の件なら、大丈夫だろ。ずっと特訓を見てきた俺が言うんだ。間違いない。」

 

「うん、ありがとうがすや。」

 

 

 ストレートにお礼を言われたのがむず痒かった俺は、気を逸らすかのように外の景色を見た。

 

 

 

 

 

 

 バスに揺られること数十分、俺達は少しボロそうな印象を受ける学校の前に立っていた。どうやらここが西ノ宮中のようだ。

 

 

「運転お疲れ様でした。村田先生。」

 

(なに、生徒のためだ。構わないよ。僕は少し用事があるからしばらく出かけるけど、怪我だけはしないようにね。じゃあまた、終わる頃に迎えに来るよ。)

「確か今日は新台が入ってたな。打ちに行くか!」

 

「……建前と本音逆ですよ。先生。」

 

 

 そう言うと、村田先生はバスに乗ってさっさと行ってしまった。話の流れ的にパチンコに向かったんだろう。ホントロクでもないおっさんだな。顧問として相手に挨拶くらいしろよとは思う。しかし、新島先輩もこんな会話をずっとしてきたんだろうか。コントかな?

 

 

「コントやなぁ。」

 

 

 お前もナチュラルに心を読むな、磯貝。

 

 

 

 

 

 中に入ると、既にグラウンドには西ノ宮イレブンが待機していた。相手チームに監督がいるのを見て思い出したが、この世界のFFは試合に出るのに監督は必須ではないらしい。たぶん、そもそもサッカーの監督がマトモにできる人が少ないことが原因だと思う。そんな事を考えていると、一番前に立っていた陰島がこちらを見て歩いてくる。

 

 

「来たな。楽しみにしていたぞ、この時を。」

 

「……そうか。……今回も勝たせてもらうぞ。」

 

「はっ!余裕だな、新島!度肝を抜かしてやるよ!」

 

 

 それだけ言うと、陰島はチームメイトの元に戻りウォーミングアップを始める。それを見て、俺たちもウォーミングアップを始めた。いよいよ俺にとっての初試合が始まるんだ。……なんかドキドキしてきたぞ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいか。2年前の経験を踏まえるに、注意するのは新島・東雲・影狼の3年の奴らだ。特に一番警戒すべきなのは影狼だろうな。」

 

 

 西ノ宮中の監督、津田浩司(つだこうじ)は西ノ宮イレブンを前にそう告げる。

 

 

「分かっています。だから3年を中心とした戦術に対する練習をしていたんでしょう?」

 

「そのとおりだ、陰島。いいか?相手の攻撃の際はなるべく3年にマークを集中させろ。そして、こちらの攻撃の際は1年がいるポジションから攻めるんだ。」

 

「津田監督。そのことでお話が。」

 

 

 ここで声を上げたのが、西ノ宮イレブンのFWの野崎だ。

 

 

「向こうのチームにいる白のオールバックの髪型をした磯貝って奴は油断しないほうがいいですよ。奴は小学校の頃サッカー界隈ではそこそこ名のしれたプレイヤーです。」

 

「あ、磯貝は僕も知ってます。というか、戦ったことがあります。あいつ結構強いんすよ。そこらへんの3年よりはいい動きしますよ。」

 

「なに?」

 

 

 野崎に合わせてDFの安岡も声を上げる。今年入部した2人の意見を聞き、津田は少し悩む。

 

 

「まあいい。警戒する対象が4人に増えただけだ。とにかくその4人を自由にさせないようにしろ。」

 

「「「はい!」」」

 

 

 その掛け声とともに、西ノ宮イレブンがフィールドに立つ。

 

 

(誰が相手だろうが関係ねぇ!叩き潰す!)

 

 

 陰島は円陣を組む天竜イレブンを鋭い目で睨みつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 円陣も終わり、俺達はフォーメーション通りにフィールドに立っていた。俺達天竜中のフォーメーションは、GKに薬師寺先輩、DFに俺・東雲先輩・鶴巻・才治、MFに磯貝・新島先輩・神楽・南城先輩、FWにキラ、影狼先輩という4-4-2の形だ。それに対し西ノ宮中は、DFが3人、MFが4人、DFが3人という4-3-4のフォーメーションだ。陰島はどうやらMFのようだ。

 全員がポジションについたことを確認し、審判がホイッスルを鳴らす。その笛の音を皮切りに、西ノ宮中のボールで試合が始まった。

 ボール付近にいたFW2人は、陰島にボールを渡しささっと上がっていく。ボールを受け取った陰島は静かに笑った後、俺たちに向かって走り出した。

 

 

「は、速い!」

 

 

 影狼先輩ほどではないが速いスピードでサイドを駆け上がり、神楽と南条先輩を振り切り上がっていく。

 

 

「止めろ!」

 

 

 新島先輩が声を荒げそれに呼応するようにDFが動こうとするが、その動きのうちのほとんどは敵のFWによって止められてしまう。唯一動けた鶴巻が陰島の前に立ちふさがるが、陰島は奇妙な動きでボールを分裂させ、鶴巻が戸惑っている間に横を抜け突破する。

 

 

「『イリュージョンボール』!」

 

「な、なにっ!」

 

 

 出た、『イリュージョンボール』!鬼道さんの唯一の個人技なんだよな。と、そんなこと言ってる場合じゃねぇ!陰島はどこ行った!?

 そうしてあたりを見渡すと、なんと薬師寺先輩の前にボールを持ち立っていた。マズい!シュートチャンスだ!

 そう思う間もなくボールを蹴る陰島。そのボールが弧を描くようにカーブし戻ってきたところを、今度は縦に蹴りシュートする。

 

 

「『クロスドライブ』!」

 

「薬師寺!」

 

「はあぁぁ!『バーニングキャッチ』!……うわああああ!」

 

 

 薬師寺先輩が『バーニングキャッチ』を出し抵抗するも、健闘むなしくボールはゴールに吸い込まれていった。

 

 

「く、くそっ……。」

 

「そんな……。」

 

「ふん。……これで分かっただろう、新島。これが俺の実力だ!今年こそは勝たせてもらう!」

 

 

 0-1。あまりにもあっさりと決まってしまったその1点は、俺たちの心に重くのしかかった。




・イリュージョンボール
 原作では鬼道などが使っていた技。登場回数は多くないもののアニメの成功率は100%という記録がある。ゲームでも鬼道のほかに一ノ瀬も覚え、2人の能力の高さゆえに強い技だと思いがちだが実はそんなに強くない。威力は下の下。

・クロスドライブ
 原作ではマックスなどが使ってた技。出番も少なくとくに印象がないといわれても納得いってしまう技かもしれない。シュートも地味だが、名前を聞くと「ああ、なんかそんなのあったな。」とはなる。威力は下の中。


 試合の描写って書くの難しいですね……。
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