バーチャル世界で斯くありたい   作:じょんらーふ

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夏休み直前ガチンコ対決7番勝負~開幕編~

「りびんぐらいぶげーまーずこーしぃき配しぃん!」

 

「夏休み直前ガチンコ対決7番勝負ー!」

 

戦いにマッチするロックな音楽が鳴り響く配信中待機画面から、スタッフさんのカウントダウンでついにゲーマーズ公式配信が始まった。

今回配信のタイトルは今言った通り、『リビングライブゲーマーズ公式配信 夏休み直前ガチンコ7番勝負』だ。

本来は屍生子―テルテルが司会進行をするはずだったのだが、上の判断で神代スクナ―私や蟒蛇呑兵衛―リョーにも経験を積ませるために今回の司会が私達に変更になったのだ。

因みにスクナが司会進行役、バミが司会進行補佐兼解説役と言う配役だ。

初めての公式配信の司会進行役という事で不安と緊張に押し潰されそうなのだが、リョーがいるからまあ何とか…って感じな訳だ。

そんな私の苦労を知ってか知らずか、残りの同期であるテルテルは二期生全員と焼肉パーティーをして楽しんでいるらしい。

しかも、この公式配信の裏で同時視聴枠をしながらである。

そのことを開始5分前に知った私達、特にゲーマーズの二人のやる気の失い振りは凄まじいものだった。

まぁ、配信が始まれば何とでもなるだろう。

 

「わっちぃ顕現しぇりぃ!

 りびんぐらいぶの現人神ぃ!

 司ぃ会しぃんこー役の神しぃろシュクナしゃまだぞぉ」

 

「司会進行役の神代スクナ様と申しちょります

 あ、どうも、儂ゃあ司会進行補佐兼解説兼牢人の蟒蛇呑兵衛じゃ」

 

コメント欄

 

【コメント】:ハジマター! ¥5,000

【コメント】:相変わらず何言ってんのか分かんねぇなww

【コメント】:これが神語ですか…

【コメント】:呑兵衛殿の通訳助かる

【コメント】:通訳代 ¥10,000

【コメント】:通訳役も追加しないと

 

配信の開始と私達の自己紹介にコメント欄が盛り上がりを見せる。

何とか私とリョーはいつものテンションで配信を開始することができたが、問題はこれからだ。

 

「わっちぃのこちょ葉を理解できないなんちぇおめぇらりびんぐらいぶにわかぜーかよぉ!

 ゆるしぇねぇよなぁ!!」

 

「いちいちコメントに反応すなやぁ

 おんしほんに沸点ケトルよなぁ」

 

「誰が瞬間湯沸しぃ器じゃーい!

 こちぃちょら神々の間じゃー温こーシュクナちゃんって呼ばれちぇんねんぞぉ!」

 

「血なまぐさい短気な方が多い神々から見れば温厚ってだけじゃろ?

 ほい、司会進行役なんじゃき脱線しちょらんとちゃんと司会進行しぃや」

 

リョーのツッコミと言う名の軌道修正のおかげで少し落ち着いた私は、呼吸を整えながら台本に目を通して今後の展開を確認する。

 

「チィッ…しぃかちゃねぇなぁ

 しょいじゃ気ぃをちょり直しぃちぇ、今回の主役をしょー介しゅるぞぉ!

 りびんぐらいぶげーまーずのふちゃりだぁ!」

 

「泥井堂錦…」

 

「宇宙船地球子…」

 

「声ちぃっちぇえなぁ!」

 

すっかりやる気をなくして自己紹介をするゲーマーズの二人。

泥井堂錦の中の人―チハは椅子に座りながら仰け反って天井を見ているし、宇宙船地球子の中の人―コトに至っては地べたに寝っ転がっている。

ちゃんとマイクが声を拾っているかどうかもわからなかったが、コメントを見る限りはぎりぎり聞こえているみたいだった。

 

「おめぇらプロなんだからいい加減しゃきっちょしぃろよぉ!」

 

「スクナの言う通りやぞおまんら

 今回はおまんらゲーマーズが主役じゃき、ビシッとせんといかんじゃろが」

 

ゲーマーズの二人も先輩である私達の言葉にバツの悪さを感じているのだろうが、二人はこちらをチラチラ見るだけで動こうとはしない。

 

「おいおい、何だお前らぁ

 自分ちゃちぃのこーしぃき配しぃんなのに、何か不服でもあるのかぁ?」

 

「焼肉…」

 

「地球子も後輩達と焼肉が食べたかった…」

 

コメント欄

 

【コメント】:焼肉食べられなくて拗ねてんのかww

【コメント】:もっとマイクに近づいてもろて

【コメント】:これで焼肉食べてもろて ¥10,000

【コメント】:リビングライブの社員食堂に焼肉定食あったで ¥2,929

【コメント】:社員食堂ニキはリビングライブ関係者かな?

 

焼肉、焼肉と呟くゲーマーズの二人に対して同情のコメントが流れているが、こいつらつけあがるだけだから同情する必要はないんだぞ。

まぁ、そのことは言わないでおくけども。

 

「チィッ…

 しかちゃねぇなぁ!

 ヴァンちゃーん!」

 

私は自分の席を離れてスタッフ側でこちらを見守っている筋肉モリモリマッチョマンの専属マネージャーのヴァンちゃんこと坂東太郎(ばんどうたろう)の下に駆けていく。

ヴァンちゃんは私の言いたいことを察していたのか、姿勢を低くして私の鞄を差し出した。

本当リビングライブのスタッフ陣は優秀な人間しかいないんだよな。

そんなことを思いつつ私は鞄の中から財布を取り出し、それをヴァンちゃんに渡す。

 

「ヴァンちゃん、しゅちゃっふしゃんちょ社員しゃんの分も含めちぇ肉ちょ野しゃいの買い出しぃと焼肉の用意頼むぜぇ!」

 

「OK!」

 

ヴァンちゃんはグッとサムズアップしてスタジオを出ていった。

 

「むっちゃん、おんしも手隙のもん集めて買い出し手伝っちゃってくれ」

 

リョーの専属マネージャーで同じく筋肉モリモリマッチョマンであるむっちゃんこと陸奥六太(むつろくた)は手でOKマークだけしてヴァンちゃんの後を追ってスタジオを後にした。

 

「この配しぃんが終わる頃には焼肉の用意も終わっちぇるはずだからやる気だしぇよぉ」

 

「うーん…

 まぁ、そこまでやってくれるなら仕方ないよなぁ?」

 

「そうだね

 しょうがないからやってあげますか」

 

ゲーマーズの二人はやれやれといった感じできちんと所定の席に座り直した。

まぁ、問題なく進行できるなら渋々でも問題ない訳だが、何で上から目線なんだこいつら。

 

「キレしょー」

 

「同感じゃ

 沸点が低ぅない儂でもキレそうじゃきにな」

 

コメント欄

 

【コメント】:これはキレていい

【コメント】:クソガキゲーマーズ

【コメント】:リビングライブ本社に行けば焼き肉が食べれる…?

【コメント】:すみません、カルビとロースとタン塩一人前追加で ¥5,000

【コメント】:すいません、一人追加で ¥10,000

【コメント】:持ち込みはOK?

【コメント】:持ち込みをしたら俺達も参加できる…?

【コメント】:今から行きますね!

【コメント】:私はビール持ってくね

 

「おめぇらはうちぃの会社に来ちぇも焼肉は食えねぇかんなぁ!

 持ちぃ込みもマジで駄目だかんなぁ!

 まぁ、しょんなこちょはどっかに置いちょいちぇ、そぃじゃーあらちゃめちぇふちゃりに自己しょー介しぃちぇもらおーか」

 

「総員傾注せよ!

 自分はリビングライブゲーマーズ所属のバトルドロイド、泥井堂錦軍曹である!」

 

「宇宙からチャリで来たー!

 リビングゲーマーズ所属の宇宙人、宇宙船地球子ですわ」

 

やっとまともなゲーマーズの自己紹介が終わったところでほっと一息つく。

始まって間もないがすでに二時間収録したぐらいに疲れている。

正直しんどい。

 

「そぃじゃー、やっちょこしゃ自己しょー介が終わっちゃちょころで今回のるーるせちゅめーをしゅるぜぇ!

 バミィ、任せちゃ!」

 

私の活舌ではルールー説明には向いていないので、司会進行補佐であるバミに説明を任せた。

まぁ、丸投げとも言えるけども。

 

「まぁ、適材適所じゃろな

 ほいじゃぁ、夏休み直前ガチンコ対決7番勝負のルール説明をするぜよ

 勝敗は簡単で7つあるゲームでそれぞれ対決をして先に4勝した方が勝ちじゃ

 因みに7つのゲームは錦と地球子がそれぞれ一つ、二期生にそれぞれ一つずつゲームを選んでもろうちょる

 それをくじ引きボックスから一枚ランダムに選んで対決していく流れじゃな

 ルール説明に関してはこんなもんじゃろ

 二人から何か質問はあるかいのぅ?」

 

「自分は特には」

 

「私も質問はないですね」

 

ゲーマーズの二人に質問がないようなので、これでルール説明は終わりである。

ここまでで既に15分程時間を使ってしまっているので、ここからは少し巻いていかなけらばいけないか。

 

「そぃじゃぁ、意気込みちょか聞いちぇこーかちょ思っちゃけど、バカ共のしぇーで時間喰っちゃから無視ぃしぃちぇしゃっしょく始めちぇいこーと思うぜぇ!

 最初はこーへーせーを保ちゅちゃめにわっちがくじを引くぞぉ!

 そぉい!」

 

私はくじ引きボックスからくじを一枚引き出した。

そのくじを開いて中に書いてある文字を確認する。

 

「最初のゲームはぁ…これだぁ!」

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