私…生まれ変わったらモブキャラになりたいな(なれるとは言ってない)   作:とんこつラーメン

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なんか、このまま年末まで突っ走りそうな勢いになってきました。

一応、大晦日と新年には別の作品の更新をしようと思っているのですが。

本当は、少し更新が泊まっている作品を進ませようと思ってたのに…。







私は別に何もしていないよ

 一応の話し合いが終わり、ふとスマホで時間を確認してみると夕飯を食べるのにいい時間になっていた。

 道理でお腹が空く筈だよ。今日は何を食べようかな…?

 

「それじゃ、今日は取り敢えず解散って事で。布仏さん。凰さん。篠ノ之さん。オルコットさん。折角だし、このまま一緒に食堂に行く?」

「うん! かおりんと一緒にご飯だ~!」

「勿論、行くに決まってるじゃない」

「当然だな」

「お供致しますわ。佳織さん」

 

 ハイ決まり…っと。

 今日の私は……なんか無性に麺類が食べたくなってきた。

 ラーメン…じゃないね。蕎麦…でもない。

 この感じは…うどんだね。よし、うどんにしよう。

 

「ちょ…待ってくれ仲森さん!」

「ん? どうしたの織斑君」

 

 私がどんなうどんを食べようか考えていると、いきなり織斑君が話しかけてきた。

 あ、ちゃんとコップを返せって事か。

 それぐらいは分かってますよ。

 

「はいこれ。ごちそうさまでした」

「お粗末様でした…じゃなくて!」

「だったら何? サインでも欲しいの?」

「え? 書けるのか?」

「中学時代に部活動の一環で皆と一緒に練習したことがあるの。お蔭で、無駄に上手になってしまったわ」

 

 本格的に落語の練習をする前にサインの練習をしてしまったというアホさ。

 だからこそ面白かったんだけど。

 特にキグちゃんが一番ノリノリだった。

 

「さっきは…その…ごめん! いきなり怒鳴ったりして…」

「あぁ…あれね。別に気にしてないよ。少し前に死にそうなぐらいに怖い目に遭ってるからね。あの程度じゃもうビビったりはしないって」

「うっ……」

 

 しまった。オルコットさんのトラウマを刺激してしまった。

 後でちゃんと謝っておかないと。

 

「それに、中学の頃もよく友達みんなでバカ騒ぎしてたから、至近距離で大きな声を出されても平気」

「因みに、馬鹿騒ぎって何をやってたのよ?」

「ガンちゃんとマリーさんの殴り合いの喧嘩」

「女の子同士で殴り合いッ!?」

「しかも、いつもガンちゃんの圧勝。マリーさんは一度も勝った試しがない」

「あの子…眼鏡を掛けていてクールそうな感じだったのに…意外だわ…」

 

 ガンちゃん自身は別に口よりも先に手が出るタイプじゃない。

 普通に腕っぷしが強いだけ。

 ついでにスタイルも抜群。破裂すればいいのに。

 

「だから、私は全く気にしてない。織斑君も、あんな事はとっとと忘れた方がいいよ」

「…それは出来ないだろ」

「君も難儀な性格をしてるんだね…」

 

 将来確実に損をするタイプだ。

 誰かを守って人生が破滅するタイプとも言えるね。

 

「それよりも、織斑君はもっと世間に目を向けた方がいいと思う。今の現実を見て、その上で色々と考えようよ。じゃないと、いつまで経っても今のままだよ」

 

 彼がこうなった原因には恐らく、織斑先生もほぼ確実に一枚噛んでるんだろうけどね…。

 でも、あの人の場合は織斑君の事を思っての行動だったんだろう。

 それが完全に裏目に出ている事は悲しいけど。

 

 そんな事よりも、今は夕飯の事の方が大事。

 

「篠ノ之さん。ここの食堂って、ぶっかけ系のうどんってあったっけ?」

「あったと思うぞ? 確か、専門店などに行けばあるようなメニューは一通り揃っていたと記憶しているが…」

「成る程…ありがと。お蔭で選択肢が広まった」

「この程度で佳織の助けになるのなら、お安い御用だ」

 

 となると…普段はあまり食べないような物が良いよね。

 かまたまうどんか…それとも、釜ゆでうどんってのもありかも。

 本気で迷いますな~。

 

「あ…あの…仲森さん。一つだけ…聞いてもいいかな?」

「今度はデュノアさん? なに?」

「…どうして、ボクの事を助けてくれようと思ったの?」

「どうしてって……」

「今まで、ボクは君と殆ど話なんてしたことはないし…同じクラスってだけで赤の他人も同然だったのに…なんで……」

 

 …なんかまた盛大に勘違い…いや、物事を好意的に捉えている?

 精神的に追い詰められた状況だったから仕方がないとはいえ、この誤解は解いておいた方がいい気がする。

 

「…私ってば何かしたっけ?」

「したよ! 拒む事も出来た筈なのに、一夏の呼びかけに応じて部屋まで来てくれて…色々と説明をしながらもボクの話をちゃんと聞いてくれて…生徒会長まで呼んでくれた」

「うん。確かにそうだね。けど、それって別にデュノアさんが救われる事には何一つとして直結してないじゃない」

 

 どうして皆、物事を大袈裟に捉えようとするんだろう?

 もうちょっと俯瞰した視野で見ようよ。

 

「織斑君の呼びかけに応じたのは、そうしないと後々で面倒なことになりそうだったから。それに、あの時の私は一人じゃなかったしね。皆がいてくれたから行こうって気になれた。もしも一人だったら普通に無視してたよ」

「かおりん…」

「「佳織…」」

「佳織さん…」

 

 え…え? どうしてそこで皆揃って顔を赤くするの?

 なんかもうこれ…パターンになってる気がするのは私だけ?

 

「それからだって何も大したことなんてしてない。話をして、話を聞いて、それから頼りになりそうな人を呼んだだけ。なーんにも役になんて立ってない。デュノアさんの事を本気で助けようとしてくれているのは、そこの織斑君と更識先輩だよ。私はその橋渡しをしただけ。もしもお礼を言いたいのなら、私みたいな役立たずなんかじゃなくて、その二人にした方がいいよ。きっと喜ぶから」

「仲森さん…君は……」

 

 もうそろそろ本当に食堂に行こうかしらん。

 急がないと閉まっちゃうかもしれないし。

 

「…最後に一つだけ聞かせて」

「なに?」

「仲森さんって…何者なの?」

「ただの女子高生。それ以上でも、それ以下でもないよ」

 

 これ以上、話をしていたらキリがないような気がしたので強引に終わらせてから適当に『また明日』って言っておいてか織斑君の部屋を出た。

 

 出た直後にふと頭の中で閃きがあった。

 よし…今日の夕飯は『きつね・肉・卵のミックスうどん』にしよう!

 迷った時は全部乗せにする。常識だよね?

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 仲森さん達がいなくなってから、部屋には再び俺とシャルル…じゃなくて、シャルロットの二人きりになった。

 さっきまでとは違って、今はなんだか色々と気まずい…。

 

「…不思議な女の子なんだね、仲森さんって」

「そうなんだよなぁ…。本当はめっちゃ凄いのに、いっつも『何もしてない』とか『凡人だから』とか言ってるんだぜ?」

 

 …俺は知ってる。仲森さんが凄い努力家なのを。

 前に彼女が千冬姉や山田先生に頼んで自分から補習授業を受けていたのを見た事がある。

 自ら先生に勉強を教えに貰いに行くなんて、俺には全く思いつかない。

 初日に山田先生から補習の話をされたけど、結局は一度もしなかったし…。 

 今回の話だって、きっとめちゃくちゃ勉強したから説明出来た事なんだろうし…。

 

「…本当に…いつになったら俺は仲森さんに恩返しが出来るんだろうな…」

 

 いつかいつかと考えている間にも、彼女への恩が積み重なっていく。

 自分が全部悪いって分かってはいるんだけどな…。

 

「ボクも…いつの日か必ず仲森さんにお礼をしなくちゃいけないね…」

「そうだな……」

「本当なら、すぐに諦めそうなところを、仲森さんはボクが助かる可能性を模索してくれた。生徒会長との橋渡しをしただけって言ってたけど…それだって普通に考えれば生半可な事じゃないと思う。幾ら、自分が生徒会のメンバーだからって…」

 

 シャルロットの言う通りだ。

 あの二人はまるで、最初からこうなる事を想定していたような口振りだったし…。

 

「多分だけど、仲森さんはかなり早い段階からシャルル…じゃなくて、シャルロットが女だって気が付いてたのかもな。それはきっと更識先輩も同じで…だから二人は今回みたいなことになった時の事を予め話し合ってたのかもしれない」

 

 あの仲森さんなら十分に有り得る事だ。

 これまでに何回も俺の事を助けてくれた仲森さんなら…。

 

「ところで、仲森さんって友達が多いんだね」

「少し前までは違ったんだけどな。最近になってから急に箒やセシリアとも仲良くなっててさ…本気で驚いたよ。特に仲森さんとセシリアって少し前までは色々と訳ありな状態だったし…」

 

 本気で、あの二人の間に何があったのかが気になる。

 恐らくは仲森さんの方から何かをしたんだろうけど…あの状態のセシリアを立ち直らせるだなんて…。

 

「きっと、今回の僕と同じような事をしたんじゃないのかな?」

「同じような事って……」

「話をして、話を聞いた。それだけ」

「話…か」

 

 それだけと言っているけど、それこそが一番大変なんじゃないのか?

 相手がちゃんと話を聞いてくれるとも限らないし、もしかしたら暴力を振るわれるかもしれない。

 それなのに、あの子は……。

 

「誰もが当たり前だと思っていて、一番困難な事を仲森さんはやってるんだよね。本当に凄いと思うよ…」

「あぁ…そうだな」

 

 シャルロットには言えないけど、仲森さんはISの操縦技術も物凄い。

 千冬姉曰く『操縦経験自体は凄く浅い』らしいけど、もう既にあの子は俺よりもずっと強い。

 

「皆は食堂に行ったんだよね?」

「みたいだな。腹が減ったのか?」

「それもあるけど……」

「けど? なんだよ?」

「今から行けばまだ、仲森さん達と一緒に食事が出来るかなって…」

 

 さっきまでの暗い顔は消え去っていて、今のシャルロットは真っ直ぐに前を向いていた。

 自分から未来へと向かって歩き出そうとしているように感じた。

 

「じゃあ、一緒に行くか? 俺も腹が減ってきたし」

「うん。けど、その前に色々と準備だけさせてくれるかな?」

「準備って?」

「ほら…その…胸とか…」

「あ」

 

 そうだった。

 今のシャルロットはコルセットを付けてない状態。

 つまりは素の状態なんだ。

 先輩の調査とやらが終わってない状態での身バレはかなり拙い。

 

「お…俺は廊下で待ってるから!」

「お願い。終わったら呼ぶから」

「わ…分かった」

 

 こりゃ…事が済んだらまた一人部屋に逆戻りか?

 本当ならそれが当たり前なんだけど…なんか寂しいな。

 

「ねぇ…一夏」

「どうした?」

 

 俺が部屋を出ようとすると、シャルロットが服に手を掛けながら話しかけてきた。

 

「ボクも…仲森さんと友達になれるかな?」

「きっとなれるって。なんだかんだ言って、仲森さんって『来る者は拒まず』だし」

「そう…なんだ…」

 

 もしかしたら、シャルロットの同性の友達第一号は仲森さんになるかもしれないな。

 それはそれで、とてもいい事だと思う。

 

「それと…さ。一応、念の為にまだボクの事は『シャルル』でお願い」

「…分かった」

 

 自分からそんな事を言うって事は、それだけ仲森さんや生徒会長の事を信じたって証拠なんだろう。

 シャルルが信じたんなら、俺も全力で信じないとな!

 

 そういや…少し気になったけど…仲森さんって誰と同じ部屋なんだろう?

 布仏さん辺りか?

 

 

 




取り敢えずはスタートラインには立たせました。

もうさ…マジでシャルロットの話は大変…。

書きながら頭の中がごっちゃになってます。



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