私…生まれ変わったらモブキャラになりたいな(なれるとは言ってない) 作:とんこつラーメン
まさか、夏祭り会場で蘭ちゃんとも出会うとは。
本当に今日は予想外の人達と良く合う日だなぁ。
良い意味で驚きの連続だ。
「そ…それにしても本当に奇遇ですよね~! こんな所で会っちゃうなんて!」
「確かにそうかもね。蘭ちゃんは、今日はお兄さん…五反田君と一緒に?」
「いえ…お兄ぃは相変わらず家でゴロゴロしてます」
「そうなんだ…」
家でゴロゴロするのが相変わらずって…。
彼は自分の妹から向けられている評価に気が付いているんだろうか…。
「じゃあ、学校の友達と一緒に?」
「はい。今日は…」
蘭ちゃんが何かを言い出そうとした瞬間、彼女の後ろから同じように浴衣を着た女の子たちがやって来た。
あの子達が今日、一緒に来たお友達かな?
「あー! 会長ってば、やっと見つけた~!」
「しかも、なんか年上っぽい女の人と話してる!」
「っていうか、会長ってば照れてない?」
「成る程なぁ~。他校の男子は当然として、同校の女子達にも全く靡く様子が無かったのは、これが原因か~」
う~ん…来て早々になんて賑やかな子達だろう。
マリーさん達やオルコットさん達を彷彿とさせますなぁ。
「うっわ…凄い浴衣美人…」
「噓でしょ…? ほんの少し歳が上ってだけで、ここまで違うものなの…?」
「レ…レベルが違いすぎる…」
「これは会長がお熱になるのも理解出来ますなぁ~…」
浴衣美人? あ…篠ノ之さんの事を言ってるのかな?
剣道をしているからか姿勢もいいし、確かに浴衣がよく似合ってるよね。
「ふふ…佳織の良さが分かるとは…中々に見る目があるではないか」
「なんで箒が自慢げにしてるんだ?」
私の良さとな?
あれ? 今のって、もしかして私の事を言ってたの?
(姫の自己評価の低さは相変わらずのようだな)
(謙虚なのもある種の美徳ではあるが、限度があると思うぞ…)
なんかトレーズ閣下とゼクスにもツッコまれたんですが?
えぇ~? これって私が悪いの~?
「あんた達ねぇ~! 佳織さんが困ってるじゃないの!」
「キャー♪ 会長が怒ったでござる~!」
「逆鱗に触れちゃった~!」
「しかも、理由が相手の女の人だぁ~!」
「に~げるんだよ~! スモ~キィ~!」
最後の子…絶対にジョジョラーでしょ。
完全に台詞がジョセフになってたし。
「えっと…その子達が一緒に来てるお友達?」
「あ…はい。その…ウチの学校の生徒会のメンバーで…」
「生徒会…」
蘭ちゃんも生徒会の所属してたんだ…。
そういや『会長』って呼ばれてたっけ。
ってことは生徒会長?
凄いなぁ~…。
「前に佳織さんも生徒会に入ってるって仰られてましたよね…偶然ですね~…ははは…」
「そうだね~。でも、生徒会長って大変じゃない?」
実際、更識先輩は大変そうにしてたしな…。
少しでもサボったら虚さんの雷が落ちるってのもあるんだろうけど。
「そ…そんなことは無いですよ? 割と気楽にやってますし、皆も手伝ってくれてますから」
「そっか。本当に仲がいいんだね」
「そ…それ程でも…」
『事実は小説よりも奇なり』とはよく言ったもんだ。
リアルの生徒会なんて、割と真面目一直線で常にピリピリギスギスしているイメージが強かったけど、いざ入ってみると普通の部活よりものんびりとした雰囲気で、最近じゃ量の自分の部屋と同じぐらいに落ち着けるようになってきてるんだよなぁ~。
いやはや…慣れってもんは怖いもんですな。
「私達と1歳か2歳ぐらいしか違う筈なのに、なんなの…この超大人びた雰囲気は!?」
「高校生になると、ここまで大人になるもんなの!?」
「いや…違うと思う。この人がすっごい落ち着きのある美人さんなだけじゃないかな…」
「そだね…。ウチらが高校生になっても、今と大して変わらないと思う…」
最初は賑やかになってたのに、後半になって落ち込み始めたんですが?
いや…私は別に落ち着いてなんかないよ?
割と心の中はワーキャーと騒いでますよ?
「あ!」
「急に!」
「用事を!」
「思い出した!」
「「へ?」」
いきなり叫び出してどうした?
余りにもワザとらし過ぎやしませんか?
「と言うわけで!」
「私達はこの辺で!」
「お先に失礼しま~す!」
「また学校で~!」
「え? あ…ちょ! 待ちなさ…」
い…行っちゃった…。
中々のスピードで去っていったけど…大丈夫かな…。
自分たちが浴衣を着ているって自覚ある?
どこかでコケたりしないようにね~。
「あ…あの…ですね? あの子達は…その…何と言いますか…ふざけるのが好きな子達と言いますか…」
「そうなんだ…」
それは見てれば分かる。
完全に今の状況を楽しんでたもんね。
「け…けど! 決して悪い子達ってわけじゃなくてですね!」
「うんうん。ちゃんと分かってるよ。蘭ちゃんのお友達だもん。悪い子な訳がないよ」
「か…佳織さん…♡」
おっと。
なんか雰囲気に流されて、思わず蘭ちゃんの頭を撫でてしまった。
「はぅ~…♡ 佳織さんが私のお姉ちゃんだったら…いいのになぁ~…」
「ふぇ?」
あらあら…嬉しいことを言ってくれちゃって。
でも、もしそんなことをしたら五反田君に怒られちゃうよ。
彼、ああ見えてシスコンっぽい雰囲気があるし。
「あー…ゴホンゴホン! そろそろいいか?」
「篠ノ之さん?」
ありゃりゃ…後ろに二人がいることを地味に忘れかけてたよ。
織斑君は大して気にして無さそうだけど。
「ごめんね。なんか蚊帳の外にしてたみたいで」
「悪いと思っているのならば…」
わっ! い…いきなり何?
篠ノ之さんが私の右腕に抱き着いてきたんですが?
「ここから挽回する機会を…やる」
「あはは…頑張りまーす…」
うーん…顔を赤くしながら部妙なふくれっ面になってる篠ノ之さん…新鮮だな…。
地味に胸キュンしちゃったかもしれない。
「はわわわわ…! なんて積極的…! よ…よーし…私も!」
「え?」
今度は蘭ちゃんが私の左腕に抱き着いてきたとな!?
これは一体どゆこと!?
「もう皆も帰っちゃったので、ここからは佳織さん達と一緒に回ってもいいですか?」
「う…うん。私は別にいいけど…」
一応、篠ノ之さんと織斑君にも確認。
「わ…私は、佳織が良いのならば異論はない…」
「俺も。折角の夏祭りだしな。賑やかな方が良いだろ」
「だって。良かったね」
「あ…ありがとうございます!」
喜んでくれたようで何より…ではあるんだけど…。
(あ…歩きにくいことこの上ない…!)
二人に合わせて足を動かさないといけないから、殆ど自由が利かない…。
これ…本当にどーしましょ…。
(フッ…これが俗に言う『両手に花』というやつなのだろうな)
トレーズ閣下ぁ~…。
私も一応は女の子なんですけどぉ~…。
(姫よ…女性のエスコートもエレガントに…)
私もエスコートされる側の筈なんですけどぉ~!?
こんな時は織斑君に助けを求めて…。
「えっと…その…うん。頑張れ」
すっごいイケメンスマイルでサムズアップしながら私の事を見捨てないでぇ~!?
決め顔すれば何でも許されると思うなよぉ~!?
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
あの後、蘭ちゃんと篠ノ之さんはお互いに自己紹介をして、数秒間ぐらい気まずい雰囲気が流れたけど、少ししてからすぐに元に戻った…と思う。多分。
「え? 佳織さん達って、射的屋さんでもう既に景品を取ってたんですか?」
「うん。なんか変に屋台のおじさんが江戸っ子で…ねぇ?」
「妙に気前が良かったな…。某最新ゲーム機も手に入れたしな…」
「あー…なんかさっき屋台の前を通った時に景品が殺風景になってると思ったら、目玉景品を佳織さん達が全部取った結果なんですね…」
そんなことになってたんだ…悪いことをしたかな…。
って言うか、景品の補充とかってしないんだ。
全く知らなかった…。
「正確には、佳織の射的無双だったんだがな」
「俺と箒は散々だったよな…」
「「ははは…」」
IS操縦者として射撃が下手なのは地味にショックだったのかな。
二人揃って普通に落ち込んでるんですけど。
「っていうか、佳織さんって射的が得意なんですか?」
「うーん…得意っていうか、射的自体は今日が初めてだったんだけど…IS乗ってる時の知識と経験がそのまま応用出来たと言いますか…」
「やっぱり…佳織さんってISの操縦が上手なんだ…凄いなぁ…」
あう…女子中学生の憧れ100%の純粋無垢な瞳が私に刺さる…!
本当はゼクス&トレーズ閣下のお陰なんだよぉ~!
私は殆ど何もしてないんだよぉ~!
(最初は確かにそうだったかもしれんが…)
(今では姫の操縦技術は、私たち二人にも匹敵しつつあるのだが?)
お世辞でも、そんなことを言ってくれるのは嬉しいなぁ~!
佳織ちゃん感動で泣いちゃうかも~!
(自覚無し…か)
(世辞などではないのだがな…)
これはもう…あれですな。
二学期からは本腰入れて私も頑張っていかないと!
目指せ! ゼロシステム完全克服! なんっちゃって。
(佳織ならば…)
(今でも普通に出来そうな気がするが…)
せめて、後輩になるかもしれない女の子に教えられるぐらいにはならないと。
こんな私をここまで慕ってくれてるんだし、恥を掻かせたくは無いからね。
「そう言えば、佳織さん達と出会う前に祭り会場を回ってたら、すっごく目立ってるお爺ちゃんの集団を見かけたんですけど、皆さんは知ってます?」
「「「うっ…」」」
あの人たち…まだ会場で遊びまわってるんだ…。
流石に、もうそろそろ体力的な意味で帰ってると思ってた。
本当に元気なお爺ちゃんたちだなぁ…。
もしかして、私達よりも元気があるのでは?
「え? もしかして…お知り合いだったり…とか?」
「うん…知り合いと言えば…知り合いかな~…ハハハ…」
「知り合ったのはごく最近だけど…」
「恐ろしく存在感が濃い人たちではあるな…」
なんだろう…夏休みが終わってIS学園に行ったら、お爺ちゃんたちの研究室に夏祭りのお土産とか沢山並んでそう…。
「おい! あっちにある金魚すくいで謎のじいさん集団が無双しまくって、屋台の親父がマジで焦って泣きべそ掻いてるらしいぞ!」
「嘘だろっ!? 金魚すくいで無双って出来るのか!? っていうか、していいのか!?」
ちょっとぉぉぉぉぉぉっ!?
私達が見てない所で何やってるんですかぁぁぁぁぁっ!?
「あの人たち…研究室にデカい水槽とか置かないだろうな…」
「普通に有り得そうだな…あの方達ならば…」
余談だけど、お爺ちゃんたちはこの時に取った大量の金魚を全て自分たちで作った超巨大な水槽に飼って、その全部を恐ろしく巨大に育て上げることになるんだけど…それはまた別のお話ってことで。
次回が夏祭り編の最後になる…かも。
その次はヒロインズの織斑家訪問回。
勿論、原作よりも多くやってきます。