ふらのは平然と戻ってきた。なんでだ?まだ少し機嫌が悪い気もするけどさっきみたいに罵倒が飛んできたりするわけでもない。基本無表情だからどんな感情なのかよくわからないな…。
数十分後
「それで買い物は全部かしら?」
「ああ、買いたいものは大体買えた。ふらのは?」
「私ももう大丈夫よ」
「じゃあ買ったら入り口で合流しよう」
「ええ、また後で」
・・・・・・・・・・
入り口
ザァァァァァ(土砂降り)
「雨だな…」
「そうね」
「土砂降りだな…」
「そうね」
「傘は?」
「持ってないわ」
「どうするか…」
「と、とりあえずこ、ここからなら私の家の方が近いから…」
「え?」
「1人で帰るわ」
「そっちかよ!ていうかいくら家が近いからってこの雨の中女の子1人じゃ危ないだろ」
「じゃあどうする気かしら?」
「どうするって…」
ふらのを送ってから帰るのはキツいすぎるし…かと言ってふらのを1人で帰るわけにはなぁ…。ん?スーパーの目の前なんだから傘買えばよくね?なんで気付かなかったんだ?
「なぁ、ふらの、スーパーでか…」
選べ
①ふらのに土下座して雪平家の犬小屋に泊めてくれと頼む(傘は使えない)
②ふらのと雨宿り(意味深)をしていく(ゴムは使えない)
③カサカサの大子さんとディープキスをする(使い物にならなくなる)
「カサカサの大子さんってなんだよ!?」
「?甘草君、スーパーでカサカサの大子さんってどういう意味かしら?」
「え、あ、いやなんでもな痛たたたた!」
くそっ!③は論外として、②は多分選んだらラブホあたりに行かされるだろうし…
「ふらの、お前の家の犬小屋に泊めてくれ」
今更土下座くらいでなんとも感じない。…その事実の方が辛くなってた。
「甘草君、その、こういう時なんて言っていいかわからないけど…」
珍しくふらのが困ってる。想定外すぎたか?
「ウチ犬小屋ないのよ」
「そこかよ!」
「甘草小屋ならあるわ」
「なんでそんなもんが家にあるんだよ!」
「甘草小屋が気に入らないのなら両親の寝室のベッドの下だけなら許可するわよ」
「とんでもないところに行かせようとすんな!」
深夜はギシギシ聞こえるかもしれないけどただのプロレスだから」
「そんなわけねぇだろ!」
「母の得意技はスクリューパイルドライバーよ」
「ザン◯エフじゃねぇか!あんなの実際できないから!」
「それと両親には見つからないよう注意するように」
「嫌だよ!普通に挨拶させろよ!」
「!そ、それじゃあ早く私の家に行きましょうか」バシャバシャ
突然雨の中走り出すふらの。
「え?あ、おい!」バシャバシャ
さっきから何なんだ?すこし顔が赤かった気が…。
・・・・・・・・・・
(やった。やった!やったやった‼︎
やったあああああああ‼︎‼︎)
いつも通り無表情なふらの。しかし内面では
両手放しで飛び跳ねたいほど喜んでいた。
(甘草君が家に来てくれる。お父さんとお母さんにも紹介できる。うれしい。うれしいよぉ〜〜〜!)
(なんだが挨拶って言葉に反応して変な態度とっちゃったけど大丈夫かな…)
頭では理解しているものの奏での口から両親に対して挨拶なんて言われてつい変な態度をとってしまった。
(それにしても甘草君が傘買えばいいってことに気付かなくてよかった〜)
実は気付いてたふらの。まあ普通気付くよね。
(本当は相合傘したかったけど…)
ちゃっかり折り畳み傘も持っていた。
(甘草君に顔赤いの見られるの恥ずかしいし、助かったかも…///)
今日は、いつもよりほんの少しだけ素直になれる気がしたふらのだった。
続く