イナズマイレブンに似た世界に転生した件について   作:よしたろうex

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 基本1話3000字前後がちょうどいいのかなと思いつつ、ついつい長くなってしまう……。というか3000字前後にしたい。


お嬢様とそのSPと出会う日

 部室で待つこと数分、影狼先輩が見知らぬ2人を連れて部室へ訪れた。

 

 

「おお、君たちが新入部員か。俺は新島徹。この天竜中サッカー部のキャプテンだ。」

 

「私は東雲花音。チームメイトよ。よろしくね~。」

 

 

 そう言って入ってきた2人、短い黒髪に苦労してそうな顔の新島キャプテンと、ピンクのポニーテールにおっとりとした目をした東雲先輩が挨拶してくる。

 

 

「俺は坂上和也です。よろしくお願いします。」

 

「加賀美綺羅です。よろしくお願いします、先輩。」

 

「鶴巻忍です!よろしくお願いします!」

 

「ああ、歓迎するよ!」

 

 

 軽く自己紹介を済ませると、先輩たちは顔を見合わせ表情を暗くする。

 

 

「早速3人も入ってくれたのは嬉しいが、あと3人集めないとな……。」

 

「逆に言うと、今サッカーに興味を持ってくれてる1年生がこれだけってことだもんね……。」

 

 

 ……?なんか聞こえてきたけど、人数でも足りていないのだろうか?そう思っていると、鶴巻が容赦なく突っ込んでいく。

 

 

「何かあったんですか?」

 

「ああ、いや、君たちに言うほどじゃ……いや、でも、ううん……。」

 

「何を言い淀んでんだよ、新島。」

 

 

 見かねた影狼先輩が声を上げる。続きを代わりに話し始めた。

 

 

「今このサッカー部にはお前ら3人含めて8人しか居ねぇんだ。ほんで、4月末までに11人揃えないと廃部って上から言われてんだよ。」

 

「えっ!?そうなんですか!?」

 

「そっか、11人いないと試合できないもんね……。」

 

「影狼!彼らを不安にさせるようなことは……。」

 

「いいじゃねぇか。遅かれ早かれ知ることになるんだ。だったら早いうちがいい。それに、こいつらにも協力してもらえばいいじゃねぇか。」

 

「協力……?」

 

「なーに、難しい話じゃねぇ。新入部員の勧誘だよ。」

 

「そうねぇ。ねぇ新島ちゃん、せっかくだしこの子たちにも手伝ってもらいましょうよ。同じ1年生のほうが勧誘しやすいでしょうし。」

 

「そうそう、テメェのくだらねぇプライドなんかにこだわってる場合じゃないだろ。」

 

「ちょっと、影狼ちゃん……。」

 

「ぐっ……。いや、そう……だな。すまない、新入部員にこんなことを頼むのはキャプテンとしてどうかとは思うが、どうか手伝ってくれないだろうか。今サッカー部は危機的状況なんだ。いろいろ話したいことはあるが、まずは部員を集めないと話にならないんだ。頼む。」

 

 どうもサッカー部の人数が足りていないらしい。そして月末までに人数がそろわなければ廃部と。なかなかな状況だな。周りは焦っているが、俺はそこまで焦っていなかった。というのも、この世界の人はサッカーを知らないからやらないだけで、ルールと面白さが分かってもらえれば入部する人もたくさんいると思っているからだ。ソースは鶴巻。

 そんな思考をしているがゆえに、俺は軽々しく返事した。

 

 

「分かりました。1年の中から新入部員を探して連れてきます。」

 

「ほ、本当か!ありがとう!よし、それじゃあ……2手に分かれて勧誘しよう。俺たちは校門で勧誘するから、そっちは校舎の中を頼む。」

 

「了解です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし、サッカー部があんな切羽詰まっていたとはな……。サッカーってこんなに人気がなかったんだな。俺がただただ知らないだけだと思ってたよ。」

 

「ホントだね。わたし、てっきりサッカー部があるくらいだからもっと栄えてると思ってた。」

 

「ふっ、甘いなキラ。俺はこうなることは読めていたよ。」

 

「えぇ~嘘だぁ!」

 

「嘘だ。俺ももう少し栄えていると思っていたよ。」

 

「なんなんだよ今の会話……。」

 

 

 まあ実際俺もいくら知名度が低いからといって、わざわざサッカー部があるんだから11人くらいいるだろうと思っていた。元居た世界ともイナイレの世界とも違うんだ、よくよく考えりゃそりゃこの世界ではこうなるわな。楽観的な考えだったな、気を引き締めなければ……。

 そんなこんなでまだ校舎に残っている生徒に対し、勧誘を試みていくこと約1時間……。

 

 

「かずや~。誰も興味を示してくれないよ~。」

 

「うーむ、まいったな。」

 

「どうすんだよ。先輩達には連れてくるって言っちまったぞ。」

 

 

 想像以上に勧誘がうまくいかず焦りだす俺たち。というか俺。勧誘してみて分かったが、すでにほかの部活に興味を持っている奴らがほとんどだった。そもそも部活に興味がない奴は入学式が終わった時点で既に帰っているし、学校に残っている激レア人物がいても部活自体をやりたくないと言う奴なのでサッカー部に誘ってもいまいちな反応だった。

 というか、連れてくるって言ったのなんて言葉のあやだろ。どんだけ真面目なんだこいつ。

 

 

「仕方ない。軽く謝って、また明日探すとするか。今度はもう既に帰ったやつらを中心に誘ってみよう。まだどの部活にするか決めあぐねている奴がいるかもしれない。」

 

「そう……だな。そうするしかないか。」

 

 

 いやはや、サッカー部への勧誘がこんなに難しいとは。円堂はよくあんなに集められたな。いや、そもそもこの世界とはサッカーの知名度が違いすぎるからか。

 そんなことを考えながらサッカー部へ帰る途中、なにやら穏やかではない声が聞こえてきた。

 

 

 

 

「ちょっと!触らないで!」

 

 

 驚いてそっちを見てみると、金髪のサイドテールと大きな目が特徴の女の子と、いかにも不良って格好のやつら3人がその女の子を囲むように立っていた。

 

 

「へへっ、ちょっとぐらいいいだろ?」

 

「そうそう、俺らと遊ぼうぜぇ~。」

 

 

 なんて典型的なナンパなんだ……。こういうのにはあまり関わりたくはないんだが……。

 

 

「なんか困ってないか?あの女の子。……よし、ちょっと助けに行ってくる!」

 

「ちょ……鶴巻君!?」

 

 

 そう、我らが鶴巻は正義感がめちゃくちゃ高い。なので俺が見て見ぬふりをしても隣のこいつがばっちり見てる。さすがに鶴巻を放っておくわけにもいかないので、しょうがなく関わろうとしたとき……。

 

 

 

 

「あの~。神楽ちゃんには手を出さないほうがいいですよ。」

 

 

「あ?なんだてめぇ!」

 

 

 鶴巻が到達する前に、緑色のツンツンした髪型の気弱そうな少年が、不良たちに声をかけた。

 

 

「才治!遠慮はいらないわ!さっさと片づけて!」

 

「ああ……この怒り様……。あなたたち、もう手を出しちゃったんですね。」

 

「ごちゃごちゃうるせぇよ!俺たちはこの女と大事な話をしてんだよ!引っ込んでな!」

 

 

 そういい、腕を振り上げる不良。ていうか大事でも何でもない話だろ。

 

 

「あ、あぶな……」

 

 

 鶴巻が声をかけると同時に振り下ろされる腕。しかし、才治と呼ばれた少年は少し体をずらし腕をよけ、逆にカウンターパンチを決めた。いや、すごいな今の動き。素人目の俺から見てもすごいって分かるくらいには凄かった。カウンターを食らった不良はノックアウトし、残った2人の不良は目に見えて慌てていた。

 

 

「な、なんだこいつ……。」

 

「さて、これ以上傷つきたくなかったら引いてくれませんかね……。」

 

「な、なめんじゃねぇ!」

 

 

 やけになって2人がかりで襲い掛かるも、軽くいなされ同じようにノックアウトさせられる2人。マジか…3対1で勝っちまいやがった……。あんなに気弱そうなのにめちゃくちゃ強いじゃねぇか。ふと周りを見たら、鶴巻とキラもポカンとした表情をしていた。やっぱりビックリするよな、あんなの見せられたら。

 

 

「相変わらず見事な腕前ね、才治。」

 

「もう、神楽ちゃん。黙ってどっかにいかないでよ。」

 

「あら、心配してくれいるの?」

 

「うん、神楽ちゃんに何かあったら、君のお父さんになんて言われるか……。」

 

「………ふん!あんなの勝手に言わせておけばいいのよ!」

 

「な、なに怒ってるんだよ……。」

 

 

 さっきまでの強さとは裏腹に、神楽と呼ばれた女の子には頭が上がらない様子の少年をなんとなく見ていると、才治の後ろに鉄パイプをもった4人目の不良が迫ってきていた。

 

 

「!?後ろだ!」「才治!」

 

「!しまっ……!」

 

 

 鶴巻と女の子は気づき声をかけるが、気を抜いていた少年は対応に遅れてしまっていた。このままなら確実に殴られてしまうであろう状況に、俺とキラはすぐさま対応する。

 

 

「キラ!」

 

「うん!」

 

 

 それだけ言い、勧誘用に持ってきていたサッカーボールをキラに放る。そしてキラはそのボールを、不良めがけて蹴りこむ。

 

 

「『ダークトルネード』!」

 

 

 あ、そこまでやるんすね。容赦ないなぁ……。キラのキック力ならノーマルシュートでもよかっただろうに。

 キラの放った『ダークトルネード』は見事、不良の鉄パイプを吹き飛ばした。意識外からものすごい衝撃を受けた不良は驚き、そのまま悲鳴を上げ去っていった。

 

 

「ナイス!加賀美さん!」

 

「うん!2人とも、大丈夫だった?」

 

「うん……。まさか4人目がいたとは……。助かったよ、ありがとう。」

 

「そう、よかった。ねぇ、そっちの貴女も……」

 

「い、今のってなんなの……?」

 

 

 大きく目を見開いて震える女の子。まあ、『ダークトルネード』を見たらそうなるのが普通の人の反応だわな。

 

 

「え?サッカーだけど……。」

 

 

 うん、その返事はおかしくないか、キラ。しかし、それを聞き女の子は目を輝かせた。

 

 

 

「サッカー……。わたくしもやりたいわ!サッカー!」

 

「え、」

 

「ええ!?なに言ってるの神楽ちゃん!」

 

「だって、さんざん言ってたでしょう。体を動かしたい、スポーツがしたいって!ねぇ、きっとサッカーもスポーツでしょう!?動きでわかるわ!」

 

「う、うん。スポーツだよ。よく分かったね……。」

 

「まさかこんなスポーツがあったなんて……。驚きだわ!」

 

「だ、ダメだよ神楽ちゃん!スポーツはダメだって君のお父さんが……。」

 

「うるさいわよ才治。第一、お父様が禁止したスポーツの中にサッカーは入ってなかったじゃない。だからわたくしがサッカーをしてもお父様の言いつけを破ったことにはならないわ。」

 

「そ、それはそうだけど……。」

 

 

 キラの返事は正しかったようだ。俺の負けだよ。

 なんか分からんが、どうやらサッカーに興味を持ってもらえたようだ。サッカーの知名度の低さが幸いした形になったようだな。嬉しいような悲しいような……。まあそれはさておき、せっかくやる気になってくれているんだから、気分が変わらないうちにさっさと勧誘するか。

 

 

「なあ、やる気があるならサッカー部に入らないか?今ちょうど部員を探しているところなんだ。」

 

「あら、そうなの?ならちょうどいいわ。サッカー部に入部するわよ、才治。」

 

「はぁ……。大丈夫かな……。」

 

「ほんと!ありがとう!」

 

 

 少年は乗り気じゃなさそうだが、巻き込まれる形で入部させられることになりそうだ。新入部員が確保できてはしゃいでいる鶴巻とキラを落ち着かせつつ自己紹介する。

 

 

「俺は坂上和也。サッカー部員だ。とはいっても、ついさっき入ったばっかりだが。」

 

「わたしは加賀美綺羅。よろしくね!」

 

「鶴巻忍だ!よろしく、2人とも!」

 

「そういえば自己紹介がまだだったわね。わたくしは天王寺神楽(てんのうじかぐら)。天王寺グループ社長、天王寺来栖の娘よ。神楽でかまわないわ。」

 

 

 わお、お嬢様っぽかったけど本物だったとは……。しかし、アクティブなお嬢様だな。スポーツがしたいお嬢様って珍しくないか?いや、ただの俺の偏見か。

 

 

「はあ、もうどうなっても知りませんよ……。あ、僕は伊能才治(いのうさいじ)です。神楽ちゃんの幼馴染であり、親公認のSPみたいなもんです。サッカーはルールすら知らない初心者です。」

 

 

 ほんでこっちもなかなかな立場にいるな。明らかに複雑そうな関係には首を突っ込まずさっさと2人を部室へと案内することにした。

 まあ、初心者だけどこんな状況だ。先輩たちも快く迎え入れてくれるはず……。あ、影狼先輩の入団テストどうしようかな……。

 




 これで10人です。あと1人ですね。11人揃ったら、オリキャラばっかなんでキャラ紹介的なものを書きたいと思ってます。というかないと絶対キャラわかんなくなると思います。
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