東方茜日誌   作:ミユメ

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【第10話】 紅魔館の門で暴れる

~茜 視点~

 

 

 

 

 

深夜、上空

 

 

 

 

 …あ、どうもこんばんわー皆様方、今私は紅魔館に向けて深夜を猛スピードで飛んでるよ!

 ただ…レミリアとフランが気絶しました。

 真夏の記憶掘り起こしたんだけど、真夏の時も誰かを運ぶときに飛んだらその人、気絶してるって言う記憶が何回も出た。

 あげくの果てには同じ天狗なのにも関わらず、その天狗も気絶すると言う恐ろしいスピード…

 私は真夏の記憶と感覚があるから普通なんだけど、その普通が尋常ではないそうだ。

 さっすが、真夏だなー…

 …さて、もう50分ほど飛んでるとは思うのだけど…まだかなぁ?

 …ん?

 赤い屋敷が見えてきた。

 いや、赤い屋敷が見えてきた、ではなくもう目の前に赤い屋敷がある。

 …やっぱ速すぎワロタ

 私は紅魔館をぐるりと一周して、紅魔館の門へと続いている一本だけの道に私は降りた。

 はて、門の近くに何か、うじゃうじゃとたくさん何かが居る。

 

 

「…グールと、雑魚の妖怪かなー?」

 

 

 グール…吸血鬼に血を吸われ、死ぬことで下僕となった屍だ。

 雑魚の妖怪は、まあ余裕ねー…けど

 

 

「あの中に美鈴居るのかなー…会っては見たいけど、確実戦闘になるわね」

 

 

 私は道の端っこの一本の木に、レミリアとフランをの背中をもたれさせる感じで寝かせた。

 その後、私の着ていた白の天狗服を上から置いてあげる。

 別に脱いでも、あと黒い…タイツだっけ…があるから大丈夫…うん。

 レミリアとフランを見た後、私は門へと目を向けた。

 

 

「さて、と…ふふ、楽しくなりそうねー!」

 

 

 物質能力で地面の土を槍に変えて、私は門の周りに居るグールや雑魚妖怪達に向かって、翼を使って進む。

 

サシュッ!

 

 

「まずはひとーりっと! 」

 

 

グサッ!ジュシュ!

 

三人、四人、五人!

 

 次々とグールや妖怪を、突いたり凪ぎ払ったり、時には殴ったりで倒していった。

 

 

「まったく、多いわねー…なんで行く前にこんな雑魚が多いのかしら?」

 

 

 愚痴を言いながらも、攻撃を続ける。

 喉を刺したグールを横に投げつけ、木にぶつければ、そのグールは破裂する。

 これはグールだからそうなる訳ではない…私がある程度の力で投げつけているから破裂する。

 …じゃあ本気でするとどうなるのか?

 試してあげよう。

 

ザシュ!

 

 私は妖怪の右胸に槍を突き、貫通していた。

 グールではなく妖怪の理由は後でわかる。

 槍に貫かれたそいつを本気で横に投げつけ、槍が抜けずに…半分が折れた。

 

ビキッ!!バキバキッ!バキッ、バキッ…バキッ………ドシャ…

 

 そして、投げつけた妖怪は木を次々と倒しながらも進んでいき、最後はかなり奥でドシャっと、やっと宙から落ちた妖怪の倒れる音が…

 分かるかな、これグール相手にしたらこっちまで何か肉の塊とかいろいろ飛んでくるの、だからこうしてグールではなく妖怪にさせた。

 妖怪は程々に頑丈だからね。

 じゃあグールには手加減して妖怪には本気で行けば良いんじゃないのかって?

 気分だよ、手加減慣れないといけないし…

 それにしても多い、多すぎる。

 

 

「あー、もー…何で私突撃なんてしたのかなー?」

 

 

 能力使っておけば良かったかな…うーん。

 っと、考えていたら…

 

 

「私が相手です!そこの妖怪!!」

「ん?おっと」

 

 

 突然、女性の声がした。

 私はその声がした方へと振り向いた。

 瞬間、その声の主であろう女性が私の顔面目掛けて下から蹴りを放ってきたので、私はそれをバク宙して避け、距離を取る。

 

 

「…この紅魔館に来た理由はなんですか?」

 

 

 お、おぉ、美鈴だぁあ!

 …ただ、帽子ない…けど緑のチャイナ服で赤髪、だから間違いないねっ!

 …で、来た理由なんて言おうかしら…あ、こう言おう。

 

 

「この紅魔館の主であるクソ爺に会うためよ」

 

 

 私は笑顔でそう言った。

 すると、なんだか少し騒がしくなり…

 

…ガサッ!…ガササッ!!ガササササガササガサッ!!!

 

 ………気付くと、グールや雑魚妖怪が森の奥へと逃げて行った。

 怖かったかな?

 

 

「…何のために?」

「……自分の子供を売るような親だなんて、黙って見てられないから、よ?」

「………………」

 

 

 あれ、何か私変な事言った?

 言って、ないよね??

 

 

「でしたら、私を倒してから行って下さい」

 

 

 あー…やっぱしそうなっちゃうのねー…

 別に全然構わないけど

 ちょっと、能力なしで戦おうかしら。

 となると能力で作った土の槍(半分壊れ)無しで格闘だね。

 それにしても、格闘かー…真夏の記憶でも格闘だなんて実戦されてないなー

 そう、実戦されてないだけで練習はしていたそうだ。

 じゃあ、やってみようかしら?

 私は槍を捨てて、格闘である構えを取ることにした。

 この構え…大丈夫?構えっていうのかな?

 けど、真夏の記憶と感覚を頼りながらする限り、この構えがしっくり来るっと言う感じになる。

 …ていうか、真夏の戦闘記憶ほぼ全部カウンター主で投げ技じゃん……

 

 

 

 

 

~美鈴 視点~

 

 

 

 

 

 

 

 彼女が、紅魔館の門で暴れていた。

 何でも…この紅魔館の主に話があると行って笑顔で言ってきた。

 その笑顔には、同時に殺気も放たれているようで、それを見たグールと妖怪が逃げていった。

 私も怖かったが、門番とて、殺気も慣れなければならない

 彼女が、主と話がある。そう言っていたが、たぶん話だけではすまないであろう。

 

 

「でしたら、私を倒してから行って下さい」

 

 

 その言葉を合図に、私は体を右に向けて、左手を前に出し、右手を握りしめ、腰に当てて構えた。

 彼女は槍を捨てて、体を真正面に向けて両腕は構えずにしている。

 正直、あんなもので大丈夫なのかと、敵側の私が思ってしまった。

 

 

「…………………」

「…………………」

 

 

 私も、彼女も動かず、じっと相手を見ているだけだった。

 様子見と言う手はよくあることだ。

 っと、彼女から動きだした。

 しかも、普通に歩いてだ…私は分からなかった。

 なぜ歩いてくるのか、それも構えなど取らずにだ。

 ……とうとう、彼女は私の蹴りが当たる範囲まで来ていた。

 私は何の迷いもなく、一回転して右足の踵で彼女の顔面を狙った。

 

ビュン!

 

 しゃがまれた。

 しかしまだまだ!

 右足が地面に付いた瞬間に左足で凪ぎ払うように蹴る。

 

ビュン!

 

 今度はジャンプをしてきた。

 だが、好都合であった。

 私は左足の遠心力を頼り、右腕の裏拳を彼女にお見舞いさせる。

 …しかし

 

パシッ!

 

 彼女が私の右腕を掴んできた。

 

 

「よっと」

「ッ!?」

 

 

ドンッ!!

 

 彼女が私の右腕を両腕で掴んで、投げ技を使ってきた。

 背中から地面に叩きつけられ、思わず声を出してしまうところであった。

 

 

「―――――――ッ!!」

「あら、案外我慢強いのねー」

 

 

 彼女が少し驚いていた。

 しかし、本当に痛いものだ。

 普通ならば声を出して痛いと言いたいが、そんな弱音は吐きたくない。

 彼女は私の右腕を離してきた。

 私はまだ諦めないと言わんばかりに、体をすぐに起こし、彼女から距離を取った。

 

 

「うーん、やっぱし力の加減が難しいわねー…」

「手加減だなんて、私を舐めているんですか?」

「いやー、だって貴女殺したくないし?」

「…どういう意味ですか」

 

 

 彼女は、私が死なない様に手加減をしているそうだ。

 私は彼女を殺す気で行っているのに…!

 私は彼女の思考が読めなかった。

 何故手加減するのか、殺しに来ないのか…

 

 

「そうねー…強いて言うなら私の好奇心?」

「ふざけているんですか?」

「私は至ってまともよ?」

 

 

 好奇心で手加減をして殺さない?

 ふざけている。

 私は怒りを隠せないでいた。

 しかし同時に恐怖がある。

 彼女の思考が読めない、読めないともなると、次はどんな攻撃をしてくるか分からないのだ。

 

…………スタ、スタ

 

 彼女が歩いて来た。

 固そうな靴で、地面を歩いて…私に歩み寄る。

 

スタッスタッスタッ

 

 無防備で、歩いてくる。

 どうしよう、どうやって攻撃しよう?

 …何故私は迷っているのだ。

 そのまま彼女が近付いてくるならば、足なり拳なりで攻撃すれば良いじゃないか。

 

スタッスタッ

 

 あと3歩で私の攻撃出来る範囲となる。

 私は静かに、構えを取った。

 

スタッスタッ

 

 あと1歩…

 

スタッ

 

 来たっ!!

 私は右足を一歩前に出し、右拳で彼女の鳩尾(みぞおち)目掛けて殴る。

 …しかし、彼女は右に避けたかと思うと、私の右腕を素早く掴んできた。

 また投げ技か!?

 私はそう思い、左足で彼女に蹴りを放つ。

 だが、タイミング良く彼女が右足で私の右足を払ってきた。

 バランスを崩した私は宙に浮かれて、そのまま、また地面に背中から叩きつけられた。

 

ズドーーンッ!!ビキッ

 

 今度は本気で叩き付けてきたのであろう。

 背骨が折れる音がした。

 

 

「ガハッ!?」

 

 

 私は堪らず、吐いた口から血が出るのが見えた。

痛い、壮大に痛い。

 

 

「ありゃ、今度は行きすぎたかな?」

「……ッ!」

 

 

 何も声が出せない。

 激痛のせいで、私の思考は全て消えてくる。

 彼女は不安気な顔で、私を見てくる。

 

 

「どう?もう動けないんじゃないかしら?」

 

 

 私は体を起こそうとするが、背骨がやられているせいで腕に力を入れようとすると、痛みが走る。

 とても起き上がれそうにはなかった。

 

 

「…無理……」

「そ、じゃあこれで私の勝ちで良いわね、門開けるわよー」

「待って、下さい…」

「?」

 

 

 彼女が門へと向かおうとする。

 しかし私はただ1つ認められなかった。

 

 

「私を倒して(殺して)から行って下さい、と言ったはずですよ?」

「貴女もめんどくさい人ねー…」

「それが、門番の役目です…!」

 

 

 そう、私は門番…

 門を守るのが私の役目なのに、それが無理だった以上、私は存在価値などない。

 

 

「そうねー……」

 

 

 彼女が考え出した。

 何を考えている。

 私を殺せば良いだけの事なのに、どうして迷う。

 妖怪や、グールを殺した感じで私も殺せば良いのに!

 すると、彼女は何か閃いたかのように、地面の土を槍へと変えて、私に向いて、私の顔目掛けて投げてきた。

 

ドシュッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

~茜 視点~

 

 

 

 

 さて、構えを取ったのは良いけれど…この構えはカウンター専用とか……

 相手近付いて来ないと意味ないじゃん!

 と、言うわけで…私は美鈴に歩いて近付く。

 別に歩いていても、カウンターも投げ技でも出来るのだ。

 真夏、お前どんだけカウンターと投げ技熟知してんの…

 私は美鈴の目を見ながら近付き、あと一歩のところで、美鈴が一回転して右足の踵で私の顔面を狙ってきた。

 別に今からでもカウンター出来るんだけど、何処まで避けれるか試してみよう。

 しゃがむ、今度は左足で凪ぎ払いをしてきたので、ジャンプする。

 …あ、ジャンプしてしまった。

 これはまずい。

 美鈴は"勝った"っと、言う表情が一瞬見えて、右拳で裏拳を放ってくる。

 …けど、ごめん

 ジャンプ中でもどうにかは出来るんだよね。

 私はその裏拳の勢いを殺して、掴み、そのまま地面に叩きつけた。

 ちゃんと加減をすることを忘れずにね?

 

ドンッ!

 

 地面に叩きつけた音がなり、私は美鈴の表情を見てみるが、少し苦痛の顔が見えたが、声を上げなかった。

 あら、案外我慢強いのかしら、それともあまり効いてない?

 私は試しに掴んでいた右腕を離すと、直ぐに起き上がって私から距離を取った。

 あまり、効いてないのかな…

 やっぱし力の加減って、難しいわねー…

 なんで難しいか?

 真夏ったら、今まで力の加減だなんてしたことないんだよっ!?

 グールとか雑魚妖怪相手でもそうだったけど、どんな相手にも本気で相手してたらしくてね…

 お陰で慣れるのに時間が掛かりそうだ。

 と、愚痴を言っていたら、美鈴が何故私が手加減しているのか質問をしてきた。

 答えだなんてもう決まっている!

 

 東方に出るキャラクターは全員殺したくないんですっ!!

 

 …なんて意味の分からない事を言っても仕方がない。

 なので私は、好奇心で手加減をしている。

 そう言った…

 別に間違ってはいないでしょ?

 好奇心で東方のキャラクター殺さない

 うん、間違ってはいないよね。

 見ると、美鈴は私を睨んでいるのが見えた。最初なんかよりも、強く…

 うわー、私やらかした?

 あ、そか、今は戦闘中だから愚痴を言った事に苛立ったんだね。

 ごめんごめん。

 私はまた美鈴に近付いて歩いていく…

 何か焦ったかのような表情をしていたが、急に元の構えを取った。

 …ごめんね、なんか……急に歩いてきたら戸惑うよね?

 

スタッ

 

 美鈴が動きだした。

 右腕でストレートか…じゃあ私は左に避けようっと。

 私は左に避け、素早く右腕を掴んだ。

 ま、けど…こんな投げ技、二度も通用しないよね。

 だから私は右足で、美鈴の脚を狙って、バランスを崩させた。

 何か凪ぎ払おうとする時、左脚浮かせてたけど蹴ろうとしたのかな?まあ良いや。

 少し小細工を付け加えた同じ投げ技を私はした。

 今度はルーミアの時と同じ3分の2の力でだ。

 

ズドーーンッ!!ビキッ

 

 大きな音がした。

 地面に叩きつけただけなのにどんだけー…

 っていうか、なんかビキッって音したけど、もしかして背骨折れたのかな…ごめんよ、美鈴。

 けど、とりあえず勝敗付いたんだし、後で美鈴を助ける事にしよう…

 って事で門に出発ーっと

 

 

「待って下さい」

 

 

 突然呼び止められた。

 え、なに…?

 でも何か、聞いても嫌な予感しかしない。

 

 

「私を倒して(殺して)から行って下さい、と言ったはずですよ?」

 

 

 うわー、門番めんどくさー…

 っと私の心で愚痴ってしまった。

 いや、本当にどうしよう…うーん

 ……そーだ、こうしよう。

 私は地面の土を物質能力でまた同じ槍を出した。

 そして…

 

ドシュッ!!

 

 地面に刺さった。

 そう、地面だ、美鈴の顔の横をスレスレの所に投げた。

 

 

「これで貴女は一度死んだわ、意味がわかるかしら?」

「…ぇ?」

「だーかーらー、貴女は今ので死んだのよ、だから生まれ変わり、今は無職のただの妖怪!わかった?」

「…………」

 

 

 美鈴が黙ってしまった。

 今のはまずかったのかな…あれ?なんか美鈴の目に少し涙溜まってる。

 

 

「……私は、これからどうすれば………」

「そうね、じゃあ…あの子達の世話を、貴女が一生しなさい、それが貴女の仕事となるわ」

 

 

 私は木に寝転んでいるレミリアとフランを指して言った。

 

 

「あれは、レミリアお嬢様と…妹様……」

「そうよ、さあ、行ってきなさい。背骨に関しては私が直すから」

 

 

 物質能力で、私は美鈴の背骨を元の形へと戻す。

 すると美鈴は立ち上がった。

 

 

「…凄い」

「私の能力よ、まあそんな事は朝飯前って所かしら?…今、夜なんだけどね」

 

 

 私は笑顔で美鈴に言う…あ、そーいえば

 

 

「自己紹介がまだだったわね!私は紅夜 茜、見ての通り天狗よ」

「あ、私は紅 美鈴と言います!元は門番だった、不甲斐ない者です!」

 

 

 美鈴が頭を下げて自己紹介をした。

 あはは…まあ原作ではどっちにしろ門番になるんだけどね……

 

 

「うん、じゃあ美鈴、レミリアとフランをよろしくね?」

「はい!」

 

 

 私は美鈴の強い返事を聞いた後、門へと歩いて行ったのだった…

 

 

「さて、クソ爺をどうとっちめようかしら?」

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