最後の転生   作:狼黒

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人体実験やってるやつはろくな奴じゃない

リィエリの兄と名乗ってる偽物と、それに遭遇しているリィエルの元に近づく

抜き足差し足忍び足で近づいても良かったんだけどそんな気分じゃないから堂々と近づくとしますかね

「やっほーリィエル」

「!?」

「だ、誰だ!?」

おう、そんなに驚くこと?

(貴女は堂々と近づいたつもりでしょうけど、他人からしたらいきなり現れたようなものですよ)

そんなもん?

(そんなもんです)

「だ、誰かな君は」

「こっちの台詞じゃ」

偽物の言葉にそう返す

「え、えっと‥」

「リィエル、悪いけど少し寝ててね~」

そう言って指を鳴らすと、リィエルが崩れ落ちる

「な!リィエルに何をっ!?」

「心配すんなや、寝てるだけだしな」

リィエルが崩れ落ちたのは睡眠魔術のせい、まぁこれは私しか使えない限定魔術だ

「ふ、ふざけるな!今すぐリィエルを‥!」

「黙れや偽者さんよ」

リィエルを片手間に宿に転移させながらそう言う

「な、何‥!?」

「少なくともあいつの兄に当たる奴に会ったことがある、少なくともてめえみたいなくそったれじゃねぇよ」

あいつは自分の罪の重さに耐えながらも、自分の妹と自分の親友を助けようとしてた

ま、目の前の奴がその親友ってのは皮肉なもんだがね‥

「‥糞が!」

そう言って素早く左手を向けてくる

その対応は素晴らしい、だけどね‥

 

それは私じゃなければの話だがね

 

「なっ!?があぁぁぁぁぁ!」

その悲鳴と共に左手を抑えながら蹲る偽物

その左手だが、完全に燃え落ちている

「うーん、やっぱり誤差があるねぇ、オリジナルじゃないし」

そう言いながら左手に炎を灯す

「な、何なんだそれは‥っ!」

「あら?知らない?お前さんたちの天敵とも言える組織のやつなんだけど」

「ま、まさか‥!」

「ま、寝てろや」

そう言って頭を蹴って気絶させる

まぁ多分勘が良い方なのかね‥言ったら気づくとは‥

まぁお察しの通り、さっきのはイグナイト家の眷属秘呪である【第七園】のコピーのようなもんだ

名付けるなら【偽・第7園】ってとこかな

さすがに本家と比べるとコンマ数秒起動が遅れるけど、本家の特徴はそのままだ

まぁ1億回もやり直してるとこれぐらい出来るようになるよ

まぁこれをあの二人に見せた時はすげえビックリしてたけどね

あの二人は元気にしてるかなぁ‥

(それよりこいつどうします?)

ま、それは任せようとしようじゃないの

「居るんでしょ?出てきなよ」

「‥気づいているとはな」

そう言いながら木の陰から出てくるのはアルベルト

滅茶苦茶警戒してるねぇ‥

「そう警戒しなくても良いじゃん、取り敢えずこいつ任せるね」

「‥どこに行くつもりだ?」

「白金魔導研究所、後は言わなくても分かるでしょ?」

「‥」

黙ったってことは良いってことかね

「じゃあね~」

そう言って私は白金魔導研究所に向かった

 

(あの雰囲気‥どこかで‥)

転がっている外道魔術師を拘束しながらアルベルトはそう考える 

あの雰囲気はまるで昔の同僚のような‥

(いや‥まさかな)

そう考え、拘束した外道魔術師を連行することにした

 

「くそ!やつはまだか!?」

そう周りに当たり散らしているのはバークス、この研究所の所長だ

この研究所は表はまともな研究をしているのだが、裏では天の智慧研究会に資金を流し、異能を持った人物を人体実験に使うという非道な研究をしていた

今回、とある人物から魅力的な交渉を持ちかけられた為、その実験体を待っているのだが一向に姿を見せない

それどころか、その交渉してきた人物すら姿を消していた

「くそ、一体何処に‥!」

『どーん!』

バークスがイライラしていると、突如壁が吹き飛んだ

「な、何だ!?」

「おーおー、派手に吹き飛んだねぇ」

土煙を掻き分けながら現れたのは、今日ここに見学に来ていた生徒の一人だった

 

いやぁ、まさかこんなに土煙があがるとは 

(そりゃ思いっきり爆発させたらそうなるでしょう‥)

「き、貴様!どうやってここに!?」

おー、予想通りいたなぁ、グズ外道が

「何って‥そりゃ普通に通ってきたんだけど?」

「ば、馬鹿な!あそこには私の傑作が‥!」

「あぁ、あの気持ち悪い連中のこと?奴さん死んだよ」

「なっ‥!貴様何をしたのか分かっているのか!?」

ちょっと何言ってるのかよく分からない

「知らねーよ、取り敢えずてめぇが外道だということだけは分かった」

罪もない連中を実験に使ってしかも罪悪感が無いとかさ‥私が一番嫌いな奴だよ

「ということはあの実験体も‥!」

「救ってやったさ、少なくともてめぇの不利益にしかならんようにね」

「許さん‥許さんぞ貴様ぁ!」

そう言って注射器を自分の体に突き刺した外道

するとその体が滅茶苦茶筋肉モリモリマッチョになっていく

ハゲの筋肉モリモリマッチョとか誰が得するんだ

「フハハハハ!今までの傑作を集めた!これで貴様を殺してやる!」

「あっそ、『死ね』」

その瞬間、目の前のハゲが文字通り内側から爆発四散した

うわー、きたねー花火だぜ

(呆気ないですね‥)

しゃーねぇ、話してただけで気持ちが悪い

(まぁ同感ですが)

さてと、後はこれでやるか

そう言って通信魔器を取り出す

この通信魔器は特務分室に繋がるようになってる

まさか持っていたなんて思ってないけどさ

『あーあー、えーと聞こえてる?』

通信魔器を起動すると、そう伝える

壊れてないから恐らく特務分室の連中に聞こえてるはず

『サイネリアで多数の民間人を保護、それと白金魔導研究所のバークスが人体実験、後はよろしく』

そう言って通信を切る、まぁ後は何とかなるでしょ

 

「‥まさか」

「姉さん、それより‥」

「‥うん、分かってる、直ちに召集して」

 

何か物々しい連中がサイネリアに上陸してきたことと関係があるのか分からないが、サイネリアからの避難命令が出された

急の避難命令に戸惑うものも居たが、逆らうわけにもいかず、大人しく指示に従うことになった

なお、私のクラスは船の都合により1日遅れることになり、1日の自由時間が出来たことによって、やることは決まった

 

「皆元気だねぇ」

(そうですね、目の保養になるとか思ってませんよね?)

「‥オモッテナイヨー」

(何で片言なんですか‥)

クラスメートの連中がビーチバレーをしているのを木の影で寝転びながらキャロリンとそう話す

リィエルも吹っ切れたのか、はたまたグレンから自分が何者なのかを聞いたのか知らないけどまぁ皆とわちゃわちゃやっている

ま、一歩成長したって感じかな

(それにしても帝国も対応が速いですね)

ま、あの連中多分特務分室のメンバーでしょ

因みにあのハゲに拉致されていた民間人だが、私が魔術で治療した後にちと眠ってもらったから無事だ

今頃特務分室に保護されてると思うね

(アルベルトがグレンと話していますね)

あ、ほんとだ

というか本当に変装のバリエーションが多いね‥

(そっちでも食べていけそうですね)

確かに

「クレーヌ!」

お、システィーナが呼んでるから行きますか

(スイカのようですね)

ま、ビーチで食べるものと言ったらそれだよね

 

「ラクネート・クレーヌ‥あいつには気を付けろ」

「はぁ?何でだよ」

「‥バークスが人体実験をやっていたことに気づいていた」

「‥!?」

「得体が知れない‥恐らくだが‥」

「‥へっ、誰が何と言おうとあいつは俺の生徒だ、それ以外でも何でもねーよ」

「‥‥警告はしたぞ」

 

いやぁ、サイネリアは暑かったねぇ

(ここが涼しいだけでしょう)

そうかね?まぁそれよりかは‥

(遠くから監視されてます、恐らく特務分室のメンバーかと)

ま、あんだけ暴れたらそりゃそうなるか

(確かにハゲを殺したり、リィエルの真実をほのめかすような事を言ってたらそうなりますよ)

ま、悪いことはしてないから別に良いや

それよりも面倒なのがね‥

(あの胡散臭い貴族ですか?)

まぁね、もう怪しいとしか言いようがないぜよ

‥という待て、あの御者って

(‥解析完了、ジャスティス=ロウファンに間違いありません)

‥おかしーな、あいつは確かにぶち殺したはずなんだが

(貴族の解析も完了、あの貴族ですが、『天使の塵』によって操られてます)

‥あーらら、じゃあもう助からんな

(どうします?)

取り敢えず様子見、多分だけどあいつの狙いはグレンだと思うし

(手出しをしてきた場合は?)

そりゃ無論

 

叩き潰す(叩き潰しますよね)

 

なーんだ、分かってるんじゃん

(長い間貴女と居ますから)

今の台詞妻みたいだね

(つ、妻‥///)

ま、しばらく様子見、何かしてきたら叩き潰す

(了解しました)

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