仮題【魔術なし 身体能力マシマシ慎二くん】 作:いかのシオカラ
目の前に金色の輝きが広がり、目を奪われる。
思わず口から
「綺麗...」
と声が漏れてしまった。
目の前の人物はそれに気に行ったのか
「ほう」
薄ら笑いを浮かべる。
って見とれてる場合じゃない。
この男、雰囲気でわかるが一般人とはかけ離れた存在だ。
かといって、アサシンのセンサーにも反応しなかった。
サーヴァントでも人間でもない....
じゃあ...なんなんだ?
「ああ、すみません。えっと、僕に何か用ですか?」
「用か。そうさな...随分と面白い道化がいたものでな。あざ笑いに来たまでよ」
...なんだこれ。
会話がなりたっているのかいないのかわからん。
とりあえずアサシンを避難させよう。
「アサシン、お前は先に帰ってろ」
「...わかった。絶対にちゃんと帰ってきてね?お姉さんと約束よ?」
「善処するよ」
アサシンがここから去っていくのがわかる。
さて、
「道化だのあざ笑うだの...話が見えてこないんですけど?」
「...仕方あるまい。道化、この近くに話ができる場所は?」
「近くに公園がありますけど」
「ならばそこで聞かせてやろう。許す、我を案内せよ」
「ええ...」
まるで暴君のような態度をとる目の前の男性の命により
公園に案内されることを許された僕。
なんで頼まれる側なのに偉そうなんだろうか。
しかし、うだうだ言っていても始まらない。
とりあえず公園に男を案内する。
ベンチに男を座らせ、僕は飲み物を購入。
男の分は...いらないか。
自販機から出てきたコーヒーを片手にベンチに戻る。
「遅い、我を待たせるとはいい度胸だな」
「え?ああ、すみません喉が乾いてたもんで」
いつの間に出したかは知らないが、
男は片手に朱色の液体が入った金色のグラスを持っている。
「...第四次聖杯戦争」
「いきなり話はじめんのかよ」
それから男の話はとんとん拍子で進むには衝撃的な内容だった。
第四次で召喚されたこと。
受肉したこと。
そして10年もの間、この世界を観測し続けたこと。
そのことを目の前の男、ギルガメッシュは語った。
「これが、我がこの町にいる経緯だ。理解したか?」
「理解はした...でもまるで頭が追いつかないな。...んで、そんな王様がこんな庶民に何用ですか?」
「言ったであろう、あざ笑いに来たと。こたびの聖杯戦争に随分と面白い道化がいたのでな。我が直々に会いに来た」
「...」
「身一つでの、ランサー、バーサーカー、アサシン、ライダーとの闘い。実に愉快だったぞ。ここまで笑ったのは10年ぶりか。まあ、許せ」
「愉快って、こっちは真剣だったんですけどね」
「それで、道化」
「いや無視かよ」
「貴様はなぜ戦う?その理由を問いに来た」
「それは前にも聞かれました」
「知らん、我は聞いておらん。許す、聞かせよ」
「...意地ですよ。意地。綺麗に言い換えれば願いです。昔から化け物扱いされて。そんな僕でも気にかけてくれる友達、妹、クラスメート...。僕はそいつらとの日常を守りたい。どれだけ脆くて、崩壊の砂時計の砂が落ち始めていようと、守りたいんですよ。」
コーヒーをのどに流し込み、続ける。
「まあ、あれです。目の前の苦しそうな百人よりも、遠くにいる傷ついた大切な人を救いたい。...っていう感じです」
「...」
「あんたは僕に戦う理由について問いに来た。だったらこっちもあんたに問う権利はあるはずだ。僕の戦う理由は...間違っているのか?」
「...たわけが」
ギルガメッシュは僕の問いを鼻で笑う。
「間違いであるはずがなかろう」
「...そうですか、ありがとうございます。」
「...では、我は還るとする。せいぜい励めよ、道化」
「道化だっていうんなら、見物料ぐらい欲しいところですよ」
「...それもそうさな。ならばこれまで我を笑わせた褒美だ。我の目的を話してやろう」
「目的?」
「ああ。...聖杯は知っているな?あれを使って、人類を洗い流す」
洗い流すって...大量虐殺ってことか?
「そして生き残った人類で新たなる国を築き、我が王として君臨する。それが我の目的だ」
ギルガメッシュはそう言ってのける。
「でも、なんでそんな目的を?あんたのことだから君臨したいとかそういった小さい理由じゃなさそうですけど」
「...道化、今の人類に何を思う?」
「なにって...」
「傲慢、不遜、怠惰、不敬。今の堕落しきった人類には呆れたものでな。貴様も理解しているはずだ。何度化け物呼ばわりされた?何度後ろ指をさされた?」
「...」
「我がもう一度統治しなおす。それしか人類が輝きを取り戻す道はなかろう。...まあ、貴様なら生き残るであろう」
ギルガメッシュは立ち上がり、公園から立ち去っていく。
「ではな...」
今度こそ立ち去ったようだ。
張り詰めたような緊張が解け、方から力が抜ける。
「はあー、緊張した」
ほんの数分しか話をしていないのにこんな緊張感を味わうとか。
英雄王は伊達ではないらしい。
「慎二!」
公園の外から声がかかる。
そこにいたのは...
「遠坂...」
すぐそばにアサシンもいるので、アサシンが連れてきたんだろう。
アサシンはこちらに駆け寄ると、勢いよく抱き着く。
「よかったー、心配したんだから!変な金髪の男と話をしだしたと思ったら、真剣な顔で帰れって言うんだから...。慌てて助けを呼び行こうと思ったら、近くでこの子とばったり会ってね」
「わかった。わかったから放れろ。熱くるしい」
なんかいい匂いもするし、柔らかい。
放れたとかと思うと、今度は僕の体をペタペタと触り
「なにもされてない?大丈夫?」
「されてないから...触るのをやめろ」
「...んで、金髪の男は?...いなさそうね?」
遠坂が僕に向かって問いかけてくる。
「さっきまでいたんだけどね。どこかに行ったよ。...ああ、そうだ、話しておかないと」
遠坂に桜のこと、ギルガメッシュのことを説明し、聖杯の欠片を預けた。
説明に時間がかかり、帰るころには結構な夜中になってしまった。
これから風呂に入って寝ようというところなのだが
「おい、なんで風呂に入ってくるんだ!」
「疲れただろうし、背中流してあげようかなって...」
「いらないからやめろ!」
風呂に入ってくるわ。
「おい、なんで僕のベッドに入ってくるんだ!」
「添い寝したほうがいいかと思って...」
「だからやめろって...」
「それにベッドも1つしかないし...」
「...わかった、その代わり、変なことはするな。いいな!」
「うん、わかった」
「...」
ベッドに入ってきたり...
いかんせんスキンシップが激しすぎる。
...というかサーヴァントって睡眠っていらないんじゃ...
書くことないので、なにとは言いませんがIDおいておきます
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