バーチャル世界で斯くありたい   作:じょんらーふ

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二期生お披露目配信・百目鬼アイ編

リビングライブ公式チャンネルへと戻ってきた視聴者たちを大爆笑が出迎えた。

司会進行役の屍生子先輩の笑い声である。

大方の予想通り、先程の配信で巨乳(巨乳ではない)であることが暴露されたスクナ先輩に対しての爆笑である。

笑いすぎて悶絶しており、最早司会進行できるのかも怪しい。

 

「うっはははははははッ!!!!!

 きょ、巨乳っておまっははははッ!!!!

 後輩に何言わせてっククッヒーッヒッヒッヒハッはははははッ!!!!!!」

 

コメント欄

 

【コメント】:ゲラ助かる

【コメント】:笑いすぎやろww

【コメント】:これ進行大丈夫か?

【神代スクナ】:笑ってんじゃねぇぞ畜生子―ッ!!

【コメント】:畜生子は草ww

 

コメント欄もお祭り状態である。

スクナ先輩のコメントも盛り上がる要因となっている。

身を以って私達のお披露目配信を盛り上げてくれるなんていい先輩だなぁ。

 

「くくっ、いやぁ、いい配信だったよね

 私達一期生やゲーマーズとは全然配信スタイル違うから見てて新鮮だったし、落ち着きもあってトークスキルもあるのが印象的で今後の配信が楽しみだよ」

 

コメント欄

 

【コメント】:生子ちゃん含めて攻撃力全振りスタイルだもんね

【コメント】:リビングライブバーサーカーズ

【コメント】:生子ちゃんも師匠って呼ぶのか

【コメント】:後輩の師匠

 

「師匠ってのはさっきの配信で言ってたけど真打だからだね

 配信中にネットで調べたんだけど、真打になると師匠って呼ばれるって書いてあってさ

 だから師匠は師匠なんだよ

 まぁ、あだ名みたいなもんだからそんなに気にしなくていいでしょ

 それに、今まではバミが最年長だったけど、師匠が最年長者の座に付いたからね

 頼りにしてるぜ、って意味でもちょうどいいんじゃないかな?」

 

コメント欄

 

【コメント】:まぁ、そう言われれば納得だよな

【コメント】:師匠は師匠(確信)

【蟒蛇呑兵衛】:某も頼りにしてくれてもいいのだよ?

【コメント】:呑兵衛殿が頼りになったことあったか?

【コメント】:呑兵衛殿は日頃の行いを反省してもろて

 

生子先輩の師匠トークに、同じく一期生の蟒蛇呑兵衛先輩が反応し、チャット欄も呑兵衛先輩を反省させるコメントで盛り上がっている。

 

「本当ならバミに反省を促すためのダンスを踊りたいところだが、どうやら二番手の子の配信準備が整ったみたいだね」

 

生子先輩の報告に待ってましたとコメントが加速する。

 

「それじゃあ、切り替えて行こうか亡者共!

 リビングライブ二期生のお披露目配信、二番手のチャンネルにー、ジャーンプ!」

 

生子先輩のその言葉と共に公式チャンネルから二期生二番手配信者のチャンネルへと移動する。

 

 

 

移動されてきたチャンネルの名は『百目鬼(どうめき)アイちゃんねる』。

赤いメッシュが入った金髪のミディアムショートカットに、額の両側から前に向かって徐々に上に伸びるように角が二本生えており、見開かれた三白眼と挑発的に笑う口元から覗く牙が印象的なキービジュアルがアカウント画像に使われている。

ヘッダーには全身のキービジュアル、金色の和服の上から羽織られた純白の特攻服を纏って腕を組んで仁王立ちしている姿が表示されており、その隣には花丸の中心に『百目鬼アイちゃんねる』と女の子らしい文字で書かれていた。

 

コメント欄

 

【コメント】:かわいい!

【コメント】:鬼かな?

【コメント】:鬼の暴走族?

【コメント】:情報量多すぎんか?ww

【コメント】:ヘッダーのキービジュアルと文字のギャップよww

 

コメント欄でもコメントされている通り、彼女は鬼だ。

目が百個ある鬼ではなく、百の鬼を束ねる頭目の鬼だ。

だから特攻服を着ている設定なのだろう。

配信待機画面にはただ『準備中 しばし待て』と書かれているが、アニメやゲームのBGMのピアノアレンジが流れている。

 

コメント欄

 

【コメント】:しばし待つ

【コメント】:このピアノアレンジかっけー!

【コメント】:何か鼻歌みたいなの聴こえん?

【コメント】:もしかして本人が弾いてる?

 

コメント欄で今聴こえているBGMがアイちゃんが弾いているのではないか、と話題になっている。

本人に確認した訳ではないが、おそらくそうだろう。

ピアノが弾けるのは打ち合わせの時に耳にしている。

 

そうこうしている内にBGMが節目で途切れ、配信画面が切り替わった。

画面に映った『百目鬼アイ』は腕組みしながら仁王立ちしている。

ただ、目を閉じて一切動かない。

視聴者達もトラブルか、などと心配のコメントしている。

少しして、カッ!と目が見開かれた。

それと同時に流れるピアノの旋律。

誰もが一度は聞いたことがあるであろう、愛と勇気だけが友達な子供向けアニメの主題歌がピアノアレンジされて流れているのである。

これにはコメント欄も困惑状態になっており、訳の分からないままコメントが流れていく。

一通り主題歌の旋律が流れ終えると、ふぅ、というやり遂げたという感じの吐息が配信に入る。

 

「良い子のみんなー、こーんばーんわー!」

 

いきなりのコール&レスポンスにコメント欄はまたもや困惑状態に陥り、まともに挨拶を返せている者は少ない。

 

「あれー?

 何だかみんな元気がないぞー?

 もう一度元気に挨拶するよー?

 良い子のみんなー、こーんばーんわー!」

 

再びのコール&レスポンスにはコメント欄も『こーんばーんわー!』で概ね統一される。

 

「いいねいいねー!

 やればできるじゃん!

 良い子のみんなはこれから挨拶するときは元気に挨拶するんだぞ!

 鬼のお姉さんとの約束だ!」

 

パチパチと拍手をしながら視聴者たちを褒めてくれる百目鬼アイちゃん。

怖そうな外見とのギャップにコメント欄もしっちゃかめっちゃかな状態だ。

 

「あーっと、そう言えばまだ自己紹介していなかったよね

 えーっと、プロフィール画像を出しましてーっと

 はい、出ました!」

 

配信画面上に可愛く装飾されたプロフィール画像が表示される。

 

「お姉さんはリビングライブ二期生ライバーの百目鬼アイ!

 リビングライブ保育園の保育士さんだよ

 気軽にアイお姉さんって呼んでほしいな」

 

コメント欄

 

【コメント】:ともかくギャップがすごい

【コメント】:リビングライブで褒められたことないから戸惑う

【コメント】:これから隣の住人にも元気に挨拶する!

【コメント】:僕も保育園に入りたい!

【コメント】:アイお姉さーん!

 

「はーい、アイお姉さんだよー

 お姉さんは今年で23歳、神代スクナ先輩と同い年だね

 身長は163cm、体重は…仲良くなったら教えてあげるね

 特技はピアノ演奏です

 気付いた子達もいると思うけど、配信待機中のピアノもお姉さんが弾いてるんだよー

 すごいでしょー?」

 

コメント欄

 

【コメント】:スクナ様との差やばない?

【コメント】:おっぱいは互角(先輩の圧)

【コメント】:やっぱりあれもお姉さんが弾いてたんだ

【コメント】:すっごーい!

 

アイちゃんのお姉さん力でいい感じに脳が破壊されているのか、視聴者のコメントが某フレンズのようになってきている。

アイちゃんは鬼のフレンズなんだね!

すっごーい!

 

「種族は鬼で、高校卒業するまではレディースの総長として悪い鬼女達を百人以上従えていたよ。

 この特攻服もその名残だね

 昔はグレートとか極道とかの先生に憧れてたんだけど、お姉さんのお兄ちゃんとお姉ちゃんが子沢山でね

 その世話を手伝ってるうちに保育士さんの道を目指そうと思って保育大学に進学したんだ」

 

コメント欄

【コメント】:元ヤンのお姉さん

【コメント】:GTO(グレートティーチャーお姉さん)

【コメント】:お前らぁ!

【コメント】:ドラマみたいな展開だなぁ

【コメント】:お姉さん強かったん?

 

「お姉さんは鬼だし、それはそれは強かったよー

 そういえばここにリンゴがあるんだけど」

 

グゴシャァッ!!

 

何かが砕ける音と、ボタボタボタと液体が垂れる音が聞こえる。

 

「誰かリンゴジュース飲みたい良い子はいるかなぁ?」

 

コメント欄

 

【コメント】:ヒエッ

【コメント】:強い(確信)

【コメント】:表情と相まって怖さ倍増なんですが

【コメント】:こんなん目の前で見せられたら子供泣いてまうで

 

「お姉さんがそれはそれは強いという事は分かってもらえたみたいだね

 まぁ、悪さをしない限りはお仕置きはしないから安心していいよ」

 

その後もアイちゃんのお姉さん力と見た目とのギャップで話が進み、配信終了時間が迫ってきた。

 

「ん~、名残惜しいけどそろそろお開きの時間だね」

 

コメント欄が『えー』や『やだー』で埋まる。

 

「我が儘言っちゃメッ、だよ

 お姉さんの配信はまた後日のお楽しみにして、次のお友達の配信をみんなで見ましょうね」

 

アイちゃんの優しい言葉に、コメント欄も『はーい』や『わかりましたー』などの返事で埋まる。

 

「この後は休憩の予定になってるんだけど、一旦スタジオにお返ししてから生子先輩の合図で休憩時間に入るので、それを待って各自休憩に入ってね」

 

はーい、とコメント欄も返事で埋まり、アイちゃんは満足そうに微笑みながら頷いた。

 

「では、スタジオにお返ししまーす!

 みんなー、またねー!」

 

『またねー!』と多数のコメントが流れていき、このチャンネルは配信を終了しました、という表示が出た後に公式チャンネルの方に自動で飛ばされていく。

 

アイちゃんのキャラとのギャップをうまく活かした配信は大成功と言えるだろう。

二期生の二番手としての役割を全うした彼女に私とスタッフさんは惜しみのない拍手を送ったのだった。

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