私…生まれ変わったらモブキャラになりたいな(なれるとは言ってない)   作:とんこつラーメン

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一緒のお出かけは波乱の予感?

 図らずもデュノアさんとボーデヴィッヒさんと一緒にお買い物に行くことになった私。

 IS学園に入ってから、こんな風に誰かと一緒に買い物に行くのはこれで二回目になる。

 着実に私も高校の青春を味わってますな。

 

「…と言う訳だから、ちょっとお出かけして来るね」

「おう。気を付けて行って来てな」

「はーい」

 

 今日も千冬さんがお仕事でいないので、留守番は織斑君一人だけに。

 こうした話をしていると、本当の家族みたいだなぁ。

 

「なんかゴメンね。私だけ出掛けて留守番を押し付けるみたいで…」

「いいっていいって。気にしないでくれよ。それよりも、シャルロットたちとはどこで待ち合わせをしてるんだ?」

「目的地となるデパートだよ。変に待ち合わせ場所を指定するより、現地で合流した方が効率的じゃないかってボーデヴィッヒさんが言って」

「ラウラらしい提案だなぁ…」

「全くで」

 

 今までずっと軍の中で生活をしてきたから、その癖が完全には抜けきってないんだろうね。

 それもいずれ、日本で生活していけば自然と抜けていくと信じたい。

 あの子を送り出した少将さんも、きっとそれを望んでいると思うから。

 

「にしても、まさかラウラが私服の類を全く持ってなかったとは驚いたな」

「だよね。持ってる服と言ったら、軍人時代に持ってた軍服と、IS学園の制服、あとは体操服とかジャージだけとかって言ってたし…」

「放課後とかならまだしも、プライベートで制服を着るのはなぁ…」

「だから、デュノアさんが一念発起したんだと思う」

「だろうな。でも、そうなると今日のラウラは制服で来てるってことなのか?」

「そうかもしれない…。デュノアさんの服じゃサイズが合わないだろうし…」

 

 多分、服のサイズが合いそうなのは凰さんぐらいだと思う。

 私の服でも少しブカブカになるんじゃないかな?

 

「今日の買い物を切っ掛けにして、少しでも服に興味を持ってくれたら嬉しいんだけどね」

「一応、IS学園の購買部にも洋服は売ってあるもんな」

 

 そうなのです。

 IS学園の購買部は他の学校とは違って、ちょっとしたコンビニみたいになっている。

 勉強するのに必要な筆記用具やノートなどは勿論、お菓子や菓子パン、各種お弁当に惣菜パン、ちょっとした小物もあるし、お野菜やお肉を初めとした食料品も販売していて、挙句の果ては色んな調理器具や洋服、靴なんかも普通に売り出してる。

 しかも、売り物の種類は入れ代わり立ち代わりしているので、季節限定な物も少なくない。

 

「俺…一度、猛烈に料理が作りたくなった時があって、購買部で野菜や肉を買って自分の部屋で野菜炒めと味噌汁を作って、ご飯まで炊いて食った事がある…」

「実は私も…。別に食堂の料理も悪くは無いんだけど、偶に自分の手で造らないと腕が鈍りそうで怖くて…衝動的に購買部で適当な材料を買ってから、自室でオムライス食べた…」

 

 やっぱり、自分で作ると不思議とホッとするんだよね。

 自然と笑顔になるって言うか。

 

「っと、もうこんな時間だ。それじゃあ、行ってくるね」

「いってらっしゃい」

「いってきまーす」

 

 こうして、私はデュノアさん達が待っているであろうレゾナンスのデパートに向けて出発するのでした。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

「お待たせー」

 

 やっぱりと言うか、案の定と言うか、デパートに到着したのは私が最後でした。

 距離的には仕方がないとはいえ、やっぱりなんか申し訳ない。

 

「別に大丈夫だよ。ボクたちもついさっき来たばかりだし。ね、ラウラ」

「シャルロットの言う通りだ。気にする必要はないぞ、佳織」

「そう言ってくれるだけでも有り難いよー」

 

 デュノアさんの私服は白を基調としたワンピースで、綺麗な金髪と相まって、全身から見事なお嬢様オーラを醸し出していた。

 そしてボーデヴィッヒさんは…。

 

「見事に制服姿だね…」

「これしか持ってないからな」

 

 胸張って言う事じゃないよ…それ。

 

「今日の佳織はなんて言うか…カッコいいね」

「そう?」

 

 別に普通だと思うんだけどなー。

 薄手の白いYシャツに、黒いスラックスのパンツルック。

 履いているサンダルも黒を選んで、後ろ髪は首元で纏めてある。

 うん。やっぱり普通でしょ。

 

「まるで『出来る女』って感じがするよ。凄く大人びて見える」

「シャルロットの言う通りだ。少しだけ織斑教官に似ている気がするぞ」

「千冬さんに…?」

 

 そう言われると…流石に照れちゃいますな…にゃはは…。

 

「と…ところで、今日はどんなルートで行くつもりなの?」

「まずは洋服から見て行って、その途中でランチを挟んで、午後から生活雑貨とか小物とかを見に行こうかなって考えてるんだけど、佳織もラウラもそれでいい?」

「私は全然大丈夫だよ」

「私もだ。この手の事はよく分らんからな。全てシャルロットに任せる」

「了解。じゃ、今日は主にボクが先導するね」

 

 それは有り難い。

 中学時代も良く、落語部の皆と一緒に買い物とか行ってたけど、私は完全に流されるままに着いて行くだけだったしね。

 誰かが先を歩いてくれることは普通に助かるですよ。

 

「そうだ。デパートに入る前にラウラに聞いておきたい事があるんだけど」

「なんだ?」

「私服はスカートとズボン、どっちがいい?」

「うーむ…どっちが良いと言われてもな…個人的には今までずっとズボンだったから、私服もズボンな方が有り難いが…。スカートはヒラヒラして落ち着かないと思うし…」

 

 そっかー…。

 私としては、絶対にスカートも似合うと思うんだけどなぁ~。

 

「じゃあ、佳織はスカートとズボン、どっちがラウラに似合うと思う?」

「デザインにもよるかなー。どっちも似合いそうだとは思うけど、全ては試着をしてみてからじゃない?」

「言われてみれば確かに…ここで決めつけるのは早計かもだね」

 

 そゆこと。

 ちゃんと分かってくれて何よりですよ。

 

「一先ずは中に入ろうか。まずは七階に行って、それから六階と五階にも行ってみるつもりだから。上から順番に回って行こう」

「ん? どうして上から何だ? 下からじゃないのか?」

 

 まぁ…その疑問は当然ですわな。

 私も、何も知らなかったら同じ質問をしてたと思う。

 

「上の階にあるお店はまだ夏服がセールで売ってるからだよ。逆に下の階はもう既に秋物の服を売り始めてるから、まずは上から見てみようってことなんじゃないかな?」

「なる…ほど…なのか?」

 

 この顔はよく分かってないって顔ですな。

 見事なキョトン顔になってますがな。

 

「と言うか、まだ夏なのにもう秋の服を買うのか? 気が早過ぎでは?」

「早過ぎじゃないよ。こういうのは季節を先取りにて買っておくものなんだよ。ね、佳織?」

「そうだね。秋になってからだと良い服が殆ど売れてしまって、欲しい服が買えない…なんて事態になりかねないしね。ISでもそうだけど、先読みして行動することは大事なんだよ」

「成る程…確かに佳織の言う通りだな。いざ戦闘になってから兵装や徴兵をしても意味が無い…準備の段階から既に戦いは始まっていると言う事か」

「ま…まぁ…その認識で良いと思うよ?」

 

 実にボーデヴィッヒさんらしい考え方だなぁ…。

 これで本人が納得してくれたんなら、それでいいけど。

 

「え…ちょ…見てよ。あそこの三人組の女の子」

「うわぁ…すっごいキレー…」

 

 あ…ヤベ。

 流石に立ち止まり過ぎたか?

 ボーデヴィッヒさんが制服姿だからか目立ってしまったかもしれない。

 

「あのスーツっぽいの着てるのって、もしかして保護者だったりするのかしら?」

「大人っぽくて…クールで…美人で…カッコいいわねぇ~…」

「私も、あんなお姉さまが欲しかったわぁ…」

 

 ほ…保護者…。

 私も二人と同じ十五歳なのに…完全に大人に見られてる…。

 喜んでいいのか、悲しんでいいのか…。

 

「あの銀髪の子が着てるのってIS学園の制服じゃない?」

「え? マジ? あの倍率一万越えの?」

「うん。間違いないよ。前にネットで見たことあるし。

「あそこって、入学できるのは国を代表する一部のエリートだけって噂よね?」

「ってことは、あそこにいる三人はいずれもIS学園の生徒って事?」

「綺麗でエリートでって…幾らなんでも凄すぎよねぇ…」

 

 なんかIS学園に関する変な噂が歪曲して広まってますな。

 別に在校生の全てが候補生とかじゃないんだよ?

 確かに候補生もいはするけど、本当にごく一部だけだし…。

 

「矢張り、この制服は悪目立ちしてしまうのだな。日常に紛れる為にも、シャルロットの言う通りに私服を買うべきか…」

「その通りではあるけど…」

「そこに至るまでの理由が…」

 

 まぁいいや…本人が自覚してくれただけでも。

 それよりも問題は…。

 

「私って…そんなに女子高生に見えないのかな…?」

「そ…そんな事は無いよッ!? あんな風に言われたのは、佳織が大人びた美人だって証拠だよ!」

「大人びた…かぁ…」

 

 現役ピチピチの女子高生な身としては複雑だけど…馬鹿にされた訳じゃないから…ここは頑張って飲み込もう…。

 

「と…とにかく! まずは中に入ろう! ね?」

「うむ。そうだな」

「はーい…」

 

 まだ特に何もしてないのに、早くも精神的に重傷になってしまった私なのでした。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 デパートの中に入り、エレベーターで一気に七階まで上がって行く。

 流石は夏休みと言うべきか、中は想像以上の人込みで賑わっていた。

 私達と同じ女子高生連れや家族連れ、恋人同士など様々だ。

 

「うーん…佳織って、もしかしてかなりファッションセンスが良かったりする?」

「え? 普通だと思うけど…?」

「その割には、今日の佳織の服、かなり似合ってるよね。いつもの佳織とはまた違う一面を見た気がするって言うか」

「そうかな…」

 

 ぶっちゃけ、服なんてその日その時の気分で着てるからね~。

 前の時に着たビビットでツインテールな服も、白いワンピースで白い帽子な時も『なんとなく』で着ていたし。

 

「本当は、ラウラだけじゃなくて佳織もコーディネートしようかなって思ってたんだけど、その服装を見る限りは大丈夫みたいだね」

「恐縮です…」

 

 なんか知らないけどデュノアさんから合格を貰ったみたい。

 もしお眼鏡に適ってなかったら、私も着せ替え人形をさせられてたんだろうか。

 

「二人とも、七階に到着したみたいだぞ」

「じゃあ、降りてからお店に行こうか」

「だねー」

 

 さーて…今日でボーデヴィッヒさんはどんな風にメイクアップするのやら。

 何もしなくても普通に可愛いから、ちょっとしたことでもかなり化けると思うんだよね。

 これは地味に楽しみになって来ましたよ?

 

 

 

 

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