ポケットモンスター 遥かなる高みへ   作:色即是空

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龍の咆哮、未来を切り裂く極限の激突

 

 アリーナの中央で激しくぶつかり合う、二体の巨大なカイリュー。

 互いの爪が空気を引き裂き、火花が激しく散るたびに、シュートスタジアムの観客席からは息を飲む音が無数に漏れ聞こえた。絶対王者の放つ「げきりん」の重圧は凄まじく、カグヤのカイリューの全身を強烈な痛みが駆け抜ける。

(まだだ……あの日、何もできずに立ち尽くした悔しさに比べれば、こんな痛み……!)

 脳裏に蘇るのは、アランとの戦いで味わった圧倒的な無力感と、そこから這い上がるために仲間たちと積み上げてきた無数の特訓の日々。主人のために、そして自らが真の強さに到達するために、カグヤのカイリューの瞳に燃え盛る闘志が一段と激しい光を帯びた。

 

「押し負けるな、カイリュー! 全身全霊の力を振り絞れ、『ドラゴンダイブ』!!」

 カグヤの魂の絶叫が、アリーナの空気を震わせる。

 その瞬間、カグヤのカイリューの全身から凄まじい蒼紫色の龍の闘気が噴き出し、周囲の空間を歪めながら巨大なドラゴンのシルエットへと変化した。圧倒的な質量と気迫を纏い、神速の突撃となって絶対王者のカイリューへと直撃する。

「ほう……! その気迫、見事だな!」

 ワタルがわずかに目を細め、不敵かつ満足げな笑みを浮かべながら渾身の指示を飛ばす。

 だが、カグヤとカイリューが放った執念の突撃は、絶対王者の牙城を捉えて離さない。

ドォォォン……!!

 スタジアムが揺らぐほどの凄まじい衝撃波と爆風が吹き荒れ、視界のすべてが白煙と閃光に包み込まれる。

 やがて、轟音が遠のき、もうもうと立ち込める砂塵がゆっくりと晴れていった。

 そこに立っていたのは――。

 全身傷だらけになりながらも、最後の力を振り絞って空中に踏み留まっている、カグヤのカイリューだった。

 対して、中央に君臨していたワタルの絶対的エース・カイリューは、ついにその巨体を支えきれず、ガクリと膝をついて崩れ落ち、静かに目を閉じた。

 

「カイリュー、戦闘不能!」

 審判のフラッグが、カグヤ側の勝者を示すために鋭く翻る。

 瞬間、スタジアムを埋め尽くした数万人の観客から、割れんばかりの大歓声と拍手が沸き起こった。ナオがガッツポーズをして「やったぁぁぁ! 兄貴が勝ったぞぉ!」と叫び、マリアンヌも両手で顔を押さえて嬉し涙を浮かべている。

 カグヤは大きく息を吐き出し、フィールドに立つ相棒の名を力強く呼んだ。

「よくやった……! お前が僕の誇りだ、カイリュー!」

 カグヤのカイリューが重い翼を羽ばたかせ、主人のもとへ降り立って力強く頷く。その背中は、かつての無力な姿ではなく、まぎれもなく世界の頂点に肩を並べた真の王者のものだった。

 

 カントー・ジョウトの絶対王者・ワタル。その厚すぎる壁を打ち破り、若き挑戦者・カグヤはワールド・チャンピオンズ・トーナメント決勝トーナメント1回戦をギリギリで勝ち上がったのだった。

 




【カグヤ】      【ワタル】
ゲッコウガ ✕――◯ ギャラドス
ハッサム  ◯――✕ ギャラドス
ハッサム  ✕――◯ サイドン
ジュカイン ◯――✕ リザードン
ジュカイン ✕――◯ プテラ
ルカリオ  ◯――✕ プテラ
メガルカリオ◯――✕ サイドン
メガルカリオ✕――◯ キングドラ
ブラッキー ◯――✕ キングドラ
ブラッキー ✕――◯ カイリュー
カイリュー ◯――✕ カイリュー
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