岸辺露伴は動かない エピソード#EX 三女神   作:アイン_BD’sR

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 お待たせしました!続きです!!
 いやー……大変だった……

 何が大変だったかというと、今回からウマ娘のキャラクター達(オリジナルじゃない)が出てきます。そのキャラ達をどう動かせばいいのかが大変でしたね。

 前にも言っていると思いますが、ウマ娘については私は初めたての『にわか』なんですよね。『三女神』ではキャラ崩壊が怖くてオリキャラにしましたが、今回はガッツリ関わってきます。……もしキャラ崩壊起こしていたらすみません。是非教えてください。

 それと改めてこの『ウマ娘』の話全体をまとめてみたんですけど、このペースだとあと4、5話くらい続きそうですね。これ最早短編じゃなくて連載じゃ……

 まあ、そんなこんなありましたが頑張って書いたのでゆっくり読んでいってください。

 石で30回と無料10連毎日回しても出てこないタマモ……嫌われてるんですかね?
 大丈夫だ……カフェの時だってピックアップの時全然来なくて、その後単発ですり抜けたんだから……きっと来てくれるはずだ……



岸辺露伴は動かない エピソード#EX2 ウマ娘 その2

 

 

「あんたッ!岸辺露伴だろ?少し来てもらおうか!」

 

「……悪いが僕は『はいそうですか。』と素直に着いて行く様な者じゃあないんだ。断らせてもらおう。」

 

 

 

 身長の高いウマ娘を前に肩をすくめながら答える。

 実際、コイツの用事よりも僕の寝る場所の方が大切だしな。

 

 

 

「ハァ……噂通りの男だな。そう言うと思ってたぜ。それじゃあ……んん゛っ!」

 

 

 

 めんどくさそうにその銀髪を掻き、喉を鳴らすと片手を前に突き出しまた大きな声を上げた。

 

 

 

「スカーレット!ウオッカ!スペ!テイオー!やっておしまいッ!!」

 

「オイオイオイオイ……」

 

 

 

 物陰からサングラスとマスクをした4人のウマ娘が飛び出してきた。いや、名前言ったら変装の意味が無いじゃあないか……?

 ……これは流石に振り払えないな。2人程度なら『ヘブンズ・ドアー』で一気に解決できたが……5人となると人間離れしているウマ娘の筋力に圧倒されてしまうな。というか流石に多いじゃあないか……!?

 ここは手でも上げて……

 

 ……ちょっと待て。なんだその麻袋は……ッ!?

 

 

 

「よぉし!運ぶぞーー!」

 

「「「「えっほえっほ……」」」」

 

 

 

 ……一体何処に連れて行かれるのだろう。

 あっという間に縛られ担ぎ上げられ大きく揺れる暗闇の中で僕はそんな事を考えていた。

 

 しばらく経つとドアが勢いよく開く音がし、ゆっくりと立たせられる。

 

 

 

「持ってきたぞ!コイツでよかったんだよな?」

 

「おう!ありがとな。またやってもらって。」

 

「今度無人島まで付き合って貰うぞー?そこで青春を謳歌するんだーッ!!」

 

「ははは……考えとく。」

 

 

 

 袋から出され、目の前に現れたのは……タバコを……いやキャンディの棒を咥えた男性……ここにいると言うことは……

 

 

 

「トレーナーか?あんたは。」

 

「正解だ。申し訳ないな。こんな無理矢理連れて来させてしまって……岸辺露伴トレーナー。」

 

「俺はチームスピカでトレーナーをやっている者だ。少し聞きたいことがあってだな。」

 

 

 

 用意されていた椅子に腰をかけ、出された茶を少し飲む。

 いつの間にか外は暗くなってきたようだ。

 ここのトレーナーは僕を連れてきたウマ娘の内4人に帰るよう話している。

 話を聞きたかったらしいが門限という言葉が出てきて諦めたようだな。かなり苦戦していたが……

 

 

 

「悪いな。中々あいつらが帰らなくて……」

 

「それはいいが……そこのウマ娘は残ってていいのか?『門限』があるんだろ?」

 

「スペには話に一緒に話して欲しいからな。安心してくれ!寮には事前に伝えてある。理事長のお墨付きだ!」

 

「私も大丈夫かなとは思っていたのですが……まさか理事長さんまでOKを出すとは思いませんでしたね……」

 

 

 

 目の前にいるウマ娘はチラチラとこちらを見ながら違う椅子に座った。

 僕の正面にトレーナーが座って3人がテーブルを囲むように向かい合う。2人ともとても真剣な目だ。

 トレーナーが僕と同じよう茶を飲むと口を開いた。

 

 

 

「岸辺露伴トレーナー……トライポケットの事について知っている事を教えてくれないか?」

 

「……ハァ。どいつもこいつも同じ様な事を……なぜそれを聞く?僕が彼女と関わったのはほんの一瞬だぜ?」

 

「それでも聞きたいならこの岸辺露伴が君達に話すだけの価値があるかを知りたいかな。」

 

「……きっかけは私が走ったレースです。そこには彼女……トライポケットさんもいました。」

 

「ほぅ……」

 

 

 

 彼女……確か『スペシャルウィーク』だったか?かなり名の売れているウマ娘と聞くが……

 そんな事を考えていると、より詳しく彼女は話し出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時はとても気合の入った日々でした。

 有り余る気合をトレーニング時間外でも使って鍛えていたほどに。……まあ、その後トレーナーさんに怒られてしまったんですけどね。

 

 そしてやってきたレース当日……『京都大賞典』では一番人気とも言われました。

 もちろんとても強いウマ娘もいたのですが、本当に警戒するべきだったのはそこではなかったんです……

 

 

 

 

 

 目を閉じ海外でのレースを終えた『エルちゃん』の言葉を思い出し、自分を奮い立たせる。

 

 ゲートに入ると閉じていた目を開き真っ直ぐ前を向くと気合が入る。

 

 

 

 (もう迷わない。特訓の成果……出し切ってみせる……ッ!!)

 

 

 

 足元の芝をしっかりと踏み締めながらそんな事を考え、ゲートが開く瞬間を待つ。

 そして、ゲートが開くといつものように走り出す。少し後ろ目に待機しつつ隙を見て前に出る走り方をする。

 中盤に差し掛かると前が開けてきて、その隙間を縫う様に前に出る事に成功する。

 

 ここまではかなり順調なレース運びでした。

 

 

 

 そうしてレースも終盤に差し掛かり、前のウマ娘達をどう抜かすか考えていた時でした。

 

 私……異変に気づいたんです。

 前を走る皆さん……横に並ぶ皆さん……そして私自身……全員夥しい量の汗をかいていたんです。

 それはまるで体が自然に危機を教えてくれているみたいに……

 そしてその原因がどこにあるかも感覚的に理解しました。私達を踏み潰す様な威圧感が何処から出ているのか……

 

 

 

 そして私はその威圧感を出しているウマ娘がどのようなものかを見るために後ろを向いてしまったんです。

 

 

 

「「「キャハハハ……!」」」

 

「えっ……………!?」

 

 

 

 甲高い……何重にも重なった笑い声……

 それは周りの反応から本当に聞こえたのか分からない……でも確かにこの耳に入ってきた声でした。

 

 そこにいたのはトライポケットさん……いつもの笑顔をしたトライポケットさんが走っていたんです。多少は話した事のある彼女と先程聞こえた声は私の頭を混乱させました。

 

 そんな恐怖心からすぐ前を向き直したのですが……少しの好奇心からその声の元が本当にトライポケットさんなのかを確認するためまた少し後ろを向きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「アナタハ…………ダヨ……?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………しかし、その声は私の隣から聞こえてきたんです。

 

 

 

『どうした事でしょうか……!?スペシャルウィーク!ゴール前で足を止めてしまいました!!!』

 

『なんと……!!1着は最後の直線まで一番後ろにいたトライポケット……!!!トライポケットです!!!圧倒的な脚力でまさかのどんでん返しです……!!!』

 

 

 

 足が痺れるような……氷漬けにされるような……そんな感覚は今でも覚えています。

 ウマ娘にはプレッシャーや圧力を与えて焦らせるテクニックがありますが、あれはそんな簡単に言えるものでは断じてありませんでした。

 

 それは走るために生まれてきたといわれるウマ娘の足すら止める力を持った物だったんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……結果私は7着でした。私の下にいた3人はきっと彼女……?の力をまともに受けたからだと私は考えています。」

 

「俺はもうその話をもう聞いたんだが、どうも……信じられなくてだな。レースの映像を見返してもトライポケットが声を出している様には見えないんだ。」

 

「その後俺の方からトライポケットに聞いてみたんだが……身に覚えは無いようだった。ただただ夢中になって走っていただけだって……」

 

「…………なるほど。」

 

 

 

 確かに面白い話だ。ウマ娘目線は僕やヒト族とはまた違って見えるのか……

 それに……この『スペシャルウィーク』はアイツと何か関連性がある可能性が……?

 アイツが『話す』なんて……僕からしたらとても驚く事だな……

 

 

 

「面白い……いいだろう。僕の知っている事を話そうじゃあないか!」

 

「は、はい!よろしくお願いします!!」

 

 

 

 まあ、この僕もわかってることは少ないんだけどな。

 

 彼女が自殺をしようとしていたこと。

 それを止めたら彼女では無い何かが現れたこと。

 その何かと共に落とされ、殺されそうになった事。

 そしてその何かがレースで恐らく力を貸していること。

 『スタンド』の話を出さずにその4つを簡単に伝えた。

 

 

 

「ウマ娘に取り憑く何か……?そんな物聞いた事が無いな……それが彼女に力を……か……」

 

「あ、あのトライポケットさんが自殺……ですか……」

 

「なんだ?気づいてなかったのか?」

 

「……はい。あの人はどんな時でも笑顔を絶やさない方でしたから……」

 

 

 

 フム……僕の前では特に笑顔を見せる事は無かったが……ウマ娘にはそんな感じに見えていたのか……

 ……いや、元々そういったヤツなのかもしれないな。トライポケットというウマ娘は……

 ここで意を決した様にスペシャルウィークが立ち上がり、声を出した。

 

 

 

「……岸辺露伴トレーナー!!トライポケットさんの事をその何かから解放したいんです!!力を貸してください!!」

 

「………君は何を言っているのかわかってるのか?さっきの話を聞いただろう。」

 

「もしかしたら……死人が出る……かもしれないんだぞ?」

 

 

 

 睨むようにスペシャルウィークの事を見ながら言う……これは遊びなんかでは片付かないぞと……

 その気迫に押されたのか彼女は少し後ずさる。

 

 

 

「……スペ!これは俺達が無闇に触れていい問題じゃ無いんだ!」

 

「確かにそういった彼女を助けたい気持ちもわかる!……だが、これは明らかに異常だ!俺はお前の夢を叶えるためにこの事には賛成はできない!!」

 

 

 

 トレーナーも大きな声を上げてその提案を否定する。当たり前だろう。トレーナーとしてウマ娘を守るのは義務なのだろうから。

 それに便乗して僕も否定の声を上げる。

 

 

 

「いいか?そもそも僕はあのトライポケットとは関わりたくないんだ。今回のトレーナー体験だってアイツとは会わないようにしようと思っている。」

 

「もう一度言う……君がしようとしている事は禁忌の場所に踏み込むのと同じ事なんだ。それこそ……死人が出る可能性があるからな。」

 

 

 

 スペシャルウィークは胸の前で手を握る。

 それはアイツへの恐怖なのか……僕らから徹底的に否定されて悔しがっているからなのか……

 

 少し間を開けると彼女は小さい……しかし決意の篭った声で話し始める。

 

 

 

「……私はあの日彼女と走って確かにその何かの恐ろしさを知りました。」

 

「だからこそ!私は彼女……トライポケットさんともう一度走りたい!その何かとは関係ない彼女自身と……!」

 

「本気で走りたいんです……っ!!」

 

「だから気に入った。」

 

 

 

 その決意を見て僕はすかさず口を開いてしまう。まったく……僕は本当に関わる気はなかったのにな。この性格が少し嫌になるな……と口に笑みを浮かべながら考えた。

 

 

 

「ろ、露伴トレーナー!?何を……!?」

 

「僕はそういった恐怖を抑え込むほどの覚悟を見ると……グッとくるんだ。」

 

「だが、本当に危険な道になるだろう……ちゃんと備えておく事だな。」

 

「………!はい!!」

 

「……………ったく!わかったよ……俺も付き合う!ここで見捨てたらお前の母親に殺されそうだからな。とことんやってやるさ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんだかんだあったが、トレーナーとも会えて目的を達成できた所を見ると連れ去られて良かったと言える……か?

 結局のところスピカのトレーナーから空き教室と布団を借りる事ができた。

 寝るには少し早い時間か……どうするか。

 

 持ってきたスケッチブックとペンを持つが描くものも思いつかない。環境の所為だろうか……いや贅沢は言ってられないな。

 

 

 

「……許可も貰っていたし資料探しにでも行くか……?」

 

「まあ、こんな時間というのは予想していないだろうが……な。」

 

 

 

 あの小さな理事長が頭を抱える所を想像して少し可笑しくなってしまう。

 夜中の電気が無い月明かりのみが頼りの廊下を歩く。

 

 しばらく歩くと目的地図書室という文字が見える。……かなり歩いたな。

 

 

 

「……ム!鍵が空いている。フフ……無用心だなァ?」

 

 

 

 そんな事を言いながら内心とても嬉しく思う。

 なんせここまで歩くのに結構な時間をかけたからな。

 中には勿論誰も居ない。ここまで温存しておいた携帯の明かりを使い本の題名を見る。

 

 

 

「『駆けろ、ウマス』……『アイヴァンホウマ』……『ロブ・ロイ』……ここ辺りは違うか。」

 

 

 

 そこから色々と本の題名を見てみるが御目当てのものが見つからない。

 諦めるかと思い最後にする本をライトで当てると、パタンッと近くの本が床に落ちる。

 その本は先程通った場所にあった物で恐らく少し手に取ったからだろう。

 

 本を手に取り元に戻そうとすると、本が入っていた棚の奥に押し込まれた一冊の本が見つかる。

 その本は表紙がかなり痛んでおり、タイトルすら読むのが難しいくらいボロボロだった。

 

 

 

「『三女神とウマ娘』……かなり昔の本だが、こんな物は見た事が無い。流石はトレセン学園といった所かな。」

 

 

 

 本自体は僕だったらすぐに読める薄さ……所々が破けていたり文字が掠れていたりしているが、まあ良しとしよう。むしろ期待が高まるものだ。

 開くと舞い上がる埃を手で払いながらそのページを捲っていく。

 

 

 

 

『……娘とは異………の名を受け継……走る存在。それ……実際……関係……も関わ………るもの……る。』

 

『それは三女………じ事である。三……神は………始祖と……り三……馬から来て…………のだ。』

 

『ウマ……は必ずその能……高める………ングがある。そ………の継承と……ついた。……も三女……接に……ている。」

 

 

 

 ……これら以外のまともに読める所は聞き飽きた様な内容だった。

 だか、この部分だけは妙に破けている場所が多かったり……重要な部分を消す様に擦れていたり……何か気になるな。

 

 

 

「……それこそ『ウマ娘』という存在の真実が明らかになる可能性を秘めている気がするな……」

 

 

 

 『持ち出し禁止』………か。

 表紙に剥がれかかっているシールを見て、この本を持っていたバックの中に入れた。

 

 

 

「そろそろ戻るか。いい収穫もあったしな。」

 

「この本……あの理事長に見せてみるか。何か知ってるかもしれない。」

 

 

 

 ……明日の事も考えなきゃな。対トライポケットの事も考えておかなければ。

 

 図書室の扉を開き外に出る。そこから見える月はとても綺麗だった。そんな風景に満足しながら露伴はさっきの道を戻り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……図書室に1人のウマ娘がいた事も気づかずに。

 




 

 最後まで読んでいただきありがとうございました!!

 最初にまず……『ツルマルツヨシ』とその関係者さん、そしてファンの皆さん申し訳ございませんでした!!!!

 何を言っているのかわからない方に説明すると、今回の話に出てくる『京都大賞典』は実際にあったレースで、アニメでも「スペシャルウィーク7着テイエムオペラオー3着」というシーンが少しだけ出ていました。

 そのレースの本来の1着は『ツルマルツヨシ』だったのでそれを改変してしまった事に対しての謝罪です。……ちなみに『ツルマルツヨシ』は『シンボリルドルフ』の子供です。

 こうでもしないとスペちゃんが関われないですからね……

 そして次の話にはようやく『トライポケット』が登場します。待たせてごめんな……トライよ……

 次の話も頑張って書くので是非コメントや評価などしてください。作者がめちゃくちゃ喜んで、飛び跳ねます。


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