~茜 視点~
紅魔館、門近く
…んー?
どうもどうも皆様方こんばんわ。まだまだ深夜が続いております。
さて、えーと…アイツなにしてんの?
門を開けて、中に入るのは良いんだけど…
…吸血鬼の親玉?らしき奴が館の屋上で宙に浮いて月を見ていた。
月は満月だった…
どうしよう、あのまま殺そうかな……
「今日の夜は、少々騒がしいな……ん?」
あ、バレた。
いや、それで良いんだけど…ね?
「なんだ貴様は…門番は何処に行ったのだ」
「門番ならもう居ないわよ?」
「…そうか、貴様が殺したのか?」
「えぇ、一度殺したわ??」
「そうか…」
白髪で荒々しい黒服を着たあのクソ爺…
はぁ、会話してるだけなのに、どっと疲れる。何でかしら……
そこで、クソ爺が私を見たままにやついてきた。
うわっ、きも!
「貴様、私の下部とならないか?」
「はぁ?」
なに?下部??
つまり下僕?
どうせあのクソ爺、私を性的な考えで言ったらしい。
レミリアとフランには悪いけど、私このクソ爺殺したいわ…
あ、でももうレミリアもお父様って呼ぶの止めてたよね。
それにあのクソ爺は東方のキャラクターでもないし、殺してもいっか。
「どうだ?下部となる気は」
「ふふ、残念だけど、私は誰の下部にもなる気はないわ…それよりも、貴方に聞きたいことがあるの」
「ほう、なんだ」
下部となるのを笑って却下し、次に私は真剣な顔で問い掛けた。
「貴方、自分の娘を売るだなんて…正気なのかしら?」
私が今の今まで聞きたかったのは、この事だ。
さあ、なんと言う…
「…あのレミリアとフランドールか、ふん、あんな出来損ない、私の代をも引き継げる訳がないであろうに、吸血鬼と言うのは、誇り高くてこその妖怪だ。その吸血鬼とのあろう誇り高き妖怪が、あんなわがまなでは駄目なのだよ」
ほう?レミリアが気高くはないと…
確かに我儘で、身長は子供並で、血は上手く飲めなくて……
い、いや…取り敢えずカリスマ性ではレミリアだ、うんうん。
それでも、そんなレミリアでも、娘を捨てるのは許されない。
アイツはもう要らないと言っている。
だったら…
「あーらそう、じゃあ貴方は死ぬことね?」
「ふん、天狗の分際で何が出来る」
天狗の…分際……?
言ってくれるじゃないの。
「…その言葉、後悔するのね」
私はアイツを標的にし、切断能力を使う。
"飛行を切断"
…すると突然、アイツは上空から落ちていく。
「なっ!?何故落ちる!!」
めちゃくちゃ焦ってるわね、ふふ、良いわねー♪
…っと、危ない危ない、フランと同じく狂気に侵される所だったわ……
ズドーーン!!
私の前、紅魔館入り口近くに落ちてきた。
落ちてきた後に出てきた煙が晴れて行き、出てきたのは顔に血管の筋が少々見える爺が立っており、私をギロリと、殺気の睨みを見せる。
「くっ、貴様!!」
「あらあら、怖い」
「血を一滴残さず吸い付くしてくれるわ!!!」
突然、あのクソ爺の体がコウモリに何十何百もの数になり、そこにアイツは居なくなった…
そうね、じゃあこうしようかしら。
私は物質能力を使う。
"コウモリ全てを地面に縫う"
能力の効果はすぐに現れ、コウモリ達は一気に地面に吸われるかのように、地面にくっついた。
「残念、貴方じゃ私には勝ち目ないと思うけどなー?」
…………………………
返事はない。コウモリになったら喋れないのかもね。
と、そこでコウモリが溶けるように黒くて不気味な色の液体になった後、一ヶ所に集まって行く。
そして、あのクソ爺の体に倒れている状態でなり、立ち上がる。
まあ、私が地面に縫わせたのはコウモリだけだから、元の姿に戻られたら、そんな効果は意味がない。
「チッ!やってくれるではないか…」
「えぇ、それはどういたしまして」
こんな意味もない戦いは好きじゃないのよねー…もう一気に殺そうかしら?
…いや待てよ?
こうしようかしら。
「もう貴方めんどくさいから、色々封じさせてもらうわね?」
「何ぃ!?」
"コウモリになるのを切断"
"体の自由を切断"
…これで動けないでしょうね。
ドサッ
アイツが倒れこんだ、まあ自由を奪ったんだし、当然かなー。
「貴様、私をどうする気だ!」
「私はどーもしないわよ、後はレミリアとフランにまかせるだけだし?」
「何がしたい!!」
「さぁ…?」
おぉおぉ、怖い顔…さて、レミリアとフランの所に行こうかしら。
私は後ろに振り返り、翼を大きく打ち、レミリアとフランと美鈴が居る所へ向かった。
~レミリア 視点~
私は、茜が勢い良く飛んで、そのスピードに堪えきれず気絶をし、今起き上がった。
白い服が、私とフランの体を覆っており、何故か木にもたれて居た。
「あ、お嬢様、大丈夫ですか?」
「ッ!?」
起きて、隣には赤髪で少しボロボロな緑の服を着た女性が座っていた。
誰なのかも分からず、私は咄嗟の思いでグングニルを出した。
「お、落ち着いて下さい!私は紅夜 茜さんに頼まれてお嬢様と妹様の面倒を見ろと申されただけですので何もしませんから!!」
「茜が?」
茜が、彼女に私とフランの面倒を見ろと言ったのであろうか…
茜は、そうだ茜は!?
「茜は!?茜は何処に行ったのよ!!?」
私の頭の中には最早、茜の事しか考えられておらず、彼女を揺さぶって聞く。
彼女は少し驚き、虚ろ目となった。
「…茜さんなら、紅魔館の中に行かれました」
「ッ!?」
紅魔館に?
お父様に会うためなのかしら…だとすると……
「ぅ、ぅーん……」
「フラン!」
そこで、フランが起き出した。
フランは少し寝惚けた顔で周りを見て、最後は彼女をぼーっと見つめた。
「…貴女はだーれ?」
首を横にし、問い掛けた。
そう言えば彼女の名前、まだ聞いていなかったわね。
「あ、私は紅 美鈴と呼びます!元は門番だった者です」
「門番?」
「はい、あちらの紅魔館の門番をしておりました」
そう言って、美鈴と言う者は紅魔館に指をさす。
「何で元なの?」
「あはは…実は、茜さんに敗れて、私に新しい仕事を与えてくれたんです…茜さんは私の救世主ですよ」
「そーなんだー」
フランが次々と質問して行ったが、その全ての質問を美鈴は素直に答え、最後の質問では何か照れ臭そうに言っていた。
っと、そこで…
バサッ!バサッ!スタ
茜が、紅魔館の方面から私達の所へと降りて、ブーツが地面に付いた音がし、私達に歩いてくる。
「いやー、良かったわ…起きていなかったらどうしようかと思ってた」
「あ、茜さん、どうでしたか?」
美鈴が茜に質問をする。
どうっと、言うのはたぶんお父様との対面はどうだったのかについて聞いたのであろう。
「えぇ、まあほんの少しだけど、懲らしめたには懲らしめたわ、今は紅魔館入り口前で私の能力を使って動かせないようにしてる」
「そうなんですか…」
「で、まあ私はそれで良いの…問題は此処からよ?レミリア、フラン…来なさい、美鈴もね」
何が問題なのか、愚問に思いながらも私達は茜に着いて行き、紅魔館へと歩いていった。
少女移動中…
門を抜けて、私達はお父様が倒れている所へ向かった。
そして、前方で歩いていた茜がそこで立ち止まって私達に振り向き、私とフランを見た。
「レミリア、フラン此処からは、貴女達が決めるのよ…私と美鈴は何も言わない、どんな結末でもね…良いわね、美鈴」
茜は何かの説明をし始め、最後に美鈴を見て聞く。
「あ、は、はい…茜さん」
美鈴も少し、何について話れいるのかを分からずで居た。
「それじゃ、私達は門前で、貴女達がどんな選択をするのか見届けさせてもらうわ」
そう言うと、茜と美鈴は門前まで行き、私達をじっと見ていた。
………………
「…レミリア、と、フランドール…か」
「…そうよ」
「なに?お父様」
色々と考えていると、後ろで倒れているお父様が、私達の名前を言い。
私とフランは後ろに振り返って倒れているお父様を見る。
「頼む、助けてくれ、私はもうレミリアとフランドールを売ったりはしないから」
「へー、そうなの」
「自分の娘に助けを求めるだなんて、みっともないよ?お父様??」
私は相変わらずで、このお父様には好けない…フランは少しずつだが、狂気の笑みを浮かべさせていた。
これは…決まりなのかもしれないわね
だったら。
「えぇ、良いわよ、助けてあげる。フラン」
私はグングニルを出して、フランを呼ぶ
「なーに?御姉様??」
フランはレーヴァテインと言う魔剣を呼んで両手で持ち、私の呼びに答える。
「助けてあげるわよ?お父様を」
「うん、良いよ♪御姉様」
私とフランはお互いに笑みを見せて、助ける事にした。
「おぉ、そうか、じゃあ速くアイツに…」
そう、助ける…
「「生き地獄からね!」」
私はグングニルをお父様の腹に投げ付け、フランはレーヴァテインの炎の剣で斬った。
「ぐぁあああぁぁぁぁーーっ!!!!?」
最後のレーヴァテインで、炎が身体中に燃え上がり、苦しみもがいていた。
だがしかし、吸血鬼はこんなものでは死なない、ただの怨み晴らしとしかならない。
「フラン、行くわよ」
「わかったー♪」
私とフランは、茜と美鈴の居る場所へと歩いた。
~茜 視点~
おぉ、燃えてる燃えてる。
何が燃えてるか?
レミリアとフランのお父様が。
「後の処分は、どうにかしてくれるかしら?茜」
「あー、その必要はないと思うよ?」
「??」
実は、私がレミリアとフランに決断をまかせると言った後に切断能力で
不死身を切断、させたからである。なので今頃…
…うん、塵になり始めてる。
って言うかフランのレーヴァテインどうなってんの!?
あの炎、死んでも受けたくないかも…
そして、体は全て黒い塵に変わり、風で飛ばされて跡形も無く消えた。
「…どうなってるの?」
「私の能力だよ、レミリア」
「え、でも茜お姉ちゃんの能力って『物質を操る程度の能力』でしょ?そんなのでどうやって…」
…あ、しまった。
言ってしまった……
自分から隠そうとしてたのサラッと一般公開してしまった…!
うああぁぁーっ!!
どうしよう!?
取り敢えず様子見するか、「今のは冗談です」っと言って終わらせるか…
クッ…な、何故だ…選べん……
遊戯○の魔法カードで例えるなら『苦痛の選択』だぞ。
リアルで例えるならば、実は自分の親は居ないと言ってしまったようなもんだ。
さぁどうする私…!
っと言っても意味は無さそうだがなっ!
だったらもう暴露してしまえ、えぇいヤケクソだ!やってやらぁ!!
私は脳内でそんな事を考えながら、小さく笑う。
「ふふ、まあ実はね、私の能力は2つあるのよ、1つは『物質を操る程度の能力』、もう1つは『切断させる程度の能力』よ」
「「「能力が2つ!?」」」
レミリアとフランと美鈴が、驚いた。
あ、やっぱし、能力2つ持ちは異常なのね…
どうしよう、やっぱし能力2つ持ちはおかしいそうだ。
って言っても、公開してしまったの私なんですけども…
取り敢えず、今度から隠さないと…?
「ちなみにこの事は内緒よ?♪」
「…わかりました、茜さん」
「わかったわよ、茜」
「茜お姉ちゃんが内緒だって言うならわかったー!」
ふー、全員良い子で良かった。
…さて、今はー……あ
私は空の月を眺めて、思わず口を開いた。
「皆、中に入るわよー」
「え?」
「ほらほらー、速くー、特にレミリアとフランはね」
「ちょ、押さないでよ、茜」
私は少し急ぎながら、レミリアとフランの背中を押す。何故なら…
「もうじき太陽が顔を出すわよー」
「「えっ!?」」
「え、それじゃあ急がないとダメですね!」
そう言うと、美鈴は驚いていたレミリアとフランを掴み、ダッシュで中に入った。
さすが美鈴、行動が速い…
「ふふ、仲が良いわねー…」
私は後ろに振り向き、徐々に太陽が昇って来ている山を見る。
あー…綺麗だなー……
こんな光景、前世の私には無縁だった。
故に、初めて見る。
「茜さーん!」
「んー、はいはいー」
急かしてくれるわねー、美鈴…
仕方が無い、私も入ることにしようかしら。
私は、日の出を充分に堪能出来なかった事を少し名残惜しみを持ったが、紅魔館へと入ったのだった。