「‥ねぇセリカ、一つ聞いても良いかね?」
「何だ?」
「何だってこんなことやってんの?」
「私がしたいからだ、それより動くなよ」
えーどうも、ラクネート・クレーヌです
私が今何をやっているのかといいますと、セリカ膝枕をされなから耳掻きをされています
何?意味が分からないって?安心しろ私も分かんないから
何時も通りに屋上で寝ようと思ったら、セリカに学院長室に呼ばれて来てみたら、ソファーの上で耳掻きを持ったセリカが座ってて、あれよあれよという間にこんな感じになってる
うん、改めて振り返っても意味が分からん
(少なくともこの事を男子生徒が知ったら羨ましがられるでしょうね)
「仲がいいのう、君達は‥」
学院長がそう言ってくるけど、私が理解できてないからね?
「ところで話があるんじゃなかったの?」
「あぁ、そうだったな」
耳掻きの手を続けるセリカによれば、今度クラスに転校生が来るらしく、その転校生はルミアの護衛らしい
で、その転校生の本職は軍人なので、くれぐれもバレないようにフォローしてくれということだった
まぁ別に良いけどね
「ういうい、気が向いたらフォローするわ」
「頼む」
その後は他愛もない雑談をしながらも、耳掻きをされました
まぁその後セリカの耳掻きもしたけどね
「顔が真っ赤じゃぞ、セリカくん」
「‥ほっといてくれ」
「‥上手く馴染めているようで」
(まぁこのクラスの雰囲気というのもあるのでしょう)
あれから数日経って、私は食堂で飯を食べながらキャロリンとそう話す
その視線の先には、クラスメートが楽しそうに食事をしている光景がある
まぁ一回顔出したけど、上手く行ってるようで安心した
「邪魔していいか?」
そんな声が聞こえた方向に意識を向けると、そこにはこれでもかと飯を盛ったグレンがいた
「別に構わないけど、というか先生こっちで食べるんだ」
「まぁな」
(本当はリィエルが心配なようですが‥まぁ言わないでおいた方が良いでしょう)
それには同感
「というかお前もこっちで食べるんだな、何時も見ないからどうしてるかと思ってたが」
座ったかと思うと早速食べ始めたグレンがそう聞いてくる
「ま、今日は偶々こっちで食べようかなって思ってね」
そう言いながら肉を口に放り込む
うむ、ちょうどよい味付けじゃ
「それにしても結構馴染めてるじゃん、転校生」
「‥まぁな、初めはどうなるかとヒヤヒヤしたもんだが」
「あら?その言いぐさだと知り合い?」
「まぁな」
ま、同じ職場で働いてた同僚ってことは知ってるんだがね
「グレン君みーっけ!」
その声と同時にグレンの隣に現れる女性
まぁお察しの通りセラだ
(また夫婦漫才が始まりそうですね)
そやね
「じゃ、後はごゆっくり~」
何かグレンが言ってたようだが、私はそのまま食堂から去った
「ねぇグレン君‥」
「‥あぁ、前にも会ったような気がする‥何者だ、あいつは‥」
「そうだね‥それより!一緒に食べよう!」
「ちっ、しゃーねぇーな‥」
「何もいうな、黙って俺についてこい」
「「「「「「先生‥!!」」」」」」
久しぶりに教室に顔出したと思えばどういうことやねん
「何がおきとんじゃい、一体」
「あはは‥実はね‥」
ルミアの説明によれば、今度の「遠征学習」の場所がサイネリア島にある「白金魔導研究所」になったらしく、それに男子生徒が文句を言っていたところ、グレンが「水着が拝める」的なことを言ったらしく、それでさっきの光景になるらしい
(相変わらずですね‥)
「けど珍しいね、クレーヌさんが教室に来るなんて」
「今日は太陽が出てないから」
「太陽が出てたら来るつもりは無かったのね‥」
「まぁね~♪」
その言葉にシスティーナが頭を抱える
今度頭痛薬でも渡しておこうかね
「そう言えば貴女は参加するの?」
「白金魔導研究所に興味はないけど行くよ?あそこ魚が旨いらしいし」
「行ったことあるの?」
「いや、本で読んだ」
そう返すと、システィーナは頭を抱え、ルミアは苦笑いだけしてた
まぁ本当は何十回、何百回と行ってるんだけどね
「うーみーはーひろいなー大きいーなー」
「何を歌ってるのよ‥」
サイネリア島に向かう船の上で歌う私に、システィーナがそう言ってくる
まぁここに来るまでに、ナンパ師に絡まれたりしたが概ね順調だ
しかしここに来るまでに何であんな日数掛けなきゃならんのかね‥
(車もありませんし仕方ないでしょう)
それにあのナンパ師、アルベルトだったよね
何しに‥って考えるまでもないね
(恐らくリィエルが囮、本命の護衛はアルベルトといったところなのでしょう)
まぁそう考えるのが自然やな
「あの光景よりはマシじゃろ?」
「まぁ‥確かに‥」
そう言う視線の先には
「オロロロ‥」
「大丈夫?グレン君?」
船酔いに苦しむグレンとそれを介抱するセラがいた
グレンに至ってはもう死ぬんじゃないかと思うくらいに顔が青い
因みに何でここにセラがいるのかというと、セリカがグレンの補佐としてつけたらしい
セリカも心配症だねぇ‥
「それより貴女、荷物はそれだけで良いの?」
システィーナがそう言う私の荷物だが、肩からかける小型のバック、これが私の全荷物だ
「最低限の着替えと水着は入ってるから問題ない」
「よくそれに入るわね‥」
まぁ冷凍圧縮してるからこれに入るんだけどね
「何やってるんだか‥」
部屋に寝っ転がってると、システィーナが呆れた口調でそう言っていた
這いずりながらシスティーナのもとに行って外を見てみると、グレンが男子生徒複数を相手にした魔術戦を繰り広げていた
まぁ魔術戦とは言っても『ショック・ボルト』しか使っていないが
「男子生徒が忍び込もうとしたけど、先生に見つかって道を切り開こうとしてるって感じかね?」
「正解、というかよく分かったわね」
状況からしてそうとしか見えん
「というか貴女、普通に立って来なさいよ‥這いずって来た時は何が出たのかと思ったわよ?」
「面倒くさいからねぇ‥」
「ねぇ」
唐突に後ろから声が聞こえたので振り向くと、そこにはリィエルがいた
「ん?どうかしたの?」
「私‥貴女と会ったことがあるような気がする‥」
‥おーう、これは一体どういうことだ?
私、バレるようなことしてないよ?
(まぁあくまでも気がするというだけですから)
それもそやな
というか勘が昔より鋭くなったな‥
「多分気のせいじゃろ、少なくとも私は会ったことないしね」
「そう‥」
その後は普通に他の部屋の連中と色々と遊んだよ
「貴女、もっと他の水着は無かったの?」
「これが一番安かったから」
そう言う私が身に付けているのは水着、因みに一番安い物買ったから黒色だ
少なくともまだリィエルの方が色気があるじゃろうな
「海で泳ぐだけじゃし別に良いじゃろ」
「貴女本当適当よね‥」
(多少色気は出した方が良いとは言いましたよ?)
別にいーじゃん
「お待たせ皆!」
「「「「「おお!!」」」」」
ルミアが待っていたのであろう男子生徒に声を掛けると、途端に男子生徒は目の色を変えて見てくる
まぁこのクラス女子のレベルが高いからねぇ、特にルミア辺りは
セラも結構似合ってるしねぇ
システィーナは‥まぁ‥うん‥
「失礼なこと考えてなかった?」
「イエソンナコトナイヨ?ウミガキレイダナー」
片言でいうとシスティーナからジト目で見られた
因みにその後だが、皆でビーチバレーしたりした
リィエルの殺人スパイクでグレンとカッシュが吹き飛ばされたりした以外は概ね順調だ
(それは順調と言えるんですかね‥?)
さぁ?グレンは気絶したけどセラに膝枕されてたから結果オーライじゃろ
(男子生徒が血涙流してましたけどね‥)
‥あいつそのうち刺されるんじゃないかな
‥やっぱり接触しようとしてたねぇ
(まぁ敵としては妥当な判断かと思いますが)
そうキャロリンと話している視線の先にあるのは、リィエルの兄と名乗る奴がリィエルに接触しているところだった
まぁ会ったことがある私からしたら偽物としか言いようが無いがね
というか待て、あいつイルシア殺した奴じゃねーか
(兄の方は救い出せたのですがね‥)
まぁ‥不可抗力ってやつじゃね
ま、それはいいとしてあいつから引き離すとしますかね