私…生まれ変わったらモブキャラになりたいな(なれるとは言ってない) 作:とんこつラーメン
原作ヒロイン五人だけじゃなく、本音や千冬さん、山田先生もです。
なんせ、それを実現してくれる『お爺ちゃん達』がいますからね。
無事(?)に臨海学校と言う名の大決戦を乗り越えてから数日。
私達はと言うと…。
「えーと…ここの問題はー…」
今度ある期末試験に向けてテスト勉強をしています。
そうなんだよね~。
福音暴走事件に霞んで忘れかけてたけど、臨海学校が終わったら夏休みはもう目の前に迫って来ている。
ってことはつまり、もうすぐ一学期が終了すると言うことでもあり、同時に学期末試験があるってことでもある。
なので、私達は食堂の快適な環境を利用してテスト勉強をしているのです。
え? なんで図書室なんじゃないのかって?
あそこは…とっくの昔に占拠されてましたよ…。
結局、皆揃って考える事は同じなんだなって改めて実感した。
「す…すまんセシリア…ここの問題を教えてはくれないだろうか? どう計算しても答えが1になるんだが…」
「え? 流石にそれは…仕方ありませんわね。どの問題ですの? 私に見せてくださいまし、箒さん」
私の目の前ではオルコットさんに数学を教わっている篠ノ之さんがいて、その隣には…。
「むぅ…古文というのは中々に難解な教科だな…。この文章が、どこの何を現しているのかサッパリ分からん…」
「どこどこ~? ラウラウはどこで詰まってるのかな~?」
「ここなのだが…」
「ほほぉ~」
そしてなんと、あの本音ちゃんがボーデヴィッヒさんにお勉強を教えている。
てっきり本音ちゃんは教わる側だと思ってたけど…冷静に考えたら違うよね。
なんだかんだ言っても暗部の家の人間であることには違いないし、整備士志望なら普通に頭が良くて当たり前。
性格だけで判断しちゃダメダメですな~。
「数学とか英語は大丈夫なんだけど、国語系の問題は要勉強必須だね。この辺はボク達みたいな外国組にとっての難関になるな~」
「確かにそうかもね。アタシみたいに日本に暮らしたことがあれば話は別なんでしょうけど」
んで、デュノアさんと凰さんはお互いに教え合って頑張ってる。
織斑君の話によると、凰さんは中学の時から文武両道で凄い子だったらしい。
本当にそんな子っているんだな~。
私達みたいに食堂で勉強している子達は他にもいて、別にすること自体は問題無いみたい。
だけど、やっぱり臨海学校での『アレ』の影響は少なからずあったようで…。
(…心なしか、生徒の数が少なくなってるような気がする…)
IS開発者直々のお説教だったからね。
説得力は絶大だっただろうし。
だけど、それにもめげずに頑張ろうとしている子も一定数いるのに驚いた。
心機一転したのか、それとも単なる反骨心からなのか。
どっちにしても、心が折れていないだけ凄いことだとは思うけどね。
そうそう。
実はこの場に一年生以外の人が約一名だけしれっと混ざってるんだよね。
誰なのかはもう言わなくても分かると思うけど…。
「佳織ちゃん。どこか分からない所とかある?」
「えっと…それじゃ、ここを教えて貰えますか?」
「OKよ! お姉さんに任せなさい!」
我等が生徒会長こと更識先輩です。
実はこの人、臨海学校から戻って来てからコッチ、なんでか超過保護になってまして…。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「佳織ちゃん大丈夫だったッ!? 臨海学校で暴走した軍用ISと戦ったって聞いて、ずっと心配してたのよ!?」
「え? えっと…大丈夫ですよ? 確かに危なかったですけど、なんとかなりましたし。特に怪我とかもありませんでした」
「そう…本当に良かったわ…。ダリルちゃんがいきなり篠ノ之博士に拉致られて、佳織ちゃん達の助っ人をしてたって聞いて…佳織ちゃんの貞操の危機だと思って…」
「そっちの心配ですか。普通にケイシー先輩は頼りになりましたよ?」
「全くだ。ったく…テメェはオレの事を何だと思ってんだ。一年相手にンな事をする程、オレは落ちぶれちゃいねえっつーの」
「あれ? なんか私の知らない所で二人が仲良くなってる? なんで?」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
…ってな感じで、もうずーっとベッタリ状態。
心配してくれてたのは純粋に嬉しいけど…流石にやり過ぎ。
因みに、さっきから一言も喋ってない織斑君は…。
「…………」
ちーん…。
ってな感じでテーブルに伏しております。
「えっと…大丈夫?」
「仲森さん…あぁ…基本五教科に関しては辛うじて分かるんだけど…」
「IS系の問題に苦戦している感じ?」
「その通りデス…」
その気持ち…すっごく良く分かるわぁ…。
どれだけ難しくても、五教科自体はなんとかなるのよ。
今までの勉強の延長線上なわけだし?
でも、今まで全くISに関わってこなかった人間がいきなりISの勉強しろとか言われても普通に無理なのよ。
だからこそ、私は授業や自室での勉強だけじゃなく、放課後の補習授業とかも受けている訳でして。
「まぁ…一緒にがんばろ? これさえ乗り越えれば夏休みが待ってるんだしさ。ね?」
「そ…そうだな…これさえ終われば待望の夏休みだもんな…」
夏休みに反応して織斑君のやる気が少しだけ復活した模様。
学生にとっての夏休みはある意味、最大の活力剤ですからな~。
さーて。
私も織斑君に負けないように勉強を頑張りますかな~っと。
「む? 食堂にいたのか…佳織」
「織斑先生?」
織斑先生が私を呼びに来た…しかも名前呼びで。
前にも一回、こんなのがありましたな。
あの時は確か…。
「あれ? 千冬姉? どうしてここに?」
「織斑先生だ…と言いたいが、今は放課後だから特別に許すか」
おう…なんか寛大になってる。
「いきなりで申し訳ないのだが、実は佳織に客が来ていてな。呼びに来たんだ」
「私にお客さん?」
割と本気で全く身に覚えが無いのですが?
学園外にいる知り合いなんて、それこそ落語部の皆ぐらいしかいない筈なんだけど…流石に違うよねぇ?
「織斑先生。佳織ちゃんに客って、一体どんな人なんですか?」
「更識…お前もいたのか」
「生徒会長ですから」
それは関係あるの?
「見た目的には科学者のようなのだが…男性の老人五人組なんだ」
「老人の五人組?」
なんだろう…そのフレーズ、どこかで聞き覚えがあるような無いような…。
「いきなり学園にやってきてな。学園長に許可も取っているらしい」
「あの学園長に…?」
一体いつどこで許可を取ったんですかね~?
それに関してツッコんだら負けな気がするのでツッコみません。
「しかも、佳織を名指しだ。私もかなり怪しいと思ったのだが、だからと言って無下にも出来んのでな。だから、こうして佳織を呼びに来たんだ。無論、念の為に私も同行するつもりだ」
「成る程…事情は理解しました」
あー…なんだろー…。
また面倒くさいことになりそうな予感がビンビンしてるんですが。
「ならば、私も一緒に行きます。生徒会長なので」
「あぁ…まぁ、お前ならば構わんだろう。ところで、お前達は何をやっているんだ? 勉強会か?」
「正確にはテスト勉強ですね。今度の期末テストに向けての」
「そうか…それは悪いことをしたな。だが、待たせるのもあれだから、出来れば今すぐにでも行ってくれると助かるんだが…」
千冬さんを困らせる訳にはいかないし、ここは仕方がないから一旦、勉強を中断してから向かった方がよさそうだ。
つーか、さっきから他の皆も勉強の手を止めてめっちゃ聞き耳を立てているんですが。
「分かりました。私なら全然大丈夫なので、今から行きます」
「すまない。この埋め合わせは必ずしよう」
「ありがとうございます」
ちゃんとアフターフォローしてくれるから千冬さんに好感が持てるんだよなー。
別に他の皆に好感が持てないってわけじゃないけど。
「仕方ありませんわね。佳織さんが行くと仰られるのならば、この私も行かねばなりませんわ」
「ま、当然よね」
「そうだね。ボク達も一緒に行くよ」
「佳織を守ることこそが今の私の使命。無論、私も同行する」
「お前達が行くのならば、私一人だけ行かないという訳にはいかないだろう」
「かおりんが行くなら私も~」
「えっ!? 皆行くのかっ!? じゃ…じゃあ俺も!」
まぁ…予想はしてたけどね。
千冬さんもそれは同じみたいで、特に文句とかは出なかった。
もう完全に恒例行事見内になってる気がする…。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
そんな訳で、千冬さんに連れられてやってきたのは整備室。
ここには滅多に足を運ばないから割と新鮮です。
精々、整備の実技の授業の時ぐらいかな?
ちゃんとトールギスも整備しないとって思ってはいるんだけど、その領域にはまだまだ達していないのが現状な訳でして…何とも情けないでゴザル。
ゼクスだって、ぶっ壊れたウィングガンダムを律儀に修復してあげたってのに…。
(いや…別にあれは私が自分の手で修復したわけじゃないからな? ちゃんと部下たちの手を借りたからな?)
なんか珍しくゼクスからツッコまれたような気がする。
「それで、私を呼んだって言うお爺さんたちはどこにいるんですか?」
「さっきまでそこにいたんだが……あ、あそこにいた」
「え?」
千冬さんの視線の先には、超見覚えのあるお爺さん五人組が物珍しそうに整備室を見回していて、それを山田先生がハラハラしながら見守っていた。
「ほぉ…? 中々に良い設備じゃないか」
「ISに関する学園と言うのは伊達ではないと言うことか」
「これならば問題は無いだろう」
「後は、例の少女が来るのを待つだけだな」
「うむ。どれ程の人物なのか。会うのが楽しみだ」
「あ…あの~…勝手に触ったりしないでくださいね~…」
山田先生…涙目になってません?
ちょっとだけ可哀想になってきた。
「お待たせしました。仲森佳織を連れてきました」
「「「「「おぉ!」」」」」
びくぅっ!
いきなりの声に普通に驚いたんですけど!
「お前さんがトールギスの操縦者の仲森佳織嬢か?」
「えっと…はい。そうですけど…」
「ふむ…」
いきなり全身をジロジロと見られてるし…。
「見た目は至って普通の少女…と言う感じだが…」
「それだけで全ての判断は出来ん」
「実際、彼女はあのトールギスを第二形態移行させたのだ」
「その偉業は紛れもない事実」
「十分に評価するに値する」
…褒められてる?
いや…この人達って頭脳はぶっ飛んでるけど、性格に関しては割と常識人だったような気がする…多分。
「いきなりで申し訳ない。ワシらはお前さんに会いに来たんじゃ。ワシらの作ったトールギスを唯一、乗りこなしてみせたお主に興味が湧いてな」
「はぁ…」
やっぱり…この世界でも、この人達がトールギスを作ったんだ…。
「しかも、意外なおまけも着いて来たようじゃしな。のぉ…セシリアよ」
「はい…お久し振りですわ…ドクターJ様…」
えっ!? もしかしなくても…オルコットさんとこの人って知り合いっ!?
冗談抜きで驚きなんですけどッ!?
「ろ…老師O…? なんでここにいるんですか…?」
「さっき言った通りだ。しかし、まさかお前とも会えるとは思わなかったぞ。鈴音」
凰さんとも知り合いなんですかぁッ!?
「お前さんと会うのも久し振りだな。シャルロット」
「そ…そうですね。ドクトルS…」
デュノアさんも知り合いなの…?
なに…この展開…。
「あの小生意気な小娘が、随分と大人しくなったもんだな。なぁ、ラウラよ」
「そ…その節はご迷惑をお掛けしました…プロフェッサーG…」
ボーデヴィッヒさんも、このすっごい髪型のお爺ちゃんとお知り合い!?
「まさか、君とこんな場所で再会するとはな。束は元気にしているかな?」
「は…はい…姉ならば無駄に元気にしています…H教授…」
え――――――――――――っ!?
最も縁が無さそうな篠ノ之さんも知り合いなの――――――っ!?
ある意味、これが一番の衝撃展開なんですけど―――っ!?
「えっと…貴女たち? この人達と知り合いだったり…するの?」
聞いちゃった。
私も千冬さんも山田先生も本音ちゃんも、ずっと聞くタイミングを伺っていた事を更識先輩が思いっ切り聞いちゃった。
「えぇ。こちらのドクターJ様は、私の専用機『ブルー・ティアーズ』の開発者なんですの…」
マジですかッ!?
流石に想像出来なかったわ!!
「この老師Oは、アタシの専用機『甲龍』の開発者であり、同時に中国にいた時に家庭教師と拳法の師範をしてくれた人なの」
まさかの家庭教師&拳法の師匠!
凰さんの意外過ぎる繋がり発覚…。
「こちらのドクトルSは、僕の父さんの古い知り合いの人で、デュノア社の技術主任もしてる人で、ラファール・リヴァイヴの生みの親でもあるんだよ」
この人もデュノア社の関係者かい!
世界って…私が思ってるよりも狭いのかもしれない…。
「プロフェッサーGは、私の嘗ての専用機である『シュヴァルツェア・レーゲン』を初めとした『シュヴァルツェア・シリーズ』の開発者であり、ドイツ軍所属の科学者でもあった御方なんだ…」
もう滅茶苦茶だ…。
頭が混乱しててきたわ…。
「H教授は、うちの父さんの古い友人で、姉さんの科学者としての師匠みたいな人なんだ。だからよくウチにも出入りしていてな…私もその時に知り合ったんだ」
あの束さんに師匠的な人が存在したのか…。
しかも、それがトールギスの開発に関わってる人って…。
「とんだ偶然もあったもんじゃ。じゃが、これはこれで良いのかもしれんな。余計な手間が省けて助かったわい」
「余計な手間…とは?」
ま、当然のように千冬さんが問いますわな。
「ここに来たのは何も、その嬢ちゃんに会う為だけではない…と言うことじゃ」
「それは一体どういう…?」
「そもそも、今回のワシらには3つの目的がある」
「3つの…目的…?」
この人達はマジで何をしに来たんだろう…?
久し振りに緊張でドキドキしてきた…。
次回からヒロインズの強化計画が始まります。
勿論、ガンダムWに沿った強化です。
ヒロイン一人に付き一人の博士が担当って感じですかね。