私…生まれ変わったらモブキャラになりたいな(なれるとは言ってない)   作:とんこつラーメン

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今回は原作通りのお休みの話。

そして、主人公の中学時代の友人たちが登場します。

その後には意外な展開も…?






久々のお出かけ

「これでよし…っと」

 

 私の無駄に長い髪をツインテールに結んでから鏡で確認する。

 うん。ちゃんとなってる。

 

 6月初頭の日曜日。

 私は織斑先生に外出届を出してから、久し振りに学園の外へ遊びに行こうとしていた。

 理由はシンプルで『中学時代の友人たちと遊ぶため』。

 久し振りに会えるので地味にワクワクしている。

 

「本当は、凰さんや布仏さんも一緒に誘って皆を紹介したかったけど…それぞれに用事があるんじゃ仕方がないよね」

 

 布仏さんは実家の方でお姉さんである虚先輩と色々な用事があるらしく、凰さんは織斑君と一緒に私と同じように中学時代の友人に会いに行くんだとか。

 それで思い出したけど、あの子って昔は日本にいたんだよね。

 だから、こっちに友人がいても不思議じゃない。

 

「財布に携帯……それから、これもだ」

 

 肩から下げているポシェットに更識先輩から貰った発信機を入れた。

 なんでこんなものを私にくれるんだと尋ねたら、こう返された。

 

『このご時世、外には思っている以上に色んな危険があるものなの。特に、佳織ちゃんみたいな美少女を世に放つなんて、餓えている狼に肉を与えるようなもんよ? だから、万が一の時にすぐに居場所が分かるようにコレを肌身離さずに持っておいて頂戴。お願いね?』

 

 …私の事を心配してくれるのは純粋に嬉しいけど、ちょっと過保護過ぎませんかね?

 まぁ…一応の為に持っておくけどさ。

 因みに、その先輩も実家の用事とやらで今日は忙しいらしい。

 暗部って大変だ。

 

「あ。そろそろ行かないと」

 

 視界に入った目覚まし時計で時間を確認すると、準備に思ったよりも時間を掛けてしまっていた事が分かった。

 皆を待たせるわけにはいかないので、ちゃんと念入りに戸締りを確認してから急いで部屋を出た。

 

「寮を出たら少し走ろう……あ」

「あ……」

 

 曲がり角の所で私服を着たオルコットさんと遭遇。

 だけど、お互いにこうして近くに来るのは初めてなので会話なんて一つも無い。

 

「………」

 

 適当に会釈をしながら通り過ぎ、そのまま何も言わずに寮の出入り口まで急いだ。

 後ろから視線を感じたような気がするけど、気のせいだと信じたい。

 

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 何も言われないのは分かり切っていた。

 私は彼女の事を見殺しにしようとしたのだから。

 代表候補生以前に、人間として最低の行為だ。

 

 だから、あんな風な反応をされても仕方がない事なのだ。

 

 きっと、一夏さんにも嫌われてしまったに違いない。

 彼は仲森さんとも友人のように接していた。

 不注意で怪我をさせてしまったという後ろめたさがあった筈なのに、もうすっかりその確執は無くなっている。

 その事が純粋に羨ましい。

 

 私には…そんな勇気は持てない。

 自分の感情を優先させた結果…私は大切な物を失ってしまった。

 全ては私の自業自得なのだから。

 

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 モノレールを乗り継ぎ、そのまま待ち合わせの場所となっているコンビニまで急ぐ。

 そこには四人の少女達が楽しそうに話をしていた。

 彼女達こそが私の大切な友達。

 

「おーい!」

「お。来た来た! こっちだぞー!」

 

 ここまで来たら流石に走ってもいいよね。

 体力のない私にはちょっとした距離の小走りでも普通にスタミナを消費するけど。

 

「はぁ…はぁ…お待たせ」

「全然大丈夫よ、ククルちゃん」

「コンビニだしな。暇なら幾らでも潰せる」

「みたいだね」

 

 そう言う彼女の手にはコンビニ名物の唐揚げが。

 なんか美味しそう。

 

「これで全員集合だな」

「こうして五人で集まるのも久し振りね」

「うん。普通に嬉しいかも」

「くくるちゃんがIS学園に行って以来だもんね」

「あそこって確か全寮制だろ? 滅多に会えないのは厳しいよな」

 

 赤い長髪の男勝りなのが『マリーさん』。

 黒髪ポニーテールで大人しいのが『テトラちゃん』。

 金髪であざとく可愛いのが『キグちゃん』

 緑がかったボブカットで眼鏡を掛けた巨乳が『ガンちゃん』。

 そして、私は皆から『ククルちゃん』と呼ばれている。

 勿論だけど、全員揃って本名じゃない。渾名みたいなものです。

 

「さて…折角の日曜に集まって遊ぶのはいいけど…どこに行く?」

「つまんねーこと聞くなよ!」

「「「「おぉ~…」」」」

 

 久し振りに聞いた…マリーさんの伝統芸。

 

「適当に検索でもしてみる?」

「それが妥当だな。華の女子高生が何の目的も無くブラブラと街中を歩くってのは流石にどうかと思うしな」

 

 そんな訳で、コンビニのフリーWi-Fiを遠慮なく利用して検索を開始。

 私でも遊べるような場所はあるかな~っと。

 

「あっ!」

「どうしたキグッ!? 何か良いのがあったのかっ!?」

「あそこにゲーセンがある!」

「検索して出たんじゃないのかよっ!」

 

 キグちゃんの言う通り、道路の向こう側に渡って少し行った所にゲームセンターがあった。

 検索する意味…無かったね。

 

「……行く?」

「ここで検索しててもアレだし、まずはあそこに行こうか? その後の事はそれから考えればいいんだし」

「さんせ~! そうと決まれば早速いこーぜ!」

 

 マリーさんがはしゃいで走っていってしまった…。

 相変わらず元気いっぱいだなぁ…。

 

「でも、道路を横断しようとはしない…と」

「ちゃんと信号機の前で待ってる」

「律儀だよね…」

「オラオラ系なのに本当に真面目だよな…」

 

 けどまぁ、マリーさんっぽくて良いとは思うけどね。

 全く変わってない様子が確認できたのは嬉しいよ。

 

「お前らー! とっとと来ないと置いていくぞー!」

 

 なんか言ってる。往来で大声を出すのは止めて欲しい。

 

「だって。私達も行こうか?」

「そだねー」

「急がないと、本当にマリーさん一人で行っちゃいそうだし」

「それでも別に構いはしないんだけど。どうせ目的地は一緒なんだし」

 

 結局、私達と合流するまでちゃんと待っててくれたマリーさんなのでした。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 ゲーセンに入ると、さっそくマリーさんがガンちゃんに喧嘩を売って来た。

 前からずっと疑問に思ってたけど、どうしてマリーさんはガンちゃんをこうもライバル視してるんだろう?

 胸が大きいから? 確かGカップだったっけ?

 

「おいこらバイオレンスメガネ! 今日こそ決着を付けてやる!!」

「それはいいけど…何で勝負をする気?」

「エアホッケー!」

 

 あぁー…あれね。

 最近のゲーセンには必ず一台は置いてあるよね。

 動くのが苦手な私とは無縁なゲームだけど。

 

「お前らはどうする?」

「私は向こうの方を見てくる」

「それじゃ、ククルちゃんに付いて行こうかな?」

「私も~!」

「なんだ~? この私が華麗なテクで丸京を倒す瞬間を見逃してもいいのか~?」

「「「はいはい」」」

「なんだよ、その態度は~! よ~し…見てろよ~! 今回は絶対に勝つ!」

 

 そのやる気は認めるけど、マリーさんの場合はやる気が完全に空回りしてるんだよね。

 だからガンちゃんに勝てない。幾ら指摘しても頑なにその事を認めようとしないから、もう皆揃って放置している。

 

「行きますか」

「「はーい」」

  

 何か面白いゲームあるかなー。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 少し中を散策していると、ちょっと面白そうなゲームがあったのでやってみた。

 

「また当たった…」

「ククルちゃん…これで五連続で大当たりだよ?」

「昔から運が絡むゲームには極端に強いわよね」

 

 私がやっているのが競馬ゲーム。

 賭けているのは現金じゃなくてコイン。

 それでも後で景品と交換できるから無駄じゃないんだけどね。

 

「今度は何にする?」

「うーん……」

 

 5番…いや、7番? 違うな……。

 よし…決めた。

 

「4-11に全部のコインを賭ける!」

「また全賭けっ!? そろそろ止めた方が…」

「あはははははははははっ! 今が私の運が最高潮な時よ―――!!」

「折角の運をゲームに使っていいのかしら…」

 

 別にいいじゃない! 世の中にはガチャで自分の運を使い切ってしまう廃人も大勢いるんだから!

 それに比べたら私なんて可愛い方よ! あははははははははははっ!

 

「あっ! レースが始まったよ!」

「来い来い来い来い…!」

 

 今度も勝てる…絶対に勝てる!

 勝とうと思う心が勝利を引き寄せるのよ!

 勝てば負けない! 勝てば負けないんだから!

 

「ねぇ…ククルちゃん」

「ん? どうしたの?」

 

 レースに夢中になっていたら、急にテトラちゃんが話しかけてきた。

 いつも笑顔を浮かべているから何を考えているのか分らないんだよね…。

 

「IS学園での生活はどう?」

「……最初は無理矢理入れられたから普通にキツかった」

「今は?」

「…向こうでも仲のいい友達が出来たから、そんなに苦痛じゃない。頼れる先輩や先生もいるし」

「……そっか」

 

 あ…最終コーナーを曲がった!

 このままだと拙いけど……11番が後方から差しに来た!

 4番も追い込みをかけてきたし!

 

「実はね、皆心配してたんだよ。ククルちゃん一人だけでIS学園に入学する羽目になっちゃったから。だけど…思ったよりも元気そうで安心した」

「ん…ありがと」

「だけど、何かあればいつでも電話して来ていいからね? 話ぐらいはいつでも聞くから」

 

 頭を撫でながら優しい言葉を掛けてくれるテトラちゃん。

 こんな事が自然と出来る辺り、何気に一番の天然は彼女なんじゃと思う今日この頃。

 その天然に助けられたことも多いけどね。

 

「「「あ」」」

 

 ゴールした…結果は?

 

「一着が4番で…二着が11番! またまた大当たりだよ~!」

「私…今日で全ての運を使い切ってるかもしれない…」

「「いやいや」」

 

 それは流石に大袈裟かもだけど、それでも相当量の運を使ってると思う。

 今後に響かないと良いんだけど…。

 

「まだやるの?」

「ううん。そろそろ止めるよ。こういうのは引き際が大事だし」

「そうね。じゃ、そこの交換所で景品に変えて貰いましょ」

 

 大量のコインをゲットすることに成功した私は、ホクホク気分で交換所に向かって景品に変えて貰った。

 といっても、そこまで大層な物じゃない。

 精々がお菓子の詰め合わせとかだったりする…んだけど、私の場合は本当に大量のコインを手に入れたので、まさかの品と交換して貰う事に。

 

「まさか、例の最新ゲーム機と交換して貰えるだなんて…」

「何回も抽選を繰り返しても手に入らなかった人達もいるのに、こんな形で入手できるのね」

「後でソフトも買うの?」

「そうね……」

 

 ゲーム機本体があっても、ゲームソフトが無いんじゃ意味無いしね。

 何を買おうかしら……バイオハザードとか?

 

「そういえば、マリーさんとガンちゃんの勝負はどうなったんだろう?」

「見に行ってみる?」

 

 予想外の成果を手に二人の元まで戻ると、マリーさんが床に手を着いて乾いた笑いを浮かべていた。

 

「ま…また負けた…なんでだ…」

「いや…マリーさんってば攻撃に集中し過ぎる余り、防御が物凄く疎かなんだよ。だから、隙さえつければ簡単に点を入れられた」

 

 最終スコアは……まさかの21対0のワンサイドゲーム。

 マリーさん…どれだけボコボコにされたの…?

 

「ちくしょー……体動かしたら、なんか腹減った!」

「いきなりだな」

「でも、時間的には不思議じゃないよ?」

 

 キグちゃんが自分のスマホの画面を私達に見せつけると、もうすぐ12時なのが分かった。

 私達…思っている以上に夢中になってたんだ。

 

「どこかいい食事処とか無いかな?」

「また検索するのか?」

「今度は情報が絞れてるから良いんじゃない?」

 

 食べる処…か。

 この辺にそんな場所、あったかな…?

 

「あ…ここなんか良さそう」

「どこどこ?」

「ここ」

「あ」

 

 皆にも見えるようにテトラちゃんがスマホを見せてくる。

 それを見た時、私は本気で固まった。

 

「『五反田食堂』っていうんですって。偶にはこんな所で食べるのも良さそうじゃない?」

「いいね~…。所謂『隠れ家的名店』ってやつだな!」

「隠れ家! なんだかそそられる響き!」

「いいんじゃないか? ここからそう遠くもなさそうだし。歩いていれば丁度いい時間になるだろ」

「ククルちゃんもそれでいい?」

「あ……うん」

「それじゃあ、満場一致って事で」

 

 五反田食堂……聞いたことがある。

 確か、織斑君と凰さんの共通の友人の実家だった筈…。

 いや…別に皆と二人を合わせるのは構わないんだけど…心配なのは、それでどんな化学反応が起きるかなんだよね…。

 何も起きなきゃいいんだけど……。

 

 

 

 




今回は殆どオリジナル回。

友人達のモデルは勿論『じょしらく』の残りのメンバーです。

原作通り、なんだかんだと言いながらも仲良し五人組です。

次回はそんなメンバーと原作キャラが…?






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