ポケットモンスター 遥かなる高みへ 作:色即是空
シュートスタジアムの天井を突き抜けるかのような大歓声の中で、ついに最後の局面が訪れていた。
アランの残された手持ちは、最強のエース――リザードンのみ。対するカグヤの陣営は、激闘を戦い抜いたメガルカリオをそっと控えに戻し、フィールドの中央へとゆっくりと歩み出たのは、アサメタウンの頃から共に歩んだ相棒――ゲッコウガだった。
「さあ、最後だゲッコウガ。俺たちのすべての想いを、この一戦にぶつけるぞ!」
「ケロ……っ!」
ゲッコウガは低く鋭い鳴き声を上げると、その身を低く構え、全身から青黒い神秘的なオーラを漲らせた。
対するアランは、不敵でありながらもどこか楽しげな笑みを浮かべ、胸元に嵌めたメガリングへとそっと手を添える。
「待ち望んでいたぞ、カグヤ。お前がここまで這い上がってくることを信じていた。行くぞ、リザードン!」
アランが力強く叫ぶと同時に、リザードンのモンスターボールから放たれたまばゆい光の中で、キーストーンとリザードナイトXが呼応し合う。
漆黒の翼を広げ、青い炎を口元と尾から激しく噴き上がらせたメガリザードンXが降臨した。周囲の空気が一瞬で沸騰するかのような圧倒的なプレッシャーが、スタジアム全体を重く包み込む。
「メガリザードンXの圧倒的な火力と耐久力……! だが、引き下がるわけにはいかない。ゲッコウガ、変幻自在の機動力で翻弄しつつ、『みずしゅりけん』だ!」
カグヤの指示を受け、ゲッコウガは目にも留まらぬ神速の身のこなしで宙へと飛び上がり、背中に備えた水の水手裏剣を次々と創り出して投げ放った。
凄まじい回転を加えた高圧の水弾が、鋭い軌道を描いてメガリザードンXの急所へと襲い掛かる。
「甘い! 焼き尽くせ、『かえんほうしゃ』だ!」
アランの冷徹な号令のもと、メガリザードンXは漆黒の翼を力強く羽ばたかせ、正面から放たれた水手裏剣を凄まじい高熱の炎で一瞬にして蒸発させてしまった。
水蒸気の白煙が立ち込める中、メガリザードンXの巨体がまるで流星のように急加速し、ゲッコウガの懐へと一気に肉薄する。
「速い……! ゲッコウガ、かわして『つばめがえし』!」
直撃を避けるようにゲッコウガは空中で鮮やかなバックフリップを決め、死角から鋭い手刀を叩き込もうとする。しかし、百戦錬磨のメガリザードンXはその軌道を完全に読み切っており、硬質な尻尾でその一撃を軽々と受け止めた。
「終わりじゃない……お前と僕の絆の力を見せてやる、シンクロだ……!」
カグヤの魂の叫びと、ゲッコウガの瞳に宿る強い意志が完全に共鳴した瞬間、ゲッコウガの全身を眩い水の激流と深紅のオーラが激しく包み込んだ。
水のベールが纏わりつき、頭上に巨大な水手裏剣が形作られる。カグヤとゲッコウガの鼓動が完全に一つになり、世界王者のリザードンに対抗し得る究極の姿へと昇華する。
「ほう……それがお前たちのたどり着いた境地か。面白い、全力で叩き潰すぞ、リザードン、『ブラストバーン』!」
アランの号令とともに、メガリザードンXの全身からすさまじい業火が噴き上がり、シュートスタジアム全体を飲み込まんばかりの煉獄の炎がゲッコウガへと牙をむく。
世界王者の圧倒的な力と、アサメタウンから繋がるすべての絆が激突する、運命の最終決戦がいま、最高潮へと達しようとしていた。
【カグヤ】 【アラン】
ブラッキー ✕――◯ バンギラス
スピアー ◯――✕ バンギラス
スピアー ✕――◯ メタグロス
カイリュー ◯――✕ メタグロス
カイリュー ◯――✕ マニューラ
ハッサム ✕――◯ キリキザン
カイリュー ◯――✕ キリキザン
メガルカリオ◯――✕ ファイアロー
ゲッコウガ ―― メガリザードンX