サンは卵が孵るまで待った。それも3日。
待つのがあまり得意ではないサンがそれだけ待てたのはペンギン系の必殺技を使えるかもしれないという希望があったからだ。そしてついに卵にヒビが入った。
ヒビは少しずつだが着実に大きくなっていく。
そして卵が割れ、中から出てきたのは白い腹に両端が少しつり上がっている黄色の一それ以外は藍色というまさに皇帝ペンギン2号のペンギンである。
サンがペンギンに気を取られていると突然殻が光り出し藍色の指輪に変わる。
サンは指輪を手に取り詳細を見る。
【絆の架け橋】
装備している間、一部モンスターとの共闘が可能。
共闘可能モンスターは指輪一つにつき一体。
モンスターは死亡時に指輪内での睡眠状態となり、一日間は呼び出すことが出来ない。
「へぇ~、これで共闘できるのか」
サンは感激極まり目をキラキラさせる。
次はこっちの確認だ。とサンはペンギンのステータスを確認する。
【ノーネーム】
Lv1
HP100/100
MP150/150
【STR 50】
【VIT 25】
【AGI 75】
【DEX 50】
【INT 40】
スキル
【つつき】
ノーネーム、名前がないのか。生まれたばかりだから当たり前だけど。
サンは名前を考えて考えて考えて1時間悩んだ結果皇帝にすることにした。
サンは1時間も悩んだのに結局デフォルト、と自分のネーミングセンスのなさを感じ項垂れる。
するとペンギンがサンの顔に頬を擦る。サンはあまりの可愛さにペンギンを持ち上げ叫ぶ。
「よし、お前の名前は皇帝だ!これからよろしくな!」
サンがそう言うと皇帝は首を縦に振り鳴く。
サンはもう集落に留まる理由がなくなったので移動を始める。
歩くサンの横をスイ~と滑りながら移動する皇帝。
サンはそれを見て笑う。
「よし、皇帝。競争だ」
サンはそう言って走りだす。
走っていくサンを見て皇帝も慌てて滑りだす。
仲間が一人いるだけで楽しくなったなぁ、とサンは思った。
移動し始めてから12時間ぐらい経った時、ようやくモンスターを見つけたサンはどうするか考える。
見つけたモンスターはホッキョクグマの様な姿をしており数は1匹。
1匹しかいないし皇帝の実力を見る良いチャンスか、サンはそう考え皇帝に指示を出す。
「皇帝危なくなったらホローするから、皇帝の力を見せてくれ」
サンがそう言うと皇帝は首を縦に振る。
今更だけど皇帝は人の言葉を理解しているらしいな。
「皇帝!【つつき】!」
サンがそう言うと皇帝はもの凄い速さでホッキョクグマに突っ込んでいく。
すると皇帝の嘴はホッキョクグマを貫通した。
「………」
サンは驚きのあまり声が出ない。
その理由は言わずもがな皇帝がホッキョクグマを1撃で倒したからである。
放心しているサンをよそに皇帝はスイ~と滑りながらサンのもとに戻り撫でて撫でて、と言わんばかりに頭を差し出す。
サンは皇帝の可愛さにま、いっかと思考放棄し皇帝を撫でる。
皇帝を撫でているとサンは皇帝の嘴が少し傷ついていることに気づきステータスを確認する。
【皇帝】
Lv2
HP105/120
MP180/180
【STR 60】
【VIT 25】
【AGI 85】
【DEX 60】
【INT 40】
スキル
【つつき】【加速】
HPが減ってる。
【つつき】は凄い勢いだったし反動を受けたのかな?
あとLvが上がってスキルも増えてるな。
【つつき】は簡単に想像できたから見なかったけど【加速】は見た方が良いよな。
というかこの際【つつき】も見るか。
【つつき】
嘴での攻撃時STR+AGIの貫通ダメージを与える。
攻撃が当たった場合(STR+AGI)÷10のダメージをスキル使用者に与える。
【加速】
1回につきMPを10消費して使用することができる。
5秒間AGIを30増加できる。
なるほど60+85(145)÷10で14.5だから四捨五入で15ダメージか。
それに【加速】も強いな。【つつき】と組み合わせるとダメージ量が上がるもんな。
これからどう成長するか楽しみだ。