第16話『黒幕』
「探せ!」
慌ただしくカイル達を探し回る警備員達その近くの倉庫の扉の隙間からカイルとセレスが外の様子を見て安全だと思うとキリト達の所へいく。
「さてと、これからどうやってディアベル達を探して戻るかだな…」
カイルは一人で救出作戦を考えているとセレスとユイ以外の視線が集中していた…
「…何?」
「何じゃない!どうして、カイルはここまで冷静なわけ」
「それに、お前、何か知っていた口ぶりだった…カイルが言っていた、最高評議院…それが関わっているんだろ?」
「っ!!それは…だな」
リズとキリトに痛いところをつかれた、カイルは取り乱す。
「カイルくん、私達に言えないことでもあるの?」
そこに追撃するかのように、アスナが悲しい目をしながら見てきてカイルの精神的に大ダメージを負う。
「……すまん、これは守秘義務があるから…アスナにも言えない」
「守秘義務って…まるで…」
「軍人みたいね」
キリトが言おうとしたことをこの中の誰でもない第三者が口にして全員辺りを警戒する。
次の瞬間、通気孔の鉄格子が落ちてきてそこから女の子が降りてくる。
「警戒しなくていいわ、私もSAOプレイヤーだから」
「貴方一体…」
「私はフィリア…しがいないトレジャーハンターよ」
「そのトレジャーハンターが何で此処に?あんたは死んだのか?」
「まあ、そんなところ、それであいつらの所に飛ばされたけど…嫌な予感がしてね、隙を見て逃げて隠れてたわけ」
(隙を見て…か…嘘を言っているのか?それとも…)
「……この人は嘘入ってないよ」
この緊迫の状況を変えたのはユイだった。
「ユイ…わかった、ユイが言うなら信じる…」
「えっと、話していいかな?」
「ああ、かまわない」
「まず、これ貴方のよね」
そういってポーチから取り出したのは何やら使い込まれた手帳であり、それを見たときカイルの表情は強張った。
「それは…」
「この基地の空き部屋で見つけたの…開けてみたら何を書いてるかは…私にはわからないけど、写真…あなたよね」
(間違いない、これは俺が捜査でよく使ってた手帳だ、ご丁寧に局のIDカードまで…)
「間違いない、それは俺のものだ…でもなんでこんな基地に…」
「ふーん、しらを切るんだ…あなたも、あいつらの仲間なんでしょ?」
フィリアは鋭い目付きでカイルを睨み短剣を握っている。
「どうして、そんな根拠が?」
「何って、あなた、此処でログインしてるからじゃないの?私、此処にいる間に貴方の体を見たのよ」
『っ!?』
フィリアがもたらした情報によりカイル達は驚いた。
「ど、どこにあったの!?教えて!」
行方がわからなかったカイルの体が此処にあると聞くと何降り構わず、フィリアを掴んで揺らして問い詰めた。
「何?あんた、ログインしてる場所も知らなかったの?」
「…フィリア…そこまで、俺を案内してくれ」
「…ええ、構わないわ、ここから少し離れた場所にあるのでも通気孔で繋がってるから着いてきて」
そういってフィリアが通気孔に入っていきそれに続くようにカイルとセレスも入っていく。
「ま、待てよ!カイル!」
「アスナ!あたし達も追いかけるわよ!」
「う、うん!」
「私とシンカーさんは此処でユイちゃんと待ってます」
そのカイルを追いかけて、キリト、アスナ、リズもまた通気孔に入っていった。
通気孔の中を匍匐前進で進んでいき、ついにその場所までつき、フィリアが鉄格子をとってその場に降りた。
それに続いてカイルとセレスも無事に着地して辺りを見渡すとそこはケーブルが沢山あり中央には人が入れるカプセルが鎮座していた。
「……こんなところに居たんだな…」
「此処か…」
カイル達が通ってきた通気孔からキリト達も出てきてカイルに近づいていくと、カイルが見ているものを見て驚愕した。
「カイル…くん?」
カプセルに入っていたのはナーヴギアを被り病院服で眠っているカイル本人であった。
「カイル、これはお前のからだなんだよな…どうしてこんなところに…」
カイルはキリトの質問も答えずにそっとカプセルに近づいていき…
「全く、とんだネズミが潜り込んでいたようだ」
かつかつと革靴の音が聞こえてきてカイル達は戦闘体制に入るがその近づいてきた人物を見てアスナが驚愕した。
「す、須郷さん!?どうしてあなたが…」
「明日奈…まさか、君がSAOの中で攻略組にいるなんて…僕も驚いたよ」
「アスナ…知り合いなの?」
「私のお父さんが勤めてるレクト社のフルダイブ技術部門の責任者で…茅場の次ぐ実力を持ってるの」
「茅場を次ぐだって…いいや、それは間違いだよ、茅場はSAO事件でその名誉を地に落とした今や僕がフルダイブ技術とっては右に出るものなどいない」
「………」
須郷の自信に満ちた言葉を聞き入れているとカイルは不振な目で須郷を睨んでいた。
「なんだ、お前は…」
「……須郷…お前は何が目的でこんなことをした…」
「な、何をいっている」
「カイルくん…?」
カイルから涌き出ている殺気を全員が感じて冷や汗を流すなかカイルは須郷に更に問い詰めていく。
「茅場さんの夢であったSAOを利用し死んだと思われていた人達をこの基地に閉じ込め…最高評議院と結託して茅場さんを拉致した…全部しってんだよ!」
「拉致だって!?」
「ちょ!どういうことよ!カイル!」
カイルがいったことに困惑するアスナ達だが須郷は不気味な笑みを微笑み笑いだした。
「まさか、茅場にSAOの中であったのか…これは失態だったな……そうさ、この僕がSAOを管理しているゲームマスターさ」
「完全に本性を現したな…それで、具体的な計画ってのはなんなんだ?」
「そうだね、簡単に言うと僕は地球の王として君臨することさ」
「地球の王だと!?」
キリトは二刀流で構えながら須郷にたずねた
「その通りさ、僕の研究はね、人の感情を操作するという実験さ」
「感情の操作!?」
「そう、それにより、僕の思い通りの軍隊を作り地球を支配する」
「そ、そんなこと…できるわけ…」
「できるのさ!僕が持ち込んだ感情操作と、最高評議院が持っていたプロジェクトFによって!」
「っ!!プロジェクトFだと!?」
「カイルくんは知っていたね、プロジェクトFを……どうだい?僕に協力してくれれば…悪くはしないよ」
須郷の誘いを聞いてカイルは完全に切れた。
「ふざけるなぁ!」
カイルは感情を高ぶらせながら須郷に襲い掛かる。
「……ウザいな!おい!痛め付けろ」
「…了解」
須郷は指をならすと突如カイルの頭上から女の子が剣を持ってカイルに襲いかかりとっさだったが剣で防御したが一撃で剣が破壊され仰け反った時を狙われ回し蹴りで吹き飛ばされた。
「わ、私?」
カイルを吹き飛ばしたのはアスナの幼い頃にそっくりの女の子だが目は光がなく、操り人形のような感じがした。
「カイル!ぐっ!」
カイルが吹き飛ばされてキリトが動こうとしたとき突然キリトが麻痺で動けなくなり同時にアスナ達も、麻痺に犯された。
「あひゃひゃひゃひゃ!どうだい、スーパーアカウントの力はこれによってプレイヤーは僕には逆らえないのさ!」
「須郷博士、残りの逃走者も確保しました」
「わかった、こっちもネズミをすべて捕まえた、こいつらを牢にぶちこめ」
そういって基地の研究者がやって来て抵抗できないキリト達はなすすべもなく連行されていった。