イナズマイレブンに似た世界に転生した件について   作:よしたろうex

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 やっと出会います。


転校生と出会う日(後編)

 翌日、俺たちは教室にて授業が始まるのを待っていた。クラス分けを知らなかったのだが、なんとキラと鶴巻と神楽と才治と同じクラスだった。そんな偶然あるのかよ。まあ、ハブられる奴が出なくてよかったよ。ちなみに一番ほっとしているのは俺。

 俺たち5人は、クラスにまだグループができていない中、1つの机を囲むように集まっていた。まあ、話す内容はサッカー部のことについてだけどな。

 

 

「いろいろな方に声を掛けてみたけれど……。」

 

「うん……。まったく興味を持ってくれないね……。」

 

「やっぱりまだサッカーの良さが分からないんだろうね。」

 

「ああ、やってみたら絶対はまるのにな……。」

 

 

 昨日言われた通り、クラスのやつを中心に勧誘を行ってみたものの、結果は芳しくなかった。しかしマズいな。あと1人だと思って余裕ぶっこいていたが、クラスメイトへの勧誘が空振りとなると少し話が変わってくるぞ。

 そんな俺の焦燥など無視するように、先生が入ってくる。

 

 

「はい、席に着け-。今日から君たちの担任となる…………」

 

 

 どうやら担任らしい先生が話しているが、あまり耳には入ってこない。サッカーのことばかり考えていたからだろう。

 

 

「…………以上だ。最後に、転校生を紹介する。」

 

 

 ……ん?転校生?この時期にか!?まだ入学式から1日目だぞ!?周りもざわついている。そりゃそうだ。

 

 

「おーい、入ってこい!」

 

「ほーい。」

 

 

 そう言い、白髪のオールバックで糸目の少年が飄々と教室に入ってきた。

 

 

「それじゃ、自己紹介をしてくれ。」

 

「うい。ワイは磯貝真司(いそがいしんじ)や。みなさん、よろしゅう頼んます。」

 

 

 関西弁のようなしゃべり方をした磯貝が自己紹介をするも、クラスの反応はイマイチだ。磯貝はそんな反応を横目に指定された自分の席へと向かう。

 ……?なんだ?今一瞬目が合ったような……?……気のせいか。

 

 休み時間になっても誰も磯貝の所へは行かなかった。みな新しいクラスにまだ馴染めておらず、友達となる人を探す段階だからだ。いうなれば、クラスメイト全員が転校生のような状態だった。俺たちサッカー部組も特に関わらずに、他クラスにサッカー部の勧誘をしに行こうと決めた、その時だった。

 

 

「なあ、あんたら。ちょっとええか?」

 

 

 なんと磯貝のほうから俺たちに対して話しかけてきた。そのことに驚きつつ、一番前にいた鶴巻が返事をする。

 

 

「あ、ああ。磯貝……だったよな。どうしたんだ?」

 

 

 

「サッカー部がどこにあるか、知らへん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの後話してみたところ、どうやらサッカー部に入部したいとのこと。思わぬ展開に俺たちは驚きつつも最後の1人が見つかったことに喜び、放課後一緒にサッカー部に行くことを約束した。そして放課後、つまり今現在、俺たち5人は自己紹介の後磯貝を連れてサッカー部に向かっている。

 

 

「いやーそれにしてもびっくりしたわ。せっかくの転校生やっちゅうのに、誰も喜ばへんやん。」

 

「それはそうじゃない?なんたってまだクラスが決まって2日なんだから。」

 

「そうよ。それにびっくりしたのはこっちだわ。始まって間もないのに転校なんて……。」

 

「あーまあ、ワイにもいろいろあるっちゅうこっちゃ。そこらへんはまぁええやないか。」

 

 

 別によくはないが。そのままその話題が終わったところで、ずっと気になっていたことを聞いてみる。

 

 

「なあ、磯貝。お前はサッカー経験者なのか?」

 

「ああ。ワイはこれでも小学生のころ、ちょっとは名の知れたプレイヤーやったんやで?」

 

 

 やはりサッカープレイヤーだったようだ。まあ、いきなりサッカー部なんて言い出すからそうじゃないかとは思っていたが。そんな会話をしながら歩いていると、サッカー部の前に着いた。

 

 

「ここがサッカー部室だ。」

 

「ほーここが。なんやぼろっちいところやな。」

 

 

 こいつ結構ズバズバいうな。その問いかけには答えず、俺たちは部室の扉を開けた。中には既に新島先輩ら3人がいた。

 

 

「先輩!新入部員を連れてきましたよ!」

 

「なに!本当か!?すごいじゃないかお前たち!」

 

 

 鶴巻が新入部員を連れてきたことを伝えると、先輩たちは嬉しそうにこちらに視線を向ける。

 

 

「よろしゅうお願いします、先輩方。ワイは磯貝真司ていいますわ。小学校の頃はMFをやってました。」

 

「磯貝か!よろしくな!しかも経験者なのか!これは心強いな!」

 

「よかったわね、新島ちゃん!これで11人揃ったわ!」

 

(磯貝か……こいつ、相当出来るな……。)

 

 

 新島先輩と東雲先輩は喜び、影狼先輩はどこか真剣な表情で磯貝を迎え入れる。

 

 

「……なあ、才治。このサッカー部って、もしかして人数が足りてなかったんか?」

 

「う、うん……。磯貝君が入ってくるまで10人だったから、あと一人を何とかして見つけなきゃって……。」

 

「けっこう切羽詰まってたんやな……。ま、もっとワイに感謝しいや。」

 

「うん……。磯貝君。入ってくれて本当にありがとう……。」

 

「……ジョーダンやがな。そないにまともにとらえんでええで。」

 

 

 

 しばらくして先輩たちも落ち着いたのか、今日の部活動について話し始める。

 

 

「今日は、言っていた南条と薬師寺も来てくれるそうだ。昨日話したときにそう言っていた。なので、あいつらが来てから練習を始める。」

 

 

 おお、ついに中学での練習か。いままでキラと鶴巻の3人でしか練習してこなかったからな。11人での練習が楽しみだな。……そういえば、先輩たちのポジションってどこなんだろうか。なんか入ってからはそれどころじゃなくて聞けていなかったな。

 

 

「そういえば、先輩たちのポジションってどこなんですか?」

 

「ん?ああ、そういえばまだ言っていなかったな。俺はMFだ。」

 

「わたしはDFよ~。」

 

「うすうす気づいてると思うがFWだ。」

 

 

 まあ、あんなシュート打てるくらいだから影狼先輩はFWだよな。というか、東雲先輩DFなのか。なんか意外だったな……。

 ふと後ろを見ると、磯貝が神楽と才治にポジションとは何かを教えていた。そういえば、まだルール教えてなかったな。

 

 

「そして、まだ来ていない南条がMF、薬師寺がGKだ。」

 

 

「!……GK……。」

 

 

 

 

 うわー、マジか。薬師寺先輩GKなのか。まいったな、ポジションがかぶったぞ……。薬師寺先輩がどんな人か知らないが、部活動をさぼるくらいだ。あんまりサッカーに情熱が無い人かもしれない。ここでGKだといって変にもめるのも嫌だな……。せっかく11人揃ったのにここで張り合うと、最悪チームとしてまとまらなくなるかもしれない。

 

 

「そういえば、お前たちはサッカー経験者だったよな。ポジションはどこなんだ?」

 

「あ、わたしはFW希望です。」

 

「あー、俺はどこなんだろうか?今まで気にしたことなかったな……。」

 

「鶴巻君なら『スピニングカット』も使えるし、DFがいいんじゃないかな?」

 

「そ、そうか。じゃあ、俺はDFです。」

 

「そうか、加賀美がFWに鶴巻がDFだな。……坂上はどうなんだ?」

 

「俺……俺は……。」

 

 

 どうしよう。どうこたえるべきか……。俺はめちゃくちゃ悩んだ。悩んだ末に俺は…………

 

 

 

 

「俺もDFです。」

 

 

「えっ!?」

 

「おい、坂上!」

 

「……!」

 

「いいんだ。キラ。鶴巻。」

 

 

 何か言いたげなキラと鶴巻を制し、俺はDFであると新島先輩に告げる。これでいい。これでいいはずだ。キラと鶴巻も俺の意図を察したのか、何も言ってこなかった。その顔はとても複雑そうだったが。

 そういえば、影狼先輩も俺がGKであることを察していたはずだ。影狼先輩の様子を見てみると、やはり複雑そうな顔だったが何も言わないでくれた。そうだ、影狼先輩も何も言わないってことは、きっとこれで正しいはずだ。俺がDFで、薬師寺先輩がGK。これでチームとして完成するんだ。

 

 

「坂上はDFか……。うん。全体的にバランスがいいな。これなら神楽と伊能がどこのポジションに行ってもフォーメーションを変えることで対応可能だな。」

 

「そうね。神楽ちゃんと伊能ちゃんのポジションは、練習の様子を見て決めたらいいと思うわ。」

 

 

 その時、部室のドアが開き、見知らぬ2人が入ってきた。

 

 

「ちっ、ここに来るのも久しぶりだ。相変わらずぼろっちいな……。」

 

「はあ……もう二度と来たくなかったんだけどね……。」

 

「南条!薬師寺!来てくれたんだな!」

 

 

 入ってきた2人はどうやら、話に出ていた南条先輩と薬師寺先輩だったようだ。

 

 

「見ろ、新入部員が6人も入ってきてくれたんだ!これでサッカー部は続けられる!だからもう一度サッカーやらないか?」

 

「……ちっ。まあ、11人揃ったらやってやってもいいって言ってたからな……。」

 

「はぁ、どうせやったところでまた御門中に……。」

 

「おい!薬師寺お前まだそんなこと言ってんのか!」

 

「うわ!か、影狼君……。わ、分かったよ。やるよ……。」

 

 

 やはり、どうも気乗りしていない南条先輩と薬師寺先輩。そんな彼らでも、今は貴重な人数だ。多少無理にでもサッカー部の活動をしてもらわないといけない。

 

 

「さ、2人とも。新入部員に挨拶してくれ。」

 

「……南条圭吾だ。」

 

「薬師寺努、よろしく……。」

 

 

 め、滅茶苦茶雰囲気が重い……。眼隠れするほどの黒髪ロングの南条先輩と、海老のような髪型の薬師寺先輩に対し、俺たち新入部員も挨拶をする。そして挨拶が終わった後、新島先輩が話し始めた。

 

 

「みんな!今から練習を始めるが、その前に目標をみんなで共有しておきたいんだ!」

 

「目標ですか?」

 

「それはいいことですわ!目標がないと気合も入りませんわ!」

 

「ああ。そして俺たちの目標は、……フットボールフロンティアで優勝することだ!」

 

「フットボール、フロンティア?」

 

「ええ。毎年1回、全国のサッカー部が集まって日本一を競う大会なの。」

 

 

 鶴巻が聞いた質問に東雲先輩が答える。この世界にもFFがあるのか。イナズマイレブンっぽい世界だからあるかもとは思っていたが、まさか本当にあるとは。

 

 

「そうだ。俺たちの目標はフットボールフロンティアで地区予選を突破し、全国大会にて優勝する。これは俺の2個上の先輩たちの時代からの目標なんだ。」

 

「日本一か………わくわくしてきますね!」

 

「鶴巻はホンマ単純なやっちゃな……。まあ、気持ちは分らんでもないけどな。」

 

「かずや!世界一になるためには、まず日本一にならなくちゃね!」

 

「ああ、そうだな。」

 

 

 

 

「新島ちゃん。1年のみんなはやる気満々みたいね。」

 

「ああ。この様子なら、今年こそはいけるかもしれないな。」

 

 

 みんなは日本一になるという明確な目標ができて、俄然やる気になったみたいだ。影狼先輩も口には出していないが、どこかやる気にはなっているように思う。逆に南条先輩と薬師寺先輩はあまり乗り気ではないようだ。

 

 

「よし!優勝に向けて練習だ!」

 

「「「はい!」」」

 

 

 元気よく返事し、俺たちは部室を出た。さて、練習開始だ。




 11人揃ったんですけど、登場人物まとめは次の次くらいになりそうです。

 冬場は仕事が忙しいので、更新頻度はどんどん落ちるかもです。なるべく早くするように努力はします。
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