いつも通り、霧崎零途(きりさきレイズ)は朝起きてベッドから起き上がる。
そこまではいい。
起き上がった零途の横に1つの手紙が。
それを開けて中に入っていた紙を取り出す。
そこには、
まきますか まきませんか
と書いてあった。
しかし、零途は。
まく?植物の種とかか?
漢字で『巻く』と書いているではなく、ひらがなで『まく』と書いているので、勘違いをしてしまったのだ。
ま、別に良いや。
零途はパジャマのポケットからシャープペンシルを取り出して、『まく』と書いた。
零途は、高校には行っていない。
インターネットで悩み相談の仕事をしている。
まあ、かなり適当なのだが。
今日も零途はパソコンの前に座って送られてきている悩み事を見ていく。
『好きな人がいます。どうすれば良いでしょうか。』
告白しろ。
『最近ストレスが凄いです。もう自殺したいくらいに。』
紐無しバンジーをおすすめする。
『好きです!!付き合ってください!!!』
帰れ。
『ウザイ上司がいます。殴りたいです。しかし殴ったらクビになってしまいます。ストレス発散方法を教えてください。』
そいつの顔写真をサンドバックに張って殴れ。 良い汗出るぞ。
『死にたい。』
死ね。
『実は僕、極度の人見知り何です。克服するにはどうすれば良いでしょうか?』
ファイト一発って叫べ。
『早く零途に会いたいです。』
1時間後に行く。待ってろ。
『好きです!!付き合ってください!!!』
もう一度言う。帰れ。
この作業が30分ほど続いた。
零途「さて、そろそろ行くか。」
その声と共に、零途は着替えてアパートを出た。
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???「出てけ!!さっさと消えろ!!出てけ!!」
そんな声が病院の廊下に響いた。
零途は、その声が聞こえた元へと向かう。
たどり着いたのは、1つの病室。
そこから1人の男が出てくる。
零途はその男とすれ違いながら病室に入った。
しかし、次の瞬間。
ゴッ!!
そんな重い音と共に、零途の頭に強い衝撃が。
零途「いって!!!」
零途は叫ぶ。
零途の頭に直撃したのは、この病室の患者が投げた本だった。
ちょうど本の角が当たったので、その痛みは相当の物だ。
零途「何すんだよ、めぐ!!」
零途は、ベッドの上で驚きで目を見開いている女の子の姿。
彼女が零途が会いに来たこの病室の患者。
めぐだ。
めぐ「ごめんなさい、まさかこのタイミングで来るとは思わなくて。」
零途「俺もこのタイミングで本が飛んでくるとは思って無かったよ!!!」
頭を抑えてうずくまっている零途にめぐが駆け寄る。
めぐ「大丈夫?」
めぐは、焦っているのか涙眼だ。
零途は、涙眼のめぐを見てめぐの頭の上に手を置く。
零途「大丈夫だ。」
零途は涙眼でめぐに笑いかける。
零途の笑顔に、めぐは笑顔で答えた。
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零途「そういえば、さっき出ていったのお前の父さんか?」
めぐ「そうよ。私の嫌いなお父さん。私の事何とも思ってなんじゃない?毎日来るわけでもない。それに比べて、零途は殆ど毎日来てくれる。」
零途「初対面で窓から落とされたときは驚いたけどな。」
零途とめぐは、病室で話し込んでいる。
病院に来たのが12時位だったが、もう4時を回っている。
零途「そういえば、1つ聞きたいことがある。」
めぐ「何?」
めぐは首をかしげる。
零途「何で水銀燈がいんの?」
めぐ「・・・へ?」
空気が凍った。
零途「いや、来たときから思ってたんだけど、水銀燈がずっと外で俺たちの会話聞いてるから、どうしたのかなと。」
めぐ「水銀燈。出てきて?」
めぐがそう言うと、黒い翼が生えた人形が窓から病室に入ってくる。
水銀燈「どうして、あなたが私を知っているのかしらぁ?見たところ、指輪をしてないから誰かの契約者でもないみたいだけどぉ?」
零途「だって俺、お前。いや、お前らローゼンメイデン全員と会ったことあるし。」
水銀燈「なっ!?」
零途の言葉に水銀燈が驚きの声をあげる。
それもそうだ。
水銀燈の記憶には、零途と会った記憶などない。
なのに、零途はローゼンメイデン全員と会ったことがあると言った。
水銀燈「それは本当なのぉ?」
零途「ああ。本当だ。
第一ドール 水銀燈 すいぎんとう
第二ドール 金糸雀 かなりあ
第三ドール 翠星石 すいせいせき
第四ドール 蒼星石 そうせいせき
第五ドール 真紅 しんく
第六ドール 雛莓 ひないちご
第七ドール 雪華綺晶 きらきしょう
全員と会って、話した事がある。」
水銀燈は、またも驚愕する。
誰の契約者でもないのに、ローゼンメイデン全員と会話したことがあるなんて、普通はあり得ない。
水銀燈「・・・あなたは一体なんなのぉ?」
水銀燈は、零途に問いかける。
零途「俺か?俺は・・・やっぱり秘密。」
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零途「こんにちは、蒼星石。」
蒼星石「こんにちは、マスター。」
めぐの病室に行って水銀燈と出会った次の日。
気がつくと、大きなカバンが部屋に置いてあったので、開けるとシルクハットをかぶった人形が入っていた。
そして、入っていたぜんまいを巻くと、蒼星石が動き出したので、取りあえず挨拶を交わした。
零途「取りあえず、契約するか。話はそれからだ。」
蒼星石「!?何故契約の事を知っているんですか?」
零途「秘密だ。」
そう言いながら、零途は差し出された指輪をはめて、その指輪に口付けした。
零途「なあ、蒼星石。料理出来るか?」
蒼星石「え?はい。出来ます。」
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零途「ごちそうさま。美味しかったぞ。」
零途は蒼星石の頭を撫でる。
蒼星石は少し顔を赤くする。
めっちゃ可愛い。今すぐ抱き締めたい。
そんな事を思うが、さすがにそれはアウトだ。
そんな事をすれば・・・・・反応見てみたいな。
さすがにそれもアウトだ。
零途は、蒼星石が皿を洗っている間、パソコンの前に座って悩み相談の仕事を始めた。
『実は僕、男なのに、男しか愛せないんです。』
取りあえず日本出ろ。
『ハーレム王に俺はなる!!!』
お前も取りあえず日本出ろ。
『サッカーしようぜ!!!』
俺が蹴ったボール全て味方の顔面飛んで行くけどそれでも良いなら。
『早く零途に会いたいです。』
今日はもう無理だから明日な。
『好きです!!付き合ってください!!!』
地獄に還れ。