転生したらベビーサタンだった件   作:あしあと

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(2022/1/30・31 文字色や誤字などを修正しました。)

(2022/3/12 ミイとレベルズの2回目の会話シーンを変更しました。)

・今更なんですが不定期で上げます。


復讐

リーザス像の塔には大きな塔と小さな塔があり、それらを繋ぐ渡り廊下がある。渡り廊下には人が屈めば隠れられるほどの蔦で覆われた石壁があり、身を乗り出さない限り塔の入り口からは見えなくなっている。レベルズとミイはそこで見張りや修行をして過ごすようになっていた。

しかもどちらの塔も入り口に繋がっているため、来た人間と逆の塔に行けば人間に会わずに入り口にたどり着けるのだ。

 

太陽が空高く位置する昼、ミイは閉ざされたリーザス像の塔の入り口の扉から目を離した。

 

「…レベルズ そろそろ交代だ 起きてくれ」

 

ミイがそう言って黄色い触手でフヨフヨと寝ているレベルズの体を揺すった。

 

「ん…わかった」

 

レベルズが眠そうに体を起こすと、今度はミイが浮遊するのをやめ、触手の上に青い体を乗せ、眠る体制に入った。

 

レベルズは入り口をじっと見るが、まだ誰も来ていないようだ。

 

(ミイは見回りがくるのは満月のたびだと言っていたが…昨日は三日月だったしまだ先だ…もし先にゼシカが来て逃がさないように入り口を閉じたらどうする…そうなったら中で逃げ続けるしかないのか?…つめたい息しか吐けないんじゃ射程はメラを打てるあっちの方が上だし…)

 

「キミはニンゲンが来るのが心配かい?」

 

ミイが目を閉じたままそう言う。

 

「っ!そうなんだ、もし人間が来て、入り口を閉じられたら逃げられないわけだし」

 

「そうなったら …ボクが守ってあげるよ」

 

「それはありがたいけど、さすがに助けられてばかりだし悪いよ…ってミイ?」

 

ミイはすやすやと眠っていた。

 

(ミイには頭が上がらないな…っていうか寝顔がかわいすぎる…SAN値がみるみる回復していくぅ!)

 

さっきよりも不安が無くなったレベルズは見張りを続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、レベルズが呪文の練習をしていると、赤い体に鬼のような顔が背中に付いたカエル<ジンメンガエル>が近寄ってきた。

 

ホイミスライムのような例外を除き、ほとんどの魔物は同種で集まることから、何かしてくるのかとレベルズは身構えた。

 

「おいベビーサタン! えらく熱心に修行しているみたいだがどうかしたノカ?」

 

ジンメンガエルはまだかわいい方の正面の顔を向けてそう言ってきた。

 

「ああ、呪文を使えるようになりたくてな」

 

「その割に全然呪文が発動してねえナ ゲヘッヘッヘ」

 

「うるさいな、MPが足りないんだよ」

 

「なんだMPを増やす方法も知らねえノカ? ああオマエがつるんでるのはホイミスライムだったナ」

 

赤いカエルは口角を上げてそう言った。

 

(なんだこいつ…いちいち棘のある言い方するやつだな)

 

「…それが何か関係あるのかよ」

 

「教えてやってもイイガ… ただってわけにはいかねえヨナ」

 

赤いカエルは口角を上げたままそう言う。

 

「この前見回りでもないのにニンゲンが来てたダロ? ああいう風に一人でうろついているニンゲンとか見かけなかったカ?」

 

(こいつは…ニンゲンを襲うつもりっぽいな…魔物だから普通か…そうだとしたらゼシカがもうすぐ来るってことを言えば多対一で安全に戦えるんじゃないか…?…けどミイはここの魔物とゼシカとかが戦うと悲しむか…何もミイに返せてないし…こいつにゼシカの事を教えるのはやめとこう)

 

「う~ん、いや、そういうのは見てないな」

 

「なんだ知らねぇのかヨ …ケッまあそういう情報があれば教えろヨ!」

 

そう言うとジンメンガエルは、後ろを向き怖い方の顔の黄色い目でこちらを睨みつけつつ去っていった。

 

 

次の日も同じように昼に見張りをし、夜に呪文の練習をしたが、ミイがかわいい以外に特に何も得られるものはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静まりかえり夜も明けていない頃、リーザス村の中を決意に満ちた目で進む者がいた。アルバート家のご息女にして攻撃呪文(メラ)の使い手アルバート・ゼシカだ。最も仲が良かった(サーベルト)を失いその復讐に駆り出そうとしていた。

 

(あんなに強くて優しくてずっと一緒にいてくれたのに…そんな兄さんを殺すなんてベビーサタンとかいう魔物は許さない!お母さんもお母さんよ!兄さんの死を(いた)めて大人しくしてなさいって?兄さんを殺した魔物がまだあの塔にいるのに?信じられない!)

 

(兄さんを連れ帰った防具屋のパディスさんの話だと…兄さんを殺したのはベビーサタンでフォークみたいな武器に横に一本傷を入れたって言ってた…そいつを探して兄さんと同じ目に遭わせてやる!)

 

「ゼシカ嬢様。 こんな夜更けにどうしたんだ?」

 

不意に声を掛けられて止まると、そこには角の生えたマスクをかぶった筋肉質な男、防具屋のパディスが佇んでいた。

 

「その…眠れなくて 外の風に当たりに出てたんです」

 

ゼシカは慌ててごまかそうとした。リーザス村の人にばれると、仇を討ちに行けなくなるからだ。

 

「仇を討ちに行くんだろ? その憎しみに満ちた顔を見ればわかるさ」

 

「…止めるつもりですか?」

 

「いや嬢様の気持ちもオレにも少しはわかる 止める気はないさ」

「オレは村の用心棒としてアルバート様がガキの頃から見てきた。 俺が用心棒をやめる前まではよく一緒に見回りに行ったよ。 アルバート様は剣の腕でも人間としても立派に育ってこれからだった。 そんなあいつをやった魔物は必ず殺す。」

 

パディスは殺気立った雰囲気でそう言った。

 

「…そうですか 兄からパディスさんのことは聞いていました。 一緒に戦ってくださるなら心強いです。」

 

ゼシカは緊張した顔を少し緩め、村の外でキメラの翼を使い、リーザス像の塔に飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

辺りが白んできて今に夜が明けるかという時、レベルズとミイは塔の渡り廊下で見張りをするために集まったところだった。

 

「やあミイ、今日も助かるよ!」

 

「いいさ 特にすることもないしね」

「それにキミだけでニンゲンと戦うことになったら すぐやられちゃいそうだしね」

 

ミイは触手をフヨフヨと動かしながらにへらとしてそう言った。

 

その時だった。風を切る音とともに上空から何かが飛んできたのは。

 

レベルズは咄嗟に身を屈め、渡り廊下の石壁に隠れた。ミイも同じように隠れたようだ。

 

壁から顔を出し、様子を伺う。鉄がこすれる音と共に塔の入り口の扉が持ち上がり、松明を持を持ち、角の生えたマスクをかぶった筋肉質な男と、赤毛のポニーテールで白いブラウスと黒いスカートを着た女がずかずかと入ってきた。

 

(あらくれとゼシカだ!二人だと…!?原作と話が違う!)

 

するとあらくれは、松明で照らし、辺りをぐるりと睨みつけた後、後ろを向き、入り口の扉を固く閉じた。

 

(今の見られてないよな…こっちのほうがずっと暗いし…っていうか入り口を閉じられた…やっぱり逃げられないようにするつもりだ…!ど…どうしよう…)

 

「レベルズ! キミの言った通り扉が閉じられた! これじゃ逃げれない! どうする!?」

 

ミイが小声かつ少し慌てた様子でそう言ってくる。

 

(どうしよう…とりあえず見つからない様にしないと…けど下手に動くとまずい…このまま隠れてやり過すか…?…ばれなきゃいいけど…もしこっちに来たら全力で逃げよう)

 

「とりあえず、見つからないようにこのままやり過ごそう! もしこっちに来たら全力で逃げる感じで」

 

体がこわばって震えているのを感じつつ、レベルズはそう伝え、二人は息をひそめた。

 

様子を伺っていると、あらくれはゼシカに何か話した後、階段を上り、こっちへ歩き始めた。ゼシカはその5メートルほど後ろについてきている。

 

(こっちに来た…逃げるか…?もうかなり近い!逃げよう!)

 

緊張した様子のミイと目を合わせ、同時に頷いた。

 

大きい塔へ駆け出すが、あらくれが飛び出してきた。

 

「だめだ! 小さい方の塔へ逃げよう!」

 

ミイにそう言って、小さい方の塔に入ろうと、踵を返すと「メラ!」という声と共に火球が飛来し、小さい方の塔の扉が炎を上げ始めた。

 

炎は一瞬で広がり、辺りが赤く染まる。

 

(退路をふさがれた…やるしかない!)

 

「その傷…アルバート様をやりやがった魔物だな…! 今度こそぶっ殺してやる!」

 

あらくれが何かをすごい剣幕で吐き捨て、あらくれとゼシカが襲い掛かってきた!

 




小説書くの難しい…
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