最後の転生   作:狼黒

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魔術競技祭

「‥部屋を間違えたかな?」

「いいや、ここであってるぞ?」

思わず現実逃避をする私に、セリカがそう言ってくる

「いやだって、女王?女王本人が目の前にいるんじゃぞ?」

「本人の前でよくそんなこと言えるな‥まぁいい、ここに座れ」

そう言って空いてるソファーを指差すセリカ

今すぐ帰りたいけどねぇ‥

(部屋の外にゼーロス率いる親衛隊がいるので無理かと)

だよねぇ‥

そんなことを思いながら、ソファーに座る

「で?何で呼び出されたの?こんなところに」

「いやなに、ちょっと聞きたいことがあってな、その事を話したらこいつも聞きたいと」

「‥マジで?」

「マジですよ」

女王、あんたそんなキャラだっけ?

「で、聞きたいことって?」

「いや、大したことじゃないんだがな」

そう言ってセリカは持っていたコップを置くと、こっちをみてくる

うわぁ、顔が笑顔だけどこの威圧感パネェ

「学校の壁の大穴、あれをやったのはお前か?」

「そだよ?」

え、待って、何で素直に答えたのにそんな反応されなきゃならないの

「‥意外だな、少しは誤魔化すかと思ってたんだが」

「私は何時だって正直だよ!」

(嘘でしょ)

こらキャロリン、茶々をいれない

「そうだったか‥?」

ねぇセリカ、頼むからそんな目で見ないで?

「ごほん、話を戻すぞ」

「うい」

「で?お前は何者なんだ?」

すごく真剣な目で見てくるセリカ

うわーすごい、特務分室時代の時だー

とはいえどうしようかな‥

(正直に話した方がよろしいかと)

ま、この二人ならいいか

となると、セリカと私しか知らないことを言うとするか

「あーいつぞやだったかな、酒を飲みすぎて、翌日起きてみたらお互い全裸だったから何をしたのかと思って取り乱したよね、セリカ」

「なっ‥それは‥!?」

「他にも魔術使いすぎて倒れたからおんぶしていったけど他人に見られるのは恥ずかしいと言うことで途中で降りた結果、全員の目の前で倒れたり、焼き芋やろうってなって火事になりかけたり‥他にもあったよね」

「も、もうやめてくれ‥」

そう言うセリカは顔が真っ赤だ

「というかその事を知ってるとは‥まさか‥」

「そうだよー、特務分室第二の切り札のクレーヌちゃんだよー、元気そうだねセリカぁ!?」

その瞬間、セリカに思いっきり抱き締められていた

「生きてたんだな‥良かった‥!」

うん、感動するのは良いんだけど苦しい‥

「セリカ、そこまでにしておいた方が良いですよ」

ナイスぅアリシアちゃん!ありがとう!

アリシアにそう言われたセリカは渋々と言った感じで座る

「まぁまぁ、後でいくらでも抱きついていいから」

「本当か!?」

おう、そんな目をキラキラさせんでくれや

「後でね?それと‥えー‥」

「アリシアで構いませんよ」

「じゃあアリシアちゃん、何で驚いてないの?」

滅茶苦茶冷静やん、目の前の奴が400年前の伝説とか聞いたら動揺すると思うんやけど

「何というんでしょうか‥もう慣れてしまいまして」

「お、おう」

慣れるもんなのか‥

「で、話を戻すのですが」

「うい」

アリシアちゃん、軌道修正上手いねぇ

「あの娘‥ルミアが私の娘だということは聞いていますね?」

「まぁ一応」

「元気ですか、あの娘は?」

「まぁあんなことがあっても元気やぞ」

「それは良かったです‥」

母親の顔だねぇ‥

(少なくとも元気で安心したということでしょう)

「実はお願いがあるのです」

「何じゃらほい」

「あの娘を守ってあげてくれませんか?」

「別に良いけど」

え、待って、滅茶苦茶驚くこと?

そしてセリカ、腹を抱えて笑うのを堪えるな

「だから言っただろう、大丈夫だって!」

(恐らく元々貴女の正体を問いただすのと、このお願いの為に呼ばれたのかと)

なる程ねぇ‥

「で、ちょっとお願いがあるんだけど」

私は二人にそう言って、そのお願いを言い始めた

 

 

はい、あれから時は経って、今現在屋上から中庭を眺めています

それにしても相変わらずグレンとセラは教えるのが上手いねぇ

因みにお願いと言うのは、私の正体を秘密にしておくということだ

だってバレたら色々と面倒だし‥

(まぁ色々なところから狙われるのは確実ですね)

因みに外にいた親衛隊には、「凄腕の魔術師」ということで話がついた

セリカがあの部屋に遮音結界貼ってくれたのが功を奏したね

因みにあの後はセリカにこれでもかというぐらい抱き締められました

で、それからと言うものの、特に何事もなく、気づけば魔術競技祭の時期がやってきました

ま、私のクラスもグレンのお陰で団結出来てるみたいだからヨシ!(現場猫)

因みに私は面倒くさいので参加しない

ま、これは学院長とセリカの公認だからヨシ!(現場猫)

(現場猫が二回出てますよ?)

ま、影ながら応援させてもらうとするさ

にしてもグレン、多分勘違いされてるなこりゃ‥

セラは薄々気づいているみたいだけどな‥

 

さて当日、魔術競技祭が始まりました

いやぁ皆熱狂してるねぇ‥若いことはいいね

(貴女も十分‥いえ何でもございません)

空気を読んでくれて助かるよ

「あ!クレーヌさん!」

そう言って手招きしてくるのはルミア、隣にはシスティーナもいる

「意外ね、貴女がここに来るなんて」

「サボりはするけど応援はするさよ」

「まずサボりを止めなさいよ‥」

「無理!」

どや顔でそう言うと、システィーナは頭を抑え、ルミアは苦笑いする

頭痛でもするのかね?

「お、ルミアの番じゃの」

「頑張ってね!」

「うん!」

そう言ってルミアは会場に向かった

念のため奴さんの近くにファング置いときますか

 

「凄い‥」

そう言うシスティーナの視線の先にあるのは、魔術競技祭の競技である『精神防御』で見事一位になったルミアである

ま、当然と言えば当然かな

(確かに、少なくとも一般的には経験できないことを経験していますからね)

その分、精神も強いと

けどあの変態男爵どうにかなんねぇのか?

(一応貴族の一員ですから‥)

ま、どうでもいい‥おや?

ねぇキャロリン、アリシアちゃん首にあんなの着けてたっけ?

(‥解析完了、あのネックレスには呪いが掛けられています)

マジか‥道理で何かおかしいとは思ったけど

こりゃ少し考えとかんとアカンな‥

 

「その娘‥ルミア=ティエンジェルを討ち果たしなさい」

それから時は経って、今はグレンとルミアが変装を解いてアリシアちゃんの目の前に現れたところだ

因みにグレンとルミアが追われている時は、遠くからファングを遠隔操作して、見えないところから援護してたよ

因みに私だが、学園の外にある高台から狙っている

(同タイミングでアルベルトとリィエルも変装を解きました、現在追ってきていた親衛隊と交戦中の模様)

いやぁ、やっぱあの二人は凄いね

とと、目の前の事に集中しないと

キャロリン、宜しく

(風速東から3キロ、距離5000メトラ、ぴったりです)

OK、じゃあ後は待とうか

 

 

アリシアのその言葉に一時的に唖然としたグレンだったが、やがてアリシアの変わったところを見つけ、この騒動の原因を突き止めた

が、ゼーロスが目の前にいる以上、まずは彼をどうにかして突破しなければならない

その方法をグレンが模索していた時だった

 

パキンッ

 

「なっ!?」

ゼーロスの驚く声が聞こえたので、その方向を向くとそこにあったのは

 

アリシアのネックレスが何かによってちぎれ、そのまま落ちていくところだった

 

(くそ!まずい!)

慌てて懐から『愚者の世界』のアルカナを取り出すグレン

恐らくあのネックレスには何らかの術式が組み込まれており、外れたらアリシアの命はなくなるのだろう

(ちぃっ!間に合え‥は?)

「へ、陛下!?」

呆気にとられるグレンとゼーロス

それもそのはず、当の本人がネックレスが外れても生きているのだから

「ゼーロス、私はもう大丈夫です、だから、もういいんです‥」

呆気にとられるゼーロスに対し、微笑みながらそう言うアリシア

その言葉を聞いて安心したのか、両手に構えていた剣を落として、その場にへたりこむゼーロス

そしてこの瞬間、魔術競技祭とその裏で起きていた騒動も終息したのだった

 

 

うまくいったねぇ

(当然ですね)

まぁ何をしたのかというと、5000メトラ離れたところからライフルでアリシアちゃんのネックレスを狙撃したのよ

因みに銃弾は、当たったところの魔術を無効にする術式を組み込んだ銃弾

だからちぎれても何事もなかったのさ

それにしても、ゼーロスのあの何が起きてるのか分からない顔は面白かったね

ま、後はアリシアちゃんがどうにかするでしょ

(取り敢えずここから離れますか)

そやね

キャロリンとそんな話をしながら、私はその場を立ち去った

 

その後の展開だが、アリシアは自身の身に起きたことを一部をぼやかしながら生徒達に演説し、魔術競技祭は無事終了した

因みにアリシアのネックレスをちぎったのは痕から見て銃弾だということが分かり、親衛隊などが調べたが、結局誰が撃ったのかは分からずじまいに終わった

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