「んっ…」パチッ
どこ、ここ?昨日は家帰ってすぐ寝た、わよね?
『起きましたか』
「…ヒカリ?なにしてるのこんなところで」
『私はヒカリではありません。神です』
「…なんの遊び?」
『遊びではありません。私はお姉ちゃんを助けに来ました』
「助け?」
『これをどうぞ』
「ただのメガネに見えるんだけど?」
『必ずお姉ちゃんの助けになるはずです。ではさようなら』
「あ、ちょっと!」
ピカッ!
・・・・・・・・・・・・・・・・
ジリリリリリリ
「……朝ね」
変な夢見てなんだか寝起きが悪いわ…。
コツン
「ん?」
ベッドの中に何か?
「こ、これって…」
夢で見たメガネ?いや、さすがに違うわよね。あれ?紙が一緒にくくりつけられてる?
〈お姉ちゃんへ
このメガネはただのメガネではありません。本当にお姉ちゃんの助けになるものです。
好感度測定メガネといって相手からの好感度がわかります。
0〜10 他人
11〜20 苦手な人
21〜30 普通
31〜40 顔見知り
41〜50 知り合い
51〜60 それなりの仲
61〜70 友達
71〜80 親友
81〜90 好き
91〜100 籍を入れたい
ざっと目安はこんな感じです。あくまで目安なので人によって違います。メガネを介せば随時詳しくその人がお姉ちゃんをどう思っているか表示されます。
例:部下の人 80 尊敬する人
これを駆使して幸せになってください〉
「まったくヒカリったら手の込んだ遊びを覚えて…。ヒカリー!これヒカリでしょ!怒らないから来なさーい!」
「なんですか?」ウトウト
「これヒカリのイタズラでしょ?」
「?知りませんけど…」
「ええ?本当に?今言うなら怒らないわよ」
フルフル
「本当に知りません」
「う、うーん…」
ヒカリ嘘つくの下手だし…、本当にヒカリじゃないのかしら?でも他にいるわけないし…。
「そのメガネどうしたんですか?」
「え?あー…も、もらったのよ!」
「」ジーッ
「?」
「」ジーッ
「な、何かしら?」
「お兄ちゃんのと少し似てます」
「え?」
言われてみれば似てるかも…。フチはピンクだけど。
「つけてみてください」
「…なんで?」
「いいからつけてみてください」
「わ、わかったわよ」
スチャ
「似合ってますよ、お姉ちゃん」
(好感度95 自慢のお姉ちゃん)
「!?」
「お姉ちゃん?」
「!う、うん、ありがとう…」
ヒカリの背後に数字と文字が見える…。まさかこれ、本物?
・・・・・・・・・・・・・・・・
まだ信用はできないけど、ひょっとして本当に好感度が見える…?もし本物だとしたらヒカリが私を自慢のお姉ちゃんだって思ってくれてるってことよね。そうだったら嬉しいけど。
「」キョロキョロ
当然だけど通行人からは大抵一桁ね。表示も全部他人だし。…会社の人からの好感度を見るくらいイイわよね?本物かも怪しいんだし…。はっ!というか、好感度が見えるってことはた、タイヘイの好感度も…!?
「ぬふっ、ぬふふふふふふ…」ヌルーン
今行くわ!タイヘイ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「土間さん今日お休みだそうです」
(好感度81 素敵な上司)
ヌガーン!
「な、なんでかしら!?」
「ひっ!理由は知りませんけど…」
ツカツカツカツカ
「タイヘイ知らない!?」
アフロ(ぼんば)に掴みかかる勢いで問いただす。
「うぉっ!?なんだよ叶!?」
(好感度68 腐れ縁)
「タイヘイが休みなんて聞いてないんだけど?」
「俺だって今日知ったんだよ。電話で妹がどうのって言ってたけど」
「うぅっ…タイヘイ…」
ま、まあいいわ。時間はあるんだし明日見ればいい話よ…。
「叶さん、どうしたんですか?」
(好感度85 恩人)
「知らね、働きすぎて頭おかしくなっちまったんじゃねえの?」
・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日
ふふん!今日こそはタイヘイの好感度を見るわよ!
「土間さん今日は体調悪いみたいです」
「ええ!?」
「土間さんは有給もたまってたので別段支障はないですけど、2日連続なんて心配ですね」
「そうね…」
体調不良…、心配だわ。それに今日も見れないなんて…。
「そういえば課長昨日からメガネしてらっしゃてますけどどうしたんですか?」
「え?あー、コンタクトきらしちゃってね」
「そうだったんですか、メガネ素敵ですね」
「そう?ありがとう」
(本当はタイヘイに言って欲しいけど…)
きっと明日は来るわ!今度こそ!
「金剛君、ちょっといいかな?」
「はい、なんでしょうか?」
「明日から出張お願いできるかな?」
「え"」
「まあ出張っていっても一泊だから、そんなに遠いところじゃないしそんなに心配しなくても大丈夫」
「はい、わかりました…」
最悪…。このクソ老害…。
・・・・・・・・・・・・・・・
翌々日
はぁ…、ようやくおわった…。明日こそ絶対にタイヘイからの好感度を…。
ドンッ
「あ、すいませ…!」
「こっちこそごめんなさ…叶?」
「タイヘイ…」
「こんなところで会うなんてな。今出張の帰り?」
「う、うん、タイヘイはもう大丈夫なの?」
「ああ、もう大丈夫だよ。一昨日はごめん、急に休んだりして」
「いや、タイヘイは普段頑張りすぎだからそれはいいんだけど…」
メガネ、メガネはどこかしら?さっきぶつかった拍子に落として…。!壊れてる…。
「………」
「叶、大丈夫か!?メガネが割れちゃったのか!?」
「う、うん、そうみたい。でも大丈夫よ、安物…だったし…」
きっと、これでよかったのよ…。こんなの道徳的によくないし…。これで……
「」グスッ
「叶!?どうしたんだ!?もしかして大切なものだったのか!?」
「いいの!本当に大したものじゃないから…」
「本当にごめん叶!弁償、で済む話じゃないよな、えっと…ど、どうしたら…」
「…………」
私はタイヘイにこんな顔をさせたかったの?…違う。
「いいのよタイヘイ、別に大切なものだったってわけでもないのよ」
「でも…」
「本当に気にしないで」
「うーん…、でもなぁ」
「じ、じゃあ今度私と…」
「ん?」
「わ、私…と、その、代わりのメガネ選びに行ってくれない?」
い、言っちゃった!
「それはもちろんいいけど、そんなことでいいのか?」
「え、ええ!」
やったわ!この流れで食事でも!
「ね、ねぇタイヘイ!今晩予定はあるかしら?」
「今日は帰って妹に夕飯作ってやらないとなんだ。風邪で寝てる間に作り置きも無くなっちゃったから」
「そ、そうなの…」
「かわりにメガネ買いに行く時一緒に食べに行かないか?」
「!も、もちろん!」
「じゃあ、また明日」
「え、ええ!また明日!」
結果オーライね!
・・・・・・・・・・・・・・・・
メガネは壊れちゃったけどおかげでタイヘイとデート///ぬふふっ…///
「お姉ちゃん、何かいいことでもあったんですか?」
「何でもないのよ」ヌフフフ
「?」
・・・・・・・・・・・・・・・・
『こないだぶりですねお姉ちゃん』
「前の自称神様じゃない」
『自称じゃありません。神です』
「はいはい」
『メガネ壊しちゃったんですね、まだ4日しか経ってないのに』
「うっ…ごめんなさい…」
『いえ、別に怒ってるわけではないんですけど、なんでもう使ったんですか?』
「え?だってくれたから…」
『これの出番は本来あと3年は先ですよ。今使っても意味ないですから』
「?」
『まあ特別にもう一個あげるので今度は壊さないように気をつけてくださいね』
「は、はぁ」
『それでは』
・・・・・・・・・・・・・・・
「………」
またあるわね、このメガネ。
『これの出番は本来あと3年は先ですよ』
3年、どういう意味かしら…。
カタン
まあもうこんなの使う気もなかったし、多分もう使うこともないでしょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・
3年後
「おーい、叶。急がないと時間ないぞ」
「うん、ちょっと待って。メガネかけてもいい?」
「メガネ?今日はコンタクトしてきただろ?」
「ううん、一瞬だけよ」
「一瞬だけメガネかけて何の意味があるんだ?」(好感度100 これから結婚する相手)
「ちゃんと3年経った今、使い道があったって思って」ニコッ
終わり