私…生まれ変わったらモブキャラになりたいな(なれるとは言ってない)   作:とんこつラーメン

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これが大人の魅力だ!

 もうすぐお昼に差し掛かろうとする時間にやって来た、水着姿の織斑先生。

 す…凄いですな…! なんちゅー破壊力だ…!

 普段から美人だとは思ってたけど、水着に着替えた事で美人力が倍増しておりますぞ!

 

「織斑先生…今、来たんですか?」

「まぁな。色々と仕事をしていたら遅れてしまった」

「仕事?」

「旅館の人達との打ち合わせなどさ。事前に話をしているとはいえ、当日にしか出来ない話などもあるからな」

「成る程…」

 

 本当に教師って職業は大変だな~…。

 私達なんて自分のことだけで精一杯なのに、先生達は生徒達の事まで考えないといけないんだもんね。

 いやはや…マジで頭が上がりません。

 

「それよりも佳織」

「は…はい?」

 

 あ…あれ? また名前で呼ばれた?

 

「その水着、良く似合ってるぞ。矢張り、お前には白が良く似合うな」

「ありがとうございます。織斑先生も、それってあの時に私が選んだ水着…ですよね?」

「そうだ。有り難く着させて貰っているよ」

「凄く良く似合ってると思います」

「ふふ…そうか。ありがとう」

 

 ん~? なんだろう…前よりも緊張しなくなってきてる気がする…?

 プライベートで色々と話したりしたせいなのかな?

 

「織斑せんせ~!」

「「ん?」」

 

 少し遠くから聞こえてくる、この声は…山田先生?

 そっか。織斑先生が来てるんなら、当然のように山田先生も来てるよね。

 

「あ! 仲森さんも一緒にいたんですね!」

 

 それは…『スイカ』だった。

 レモンイエローのビキニを着た山田先生の身体から、その存在を主張するかのように飛び出た、その巨大で丸い物体は間違いなく『スイカ』の如き大きさを誇っていた。

 こ…これが山田先生の真の実力なのか…!?

 割とマジで、一体何カップぐらいあるんだろう…。

 

「わぁ! その水着、とてもよく似合ってますよ!」

「あ…アリガトウゴザイマス…」

 

 アナタから言われても皮肉にしか聞こえないんですけどッ!?

 なんだ、この規格外のデカさは!?

 

(この間、ネット通販で見た『モデルバスト』の購入を本気で考えないといけないな…)

 

 手段を選んでいる場合じゃないのかもしれない…。

 幾らなんでも、これは反則過ぎる。

 

「あ…そうだ。織斑先生。一つ聞きたい事があるんですけど」

「どうした?」

「さっき、あそこで『海の家』を見つけたんですけど、お昼ってそっちで食べても良いんですか?」

「ふむ…そうだな。別に旅館の食堂でのみという縛りは無いしな。我々の目が届く範囲であれば、どこで食べても構わんだろう。あっちに行くのか?」

「はい。初めて見たので、いい機会なので試しに行ってみようかなって思って」

「そうか。なら、遠慮なく行ってくるといい。私達は、もう少しだけ海を堪能してから食事にする事にする」

「分かりました。それじゃ、行ってきます」

 

 ちゃんと許可も貰った事だし、皆を誘って海の家に行ってみようか。

 …そういや、さっきから皆の声が聞こえないけど…何処に行った?

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 突如として現れた千冬と仲良さそうに話している佳織を後ろからジト目で見つめている少女達+α。

 彼女達の心境としては非常に複雑なものとなっていた。

 

「仲森さん…いつの間に、千冬姉とあんなに仲良くなってたんだ?」

「いや一夏。指摘するのはそこじゃないよ」

「え? どーゆーことだ?」

 

 シャルロットの言葉が上手く理解出来ない一夏。

 こんな所でお得意の鈍感を発揮してしまった。

 

「まさか、ここで織斑先生が台頭してくるとはね…!」

「意外…いや、違うな。織斑先生は前々から佳織の事をずっと気に掛けていた。だがそれはあくまで『教師』としてだった筈だが…」

 

 今、目の前で会話をしている二人の様子は『教師と生徒』というよりは、まるで気心が知れた友人同士…否、これは…。

 

「佳織と織斑教官…ああしていると、まるで本当の『姉妹』のようだな」

「「「それだ!」」」

「ふぇ?」

 

 ラウラが何気なく言った一言に激しく反応するシャルロット&箒&本音。

 なんて言い表していいのか分からずにいたが、ラウラに寄ってそれが一気に氷解する。

 

「うぅ~…かおりん…すっごく楽しそうだよぉ~…」

「これは…強敵だね…!」

「うむ…由々しき事態だな…!」

 

 最強の好敵手は実は最も身近にいるもの。

 まさか、それが自分達にも適応されようとは。

 しかも、その相手はあろうことか『担任』にして『世界最強』。

 だからと言って簡単に諦めるような彼女達ではなかったが。

 

「千冬さんか~…少し前から、そんな予感はヒシヒシと感じてはいたけど…」

「こうして自分の目で見ると、それを強く実感しますわね」

「「「「おわぁっ!?」」」」

 

 これまた、いつの間にか復活していた鈴とセシリアが合流していた。

 お蔭で変な声を上げてしまったが。

 

「い…いたんだ…本気でビックリした…」

「ついさっき来たのよ。なんとか復活してね。それより…」

「ここに来て一番の強敵登場とは…大変なことになりましたわね…!」

 

 ラウラと一夏以外の全員が炎を燃やす中、佳織が皆の元まで戻ってきた。

 

「おーい…って、凰さんとオルコットさん? もう大丈夫なの?」

「当然じゃない!」

「これでも代表候補生。軟な鍛え方はしておりませんわ!」

 

 意中の相手が来た瞬間に態度が急変する。

 これはこれで凄いことかもしれない。

 

「さっき織斑先生に聞いたんだけど、あそこにある海の家でもお昼を食べても良いって。だから、皆で行かない?」

「「「「「行く!!」」」」」

 

 満場一致。

 一夏とラウラは彼女達の迫力に負けて何も言えずにいたが、意見に関しては普通に賛成だった。

 

「そうと決まれば早速行きましょ! あ~…お腹空いた~!」

「そうですわね! 一体どんなメニューがあるのかしら?」

「海の家か…私もあそこで食事をするのは初めてだな!」

「何を食べよ~かな~? 今から楽しみだね~!」

「舞い込んできたチャンス…! ここで一気に…!」

 

 各々にアピールや思惑を含みながら海の家へと向かっていく。

 そんな彼女達の背中を見つめつつ、残されてしまった一夏とラウラ。

 

「…一体何だったんだ…?」

「さぁな…」

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 やって来ました海の家。

 どうやら、私達以外にも目を付けていた子達はいるみたいで、結構な人だかりが出来ていた。

 なので、私達はテラス席で食事をする事になった。

 

「なんつーか…見事に『海の家』って感じのメニューだったね」

 

 そんな事を言ってる私が食べているのはカレーライス。

 しかもシーフードじゃなくてビーフカレー。

 なんか普通に美味しい。

 

「漫画やドラマとかに良く出てくる海の家とまんま同じだったわね。ま、美味しいから文句は無いけど」

 

 凰さんが食べているのは醤油ラーメン。

 これもこれで美味しそうだな~…。

 

「けど、それだけじゃなかったよな。セシリアが食ってる『海鮮パスタ』とか」

「魚介の出汁が出ていて美味ですわ…」

 

 やっぱり海の近くなだけあって、ちゃんとソッチ系のメニューもあったりはするんだよね。

 スタンダードな奴と海鮮系が半々って感じ?

 因みに、織斑君は海鮮焼きそばを食べてる。

 

「ねぇ…佳織?」

「ん? どったのデュノアさん」

 

 隣でエビピラフを食べてたデュノアさんが急に話しかけてきた。

 な…なんか目が座ってない?

 

「佳織ってさ…なんか織斑先生と話してる時って雰囲気が違うよね」

「そっかな…」

 

 そんな事を言われても私には分からないしな~。

 別に普通だと思うんだけど…。

 

「シャ…シャルロット…さっきの今でぶっこむな…!」

「大胆だね~…」

 

 天丼を食べてる篠ノ之さんと、シーフードピザを食べてる本音ちゃんがびっくりしてる。

 そんなに驚くような要素ってどこかにあった?

 

「雰囲気って言うか、仲森さんと千冬姉って普通に仲良くなってないか? なんかあったのか?」

「ん~…特別な事は何もないと思うけど…」

 

 私から見た織斑先生は『尊敬する恩師』って感じだし。

 普段から凄くお世話になってるし、相談にも乗ってくれたり、補習をして勉強を教えてくれたり。

 …こうして改めて考えると、私ってめっちゃ織斑先生に世話になりまくってるじゃん。

 これ絶対に恩返ししなくちゃいけないでしょ。

 

「普段の地道な積み重ねが今になって花開いたってことかしら…」

「今にして思えば、織斑先生は入学した時から佳織さんの事を気遣っていましたから…」

「スタート地点の差…か……くっ!」

「時間は関係ない…って言いたいけど、その差はかなり大きいよね…」

「やっぱり、ここはこれを脱いで一気に…」

 

 なんか皆でブツブツと話している中、本音ちゃんが物騒な事を言いだしてないっ!?

 それはマジで禁断の果実だから!

 確実に織斑君が悪い意味で出血多量になっちゃうから!

 

「お前達、さっきから何をブツブツと話しているのだ?」

「そんなの決まってるじゃない…って、そっか…アンタは数少ない『例外』だったっけ…」

「何の事だ? モキュモキュ…」

 

 あら可愛らしい咀嚼音。

 ボーデヴィッヒさんが食べてるのはシーフードグラタン。

 トローリと解けたチーズが美味しそうだ。

 

「あ…ボーデヴィッヒさん。チーズが口についてるよ。ほら、こっち向いて」

「ん…」

 

 テーブルに備え付けられていたナプキンで彼女の口元を拭いてあげる。

 なんだろーねー…この何とも言えない感情の渦は。

 胸が別の意味でキュンキュンしますね。

 

「…こっちもこっちで本当の姉妹っぽいわね」

「というより、ラウラの奴が妹キャラになりつつあるのでは…?」

 

 篠ノ之さんから、まさかのご指摘。

 彼女の口から『妹キャラ』なんて単語が飛び出してくるとは。

 けどさ…そういう篠ノ之さんも立派な妹キャラだよね?

 実際にお姉さんがいるんだし。かなり破天荒だけど。

 

「昼はこうして海の家で洋食とかを食べて、夜は旅館で海鮮の和食を食べる…か。やっぱ、出てくるのは刺身とかかな?」

「そうじゃない? 取れたて新鮮のピチピチのやつが出てくるに違いないよ」

 

 なんせ、目と鼻の先に大海原が広がってる訳だしね。

 あーゆー高級旅館って、懇意にしている地元の漁師さんとかもいそうだし。

 いーよねー…海鮮料理…お刺身とか最後に食べたのいつだっけ…。

 最近じゃ、スーパーのパックのお刺身すら食べた記憶が無い。

 お寿司なんて論外中の論外だ。

 

「料理もそうだけど、それと同じぐらい楽しみなのは『温泉』だよな。やっぱり」

「旅館のパンフレットにも記載されてたねー。源泉かけ流し…なんだっけ? 効能とかあるのかな?」

「あるんじゃないか? どんなのかは知らんけど」

 

 普段から溜りに溜まった疲れを取るいい機会かもしれない。

 全身の凝りを是非とも解したいですにゃ~。

 

「「「「「お…温泉っ!?」」」」」

「温泉?」

 

 うわっ!? ま…またなんか反応してるし…どったの?

 

「そうか…その手があったか…!」

「まだ希望は残されてますわ…!」

「今まではタイミングが悪かったけど…今度こそ…!」

「佳織とお風呂…佳織と温泉…デュフフ…♡」

「かおりんとまた一緒にお風呂…楽しみだなぁ~…♡」

 

 な…なんだろう…皆から変なオーラが出てるような気が…。

 同時に、物凄い悪寒が背中を走ったんですけど…。

 

(これ…福音云々以前に、私の貞操の危機なのでは…?)

 

 最も恐ろしいのは、暴走した機械天使よりも、暴走した友人達でしたってか?

 流石に洒落にならないオチなんですけどっ!?

 私…別の意味で無事に臨海学校を乗り越えられるのか心配になってきたよ…。

 

 

 

 

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