そして朝日と啓二の会話を聞いていた同じクラスの本条楓と白峰理沙は小さな声で会話する。
「朝日くんがサンだ」
楓が理沙に言う
「サンってイベント4位の?」
理沙が楓に聞き返す。楓は頷く。
「ゲームでね、イズさんのお店で偶然会って私に勝ってなかったのが悔しくいから攻撃手段を増やすって言ってたし。今、朝日くんが言ってたイベントの話は私との戦闘とも一致するし」
「機会があったら一緒に遊んでもいいかもね」
◇
サンはため息をつく。
スキル【MP強化小】スキル【MP消費カット小】今まで欲しかったスキルが普通に店に売られていたからだ。サンは頑張って気分を変える。
サンは今日はスキルではなくレベル上げをすることにした。
サンはレッサーサラマンダーやサラマンダー狩りをしてレベル上げをしていく。
ドロップした鱗や皮なども大量に集めている。何故かというとあと約3週間後にイベントがあるからだ。
まだ埋めていない頭、右手、左手の装備を作る素材にするためだ。
あとはレッサーサラマンダーとサラマンダーは朱色ノ玉と素手で倒すようにしている。
それから2週間がたった。その時のサンのステータスがこんな感じだ。
サン
Lv24
HP40/40
MP40/40〈+35〉
【STR23〈+28〉】
【VIT15〈+30〉】
【AGI20〈+18〉】
【DEX15】
【INT45】
装備
頭【火妖精の帽子】
体【朱色ノ服:火魔人】
右手【火妖精のグローブ】
左手【火妖精のグローブ】
足【朱色ノ服:火魔人】
靴【朱色ノ靴】
装飾【朱色ノ玉】
【空欄】
【空欄】
スキル
【リフティング】【生物虐待】【必殺技:シュート】【火無効】【絶対燃焼】【必殺技:シュート改】【瞑想】【毒耐性中】【木の実コレクター】【百発百中】【剣術】【槍術】【槌術】【拳術】
という感じだ。サンは自分のステータスを見て微妙だと思った。
レベルも上がってスキルも1つ覚えたが、ゲームを始めてすぐ色々スキルを覚えたのと比べるとやはり微妙だとサンは思いため息を吐く。
サンは気分を変えるためにイベントに意識を向ける。
「今回のイベントは探索型です!目玉は転移先のフィールドに散らばる三百枚の銀のメダルです!これを十枚集めることで金のメダルに、金のメダルはイベント終了後スキルや装備品に交換出来ます!」
そうアナウンスが流れステータス画面が勝手に開き表示されたのは、金と銀のメダルである。
そのうちの金のメダルは1回目のイベントでサンがもらった記念品と同じものだった。
「前回イベント十位以内の方は金のメダルを既に一枚所持しています!倒して奪い取るもよし、我関せずと探索に励むもよしです!」
幾つかの豪華な指輪や腕輪などの装飾品、大剣や弓などの武器などの画像が次々に表示されていく、全てこれから行くフィールドの何処かに眠っているのだ。
サンはサッカーボールがないか探すが見つからない。どうやら景品にないようだ。
「死亡しても落とすのはメダルだけです!装備品は落とさないので安心して下さい!メダルを落とすのはプレイヤーに倒された時のみです。安心して探索に励んで下さい!死亡後はそれぞれの転移時初期地点にリスポーンします!」
サンはそれを聞いて1つ作戦が思い浮かんだ。
それは他のプレイヤーのリスポーン地点を火の海にしてリスキルするというものである。
リスキルしてもメダルはもらえないが妨害はできるだろう。
サンは悪い笑みを浮かべる。
「今回の期間はゲーム内期間で一週間、ゲーム外での時間経過は時間を加速させているためたった二時間です!フィールド内にはモンスターの来ないポイントが幾つもありますのでそれを活用して下さい!」
説明を聞き終えたサンは光になってその場から消えた。
サンが目を開くとそこは氷と雪しか見えない北極だった。
サラマンダーの素材で作ったサンの装備は【寒さ耐性中】と【熱耐性中】があるのでサンは問題なく活動できる。
サンはメダルを探すために移動を始める。
だがいくら移動してもメダルどころかモンスターすら見つからない。
夜になったので地面を【火魔人】で溶かし空間を作る。
そして空間の入り組を【火魔人】の炎で塞ぐ。
炎の熱で周りの氷が溶けるだろうが熱を抑えたから一晩ぐらい大丈夫だろう。とサンは思い眠りにつく。
サンは目が覚めるとステータスを確認する。
経験値は入ってないから夜の間にモンスターが来たりはしなかったようだ。
日中にモンスターを見なかったから夜に出て来るのだと思ったが違うらしい。
どうしてモンスターが1匹もいないんだ?とサンは疑問に思う。
だが、考えても答えは出ないので、考えるのをやめて歩く。
しばらく歩くとサンはかまくらを多数発見する。
何かの集落と考えそこに向かう。
そこは確かに集落だったが集落は集落でもペンギン?の集落だった。
サンに気づくとペンギン達はサンに向かって氷柱を発射してきた。
ペンギン達はざっと50匹はいて氷柱は大体100本くらいある。
サンは自分から1mくらい離れた場所に炎の壁を作る。
大体は炎の壁を通過する前に溶けて、通過しても地面に落下する。
ペンギン達は氷柱が効かないことがわかると氷で剣を作りサンに襲い掛かる。
サンは片っ端から燃やすが数が多くて少しダメージを食らう。
サンはペンギンを真似て炎で剣を作りペンギンを切り裂いていく。
ペンギンが氷の剣で防御しようとするが炎の剣とは相性が悪くて炎の剣と接触した部分が溶けて防御もできずに切り裂かれる。
サンは50匹近くのペンギンを倒したがペンギンが減らないことに疑問を持ち、戦いながらペンギンが何処から湧いてるのかを見る。
そしてサンはかまくらからペンギンが出て来ているのを発見する。
かまくらは見る限り30以上はある。
サンはかまくらを燃やしていくがペンギンがそれを邪魔をしてくる。
ペンギンと戦いながらかまくらを破壊するのは困難だと判断しかまくらを1度に全て破壊することにした。
サンはペンギンと戦うことをやめて、小麦粉が入っている袋を懐からとり出す。
そして小麦粉をばらまきながらペンギン達から逃げる。
ペンギンの集落、ほぼ全体に小麦粉をばらまき終えたサンは集落の中心で【火魔人】を使い炎を纏うすると粉塵爆発が起こる。
粉塵爆発によりかまくらは1つ残らず消し飛んだが雪で作られている様にしか見えない小さな城のようなものが無傷で残っていた。
サンは城のことは置いておき、どのくらいペンギンが残っているかを確認した。
すると瀕死のペンギン達を守るように立っている王冠を被った皇帝ペンギンがいた。
だが、その皇帝ペンギンもダメージを受けているようでところどころ怪我をしていた。
「お前らから襲ってきたんだからな」
サンはその姿を見て少し罪悪感を覚えるが直ぐに振り払い炎の剣を皇帝ペンギンに向ける。
皇帝ペンギンも氷の剣を作った、20本。
氷の剣は宙に浮いていて、皇帝ペンギンの周りをゆっくりと回っている。
すると突然氷の剣がそれぞれ違う軌道でサンに襲い掛かる。
サンのMPは炎の壁を出したり炎を纏えるほど残っておらず、せいぜい炎の剣をあと一本作れる程度しか残っていなかった。
なのでサンは炎の剣で応戦したが、多勢に無勢で氷の剣を4つ溶かせたが5回攻撃を受けた。
サンは自分のHPを確認していないがあと1、2回攻撃を受けたら死ぬ、と考えて必死で氷の剣16本を回避する。
そこでサンは気づいた。
自分が溶かした氷の剣が復活してないと。
それに気づいたサンは冷静に立ち回り氷の剣を避けながら1本ずつ着実に溶かしていき数分後には4本しか残っていなかった。
皇帝ペンギンは残った4本の氷の剣で同時にサンを攻撃する。
サンはそれを避ける。
だがサンに接近してきていた皇帝ペンギンはサンが避けた剣を掴みサンに向かって振り下ろそうとする。
「それを、待ってた」
サンはそう言うと自分の前に炎の剣を作り出す。
皇帝ペンギンは目の前に出てきた炎の剣を見て止まろうとしたが、止まれずそのまま皇帝ペンギンの腹に炎の剣が突き刺さる。
皇帝ペンギンはなんとかサンを道ずれにしようと最後の力で氷の剣を振り下ろすが、その剣は炎の剣で受け止められた。
皇帝ペンギンは力尽き光になって消える。
サンはその場で座り込み少し休憩する。
十分休憩をしたサンは城に向かった。
城は何というか砂場で作った城を人が住めるぐらい大きくしたという感じのデザインだ。
サンが城に入って物色すると白い斑点がある黒い卵とメダルを5枚見つけた。
サンは卵の情報を確認する。
【モンスターの卵】
温めると孵化する。
情報が少なくて何が生まれるのかわからないので何が生まれそうかをサンは考える。
ペンギンの集落にある卵ならペンギンが生まれるだろう。それならペンギン系の必殺技が使える。
サンはそう考え大喜びする。
何故ならサンは必殺技を使いたかったのにファイアトルネードしか使えなかったからだ。
サンは卵を大事に抱えて座る。
サンは卵が孵るまで待つことにした。