~茜視点~
紅魔館 ダイニングルーム
「「「いただきます!」」」
私とフランとレミリアは手を合わせて「いただきます」と言う。
部屋には他にも、咲夜と妖精メイドが2人居る。
そしてどうも皆様方おはようございます。
フラン、及び紅魔館生活は今日で2日目…
今日は地底に行く予定ではある。
だがしかし、原作が正しければ、地底は封印結界が張られていると思う。
なので、紫に会わなければいけないのだがー…うーむ。
「茜、どうしたの? 考え事なんてして」
「…え? あぁ、いや、ちょっと紫と会いたいなぁってね」
右斜め側に居るレミリアが、心配そうにして私に言う。
紫に会いたい、いや本当に、うん。
会わないと結界とか切れないし、切りたくない…
「呼んだかしら?」
「ふぇ?」
突然、私の隣から聞き覚えがある声が聞こえた。
私は顔をそちらに向けると…
「…紫」
「どうしたの? 茜」
そう、スキマから紫が上半身を出して、スキマの端に両膝を付いて私を見る。
「まずさ、何か咲夜が貴女の事すっごい睨んでるよ?」
「え?」
レミリアの隣に居る、咲夜が紫をガン見していた。
よく見ると右手にはナイフを一本持っている。
怖い怖い怖い怖い怖い!
「…止めておきなさい咲夜、茜はその紫に用があるのよ」
「……畏まりました」
レミリアが咲夜を止め、ナイフを仕舞う。
「本当に、この館は怖いわね」
「人によるわよ紫…それで、何で紫が此処に?」
「何でって、茜が私を呼んだのよ?」
「他にも理由あるくせに…」
「あら、バレた?」
…まあ、私が紫を呼んだから来たって言うのはまずない。
紫の他の目的…勘だが、私とフランの状況であろう。処罰を下した者が、様子を見に来ないはずがない。
「茜とそこのフランとの様子を見に来たのだけれど…その必要もないみたいね」
「まあ、フランとは昔に会ったし…レミリアもね」
「あら、そうなの?本当に貴女はいろんな人や妖怪に会ってるわねぇ…」
「うーん…暇だからかなー」
はて、そろそろ私からの頼みを言う事にしようかな…
「茜、ちょっと頼みがあるのだけど…良いかしら?」
「…え、え? あぁ、うん…内容によるけどね」
私が紫に頼みを言うその前に、紫から私に頼みを申し出た。
何だろうか、フランと一緒に居ても全然大丈夫な頼みならば良いが…
「実はね、この手紙を地底の地霊殿に住んでいる主に渡してきて欲しいのよ」
何だと、キタコレ!!
私の頼みとほぼ被るじゃないですかやったよ!
フラン!喜べ!!地底へ行けるぞ!!
「良いわよ、丁度私も地底に行かないといけなかった所だから」
「そうなの? だったら話が速くて助かるわ…じゃあ、頼むわね」
茜は紫からの手紙を手に入れた。
それにしても、何を書いた手紙であろう?
「…紫、この手紙の内容…聞いても良いかな?」
「そんな大層な事でもないわ、地底にはまだスペルカードルールについて知らないから、伝えないといけないのよ」
「あぁ、なるほど…」
確かに、地底まではスペルカードルールは広まってないと思う。
「今からでも、行けるかしら?」
「私は良いけど…フランは大丈夫かな……」
別に私は何時でも行ける、だがしかしフランは分からない。
紫の隣に居るフランを見ると、今丁度ご飯を食べ終わっていた所であった。
~フラン 視点~
「ごちそうさまでした!」
私は手を合わせて、私は言う。
今、私の右手には紫と言う何だか気味の悪い所から上半身を出して茜お姉ちゃんと話していた。
会話は半分くらいしか聞いてはいない。昨日、茜お姉ちゃんが行くと言っていた地底やら、何か手紙を受け取ったりと、私にはよく分からなかった。
それにしても、今日は茜お姉ちゃんが作った料理ではなく、メイドが作った料理…味は悪くはないが、やっぱり茜お姉ちゃんが作る料理が好きだ。
「フラン、今から地底へ行くけど大丈夫?」
「え?」
考えていると、茜お姉ちゃんが私に質問する。
そう言えば今日、下にある地底へ行くとか言っていたよね。
「うん、大丈夫だよ!」
「良かったー、と言う訳だから紫、行くよ」
「えぇ、分かったわ」
私は元気良く大丈夫だよっと言うと、茜お姉ちゃんは何かほっとした感じで、次に紫に何かを頼む。
そして、茜お姉ちゃんは立ち上がり、少し後ろに行く。
「ほらほらフラン、こっち」
茜お姉ちゃんが、私に手招きしてくる。
一体何であろう。
そう思いながらも、私は茜お姉ちゃんの隣へと立つ。
「…貴女、茜とフランに変な事態に巻き込ませたら、ただじゃ許さないわよ?」
っと、御姉様が紫に鋭い目でそう言う。
「…大丈夫よレミリア、逆に私はそう言う事態が好ましいし、自分から乗り込む性格よ」
…いちお言っとく、Mでは無いからね。
「茜、貴女は…はぁ……フランを守ってよね」
「まかせなさいよ」
御姉様が諦めた顔で茜お姉ちゃんを見た。
私は反射的に茜お姉ちゃんを見ると、笑顔で居た。
何度見ても、その笑顔は飽きない程の、そんな笑顔…
「じゃあ紫、頼んだね」
「…行くわよ」
紫と言う者がそう言うと同時に、地面に穴が開く。その穴は暗く、無数の目がある。
そんな穴に、私と茜お姉ちゃんは落ちていった。
地底の入り口
ポフッ
私は落ちている間、目を閉じていた。たぶん、怖かったからであろう。
そうして、何かに私は受け止められた。
両肩と両膝を持たれている。
静かに目を開けてみると、茜お姉ちゃんが目の前に居た。
「ひゃっ!?」
「わわっと、フラン大丈夫だよ。暴れない暴れない」
「ご、ごめんなさい…」
「いや、謝りまでは要らないんだけども…」
私は驚いて、体中が勝手に動き出すが、茜お姉ちゃんは大丈夫だと言ってくれたおかげで何故か自然と体が止まる。
それにしてもこの格好、恥ずかしいよぉ…
「あ、茜お姉ちゃん…恥ずかしいよ……」
「え、あぁごめんごめん。受け止めた形がまさかお姫様抱っこになるとは…」
茜お姉ちゃんが何かをぶつぶつと言いながら私を膝から下ろす。
そうして私は周りを見ると、木や草しか無かったが、目の前には薄暗い洞窟があった。
「何だかお楽しみだったようね」
「そんなんじゃないわよ」
「あら、そう?」
いつの間にか居た紫が少し笑って言う。
「それじゃ、結界を一時的に解くけど…帰りは……この札を使えば良いと思うわ」
「……転移の符、ねぇ」
「さすが、術を熟知してるだけあるわね。羨ましいわ」
「長生きしてると、そう言うの一度は見るよ」
術…私には良く分からないけど、紫が何かを誉めていた。
「それで? 何処に繋がっているの?」
「人里よ」
「えぇ…さすがに不味いんじゃないの?」
「仕方がないのよ、紅魔館にしようとは思ったけど、私はあまり入れないから出来ないわ」
「ふーん……あ、って言うかこれ要らないじゃん」
「どうして?」
「私、紫と同じスキマ擬き作れるから」
スキマ擬き…?
スキマ……隙間?
フラン分からないよー…
「あー、けどこの符、貰ってて良いかな?」
「あら、別に良いけど…何かに使うの?」
「いちおって感じかしら」
「…そう」
「ずっと会話してたら遅くなるし、そろそろ結界を解くの頼むわ紫」
「そうね」
「あれ、おーいフラン、大丈夫?」
ぼーっとしていた私に大丈夫かと言ってくる茜お姉ちゃんが見えた。
「え、だ、大丈夫だよ」
「あー、そう? たぶんフランには難しい話をしていたのかも知れないわね」
「ぅ…」
どうやら、難しい話で訳が分からなかった事に茜お姉ちゃんは見破っていた。
茜お姉ちゃんに嘘は通じなさそうだ。
「良いわよ、入りなさい」
「ん、もう良いらしいね。行くわよーフラン」
「うん」
そうして私と茜お姉ちゃんは、洞窟の中へと入って行った。
「無事を祈るわ」
「またね、紫」
地底の洞窟
中に入り、何分歩いたのかな…
歩いても歩いても薄暗く、回りは岩や土であった。
「怖いよー…茜お姉ちゃん」
私は茜お姉ちゃんの袖を掴んですがり付いて怖いと言う。
「大丈夫、怖くないわよ」
優しく、茜お姉ちゃんが言ってくれる。
「おっと危ない」
「え?」
突如、茜お姉ちゃんが後ろへ一歩下がる。
何が危ないのであろうか。
ガツン!
茜お姉ちゃんの前に、何かが落ちてきた。
それは、釣瓶であった。
何故そんな物が上から落ちてきたんだろう。っと、茜お姉ちゃんがその釣瓶を除きこんで――
「こんにちは、釣瓶落としさん」
釣瓶落としさん…?
何を言っているのであろう。
私はその釣瓶へと行って、覗きこんでみる。
「ひゃ…! ま、また…人が」
そこには、怯えて体を丸くした子供で、緑髪を二つに括っている。
それでいて白い羽織のようなモノをを着ていた。
妖怪…だよね?
「私を狙ったのは少し悪かったわね。って言うか、何で取っ手に紐がないのかな?」
「…切れたん、です」
「あらま、じゃあ仕方ないわね」
「え、な、何を」
茜お姉ちゃんが釣瓶の取っ手を持った。
「そのままそこに居るのもあれでしょ、大丈夫よ何もしないから」
茜お姉ちゃんは釣瓶を持って、さらに奥へと進んで行った。
少女移動中…
「そー言えば、自己紹介がまだだったよね。私は紅夜 茜、こっちはフランよ」
「あ、フランドール・スカーレットだよ、よろしくね」
急に自己紹介へと滑り込んだので、私はフルネームしか言えず、最後はよろしくねと言った。
「…キスメ」
「そう、キスメね、分かったわ…旧地獄について、何か分からないかな?」
「…入った事、あまりないから、
分からない」
「そっか……それで?」
「「?」」
会話の途中、茜お姉ちゃんの足が止まった。
今度は何だろうか、また釣瓶でも落ちてくるのかな…?
「土蜘蛛さん、そろそろ出てきても良いんじゃないの?」
「……何で、分かったの?」
「ヤマメ…!」
スルスルっと細い糸を伸ばして逆さ状態で降りてきた一人の女の子が居た。
フランと同じの金色髪のポニーテール…?
それでいて茶色の服で、スカートの部分は丸く大きい。
茜お姉ちゃんが言うには、土蜘蛛と言うらしい。
そして、キスメ…?
と言う釣瓶落としの妖怪さんはその女の子をヤマメと呼んだ。
「ずっと視線を感じたからね。もう気味が悪かったから出てくるように言っただけよ」
「…因みに、いつから気付いていたの」
「このキスメが落ちてきた所からよ」
「最初からと言う訳ね。なるほど、只の人間ではないな…隣の女は妖怪だが、どう言う関係だ?」
茜お姉ちゃんが人間?
このヤマメさんは何を言っているのであろう、茜お姉ちゃんは妖怪…妖怪……
翼がない。
確か、仕舞っているんだっけ。
「ん、人間? あぁ、そうか…残念だけど私は妖怪よ。あと、こっちのフランとは……そうね、保護者よ」
「ふーん」
…あのヤマメさん、ずっと逆さま状態だけど大丈夫なのかな。
「私は黒谷ヤマメ、貴女達の自己紹介は要らない、もう聞いたからね」
「そっか、それは速くて助かる」
「…キスメを渡してくれる?」
「ん? あぁ、うん良いよ」
ヤマメさんがキスメを指差して渡してくれるかと聞くと、茜お姉ちゃんはそれを手渡した。
「キスメ、また紐切れたの?」
「仕方ないじゃん、何回も落ちてるんだから…」
「はぁ…」
何気ない会話に、ヤマメさんは最後に溜め息をついた。
「キスメを持ってきてくれてありがと、まあ、最初から行かなかった私が悪いんだけど」
「別に、それじゃあ私達は旧地獄に行かないと駄目だから、またね」
茜お姉ちゃんは手を振ってから先へと進んで行った。
私もヤマメさんとキスメに手を振ってから、急いで隣へと向かった。
「…旧地獄では、弱腰にならないでよ!」
「りょーかいー、忠告ありがとー」
後ろからヤマメさんが忠告を言って、ありがとうと茜お姉ちゃんは振り返らずに返事をした。