私…生まれ変わったらモブキャラになりたいな(なれるとは言ってない) 作:とんこつラーメン
その後は…?
鈴さんが佳織さんに目の前で大胆なアプローチをしているのを目撃し、起死回生を狙い私は予め計画していた『私と佳織さんとのラブラブサンオイル大作戦』を早めに実行に移す事に。
だが、それは奇妙な形で裏目に出て、結果として私と鈴さんの二人で佳織さんの体に日焼け止めを塗ることに。
うぅ…本当は佳織さんと二人きりでオイルの塗り合いなんかをしたかったのに…。
いえ、ここでめげてはダメよセシリア!
どんな形であれ、こうして佳織さんとお近づき(物理)になることは出来たのだから!
ここから挽回していけばいいだけですわ!
なんて言っている間に鈴さんが始めようとしている!?
そうはさせるもんですか!
「か…佳織さん…いきますわよ…」
「う…うん。よろしく」
ま…まずは手にオイルを塗って、それから佳織さんの身体に…身体に…!
(…こうして改めて観察すると…佳織さんはとても綺麗な体をしているんですのね…)
全く日に焼けていない真っ白な肌…。
線が細く、少しでも力を入れたら壊れてしまいそうなか弱さ…。
だけど、その身には私たち全員をも軽々と凌駕するほどの強大な力を秘めている…。
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…!」
興奮しすぎて息が荒くなって…!
顔がニヤケるのが止まりませんわー!
「こ…こっちは足をやるから…」
「で…では、私は背中をやりますわ…」
うぅ…本当は私が下半身をしたかったのに…(意味深)。
けど、背中も十分にやる価値はありますわ!
「…えい」
「ひゃう! ちべたい!」
鈴さんがオイルを足に塗った途端、佳織さんが可愛らしい声を上げた。
それは流石に反則ですわ…!
(…ハっ!? 何を考えていますの私は!? 早くこちらも攻勢に出なくては!)
手に付けたオイルをそ~っと佳織さんの背中に塗り始める。
その瞬間、彼女の全身がビクッとなった。
「だ…大丈夫ですの?」
「う…うん。平気だよ。ちょっと驚いただけだから」
そう言っている佳織さんの顔は僅かに赤くなっていて、明らかに感じているのが分かった。
佳織さんが…あの佳織さんが…私の手で感じている…!
「はぅ…!」
「え…? ちょ…え?」
あら…興奮の余り、思わず変な声を出してしまいましたわ。
オルコット家の女として恥ずべき行為…けど、それだけ佳織さんが魅力的だという証拠ですわね♡
「こちらの事はお気になさらず。続けますわ」
「うん…分かった」
少し心配そうな顔をしながらこちらを見た後に、佳織さんはまた目を瞑って横になった。
そこからは、掌から感じる佳織さんの感触を微塵も逃さない為に、両手に全神経を集中させながらオイルを塗っていった。
途中、何度も佳織さんの扇情的な喘ぎ声を聞いて鼻血が出そうになったのは内緒。
そして、あらかた背中を塗り終えた時、私は驚愕の光景を目撃することとなった。
「な…なぁ…!?」
なんと、鈴さんが足だけでは飽き足らず、お尻にまで手を伸ばそうとしているではありませんか!
確かに、佳織さんのお尻はとても可愛らしく、思わず触りたくなってしまうのも理解出来ますけど!
それだけは…そこだけは!
分かっていますの!? それは本当に『最後の一線』なんですのよッ!?
(……ちょっとお待ちになって?)
ここでふと私は冷静な自分に立ち返る。
私は上半身を。鈴さんは下半身を担当していた。
だから、鈴さんは佳織さんのお尻にもオイルを塗ろうとしている。
ここまではいい。ここまでは。
それなら…上半身を担当している私には…佳織さんの胸にオイルを塗る権利があると言うことなんじゃありませんのッ!?
そうですわ! 後ろばかりにオイルを塗って、前にオイルを塗らないなんて言語道断!
ちゃんと全身をくまなく塗って差し上げなくては全く意味が無いじゃありませんの!
柔らかそうなお腹や…その両腕…そして胸…。
それらをちゃんと塗ってこそ、私の役目が果たせるというものじゃあなくて!?
そうですわ! きっとそうに違いありませんわ!
「か…佳織さん? 少し…よろしいかしら?」
「ん…? どうしたの?」
「そ…その…もしよろしければ…前の方も塗って差し上げましょうか?」
「えっ!?」
流石は佳織さん。
『前』という言葉を聞いただけで、それが何を意味するのかを理解した御様子。
そして、それは同時に鈴さんにも『覚悟』を決めさせた瞬間でもあった。
「そ…そうね! そうよね! ちゃんと前の方も塗らないとダメよね! セシリアも偶にはいい事を言うじゃないの!」
「偶には余計ですわ」
下半身で前を塗るとなれば、必然的に股を開く必要が出てくる。
あの儚げな乙女である佳織さんが私達の前で股を開く…なんというギャップ…!
もう…そんなの…頭の中で想像しただけで…!!
「「あわびゅ!」」
「ちょ…ちょっとぉっ!?」
しまった…興奮が限界にきて…遂に鼻から『愛』が噴き出してしまいましたわ…。
それは鈴さんも同じようで、彼女もまた『愛』を出していた。
「あわわわわ…えっと…え~っと~…」
倒れ逝く中、佳織さんは私達の事を心配してか、オロオロとした様子で周囲を見渡していた。
そして、何を思ったのか私と鈴さんの身体を、さっきまでご自分が寝ていらしたシートの上に並べて横にした。
恐らく、私達が熱中症か何かになってしまったと勘違いをしてしまったに違いない。
そんな優しさも素敵ですわ…♡
「こ…これでよし…っと。こうして休ませておけば大丈夫…だよね? 何か飲み物でも買ってくるから!」
そうして、佳織さんは小走りで何処かへと去って行った。
そんな彼女の後姿を見ながら、私は鈴さんと熱い握手を交わしていた。
「最高の体験を…してしまいましたわね…」
「うん…早くも、この夏の一番の思い出が出来てしまったわ…」
今日の事は…本気で一生忘れませんわ…。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
急に鼻血を出して倒れてしまった凰さんとオルコットさんに冷たいドリンクを持っていくために、どこかに自販機でも無いかなーと探していると、何やら見覚えのある人影がこっちに歩いてくるのが見えた。
「あ…佳織。こんな所にいたんだね」
「デュノアさん…と…誰?」
専用機と同じオレンジ色のビキニを着たデュノアさん。
うん。見事な正統派金髪美少女ですな。
その隣にいる全身をバスタオルで覆った謎の人物。
なんとなく想像はつくけど、一応は尋ねてみる事に。
「えっと…タオル星雲からやって来たタオル星人か何か?」
「いやいや…違うから。これはラウラだよ」
「え? ボーデヴィッヒさん?」
いやはや…確かに原作でも、こんなシーンがあったのは記憶にあるけどさ…実際にこの目で見ると想像以上に奇妙奇天烈な姿をしておりますな。
これじゃあもう、ある種の苦行になるんじゃあなかろうか。
「ほーら。早く、それを取りなって。絶対に大丈夫だから」
「…本当か? 本当に大丈夫か?」
「本当だよ。折角、可愛い水着に着替えたんだから、ちゃんと佳織に見て貰わないと…ね?」
「そ…それはそうかもしれないが…その…こっちにも心の準備というものがあってだな…」
「さっきからず~っと同じ事を言ってるよね。早くしないと、自由時間が終わっちゃうよ? それでもいいの?」
「そ…それは困る!」
「でしょ? だったら…」
「わ…分かった。ええーい…ままよ!!」
バババ! ってな感じでボーデヴィッヒさんの全身を覆い隠していたタオルが浜辺へと投げられる。
その中から出現したのは…。
「おぉ~…」
フリルが付いた黒いビキニを着たボーデヴィッヒさんの姿だった。
どことなくゴスロリな感じがするけど、彼女にはコッチ系のファッションの方がよく似合うような気がする。
眼帯を付けているからなのかな?
しかも、髪をツインテールに纏めてあるし…これはまた…。
「わ…笑いたければ好きに笑えば……」
「可愛い!!」
「……え?」
「笑う所なんて全然ないよ! すっごく可愛いと思う!」
「そ…そうか?」
「そうだよ!」
これはまた破壊力絶大だわ~…。
世のロリコン共を一撃必殺で破壊するね。うん。
いや…マジでお世辞抜きでめっちゃ可愛いから。
「そうだよね佳織。ね? 僕が言った通りだったでしょ?」
「あ…あぁ……」
やヴぁい。
普段の凛々しい一面を知っているせいか、この恥ずかしがりながらのモジモジとした仕草のギャップが凄いことになってる。
控えめに言って最強です。ありがとうございました。
「佳織も、その白いビキニ、凄く良く似合ってるよ」
「さっきも言われたけど…本当に似合ってる? 自分的には水着に負けてるような気がしてるんだけど…」
「そんな事無いって! なんかこう…佳織のイメージにぴったりって感じがするよ!」
私のイメージって…どんなんよ?
「それに、佳織のツインテール姿なんて初めて見たし。凄く役得な気分」
「割とプライベートだと色んな感じで髪を纏めてるんだけどね」
ポニーテールとか、お団子とか、三つ編みとか…ね。
「あ…そうだ佳織。いきなりですまないが、写真を一枚撮らせて貰っても良いだろうか?」
「え? 私の?」
「あぁ。実は更識生徒会長から頼まれごとをしていてな。佳織の水着姿の写真を撮影して送って欲しいと言うことだった」
「えぇ~…まぁ…いいけど」
私の水着の写真なんてあっても意味なんて無いと思うけど…。
「では…失礼する。パシャリとな」
おっと、いきなり。
別に気にはしないけど。
「送信…っと。これで任務完了だ」
おっと。
雰囲気に流されて話し込んじゃったけど、今はそんな事をしている場合じゃなかったんだった。
早く二人に飲み物を買って行ってあげないと。
「そういえば、なんだか慌ててるみたいだったけど…どうかしたの?」
「実は……」
妙に鋭いデュノアさんのお蔭でスムーズに急いでいる理由を話す事が出来た。
ってことで…かくかくしかじか。かくかくうまうま。
「あぁ~…成る程ね。鈴とセシリアが向こうで…」
「そうなの。もしかしたら熱中症かもしれないし、飲み物でも買ってこようかと思って…」
「ん~…大丈夫じゃないかな?」
「え? でも……」
「あの二人はそんなにヤワじゃあないよ。仮にも代表候補生なんだし」
「そうかもだけど…」
「それに」
「ん?」
「二人の気持ちは僕もよーく理解出来るしね」
「んん~?」
理解出来るとはどゆこと?
もちっと分かり易く説明を求むでゴザル。
「でも、そんなに心配なら~…そうだ! ねぇ~! ちょっといいかな~?」
「どうかしたの~?」
ん? デュノアさんがいきなり、通りすがりの女子生徒に話しかけたぞ?
あの顔は同じ一組の生徒みたいだけど…。
「……ってことなんだけど、頼めるかな?」
「OKOK。任せといて頂戴な。確かに、好意を抱いている女の子とそんなことをしたら、そうもなりますわな」
なんか一発で理解を得ているんですが…なして?
よく聞き取れなかったけど、デュノアさんはなんて説明したの?
「大丈夫だよ、仲森さん。凰さんとオルコットさんの事は…」
「「「私達に任せて!」」」
「わっ!?」
いきなり人が増えたんですけど!?
マジで一体どこから来たッ!?
「てなわけで……」
「「「行ってきまーす!」」」
あ……行っちゃった…。
どこにいるかも教えてないのに…。
「二人の事は皆に任せて、佳織は僕達と一緒に行こ?」
「う…うん…」
皆の善意を無下には出来ないけど…本当に大丈夫かな…?
なんか別の意味で心配になってきたんだけど…。
次はシャルロット&ラウラのターン。
けど、どこまで続くのやら…?