「ふふっ、お兄ちゃん…」
「ゆらぎ…」
「実の妹相手にこんなおっきくして恥ずかしくないの?」
「じ、実の兄相手にこんな濡らしてるお前に言われたくねぇよ…」
「もぉー!お兄ちゃん!もっと感情込めてよ!」
「こんな台本感情込めて読めるか!もういいだろ!」
「ダメだよ!まだあと女王様妹ver.と義妹ver.とお兄ちゃん寝取りver.とそれから…」
「何種類あるんだよ…」
「10、15…20くらい?」
「多っ!そんなにやってどうするんだよ!」
「そりゃあもちろん録音して、フヘヘヘヘヘヘヘ…」
うっわ…
「これでお兄ちゃんお姉ちゃんが見つからない時でもお兄ちゃん補給ができる…」ハァハァ
ちょっと…マジで引いたな…
「ほらほら早く終わらせたいなら感情込めて読まないと!」
「はぁ…」
プレイの解釈も人それぞれ、か…。
なんで俺はシャワーを浴びてるんだろう。
たしかふらのがここで雨宿りしようって言い出して、ピンクの建物に入って、ふらのが先にシャワー浴びて、それから…
「…やばい」
ど、どど、どうする…?い、いやでも相手はふらのだし?どうせいつもの調子でふざけだしてふざけてるうちに雨が止んで帰ればいい、それだけだ。うん。
「上がったぞ」
「おかえり」
「雨止んだか?」
「天気予報によると今日1日止みそうにないわね」
「マジか…」
俺はひとまずベッドに腰を下ろす。
「ねぇ、甘草君」
「なんだ?」
ふらの、妙に服がゆったりしてるというかガードがゆるい…。
「その、あの…」
「?」
「あ、あまり、恥をかかせないで欲しいのだけれど…」
「…え?」
ふらのがベットに仰向けに寝転がる。彼女のルビーのような紅い瞳が俺に熱を帯びた視線を向けてくる。
「い、いやでも、俺たちそういう関係じゃないし…」
「私は、そういう目で見れない…?」
ふらのが泣きそうな目で問いかけてくる。
ドクン
何だ?今の感覚…。昔経験したことがあるような…。
「お願い…」
「ふらのはその、俺のこと、好きってことでいい、のか?」
「そ、それはその、す、す、はぅぅ…///い、いつかちゃんと伝えるからもう少し待ってもらえないかしら…?」
「わかった、待つよ」
俺はふらのに覆いかぶさるように跨った。
「いいんだな?」
「うん…」
吐き気が、空さんの呪縛が、来ない。選択肢を感じない。
「あ、ゴムがない」
「備え付けは…ないわね…」
「買ってくるよ」
「いえ、いいわ。今日は大丈夫な日だし、それに、その、直接繋がりたいから…」
「ふらの…」
「甘草君…」
・・・・・・・・・・
「ヤっちまった…」
行為の最中に聞いたふらのの素の話。ふらのの胸に対するコンプレックスの克服。(多分)選択肢の消滅。ふらのとのこれから。空さんの呪縛からも解放された。嬉しいことも多い反面…。
「ショコラと謳歌になんて説明すればいいか…」
「えへへ…」ナデ
ふらのはそんな心配も無さそうに自分の胸を嬉しそうに撫でている。俺がシてる時にふらのの胸を好きだって言ったのがよほど嬉しかったらしい。本当に気にしてたんだな…。
頭を抱えてる俺に気付いたのかふらのが近付いてくる。
「奏君、どうしたの?」
呼び方も俺が行為の最中に変えてくれた言った。ふらのだけいつまでも「甘草君」だったのはなんか違和感あったしな。余韻が残ってる今だから普通に呼んでくれてるけど、冷静になったら甘草君に戻っちゃうかもな。
「このことをどう説明したらいいか悩んでてな」
「え!?せ、説明するの!?」
ふらのの頬が真っ赤に染まる。
「説明するって言っても付き合ったってことだけだぞ?」
「あ、び、びっくりしたぁ…」
「ショコラと謳歌にどう言えば…」
「あ、あのね、爽星さんにも、伝えたほうがいいと思う」
「爽星?なんでだ?」
「多分爽星さんも、そうだと思うから…」
「わかった、ふらのがそう言うなら」
「うん。と、ところで、そのことはまた後でにして今くらいは、その…」
「ん?」
「その…えっと…///」
もうふらのが何も言わなくてもなんとなくわかる。
「ああ、わかった」
今夜はちょっと、眠れそうにない…
終わり