名探偵マヤノトップガン    作:激辛党

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出題編……5

チーム<ブルームス>所属 タイキシャトルへのインタビュー

「ハーイ! マヤノ! 今日の練習メニューは何デースか……エ? インタビュー? 今からするのは、例の事件についての聞き込み? オウ、ソーでした。確かに朝ご飯の時にそんな約束をしましたネ~。うっかりうっかり。

 デスガ、ワタシの知っていることはもうほとんど話したつもりデス。……世間話程度にしてくれればいい? それだけでもマヤノの力になる? 

 グゥレイト! そういうことであれば、ワタシ何度でもマヤノとお話しますデース! ナニナニ? まずはあの日どういう行動をしていたか、改めて? えーとデスネ、十五時十五分……頃デシタね。ちょうどその辺りでライスシャワーと一緒に、第三グラウンドへの移動を開始シマシタ。確か、食堂で軽食を取った後デシタから、そこから校舎を――。アレ? このこと言ってなかったデスカ? そうなのデース、午後の授業が早めに終わったから、ワタシとライスとフクキタルの三人でおやつタイムしてたんデス! 

……せ、責めないでくだサ―イ……。マヤノだってもちろんお呼びしようとしたのデスが、ライスが『マヤノちゃん、今日の放課後は大事な練習があるって言ってたから、邪魔しちゃ悪いよ』と……」

それは全くその通りである。私はその日の放課後、ライスシャワーに今日はチームトレーニングに付き合えないと釘を刺していた。ただし、その内容についてはインタビュー……というか事件とすらまるで関わりがないので、今回は省く。

「そのおやつは何だったか、デスか? 事件に関係ありマスカそれ? あわわそんなに睨まないでくだサイ。確か……ワタシはチーズたっぷりのハンバーガーで、ライスが定番のショートケーキ。フクキタルは……なぜかエンドウ豆をチョイスしていマシタ。何でも今日のラッキーカラーは緑だとかなんとかおっしゃってマシタから、よく覚えてマス。……食堂の込み具合? うむむ……結構色んな人がいマシタね~。オグリキャップはいつもの事として、後はメイショウドトウ、アグネスデジタル、それと……そうそう! エルコンドルパサーもいマシタ。皆、お昼って時間でもないのに個性豊かなおやつを食べてて。あ、そこも気になりマス? ん~でもさすがに他のテーブルの方々の料理ともなると、ワタシも記憶が曖昧デース……。

 じゃあ他に印象的なことは無かったか? そうデスね~メイショウドトウが、やたら落ち込んでたような気がシマース。事情は深く聞きませんデシタが、こう……どよよ~んと暗い顔で、ぱくぱくしてマシタね……。そう思い出しマシタ! メイショウドトウは骨付きのチキンを食べていたはずデース。それの油で、服を汚しでもしたんデショウかね? ドトウが暗い顔なのはいつもの事? それは違いマス! ドトウはよく見たら結構色んな表情をしていマスよ? レース前はきりりっとした感じデスし、勝ったらそれはそれは嬉しそうに笑いマース! 

 むむっ? また記憶がちょっと蘇ったのデスが、そういえばエルコンドルパサーもあまり良い顔をしていなかった気がシマス。不思議デスね~三時のおやつタイムと言えば、皆さん満面の笑顔なのがトレセン学園の良い所だったはずなのデスが……。思い返せばあの日はそういったとこも、どことなく不穏な気配がありマシタ……。

 ところで、こんな話が本当に役に立つのデスか? 全然、事件と関係無いと思うのデスが……。あ、やっぱり? マヤノもそう思ってマシタ?

 では本題に戻りマシて……おやつを終えてワタシ達は三人仲良くグラウンドへ向かっていたところ、フクキタルが食堂に忘れ物をしたと言い出したのデス。レースでいつも背負っているベリーキュートなあの招きキャットのリュック……ニャーさんでしたか? あれをついつい忘れてきたと。エンドウ豆の粒を均等に六角形に並べるのに集中し過ぎたせいで、ニャーさんを失念してしまったようデシタね。あれはいったい何のイニシエーションだったのでショウ……? え? 知らない方が良い事もある? オウ、東方の神秘というやつデースね。

 仕方が無いので、三人で戻ろうとしたらライスがこう提案してきたのデス。『じゃあ私が先に行って、準備を済ませておくね? 時間制限もあるんだし、行ったらすぐに始められるようにしてた方がみんな助かるよね?』と。渡りにシップのアイデアではありマシタが、それではライス一人が大変デス。ワタシは別に大丈夫と言ったのデスが、止めるより先にライスは走り出していマシテ……。もしかしたら、前のレースの結果を気にしていたんでショウか? 最近、ライスはどことなく悩みがちな雰囲気がありマシタし……。あんなに気張らなくたって、ワタシはライスのことが大好きなのデスが……。

 後はもう、マヤノも知っての通りデース。ワタシがフクキタルと一緒に第三グラウンドに到着した時には、もうライスは泣きじゃくるばかりの状態デシテ……。リトルココンもビターグラッセもこっちの話はまるで聞いてくれマセンし。まさしく、手の打ちようがないというやつデス。マヤノがいなかったらどうなっていた事やら……。あの時は本当に助かりマシタ。あの大見得、とってもカッコよかったデース! そんなに照れないでくだサ―イ、ホラ、むぎゅ~~」

 これではインタビューにならないので、抱き着いてくるタイキシャトルをどうにか引き剥がした後、質問を続ける。

「え? ライスが何かを言っていなかったかって? う~む、そうデスね……。ごめんなさいって言葉だけは、もう聞いてるコッチが参っちゃうくらい耳にシマシタが……。ああでも日向がどうとか、蓋がどうとかはぽろぽろ言ってマシタね。ムム? そこは重要なところだから、もう一回聞いておきたい? えーっと……『私がグラウンドについたら、水筒が一つぽつんと日向のコンクリートの塀の上に置かれていた。それを日陰に持って行こうとしたら、コケて地面に放ってしまった。その時、水筒は運悪く蓋が空いていたらしくて、中身が全部零れだしてしまった』デシタ。途切れ途切れの話デシタから、正確ではないかもしれマセンが……。え? だから蓋を開けたのはライスではないのかって? それはそうデショウ! 水筒を移動させるだけなのに、わざわざ蓋を開ける理由はありまセン。……アレ? でもそうすると、最初から蓋が開いていた事になりマスね。落ちた衝撃で、蓋が開くというのも考えづらいデスし。

……いや、いやいやいや! ライスが犯人ということは有り得まセン! だって、あんなにライスは良い子なんデスから! そのライスがっライスが……あんなに頑張り屋で、人のことばっかり考えていて、優しいガールが……。誰かを傷つけるなんてことはスカイがフォーリングしてもっ! 絶対にナッシング……そのはずなんデス……」

タイキシャトルが泣き出してしまったため、インタビューは中断した。

 

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