私…生まれ変わったらモブキャラになりたいな(なれるとは言ってない) 作:とんこつラーメン
今作のオリ主である佳織は、他のヒロイン達みたいなモデル体型じゃなく、どっちかと言うとスレンダーだったりします。
そうなるともう、必然的に色々と限定されてきますよね…。
原作のように遅刻しそうにはならず、時間に余裕を持って教室に着く事が出来た。
ってことは、当然のようにISを使っての全力疾走なんてしていない訳で。
「あ。チャイムだ」
「ちゃんと間に合ってよかったですわね」
「もしも遅刻でもしたら、また出席簿が一夏の頭の上に落ちてくるからな」
「なんで俺だけが叩かれること前提なんですかねっ!?」
「「「「「「え?」」」」」」
「どうして全員揃って『何言ってんだ』的な顔をするんだよ…」
だって、出席簿アタック=織斑君のイメージが完全に定着しているというか…。
ぶっちゃけ、割とマジで卒業までに織斑君の頭蓋骨が陥没しない事を祈ってると言いますか。
「織斑君。休みの日でいいから、病院で頭蓋骨のレントゲンとか撮った方が良いかもしれないね」
「仲森さんに言われると途端にマジっぽく聞こえてくるっ!」
これに関してはマジで心配して言ってるんですけどね。
流石にクラスメイトが頭を骨折しましたとか洒落にならないし。
「そうならない為にも、今は早く自分の席に着きませんこと?」
「それもそうだね」
オルコットさんの言う通り、出席簿アタックが現実にならないようにするためにも、やるべき事はちゃんとやっておかないとね。
私達を含めたクラス全員が着席したタイミングで、織斑先生が教室へと入ってきた。
毎回毎回思うけど、本当に凄くいいタイミングで入って来るよね。
どれだけ正確な体内時計を持っているのやら。
「ちゃんと全員揃っているな。では、これより朝のSHRを開始する。日直」
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織斑先生が来た事で一気に教室内の空気が引き締まる。
いつもとは言わないけど、せめて実習時間ぐらいはこうであって欲しいんだけどね。
「今日は通常授業の日だったか。IS学園は一種の専門学校ではあるが、名目上は立派な高等学校だ。分かっているとは思うが、テストなどで情けない結果などは出してくれるなよ?」
朝からプレッシャーを掛けてくれますな…。
そうならない為の努力はしているつもりだけど、それでも一抹の不安はあるんだよね…。
こればっかりは、いつの世も決して変わることは無いと思う。
「今の成績に不安がある者は遠慮なく言ってきて構わない。いつでも補習授業を行ってやる」
実際、私もお世話になりまくってますからね。
補習が無かったら本当にどうなっていた事か…。
「それと、来週から始まる『校外特別実習期間』だが、全員忘れ物などしないように。たった三日間だけとはいえ学園を離れることになる。自由時間に羽目を外し過ぎないように気を付けろ。いいな?」
校外特別実習期間…なんて小難しい言い方をしてるけど、要は『臨海学校』の事を指してるのよね。
七月の初頭にあって、確か初日は一日丸々が自由時間になっていて、一年生全体が完全に浮かれ捲っているのが手に取るように分かる。
まぁ…七月の海だし、興奮したり燥いだりする気持ちは理解出来るけど…まだ先の話だよ?
ちょっと気が早くない?
(あ…でも、海となると水着を持って行かないといけないのか…。水着ねェ…)
お世辞にも私は余りスタイルが良い方じゃない。
特にガンちゃんの隣にいると凄く自分が惨めになってくる。
その事に一度、キグちゃんがマジ切れして、ビキニを着たガンちゃんのおっぱい目掛けて全力ビンタをしてたっけ。
んで、その後になんでかマリーさんが殴られるまでがワンセット。
「何か今日の事に関する質問などはあるか? 無いのならば、このまま朝のSHRを終了する」
「はい。山田先生の姿が見えないんですけど、お休みなんですか?」
「あぁ…そのことか。そう言えば言うのを忘れていたな」
あの子は確か…篠ノ之さんの新しいルームメイトの鷹月静寐さん…だったっけ?
真面目な性格をしていて好感が持てるって言ってたっけ。
彼女の質問で私も初めて気が付いた。
そういや確かに山田先生がいないや。何処に行ったんだろう?
「山田先生は今度の校外実習の現地視察に行っているので今日は休みとなっている。なので、山田先生の分は今日だけは私が担当することになる」
つまりは諸々の下見に行ってるって事なのか。
そりゃ、自分の生徒達を泊まらせる旅館なんだから、下見ぐらいは行って当然か。
「他に質問が無いのなら、これでSHRは終了する。日直」
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お昼休みになり、朝の時と同様に皆一緒に食堂で食事をする。
この時間帯は朝とは違って人が分散するので、そこまで込み合ってはいない。
「臨海学校かぁ~…。私、何気にソレ系のイベントって初めてかも知れない」
「そうなの? 中学の時とかに無かった?」
「無かったかな~…」
今思えば、ウチの学校もIS学園に負けず劣らずの特殊な学校だったしね。
別のイベントなら有りはしたけど。
「あたし達はあったわよね。林間学校」
「あったな~。夕飯の時にお約束のカレーを作ったんだけど、なんでかウチの班だけ皆から凄い目で見られてたんだよな…」
「一夏が気合い入れすぎて凄いカレーを作ったからでしょうが。じっくりコトコト煮込みまくって具材が溶けたカレーなんて美味いに決まってるんだし」
そりゃ誰だってドン引きするわ。
気持ちは凄く分かるけど。
「かおりんの学校じゃ何をやったの~?」
「一週間の職業体験」
「それもそれで凄いじゃないか。普段は決して出来ない貴重な体験が出来る」
篠ノ之さんの言う通り、このイベントはかなり人気があり、私も普通に楽しかったうえに非常に勉強になった。
あの時の事は今でも鮮明に思い出せる。
「佳織さんはどの職業の体験をなさったんですの?」
「仲良し五人組で一緒に落語家をやった。正確にはプロの落語家さんの弟子みたいなことをやってたんだけど」
「そっか…仲森さんは落語部に入ってたんだもんな。そりゃ、プロの人の元で勉強して当たり前か」
「まぁね。さっき篠ノ之さんが言った通り、凄く貴重な経験や話をする事が出来たよ」
あの時、使ってたメモ帳…まだちゃんと実家の机の中にあるんだよね。
地味に私の大切な宝物だったりします。
「佳織は立派に将来の夢に向かって頑張ってるんだね。凄いなぁ…」
「IS学園にいるからと言って、まだ完全に諦めてる訳じゃないしね」
卒業後に芸能系の専門学校に通うって手もあるし。
マリーさん達と一緒に立派な落語家になるって夢は、そう簡単には捨てきれないよ。
「将来の夢…か。私にはまだ何にも思い浮かばんな…」
「今はまだそれでもいいと思うよ? 人生これからなんだし」
「ふむ…そういうものなのだろうか…」
色んな意味でボーデヴィッヒさんはこれからが大変だしね。
前にも言ったけど、ゆっくりと考えていけばいいんだよ。
「それはそれとして…佳織」
「ん? どったの凰さん」
「アンタ…持って行く水着ってあるの?」
「「「「!!??」」」」
…なんで本音ちゃんとボーデヴィッヒさん以外の女子四人が過剰な反応をするの?
「水着自体はあるんだけど…」
「だけど?」
「多分、学園には持って来てない。実家にあると思う」
入学の時には色々とテンパってて、臨海学校のことなんてすっかり頭の中から抜けてたからね。
私の記憶が正しければ、今も実家の私の部屋のクローゼットの中に眠っていると思う。
「そっかぁ…持って来てないんだぁ…」
「な…なに…?」
凰さんの目が完全に悪巧みをする悪役令嬢になってますがな。
嫌な予感がするでゴザルよ…。
「だったら、今度の日曜にでも一緒に水着を買いに行かない?」
「水着を? 私と一緒に?」
「そ。あたしも丁度、日本に戻ってきたのを機に水着を新調しようと思ってたのよね。どう?」
「うーん…」
今度の日曜は特にこれといった予定もないし、断る理由も無いんだよね。
気晴らしに外に行くのも悪くは無いかも…。
「おほほほ…鈴さん?」
「目の前で堂々と抜け駆けとは…やってくれるな…!」
「僕達もいる事を忘れて貰っちゃ困るんだけどな~?」
おっふ…ニコニコ笑顔だけど、眉間に青筋を立ててるオルコットさんと篠ノ之さんとデュノアさんが凰さんの肩をガシッと摑んでる…。
「分かってるわよ。んじゃ、アンタ等も一緒に来る?」
「「「当然!!」」」
当然なんだ。そっか。
「仕方ないわねー。なら、本音とラウラも一緒に来なさいよ。っていうか、本音の場合は何も言わなくても一緒に来そうだけど」
「行くー!」
「佳織が行くのならば、私も行かぬわけにはいくまい」
…成る程。最初からこれが目的だったな?
私を誘えば、必然的に皆も一緒に行くと言い出すと見越して、敢えてあんな言い方をしたんだ。
ストレートに言わない辺り、なんとも凰さんらしいなぁ…。
「ついでだし一夏も荷物持ちとして一緒に来なさい」
「ついでかよっ!? しかも荷物持ちッ!?」
「なによ。女の子に重い荷物を持たせる気?」
「水着なんだから別に重くは無いだろ…」
「他にも何か買うかもしれないじゃない」
「寧ろ、そっちの方が主目的なんじゃないのか?」
私もそんな気がしてきた。
けど、女の子の買い物って往々にして、割とそんな感じだったりするよ?
(結局、全員参加になるのね…)
分かっていた事ではあるけど、かなりの大所帯で買い物に行くことになるな…。
これ絶対に目立つでしょ…誰も彼もが美少女揃いだし。
逆に私の方が際立つかもしれないなー。
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「…てなわけで、今度の日曜日に皆で臨海学校用の水着を買いに行く事になりました」
放課後の生徒会室。
今日はこれといった仕事も無いので、皆でのんびりとお紅茶タイム。
「あら、いいじゃない。佳織ちゃんは本当に良く頑張ってくれてるんだし、偶には思い切り羽を伸ばさないとね」
「そうですね。本音、余り皆さんに御迷惑を掛けないようにするのよ?」
「はーい」
虚さん…完全にお姉さんを通り越してお母さんになりつつある件。
「それにしても臨海学校かー。懐かしいわねー」
「そうですね。IS学園の一年生は毎年必ず行ってますからね」
毎年なんだ…流石はIS学園。
お金だけは本当に有り余ってますなー。
「佳織ちゃんは、臨海学校のスケジュールって知ってる?」
「一応は。一日目が一日ずっと自由時間で、二日目がISの各種装備の試験運用とデータ取りをする…んですよね?」
「その通り。特に専用機を持ってる子達はかなり大変よ?」
「マジかー…」
あれ? って事は私もその『忙しい人達』に分類されるの?
トールギスってシンプル・イズ・ベストを体現したような機体だし…何かする事ってあるのかな?
追加装備とか無くても十分にチートなのに?
「ま、佳織ちゃんには関係ないかもしれないわね」
「トールギスは、あの時点で既にこれ以上ない程に完成され尽くされています。これ以上、何かする事は却ってあの機体の特性を失わせることになるかもしれません」
トールギスの特性って…超高機動&超重装甲&超攻撃力?
こうして羅列するだけでもトールギスの異常性が際立つよね…。
完全に『ぼくの作ったさいきょうのIS』だし。
「けど、もしもトールギスに追加武装をするとすれば…」
「槍…が良いかもしれませんね」
「そうね。しかも、普通の槍じゃなくて『ランス』辺りがいいかも」
「あの超加速から繰り出されるランスチャージは、間違いなく一撃必殺の威力があるでしょうね」
「鬼に金棒とは、まさにこれのことよね」
トールギスに槍…か。
それ、どこかで見た事があるような気が…どこだっけ?
そうして、今日の生徒会活動は臨海学校の話で盛り上がって終わるのでした。
これで良いのかな…生徒会…。
次回、皆で一緒にお買いもの。
美少女軍団大行進の巻?