私…生まれ変わったらモブキャラになりたいな(なれるとは言ってない)   作:とんこつラーメン

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随分と長くなりましたが、ようやくアンケートの結果発表です。

またアンケートをするかは未定です。








夏休みに新たなる出会い

「ふんふんふ~ん♪」

 

 今日も今日とて夏休み日和~。

 えー…私は今、一人でレゾナンスへとお買い物に来ています。

 どうして一人なのかと言うと、千冬さんと織斑君が『偶にはひとりの時間があっても良いだろう。折角の夏休みなんだし、思い切り羽を伸ばして来るといい』的な事を言ってくれたから。

 よくよく考えたら、最近の私って買い物に行く時はいつも誰かと一緒だったような気がする。

 だから、こんな風に一人で買い物に出かけるなんて逆に新鮮だ。

 

(まぁ…厳密には一人ではないのだがな)

(我々がいるからね)

 

 そーでした。

 トールギスの中にゼクスとトレーズ閣下がいるんだったね。

 特に気にはしてないけど。

 

(所で姫よ。今日は何を買いに来たのかな?)

「んー…これと言って特にって感じじゃないんだよね。何か欲しいものが有ったら買う的な感じ? これでも一応、お金だけはマジで有り余ってるから」

 

 偶には年頃の女の子らしくパーっと散財しても罰は当たらないよね。

 庶民感覚が抜けきらない私じゃ、どれだけ頑張っても預金通帳の額は減らないだろうけど。

 

(成る程。所謂『ウィンドウショッピング』と言うやつか)

「そゆこと」

 

 さーて…まずはどこから見ようかなー?

 お? あそこに見えるのは本屋さん?

 最初はあそこから行ってみようか。

 てなわけで…レッツ入店。

 

「いらっしゃいませー」

 

 いらっしゃいましたー。

 出入り口付近にいた店員さんが気持ちよく挨拶してくれた。

 こーゆーのは客としても気分が良いよね。

 

「まずは落語コーナーから行ってみよう」

(漫画とかじゃないんだな…)

 

 え? 漫画もちゃんと後で行くよ?

 でもまずは落語の方が先ってだけの話。

 

「あ…これ…私が尊敬してる師匠のエッセイ本じゃん。買っちゃおー」

 

 本当は発売日に買いたかったんだけど、この本の発売日って林間学校とモロ被りだったんだよね。

 正直、少しだけ諦めかけてたんだけど…まだ売れ残っててラッキー。

 

「こっちのCDは、あの人の…? よし、これも買おう」

 

 CDプレイヤーはちゃんと部屋にあるから大丈夫。

 勉強でもしながら、のんびりと聞こう。

 

「他はー…持ってるのばっかりだ。んじゃ、漫画コーナーに行こう。その後はラノベコーナーですな」

(散財…しているように見えるが…)

(実際には、まだ五千円にも達していない。そう簡単に金銭感覚は変わらない…か。フッ…)

 

 なんだろう…二人に馬鹿にされてる気がする。

 

(姫よ。一つ良いだろうか)

 

 なんですかー?

 

(買い物もエレガントに)

 

 エレガントな買い物とは?

 宝石でも買えばいいのかな?

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 流石はレゾナンスにある本屋の漫画コーナー。

 所狭しと漫画が敷き詰められた棚がひしめきあっている。

 

「これはー…まずは出版社の名前で探そう。その後で五十音順だね」

 

 私が良く読む雑誌はー…こっちか。

 んでもって『あ』はー…見つけた。

 ここから順番に見ていきますか。

 

「およ? これ…復刻版が出てたんだ。うわー…私が小学生の時のじゃん。懐かしー」

 

 こっちのなんて、まだ連載してたんだー…。

 息が長い作品だなー。

 ま、世の中に余裕で数十年間も連載し続けてる大人気御長寿漫画も幾つも存在してるしね。

 この程度は珍しくも無いか。

 

(佳織の年齢よりも長く続いている作品があるのか…)

 

 あるよー。一杯あるよー。

 下手したら、千冬さん達よりも年上な作品もあるよー。

 

(それだけ多くの人々から愛され、同時に作者と編集たちの努力が形となった結果なのだろうな。実に素晴らしい)

 

 あのトレーズ様が今の漫画業界に感銘を受けている。

 なんてレアな光景だろう。

 閣下なら、どんな漫画も優雅に読んでしまうんだろうな。

 例えそれが『ボボボーボ・ボーボボ』であっても。

 

「あ。これは私も持ってるのだ。新刊出てたんだ。取り敢えず買っておこう」

 

 遂に私も『取り敢えず』で買い物が出来るようになったんだなぁ…。

 『取り敢えず』って言うと、年末年始にどこぞの時空で知り合った、元傭兵の女の子を思い出す。

 あの子は私と違って生身でも超絶チートですから。

 ある意味、私の目標。

 

(姫よ…悪いことは言わない。それだけは止めておいた方が良い…)

(彼女は完全に規格外…異次元の存在だ…。恐らく、本気になった彼女は誰にも止められないだろう…)

 

 え? そうなの?

 パッと見は普通の女の子にしか見えなかったけどなー。

 気さくで優しかったし。

 

「んー…他には欲しいのは無いかなー。一先ず、持ってる漫画の新刊は根こそぎ買ったけど」

 

 勿論だけど、ちゃんと荷物を入れる用のバックは持って来てるからね。

 最初はトールギスの拡張領域を使おうかとも思ったけど、ISをそんな風に使うのは良くないよなーって思って踏み止まりました。

 

「お次はラノベを見よう。こっちも持ってるのの新刊が有れば買おうかな」

 

 新作を開拓するのも良いけど、それはそれで勇気がいるんだよね。

 立ち読みをして中身を確かめるのも良いけど、店によっては店員さんから冷たい目で見られることもあるし…。

 

「こっちも凄いねー。これは探し応えがありそうだねー」

 

 どこから見ていこうかなー。

 さっきみたいに出版社順に見ていきますかねー。

 

(およ? これはー…私の知ってる作者さんだ。でも、この作品は知らない…新作?)

 

 この人のは普通に面白いんだよねー。

 どうやら、今月発売の新作みたいだし、一冊買って夏休みを使ってのんびりと呼んでみようかなー。

 

「ん?」

「え?」

 

 私が本棚に手を伸ばすと、反対側から同じように誰かが手を伸ばしてきた。

 思わず気になって顔を向けると、そこにいたのは…。

 

「「あ……」」

 

 更識先輩にそっくりな顔と水色の髪。

 そして、特徴的な眼鏡。

 私は彼女を知っている。

 転生者であるが故に知っている。

 知っている…けど…。

 

(まさか…この時期のここで出会うとはなぁ…)

 

 日本代表候補生にして、一年四組のクラス代表。

 そして…更識楯無のたった一人の妹。

 

(更識簪…どうして彼女がここに…?)

 

 私と同じように買い物に来た…って感じか?

 ちゃんとマイバッグを持って来てるし。

 その中身は私と違って、主にアニメイトで買ったと思われるオタクグッズで満載だけど。

 

「あなたは…一年一組の仲森佳織…?」

「へ?」

 

 わ…私の名前が知られてる…?

 先輩から聞いたのかな?

 

「ど…どうして私の名前を…?」

「アナタは知らないかもだけど、IS学園の一部じゃかなりの有名人」

「有名人?」

 

 わ…私…マジで何かした?

 いや…実際に色々とやってはいるけど、その殆どが表立ってやった事じゃないし…。

 

「あの『白い全身装甲のIS』を駆る一年一組の女子生徒。候補生でもなければ企業所属でも無いにも拘らず専用機を持ってる時点で注目される」

 

 そ…それはー…そうだけどー…。

 でも、私が専用機持ちだってバレたのは臨海学校の二日目で束さんが暴露したからで、あれからまだ少ししか経過してないのに、もうそんなに噂が広まってるの?

 

「臨海学校で正体がバレた時点で、芋蔓式に学年別トーナメントでの活躍も引き合いに出された。当時はまだ現役の軍人だったドイツの候補生相手に無双までして、目立たない方がおかしいと思う」

 

 確かにその通りだぁ~!

 あの時は完全に試合に集中してて、後の事なんて全く考慮してなかったんだよなぁ~!

 結果としてボーデヴィッヒさんを救えたから良いけれどさ…。

 

「あと、アナタと仲が良い本音は私の幼馴染で、名目上は従者って事になってる。今日は一緒に来てないけど」

「じゃ…じゃあ…私の名前を知ってるのって…」

「普通に本音から聞いた」

 

 情報のリーク先は本音ちゃんかーい!

 あの子なら普通に話しそうだわー!

 おやつとか食べながら何気なくポロっと言ってそう!

 

「実を言うと、少しだけアナタに興味があった」

「え? わ…私に?」

 

 こ…こんなにグイグイと来るような子だったっけ?

 私の中じゃ、口数が少なくて大人しいイメージだったんだけど…。

 

「だって…」

「だ…だって?」

「あんなにもカッコいい全身装甲のIS見たことが無い! まるでロボットアニメに出てくるライバルメカみたいだった!」

 

 なんか急に目をキラキラさせながら私の手を握って来たっ!?

 あと、その考察は見事に大当たりだよ…。

 ついでに言うと、今の私の元には後期主人公機もあったりする。

 

「あ…あのー…一先ず、ここを出ない? ここじゃ人目に付くし…」

「分かった。それじゃあ、向かいにある喫茶店に行こう。そこなら静かに話せる」

「う…うん。了解です…」

 

 なんとなーく想像はしてたけど…やっぱり彼女はオタク気質なのか…。

 それはそれとして、この子の事はなんて呼ぼう?

 更識さん…じゃあお姉さんと被るし…。

 でも、この子って先輩の事でコンプレックスがあって、名字で呼ばれるのが嫌いじゃなかったっけ?

 じゃあ…簪ちゃんって呼ばなくちゃいけないのかな…?

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 そうして、やって来ました向かいにある喫茶店『ティターンズ』。

 どこかで聞いたことがあるような気がするけど、気のせいだと思って敢えてスルーをする。

 勿論、店員さんの制服はあの独特なカラーである『ティターンズブルー』。

 私、実はあの色好きです。

 

「え? あれって、そんなに危険なISなの?」

「う…うん。あんまり大きな声じゃ言えないんだけどね…」

「カッコいい機体には危険がつきもの…か」

 

 真剣な顔で聞いてるけど、危険ってレベルじゃないからね?

 下手しなくても普通に人が死ぬからね?

 

「でも、それじゃあ、どうしてアナタは乗りこなせてるの?」

「えっと…それはー…」

 

 絶対に聞かれるとは思ってたー。

 でも、それに対する回答は既に持ち合わせてるんですよ。

 伊達にトールギスを第二形態移行させてないってね。

 

「単純に私の体が丈夫…と言うか、対G耐性が凄かった…みたい」

「そうなんだ。人は見た目に寄らないんだね」

「良く言われる」

 

 前にもダリル先輩に『この細い体のどこに、あんな力があるんだよ』って言われたことがあるから。

 その時は適当に愛想笑いをして誤魔化したけど。

 

「仲森さんって、生徒会に入ってるんだよね?」

「そ…そこまで知って…?」

「知ってると言うか、前にウチのお姉ちゃんと一緒に廊下を歩いている姿を見かけたことがあるから」

 

 …思ったよりも私って色んな所で色んな人に見られてるんだな。

 これはもう『モブキャラになりたい』とか言ってられないぞ…。

 

「あ…そう言えば、まだ自己紹介とかしてなかった。ごめん」

「いや…別に気にしてないと言うか…」

 

 原作知識で既に知ってたから大丈夫と言うか…。

 

「私は更識簪。一年四組でクラス代表。あとついでに日本の候補生もやってる」

「え…っと…仲森佳織…です。一年一組で、トールギスの専属パイロットやってます…」

「ん…よろしく」

 

 なんなの、この強引な展開は…。

 いつかは必ず出会うんだろうなーと予想はしてたけど、余りにもいきなり過ぎて心の準備が出来てないよ~…。

 

 

 




次回も佳織と簪のお話。

果たして、簪も佳織のヒロインになってしまうのか?



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