ぼくこそトレセンのやべーやつだ。 作:加速装置制限反対派
『知ることだけでは十分ではない。それを使わなくてはならない。』
『やる気だけでは十分ではない。実行しなければならない。』
ヨーロッパのどこかしらの詩人が遺した言葉だっただろうか。
中央に勤めるトレーナーとして、またチーム:シリウスのトレーナーとして参考にさせてもらった言葉だ。
これまでも様々な出来事から閃きやヒントを得てきたあなたは更なる育成のヒントを得るため、体力づくりのついでに河川敷までランニングに来ていた。
シリウスのメンバーは総じて朝からゴールドシップの名古屋メシ巡りツアーで名古屋まで出張中だ。
そうして軽く流す程度に走っていると、河川敷の原っぱの方から声が聞こえる。
「我が運命、もはやこれまでか。ぼくとしたことが、やれやれ。中央まで赴くのにこれほどの長距離移動を強いられるとは。笠松の皆は赦してくれるだろうか。」
声の発生源に近づいてみると、随分と古風な言い回しをしているその声の主は原っぱに寝転んでいるだけだった。
「………ふむ。辞世を贈る家族など存在しない生涯だったけれど、この通りすがりの青年に最期を看取られるというのはきっとそれは大いなる運命が紡いだ縁なのだろう。」
「折角だ、青年。来世の土産として君の名前を教えてはくれまいか。」
最期だの看取るだのと目が合えば物騒な事を言い出した少女は、あなたに自身の名前を訪ねてきた。
隠す必要もないためありのままを伝えると、
「良い名だ。来世の為、記録しておこう。……めもめも。」
懐からメモ帳を取り出し、あなたの名前をメモにとった。
「ぼくはユニ。笠松から中央への栄転を果たした二番目のトレーナーであり、この陽の光が照りつける原っぱで儚く朽ちる小さき命だよ。」
彼女はメモ帳を取り出した懐からウマ娘のトレーナーである証拠、中央のトレーナー証をあなたに見せつける。
だが、あなたは彼女の少女然とした身体的特徴から子供ではないのか?と勘ぐってしまう。
「この未成熟で愛くるしい姿が得てしてそう誤認させてしまう事実にはもう慣れている。働く上で不便も多いが、今は褒め言葉として受け取っておこう。」
「しかし、恐らくキミよりかは年長だ。ぼくのことは敬意と親愛を込めて『ユニ先輩』、とでも呼んでくれたまえ後輩くん。」
物騒な事を言っていた割には随分と元気そうだ。
そう感じたあなたは最低限の会釈をし、その場を去ろうとする。
「待ちたまえよ後輩。ぼくが迫真の死ぬ死ぬアピールをしているにもかかわらず、見捨てて帰るのか?」
「随分と元気そうじゃないか。とでも思ったんだろう。見えているものが真実……そろそろ人類はそんな命題を覆す時期じゃないだろうか。」
彼女は去ろうとしたあなたのズボンの裾をがっちりと掴んで離そうとしない。
「端的に換言すれば、ぼくもうヘトヘトで動けない、ということだ。あとついでにお腹もぺこぺこでろくに頭が回っていない。」
観念したあなたはランニングを切り上げ、彼女を連れてトレセン学園へと帰るのであった。
後日、あなたは目撃者からのタレコミでマックイーンとライスシャワーにこの事をじっくり問いつめられる事になったのだが…それはまた別の機会に。
【読解力】のヒントLv.が3上がった!
【人物紹介】
・シリウストレーナー
立ち位置はグラブルのグラジタ、プリコネの騎士くんみたいな主人公。
オグリキャップのトレーナーからシリウスを継いだ。
・ユニ
笠松から中央に移籍となったやべートレーナー。
笠松→中央のトレーナーはこれで二人目だという。
ほんへプリコネより5歳上。
ロゼッタは居ない。
・ゴールドシップ
シリウス所属のウマ娘。名古屋までチームメンバー全員を拉致もとい旅行へと連れていった。
ひつまぶしが食えて満足。
・メジロマックイーン
シリウス所属のウマ娘。鬼まんじゅうを食べ過ぎた。
・ライスシャワー
シリウス所属のウマ娘。お土産に脇差のレプリカを買ってきた。
・ウイニングチケット
シリウス所属のウマ娘。ビワハヤヒデとナリタタイシンも連れていきたかったらしい。
・ナリタブライアン
シリウス所属のウマ娘。味噌カツに付いてきた千切りキャベツはライスに食べてもらった。