頂にたどり着けなかった男と眼鏡少女   作:猫アルファ

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ネット麻雀と積み重ね

私はおっさんに麻雀の基本的な事を教わってネット麻雀を始めた。

ほんとは雀荘に行かせたかったらしいけど小学生のお小遣いで行けるわけもないのでおっさんを説得してネット麻雀にしてもらった。

おっさんは負けたら窓から金払わず逃げればいいとか言いよったけどこの年で犯罪者になりたくないわ!

 

 

「またロンかいな!{北}待ちなんて読めるか!」

そんで今絶賛焼き鳥中って訳や。

「どや、負けてるか?」

おっさんはそう言い放ち部屋に戻ってきた。

どうやら私の近くに必ずいなきゃあかんとかそういう制限は無いらしい。

「あかんわぁ、相手の待ち牌とか全然読めんわぁ。両面待ちとかカンチャン待ちとか単騎待ちとか色々有りすぎて分からんなるわぁ。特に七対子。あんなん読めるかいな!」

私はおっさんにそんな怒りをぶつける。

「別に負けてもいいんや。」

おっさんはどっから取ってきたのか、

焼き鳥を食いながらそんなことを言い放った。

「麻雀って順位を争うゲームやろ?それで負けてもいいってどういうことなん?」

当然の疑問を私は投げ掛ける。

「これは負けても何も無くならん麻雀や。金や命を賭けてるわけやないただの麻雀や。」

そりゃそうや、ネト麻で命を賭けるなんて聞いたことない。

「麻雀ってのは経験の積み重ねが一番大事やと俺は思っとる。捨て牌だけでは相手の待ちは読めん。さっきみたいな{北}待ちとかもあるからな。」

「その経験の積み重ねの為にネト麻を打てってことかいな」

「そや、それがレッスン1や。これは手牌作りにも役立つことや。最初はたくさん負けていい。最後に勝てばいいんや。」

おっさんはそういって部屋から出ていく。

「おっさんってあぁ見えて考えとってんなぁ。ちょっとは見直したわ。」

麻雀は経験の積み重ねか。

「よし!!とりあえず目標は1ヶ月で50戦や!」

そして私はネト麻を始める。

ツモ 天和 

そんな機械音声が鳴り響く。

「天和のどこから学べって言うんや!!」

そして私はマウスを投げた。

「いやぁ、流石に天和は俺も予想しとらんかったわぁ」

おっさんは笑いこけとる。

このおっさん悪魔か!

見直したかと思ったら初っぱなこれかい!

「まぁ、天和で飛ばされんだけまだラッキーやと思わな。どっかのライオンは天和を飛ばす場面で出してくるらしいからなぁ」

そんな奴居てたまるか!!

「まぁ、焼き鳥でも食って気分転換や!」

おっさんが焼き鳥を手渡してくる。

「ありがとな、おっさん」

私は焼き鳥を口にする。

鳥肉にタレがしっかり浸透していてすごく旨い!

そういやこのおっさん…姿私以外に見えんからお金って払えへんのじゃ!?

「な、なぁおっさんこの焼き鳥ってどっから」

「まぁ細かい事は気にすんな!細かい事気にする奴は長生きせぇへんで!」

おっさんは目を反らして汗をかきながらそう言い放つ。

 

「もうこのおっさん嫌や!!」

「煩いで!絹!!今何時やと思ってんねん!」

おっさんの笑い声が木霊する。


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