TURN-01 入学試験
──この世界に放り出されてから、半年ほど経つ今、僕は海馬ランドにいる。
デュエルアカデミアの試験を受けにきたためだ。
当初は遊戯さんの家にお世話になっていた僕だが、現在の年齢はともかく、精神的には22歳である。
これ以上、遊戯さんのご厚意に甘える訳にはいかないと思った僕は、この世界での生活基盤を整えようと考えた。
しかし、双六さんからすれば「子供にこの世界のことが何もわからないまま働かせるわけにはいかない」ということで、寮のあるデュエルアカデミアに通うことを第一目標にすることとなった。
また、国語数学はともかく、元から難のあった英語、全く覚えてない理科、そもそも歴史や地理が異なっているためどうにもならない社会と2カ月後に迎える普通高校入試を受けるのは難しいという事情もあり、9月入学故、勉強時間もとれる上に試験の配点が総合問題100点、デュエル知識100点、デュエル実技100点というデュエルアカデミアを受験することとなったのだ。
生活費に加え、学費までも出してもらう訳にはいかないと思ったのだが、海馬さんから「貴様の入学試験の成績によっては特待生としての入学を考えてやっても良い」と言われてしまえば断る理由もなく、必死に対策をし、この場に臨んでいる。
実技試験の受験番号は0番となっているが、これは特待生試験がすべての試験終了後に行われるためである。
筆記試験の順位は6番、対策の甲斐あって筆記試験の結果は全体的によかったものの、やはり歴史がネックとなり、少し点数を落としてしまったようだ。
とはいえ、特待生の条件は筆記試験の成績15番以内という条件であるため、滑り込むことができた。
また、筆記試験とは別に、アカデミア指定の大会での優勝ないしは準優勝経験があること、もしくはプロデュエリストないしは学園指定デュエリストからの推薦という条件があるのだが、アカデミア指定の大会については、いくつかあるのだが、受験までの半年間でエントリー出来る大会がなかったため、学園指定のデュエリスト、武藤遊戯からの推薦枠で受験することとなった。
遊戯さんに推薦まで貰っておきながら、筆記試験で条件を満たせませんでした。なんてことになったら申し訳が立たないのでほっとしている。
ただし、油断は出来ない。実技試験で隣の席に座った受験生を見た時から気づいていたのだが、これは間違いなく遊戯王GXの世界、遊城十代と同じ学年だ。
と、いうことは特待生試験にはクロノス先生が立ちふさがる可能性だってある。
双六さんは特待生になれなくとも学費を出してくれると言っていたが、これ以上迷惑をかけるわけにはいかない。
絶対に特待生試験を通る。改めて決意する。
僕の試験はこの次だ。
「罠カード《破壊輪》発動! この罠カードは、フィールド上の表側表示で存在するモンスターを1体破壊し、お互いにその攻撃力分のダメージを受ける」
受験番号1番の三沢大地が勝利し、一般受験生の試験が終了となる。
帰ってきた三沢が僕の隣に座る。
そろそろ僕の番か。懐からデッキを取り出し、デュエルディスクにセットする。
その時、後ろから聞き覚えのある声がした。
「すっげぇ! 強いなお前!」
「あぁ」
当然といった様子で三沢が答える。
「今年の受験生の中で2番目くらいに強いかもな!」
その言葉に三沢が面食らったような顔をする。
当事者でない上に、一方的に遊城十代を知っている僕でさえ今の強気な発言に驚いたんだ。
三沢が困惑するのも当然だろう。
彼が言葉を返そうとしたとき、アナウンスがかかる。
「試験番号110番、遊城十代くん」
「よし、俺の番だ!」
そう言うと十代はデュエルステージへと向かおうとデュエルディスクを装着する。
三沢がそんな彼に疑問を投げかける。
「君、なぜ僕が2番なんだい?」
「1番は俺だからさ!」
そう言い放つと十代はデュエルステージへと向かった。
「中々パンチの効いた受験生だね」
待機時間に話していたこともあり少し仲良くなった三沢に苦笑しながら言葉をかける。
「受験番号が僕よりちょっと上なだけであんなに自信があるのが羨ましいや……」
僕の後ろに立って三沢の試験を観戦していた水色の髪の少年、丸藤翔も苦笑気味に三沢へと話しかける。
「ははは。じゃあ1番くんのデュエルを皆で見届けようじゃないか」
そう言いながら、三沢が僕に目を向ける。
「ところで、君の試験はいつの間に済んだんだい? 遅れてきた1番くんはともかく、本来僕が最後の受験生なはずだが」
「あぁ、僕は特待生試験を受けるんだ。今年の特待生受験生は僕だけらしくてね。受験番号表記は0番ってわけ」
「とっ特待生!? デュエルアカデミアの特待生なんて、数年に1度いるかどうかって話じゃないか!」
翔が目を見開き僕を見る。翔ほどではないが、三沢も驚いたような顔をする。
「まぁまぁ、とりあえずは彼の試験に集中しようよ。自称1番のデュエル、気にならない?」
「それもそうだな」
翔はまだ目をぱちくりさせているが、三沢は平静を取り戻したようで、十代のいるデュエルステージに目を向ける。
*
「フレイム・ウィングマンの効果により、破壊されたモンスターの攻撃力分のダメージを受けてもらうぜ。先生!」
摩天楼-スカイスクレイパー-の効果を受け、攻撃力3100となったE・HERO フレイムウィングマンが古代の機械巨人を倒し、その効果によりデュエルの決着がつく。
すると、古代の機械巨人がクロノス先生の上に崩れ落ち、巨人の下敷きとなる。
痛そうにしてるけどあれ、ソリッドビジョンだよね……?
「ガッチャ! 楽しいデュエルだったぜ!」
受験生がクロノス先生を倒したことにどよめく学生たちを眺めながら、僕は自分の試験の準備を行う。
もともと僕が使っていたデッキの中からいくつかのカードは混乱を生まぬよう、情報解禁される予定の来年まで使わないようにとペガサスさんと海馬さんから指示を受けている。
仕方のないことではあるが、僕のデッキの主力カードが根こそぎ使えなくなってしまったため若干不安の残るデッキとなってしまった。
海馬さんには「その程度で試験を突破できないのであれば、貴様はその程度のデュエリストということだ」と一蹴されてしまったので、どうしようもない。
とはいえ、特待生が未知の召喚方法を操るとなれば妬まれたり、卑怯と言われてしまったりなど、学園での生活がしづらくなるだろうと考えた海馬さんが配慮をしてくれたのだと遊戯さんが教えてくれたので、不満はない。
むしろ優しさに感謝しているくらいである。海馬さんはツンデレお兄さんなのだ。
そんなことを考えながら改めてディスクにデッキをセットすると、十代が戻ってきた。
「1番くん、君の自信はビッグマウスじゃなく実力に裏付けられたものだったようだね」
三沢が戻ってきた十代に声をかける。
「おう2番! いいデュエルだったろ?」
十代はそう返して笑う。
なんだろう。まぁまぁ失礼なことを言ってるんだけど憎めない魅力があるんだよな。
これが主人公パワーなのかな?
そんなことを考えていると、デュエルディスクを付けている僕を見て十代が声をかけてくる。
「お、お前も遅刻したのか?」
「違うよ! この人は特待生試験を受けるんだよ!」
何故か僕より先に翔が答える。
「特待生? てことは、お前、こいつより強いのか!?」
そういって十代は三沢を指さす。
おいおい。知り合ったばかりの人を指さしてこいつ呼ばわりするもんじゃないよ。
答えようとしたとき、アナウンスが流れた。
「それでは、これより特待生試験を行います。受験番号0番 黒乃煉くん」
一旦は落ち着きを取り戻した会場が再びざわつき始める。
皆の注目を一身に受けながらもデュエルフィールドに向かおうと席を立つ。
おっと。デュエルフィールドに行く前に十代に一言答えておかなければ。
「君が1番くんなら、僕は0番くんってところかな」
直接対決をしていない以上、三沢より強いと断言することはできないが、自信を込めてこう答える。
僕もこの世界で生きていくと決めたデュエリスト。プライドというものがあるのだ。
デュエルフィールドに立つと、向かい合うのはクロノス先生。
十代に敗れたものの学園内で最も腕が立つ教師であるクロノス先生がやはり、特待生試験の試験官のようだ。
「先ほどは油断してドロップアウトボーイに土をつけられてしまいましたーが、ワタクシの本当の力を見せてあげるーのです。特待生を目指すアナタには悪いでスーガ、ここでけちょんけちょんになってもらうノーネ!」
「先生、僕も負けるわけにはいかないんです。もう一度、土をつけさせてもらいますよ!」
デュエルディスクを起動し、お互いに始まりの一言を叫ぶ。
「「デュエル!」」
煉 LP:4000
クロノス LP:4000
互いに手札を5枚引き、ディスクを確認する。僕は……後攻だ。
「ワタクシのターン、ドロー! 《
《
「僕のターン、ドロー! 僕は《ダーク・グレファー》を攻撃表示で召喚!」
《ダーク・グレファー》 ATK/1700 DEF/1600
「ダーク・グレファーの効果発動! 手札の闇属性モンスター1体を墓地に送り、デッキから《ゾンビキャリア》を墓地に送る。このままバトル! ダーク・グレファーで古代の機械兵士を攻撃!」
「いやはや、特待生試験の受験生ですが、所詮は学生。罠カード発動! 《
ダーク・グレファーが何かしらの罠カードに引っかかることは計算済み。召喚反応系の《奈落の落とし穴》などでなかったのはむしろ幸運だ。とはいえ、LP4000のこの世界で壁モンスターなしにターンを返すのは危険すぎるな。
「メインフェイズ2に移行。カードを1枚伏せて、魔法カード発動! 《手札抹殺》! お互いのプレイヤーは手札をすべて捨てて、同じ枚数ドローする!」
「私は手札を4枚捨てて、4枚ドローするノーネ! フッフフー。このドローによって、アナタの敗北が約束されたノーネ。エリートである特待受験生の芽を摘み取ってしまうのは可哀想ですが、デュエルに手加減はできないノーネ!」
この言葉から察するに、どうやらクロノス先生はキーカードを引いたようだ。
というか喋らなくとも顔が語っている。ニッコニコしてるもん。
「墓地から《ゾンビキャリア》の効果発動! 手札のカードを1枚、デッキトップに戻し、守備表示で特殊召喚する!」
《ゾンビキャリア》 ATK/400 DEF/200
僕の墓地におぞましい見た目のゾンビが現れる。
「墓地から発動する効果モンスターとは、珍しいカードを使いまスーノ。ですが、その程度のモンスターでは一時しのぎにもならなイーノ!」
「それはどうですかね? 更にカードを1枚伏せてターンエンドです」
僕の場を見たクロノス先生が勝利を確信したのか、ニヤリと笑うとこう言った。
「アナタの場には低級モンスターと2枚の伏せカードがありますがー、その程度でワタシの猛攻を耐えられると思ったら大間違いでスーノ! 私のターン、ドロー!」
ドローを確認したクロノス先生は笑みを深める。
「このターンでアナタの夢は潰えるノーネ! 手札を2枚伏せて、《大嵐》を発動しまスーノ!」
「こ、このコンボは!」
十代のデュエルでも見せたクロノス先生のコンボに翔が大声を上げる。
「チェーンして罠カード発動、《サンダーブレイク》! 手札を1枚捨てて、《古代の機械兵士》を破壊!」
「なるほーど。攻撃時に魔法・罠カードを発動をさせない
《邪神トークン》 ATK/1000 DEF/1000
「そして、2体のトークンを生贄に捧げ、現れるノーネ! 《
《
十代の前にも立ちはだかった機械の巨人が、僕の前にも現れる。
ある程度予想していたとはいえ、きちんとコンボを手札に揃えるドロー力は凄まじい。思わずため息をつく。
「そして、《早すぎた埋葬》を発動するーノ! ライフを800ポイント払い、墓地から《
クロノス LP4000→3200
《
機械同士を無理やり繋ぎあわせて作り出された獣が現れる。その見た目はゾンビキャリアに負けず劣らずの不気味さだ。
クロノス先生の場に2体の大型モンスターが召喚されたことに、受験生たちは驚きの声を上げる。
「古代の機械巨人だけでなく、更に大型モンスターを特殊召喚するなんて!」
「クロノス先生……本気よ! あの受験生、可哀想に」
何故か僕の敗北が決まったかのように哀れみの目を向けてくる他の受験生。
容赦のないクロノス先生のプレイに、受験生どころか他の試験官たちも唖然としているようだ。
「《古代の機械巨人》には、相手の守備表示モンスターを攻撃したとき、このカードの攻撃力が上回っていた分だけダメージを与える貫通効果がありまスーノ。これでワタシの勝利は確定なノーネ。よく頑張りましターが、ここでアナタの挑戦は終わりでスーノ。まぁ、特待生ではなくトーも不合格となることはないでしょうカーラ、アカデミアで頑張るノーネ」
まぁ、そうだよね。特待生試験で負けたからといって、不合格というのは考えづらい。
とはいえ、先生の手札はこれで0。墓地も確認したけれど古代の機械カードばかり。
これで僕の勝利が確定した。
「先生、何を勘違いしてるんですか? このデュエル、僕の勝ちです」
「ショックのあまりどうかしてしまったノーネ!? 場にはゾンビキャリアのーみ、アナタの手札はゼーロ! アナタの勝率もゼーロ! ひと思いに終わらせてあげまスーノ! バトル! 古代の機械巨人で、ゾンビキャリアを攻撃! アルティメット・パウンド!」
僕はデュエルディスクのディスプレイから、墓地のカードをタップする。
「墓地の《ネクロ・ガードナー》の効果発動! 墓地のこのカードをゲームから除外することで、攻撃を1度だけ、無効にする!」
半透明の戦士が古代の機械巨人の拳を受け止め、消滅する。
「またしても墓地のモンスター効果を! 古代の機械合成獣で攻撃!」
古代の機械合成獣に噛みつかれ、引き千切られるゾンビキャリア。
この映像、トラウマものだぞ。
「自身の効果で特殊召喚したゾンビキャリアは、場から離れるとき、ゲームから除外される」
「なんとか命拾いしたようですが、アナタの場にカードは0、手札も0で何ができるというノーネ! アナタのデタラメな勝利宣言、今のうちに諦めてサレンダーするなら聞かなかったことにしてあげルーノ」
クロノス先生の言葉に僕は笑みを浮かべて返す。
「先生、どうして僕が勝利を確信しているのかわかりますか?」
「な、なにを言っているーノ? ペペロンチーノ? 手札はゼーロ、アナタが使えるのは、ドローするカード1枚だけナーノ。何か逆転の切り札があるとしてーも、そのカードを引き当てるなんて奇跡……マサーカ!?」
流石は実技担当最高責任者。気づいたみたいだね。
「僕のターン! 僕がドローしたのは、ゾンビキャリアの効果によってデッキトップに置かれた《インフェルニティ・デーモン》! 自分の手札が0枚の際、ドローしたカードがこのカードならば特殊召喚できる!」
「手札が0枚の時に発動する効果でスーノ!?」
インフェルニティ・デーモン ATK/1800 DEF/1200
僕の場に2本の角が生えた禍々しい悪魔が現れる。
「奇抜な条件には驚きましたーノ。しかし、所詮は下級モンスター。古代の機械巨人には遠く及ばないノーネ!」
それはその通り。しかし、このカードの効果はそれだけじゃない。
「インフェルニティ・デーモンの効果発動! このカードが特殊召喚に成功したとき、手札が0枚なら、デッキからインフェルニティと名のついたカード1枚を手札に加える! 僕は、永続魔法《インフェルニティガン》を手札に加え、そのまま発動!」
「ナ、ナンですーと!? も、もしや、ワタクシのモンスターを破壊する効果なノーネ!?」
場に現れた拳銃から、インフェルニティガンを除去カードだと思ったのか、クロノス先生が悲鳴を上げる。
「残念。ハズレです! インフェルニティガンの効果発動! このカードを墓地に送ることで、墓地のインフェルニティモンスターを2体まで特殊召喚する! 僕は、墓地の《インフェルニティ・ジェネラル》と、インフェルニティ・デーモンを選択し、特殊召喚!」
《インフェルニティ・ジェネラル》 ATK/2700 DEF/1500
インフェルニティガンから2発の弾丸が放たれ、僕のモンスターゾーンに弾痕が残る。
すると、その弾痕から煙が立ち上り、煙の晴れた僕の場に現れたのは大剣を携えた黒い騎士と悪魔。
「そんなバカーナ! いつの間に、そんなにモンスターが墓地に送られたノーネ! ……あ」
「そう! 僕は手札抹殺によってこれらのカードを墓地に送っていた! 再度、特殊召喚されたインフェルニティ・デーモンの効果発動! 手札に加えるのは、《インフェルニティ・デストロイヤー》!」
手札0、フィールド0からあっという間に場に3体のモンスターが並んだことに会場がどよめく。
「そして、インフェルニティ・デーモンを生贄に捧げ、インフェルニティ・デストロイヤーを召喚!」
《インフェルニティ・デストロイヤー》 ATK/2300 DEF/1000
「クロノス先生は上級モンスター2体を召喚したのに対し、0番くんは3体ものモンスターを並べている! 凄まじいデュエルタクティクスだ!」
僕のプレイを見た三沢の解説が入る。
大声で0番くんって言われるの、ちょっと恥ずかしいな。
「バトル! まずは、インフェルニティジェネラルで古代の機械合成獣を攻撃!」
インフェルニティ・ジェネラルの大剣により、機械獣が真っ二つに切り裂かれる。
クロノス LP3200→2800
モンスターを1体失ったクロノス先生だが、その顔にはまだ余裕が見える。
僕の場のモンスターでは機械巨人の攻撃力には及ばない。そう思っているんだろうなぁ。
「くっ。古代の機械合成獣を破壊するとは、なかなかやるノーネ。しかーし、アナタの残りのモンスターの攻撃力は、古代の機械巨人の足元にも及ばないノーネ!」
期待通りのセリフに思わず笑みを浮かべてしまう。
「──それはどうかな? インフェルニティ・デストロイヤーで古代の機械巨人を攻撃!」
「自滅行為でスーノ!? やはりアナタ、頭がどうかしてしまったノーネ!?」
失礼な。僕は墓地から1枚のカードを取り出す。
「墓地から罠カード発動! 《スキル・サクセサー》! 墓地のこのカードを除外することで、インフェルニティ・デストロイヤーの攻撃力を800ポイントアップ!」
《インフェルニティ・デストロイヤー》 ATK/2300→3100
「ぼ、墓地から罠でスート!? そんなのありナーノ!? ……って古代の機械巨人の攻撃力を上回ったノーネ!?」
「古代の機械巨人、撃破! そしてこの時、インフェルニティ・デストロイヤーの効果発動! このカードが戦闘によってモンスターを破壊した場合、相手に1600ポイントのダメージを与える!」
クロノス LP2800→2700→1100
インフェルニティ・デストロイヤーによって破壊された古代の機械巨人がクロノス先生の上に倒れこむ。
さっきも見たなこれ。
「デ、デジャヴなノーネ……」
本人も自覚あったみたい。さて、これでクロノス先生を守るカードは何もない。
「これで終わりだ! インフェルニティ・デーモンでダイレクトアタック! ヘル・プレッシャー!」
クロノス LP1100→0
「ワタクシが、2度も受験生に負けるなンーテ……そんなバナーナ……」
「先生、いいデュエルでした。ありがとうございました」
放心しているクロノス先生に声をかけるとハッとした顔をし、立ち上がる。
「し、試験番号0番、よいデュエルだったノーネ。試験結果は後日通知しますが、アナタの実力は、実技担当最高責任者のワタクシが太鼓判を押してあげるノーネ」
実技担当最高責任者の太鼓判を押してもらえた以上、少なくとも不合格ということはないだろう。
再度お礼を言い、荷物を取りにデュエルフィールドを後にする。
「お前、すげぇな! クロノス先生に1ダメージも喰らわず勝っちまうなんて!」
「ほ、ほんとだ! ノーダメージじゃないか!」
十代の言葉と、それに反応した翔のリアクションを聞いて周囲がざわつく。
「おいおい、これじゃ試験番号1番だった僕の立つ瀬がないな」
そんなことを言いながらも、お前たちには負けないぞという強い意志を感じさせる三沢。
「合格したら、誰が1番なのかゆっくり決めればいいよ。まぁ負ける気はないけどね」
「はは、0番くんの言う通りだな。デュエルアカデミアで決着をつけよう!」
「おう! 俺だって負けるつもりはないぜ!」
そう言って僕たちはアカデミアでの再会を信じ、会場を後にした。
これで不合格だったらダサすぎるけど……大丈夫だよね?
主人公の名前が変わっているのはミスではなく仕様です。
後々理由もわかると思うので少々お待ちを。