私…生まれ変わったらモブキャラになりたいな(なれるとは言ってない) 作:とんこつラーメン
まさか、夏祭り会場でおじいちゃんズと出会うことになるとは…。
しかも、二人も人数が増えてる状態で。
なんなんですか、あんたらは。
物語後半に突入してメンバーが増えたスーパー戦隊ですか。
(ハワードか…別世界とはいえ、懐かしい顔に出会ったものだ…)
そっか。
ゼクスはOZを離反した後に、あの人に少しお世話になってたんだっけ。
(あぁ。きっと、彼ならば佳織の力にもなってくれるはずだ)
そうだね。
私も、ガンダム開発に関わっている時点であの人は悪人ではないと確信してるよ。
癖は凄く強そうだけどね。
しっかし…おじいちゃん達は完全に夏祭りを楽しみまくってますなぁ…。
格好だって、いつもの白衣じゃなくて普通に浴衣着てるし。
それがまた似合ってるから凄いんだよね。
「それにしても、こんな場所で会うことになるとは。奇妙なこともあるもんじゃ」
「完全にこっちの台詞なんだよなぁ…」
「だな…」
私達だって、おじいちゃん達がここに来ているなんて想像すらしなかったよ。
ずーっと研究室に閉じこもりっぱなしのイメージしかなかったし。
「確かにワシらは生粋の科学者であり研究者ではあるが、だからと言ってずっと研究室にいると言うわけではないぞ?」
あら。まるでこっちの心を読んだかのように返されてしまったでゴザル。
「肉体的なリフレッシュならば室内でも可能だが、精神的なリフレッシュともなるとそうはいかない」
「偶には外に出て、新鮮な空気でも吸いながら体を動かすことも大事なんじゃよ」
「こう見えても、我々は年一ぐらいのペースで山に登ったりもしているんだぞ?」
マジですか…。
どう考えても還暦間近か、とっくに過ぎてるぐらいの年齢だろうに。
本当に元気有り余りすぎでは?
「と言うわけで、ワシらはそろそろ行くか。若者たちの青春を邪魔するような無粋な真似をするわけにもいくまいて」
「そうじゃな。では、次はあそこにあるくじ引きに行くぞ! ワシらの頭脳をフルに扱って、店主に八百長を認めさせるんじゃ!」
「おぉ…それは中々に面白そうだな」
「あの手の屋台は、どれだけくじを引いても絶対に当たらないようになっていると専らの噂だからな。それを暴いてやるのも、また一興か」
な…なんちゅーことを考えつくんだ…この天才科学者たちは…。
やろうと思えばマジで出来そうだから怖いんだよ…。
くじ引きの屋台のおじさん、今すぐに逃げてー!!
「ではな。お主たちも夏祭りを思う存分、楽しむんじゃぞ」
「「「は…はい…」」」
行ってしまった…。
去り際の一言だけを切り抜けば、若者想いの優しいお爺ちゃんなんだけどなぁ…。
お茶目と言うか、精神的に若々しいと言うか…。
「や…やっぱ…すげぇ存在感だったな…あの人たちは…」
「そうだな…人数も増えてたし…」
「けど、凄く楽しそうではあったよね…」
ぜーったいに、あの7人って若い頃から今みたいに一緒にいたんだろうなってのが容易に想像できる。
あの人達の若い頃の写真とかってどこかに無いのかな…。
冗談抜きで一度見てみたいかも…。
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おじいちゃんズと分かれた私たちは、夕飯代わりに適当に軽食系の屋台で食事をしつつ、今は射的の屋台の前に来ていた。
「これで~…二つ目! えい!」
「「おぉ~!」」
私の撃ったコルク銃の弾が、見事に景品である『駄菓子詰め合わせセット』に命中して下に落ちる。
ふぅ…頑張れば意外と何とかなるもんだ。
「大人しそうな顔をしてる癖にやるじゃねぇか、お嬢ちゃん!」
「いやぁ…あはは…」
これ…完全にアレなんだよね。
ゼクスやトレーズ閣下がトールギスを操縦してる時の射撃の癖とかが私の体にも少なからず染みついている結果なんだよね…。
いやはや…こんなこともあるもんなんだねぇ…。
(流石は姫だ。見事な腕前と言っておこう)
(これは…あれか? 佳織が独り立ちする日も、そう遠くはないやもしれぬな)
いやいやいや…私なんて二人に比べたら絶対的にまだまだですから。
超絶ハイパード素人星人が、ハイパード素人星人になった程度ですから!
「やっぱすげぇなぁ…仲森さんは! IS乗ってる時と同じで百発百中じゃねぇか!」
「うむ! 剣を振るしか能が無い我々とは大違いだな!」
何もそこまで自分を卑下しなくてもいいと思うよ? 篠ノ之さん…。
実際の私は、その『剣を振るう』ってことすらも出来ないんだし。
「私と一夏は見事に三発とも外れてしまったからな…」
「これはー…あれか? 夏休みが終わったら、まずは射撃の練習から始めないと駄目か?」
そんなことはない…とは言い切れないのがIS学園の授業なんだよねぇ~。
実際にISを使った実技の授業で射撃の練習とか普通にありそうだし。
「んで仲森さん。最後の一発は何を狙うんだ?」
「そうだなぁ~…」
普通なら、デカデカと飾ってある某最新ゲーム機を狙うべきなんだろうけど…。
(あれ…もう普通に持ってる…っていうか、お店で買ってるんだよなぁ…)
今の私は、どんな最新ゲーム機も余裕で買えちゃうぐらいには金銭的な余裕があるのでございますですことよ。
なので、ゲーム機は普通に却下で。
同じのを二つも持ってても意味無いしね。
「む?」
「どうした?」
「あれ…」
「「あれ?」」
なんか無駄に大きなクマのぬいぐるみ…いや、テディベアか?
偶には女の子らしく、あーゆーのを持っててもいいかもしれないな…。
「あの大きなクマちゃんを狙う」
「あ…あれをか?」
「仲森さんなら、なんとか出来そうだけど…デカいぜ? コルク銃じゃあ流石に難しいんじゃ…」
まぁ…普通に考えればそうだよね。
でも、我に策アリ。
「ねぇ…おじさん?」
「なんだい?」
「ここにある景品ってさ…台から落とせば問題無いんだよね?」
「おう! 台から落とすことさえ出来れば、その景品を進呈してやるよ! 男に二言はねぇ!」
ほぉ~…言ったね?
今の言葉、ちゃんとトールギスに録音したからね?
「では…参りますか」
コルクの弾を込めて…っと。
私が狙うのは……。
「ここだ!」
「えっ!?」
「なにっ!?」
「なんだとぉっ!?」
私が狙ったのは、台を支えている部品。
ここの屋台の景品を乗せている台は、恐らくはホームセンターで買ってきた物を改造して作った物だろう。
景品が乗っている板を支えているのは小さなプラスチックの部品。
今までの射的の衝撃で少しづつ緩んでいたんだろう、そのうちの一つが外れそうになっていた。
それが丁度、私の狙っているクマちゃんの下にあった。
だから、それを狙った。
正攻法じゃ絶対に攻略不可能だっただろうからね。
「だ…台が端の部分だけが外れて…」
「狙っていたクマのぬいぐるみだけが綺麗に落ちた…」
ちゃんと落ちるかどうかは、ぶっちゃけ賭けだったんだけど…上手くいって良かった。
世の中、意外と何とかなるもんだ。
「あはははははは! こいつは参った! 降参だ! まさか、台の部品を緩みを狙って撃って景品を落とすとはな! 幾ら何でも凄すぎるぜ!」
「にゃはは…ども…」
ふぅ~…殆ど反則に近い行為と思ってたから、文句とか言われたらどうしようと思ってたけど…どうやら、その心配な無いっぽい。
屋台のおじさんが昔気質の江戸っ子でよかった。
「ほらよ! 嬢ちゃんが欲しがってたクマのぬいぐるみだ! 持ってきな!」
「あ…ありがとうございます」
うっわ~…でっかくて、ふっわふわだぁ~…♡
冬の寒い時とかは、これを抱き枕代わりにして寝ようかな…。
「すげぇ芸当を見せてくれた礼変わりだ! こいつも持っていきな!」
「えぇ!?」
そう言って手渡してくれたのは、クマのぬいぐるみの隣にあった某最新ゲーム機だった。
「あ…あの…これは…」
「遠慮すんなって! どうせ、お嬢ちゃんの腕前なら、こいつも簡単に取っていくに決まってる! それだったら、ここで気持ちよく渡した方が良いってもんだ!」
「えぇ~…」
それでいいのかな…客商売…。
おじさんが良いのなら、私は別に構わないんだけどさ…。
「仲森さん、もう既にそれ持ってたよな?」
「うん…だから二台目…」
「…どうする?」
「うーん…」
さっきも言ったけど、同じのを持っててもなぁ~…。
「…織斑君…いる?」
「いいのか?」
「別にいいよ? これって携帯モードでも遊べるし。確か『1』の方は持ってたよね?」
「あぁ。白式の金が入った時に衝動的にな…。こっちは抽選に外れちまって買えなかったけど」
「なら、あげるよ。私はもう持ってるし」
「じゃあ…有難く頂こうかな」
因みに、私は普通に抽選で当たりました。
あの時はめっちゃ嬉しかったねぇ~。
・・・・・
・・・・
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射的屋でゲットした巨大クマちゃんぬいぐるみと某最新ゲーム機はトールギスの拡張領域の中で仕舞っておいた。
こんなことが出来るのも、専用機持ちの特権なのかもね~。
で、私と篠ノ之さんは綿あめを、織斑君は焼きそばを食べながら屋台を練り歩いていく。
「ん~…綿あめなんて食べたの、マジで何年振りだろ~」
「私もだ。今じゃ普通に綿あめの屋台も減ってきているしな」
「だよね~」
最近の屋台って、どうも売り上げ狙いのオンリーワンを狙いすぎてるせいか『えっ!? こんな屋台があるのっ!?』ってのが多くなってきてるからね。
実際に、斜め前にはイタリアンパスタを売ってる屋台があるし。
夏祭りでパスタって…。
風変わりな屋台の数々を見ながら歩いていると、いきなり誰かから声を掛けられた。
「あ…あれ…? そこにいるのって…佳織さん? と…一夏さんも…?」
「「え?」」
どこかで聞いたことのある声に振り向くと、そこにいたのは五反田君の妹さんである蘭ちゃんだった。
しかも、ちゃんとこの場に合わせた浴衣姿で。
「おー…蘭か」
「蘭ちゃん。やっほー」
「だ…誰だ…?」
そっか。
私と織斑君はめっちゃ知り合いだけど、篠ノ之さんとは初対面だったっけ。
なら、ちゃんと教えてあげないと可哀想だ。
「あの女の子は『五反田蘭』ちゃんって言って、織斑君の男友達の妹さんなんだよ」
「一夏の男友達の妹…成る程な。で、どうして、それがここに?」
「「さぁ?」」
普通に夏祭りに来ただけでは?
今日は誰がここに来ても決して不思議じゃないし。
なんせ、あのおじいちゃんたちが来てたぐらいだしね。
もう誰と出会っても、大抵の事じゃ驚かない自信があるよ。
「うっわぁ~…佳織さんの浴衣姿…めっちゃ綺麗…。超似合ってるし…」
「そ…そう? 蘭ちゃんも可愛らしくて良いと思うけどな…」
「そうですか!? ありがとうございます!」
「む…」
おぉ~…流石は中学生…グイグイ来ますな。
浴衣を褒めた途端、物理的な意味で一気に近づいてきた。
んで、どうして篠ノ之さんは急に不機嫌な顔になってるの?