東方茜日誌   作:ミユメ

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【第4話】 能力解放、そして…

~永樹 視点~

 

 

 

 

 真夏との出会いから、1年が経った。

 相変わらず真夏は、天狗の仕事などで忙しい。

 だがしかし、暇があれば俺と会い、話し合う…

 そう言えばなんだが、何か最近男天狗からの視線が半分殺気放ちながら俺を睨み付けるんだよな。

 

 

「天魔様とイチャイチャしやがって…」

「いい気に乗るなよアイツ…」

 

 

 などなど、まじで怖い…

 だがしかし、もっと怖いのは白髪の女性天狗、高音 白亜(たかね はくあ)と言う者だ。

 彼女と合う度に睨み付けられたり、たまに舌打ちされたりと…

 真夏居なかったら俺殺されそう、いや塵も残ってないかも。

 だがそんな中でも俺は暮らす。

 だって此処以外俺何処で暮らせば良いのよ。

 他の場所とか無理だろ、行くとしたら…旅しかないのかもしれんな。

 

 

「なあなあ真夏」

「んみゅ?…なにさ永樹」

 

 

 今現在、俺の部屋で寝転がってるいる真夏に喋る。

 んみゅ とか、可愛いなおい

 

 

「真夏の能力って、俺にもあんの?」

「うーん…じゃあまずあるかどうかだね」

「?? どうやってわかるんだ?」

「えーと、まず目を瞑ってから頭の思考をぜーんぶ消すの、つまり真っ白にさせるんだよ。そこから 自分の能力…自分の能力… って感じでやれば……たぶんわかる」

「たぶんって…まあ良い、やってみる」

「がんばれ~永樹ー」

 

 

 結構呑気な感じだなー…まあ良い、やってみるか。

 まず目を瞑る…そこから頭の思考を全部消し、真っ白にさせて

 

 自分の能力…自分の能力………

 

 ……ん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『物質を操る程度の能力』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…はぁ」

「あれ?もしかして合ったの?」

「らしい」

「え!?本当にあったんだ!!?なになに!!」

「おま、普通はそんな能力持ち居ないのかよ…えーとだな、『物質を操る程度の能力』だ」

「へー…物質……」

 

 

 そう、物質…つまり物は全て操れると言う訳になる。

 もっと考えれば、人も操れる。

 何故なら、人の体は原子と言う小さな小さな丸い粒の塊で人間の体になっているのだ。

 だから…人間も操れると言う事も可能になるのかもしれん。

 結論からして言おう、原子がある物全て操れる。

 

 

「けど私の能力の方がまだまだ強いねー」

「なんで?」

「私の能力は『切断させる程度の能力』で、何でも切れるんだよ」

「…う、うん」

「わからないのー?例えば、"私と永樹の縁を切る"って言えば、永樹は私の事を誰って言うことになるよ?」

「…酷いし寂しいなぁ」

「あ、因みに私は永久的な切断をしててね?"老いるのを切断"してるから前々老けないの」

 

 

 へー、だから綺麗なんだな…

 それにしても切断か…結合がないから少々難しいな。

 何でも切れるが、繋げ直す。

 または元に戻す事は...出来ないな。

 

 

「でさ、永樹…その能力使えるの?」

「ん?」

「物質操れるんでしょ??」

「あ、あぁ…そうか……試してみるか」

 

 

 そう言って、俺はテーブルを標的とした。

 さて、どうやれば使えるのかな…

 唱えるとかそんなの?

 …まあ良い、試しに心の中で唱えてみるか。

 

 テーブルよ、浮け!

 

 

「わ、わわわっ!!?」

「ん、んんん!?」

「「テーブルが浮いてる!!!?」」

 

 

 嘘だろ、一発で出来るだなんて聞いてねーぞ!?

 え、まじどーしよう、と、とりあえず

 テーブル標的解除

 

ドンッ!

 

 テーブルが落ち、同時に重々しい音が鳴る。

 幸いに、畳みに傷はない…

 

 

「…お、驚かさないでよ!永樹!!」

「いや、そんな事言われてもなー…」

「とりあえず、能力使えるならそれの練習!」

「うーむ、そうだな」

 

 

 能力の開放は出来た。

 コツはまだあまり掴めてないが、何度か練習すれば慣れるであろう。

 

 

「よし、じゃあ私も色々手伝って「天魔様、報告が」あげ、る…なに?」

 

 

 俺の能力の練習を手伝うと言おうとした所に、天狗が報告をしに来た。

 なんてタイミングの悪い…

 真夏はその天狗を強く睨んでいた。

 

 

「いえ、少々ばかし、小耳に挟んでほしい事が…」

 

 

 そう言うと、天狗は真夏の耳元に近付き、何かを伝えていた。

 

 

「……そうか、わかった。すぐに行くと伝えておけ」

「はっ!」

 

 

 天狗は伝言を伝え終えた後に素早く部屋から出た。

 

 

「…なんだったんだ?」

「近くの町の町長が私に会いたいと、私達の領域付近の近くでまっているそうだ。兵士も居るから、こちらも天狗を何人か連れていって会いに行くかも」

「へー…大変だな……」

 

 

 お偉いさん同士の話し合いねぇ…とても退屈そうだ。

 

 

「…ごめんね、永樹!ちょっと行ってくるよ」

「おう、まあ頑張れよ…?」

「うん!」

 

 

 そう言って、真夏は俺の部屋から出た…

 さて、能力の練習するかー

 

 

 

 

 

~真夏 視点~

 

 

 

 

 

 まさか、町の町長が直々に会いに来るだなんてね…思っても居なかった。

 今までは優秀な兵士に任せて伝言を伝えに来るだけだったのに…

 

 

「兵士は何人居たの?」

「10人です!」

「そう、少ないわね…攻撃してくる、と言うのはまずなさそうだし…分かったわ、私一人で行く」

「え!?で、ですが」

「大丈夫よ……それより、私が行っている間、貴方は休んでおきなさい…少し顔色が悪いわよ」

「…御心配、ありがとうございます。しかし、天魔様一人となると、ゆっくりも出来ません」

「んー…じゃあ、私が無事で居ることを祈っておきなさい」

「はっ!」

 

 

 笑顔で言っても、堅苦しいわね…

 もう少しタメ口でも良いのに…

 私は永樹のあの自然な感じが、私にとっては安らぎなのかもしれない。

 

 

「天魔様、槍とマントをお持ち致しました!」

「ありがとう、マントの中、火縄銃の弾は全部入っているのかしら?」

「はい!大丈夫です!」

「そう、毎度ありがとうね」

「天魔様の為であれば!」

 

 

 あぁ…やっぱり

 永樹の所に帰りたいよー…

 

 

 

 

 

少女移動中…

 

 

 

 

「えーと、此処の近くよねー…?」

 

 

 私は今、空を飛んで町長の居る場所へと飛んでいる。

 しかも普通より少し遅めのスピードで…

 

 

「正直もう町長との相手はしんどいわー…町壊してしまおうかしら」

 

 

 そう、もう真面目にしんどい。

 一週間に一回は伝言を伝えてくるし、はぁ

 …ん、居た。

 私は白髪の爺と、武具を装備している10人の兵士を確認した後、下へと急下した。

 

 

「天魔殿、お久しゅうございますな」

「本当、久々ね。最後に会ったのは、私の家に攻撃を仕掛けてきて、反撃したら降参して平和条約を結んだ時以来かしら?」

「おやおや、よくご存知で」

 

 

 爺はニヤつき、前で組んでいた手を離して後ろに変える。

 

 

「それで、何の用なの?」

「…実はですな、我々は今日…月に行くのですよ」

「へー、それはまた愉快な話ね。それで?私に別れでも告げに来たのかしら??」

「………………」

 

 

 聞いてみると爺は黙り込み、眼を右に左にと向ける。

 

 

「ところで、お一人ですかい。我等は10人の兵士が居るのにも関わらずに」

「貴方なんて怖くわないからね…それとも、天狗を100人連れて来た方が良かったかしら?」

「ほほほ…そうですな、そっちのほうが、災難から逃れられたろうに……」

「……? 一体何を行って…」

 

 

…ドゴォオオオオオオオン!!!!

 

 

「ッ!?」

 

 

 爆発音が後ろから聞こえた。

 その爆発音がした所に視界を向ければ、私の里の大きな門から煙と火災が見える。

 

 

「…一体何をッ!!?」

 

 

 町長に振り向こうとした瞬間、私の左腕が何かに刺さった。

 激痛のする方に向けると、私の肘少し上に矢が貫通していた。

 

 

「こんな事をしても、私の能力でどうとでも…!?」

 

 

 能力、私の能力は切断が出来る。

 私は能力で"痛みを切断"させたのに、痛みが消えない。

 どうして?

 何で!?

 

 

「ほほほ…残念、その弓には能力を封じさせる力を持っていてなー…作るのにも一苦労して、やっと作れた一本しかない弓じゃよ」

「ッ!!このクソ爺ぃいい!!!」

 

 

 私は体を右に向け、左翼を広げて、一つ一つの大きな羽に掛けていた計10本の火縄銃を一気に射った。

 しかし、当たったのは爺を覗いて4人

 爺一人と兵士6人には当たらなかった。

 右翼にも火縄銃はあるが、同じパターンでは無意味だ。

 なので、突撃してから一人一人殺す。

 私は槍を持って一番前に居た兵士に向かって突撃した。

 

 

「平和条約は何処に行った!?クソ爺!!」

「残念ながら、我々が勝手に放棄させてもらったよ。それでは、老いぼれは忙しいのでな、帰るよ」

「待ちなさいっ!!」

「おっと、此処は遠さねぇぞ」

「ちっ!!」

 

 

 あのクソ爺、1人だけノコノコと帰りやがって!

 兵士は現在5人、最初に突進して兵士を1人胸から串刺しにしたので、6人から5人にさせた。

 弱いと感じたが、油断は禁物だ。

 …しかし、苛立ちが私の冷静を壊していく。

 

 

「…ッ!そこを、どけぇええええええ!!!!」

 

 

 とうとう、冷静が崩れた私は槍を構えて前方へ突進する。

 すると槍は1人の兵士の右腕に刺さった。

 刺さった兵士を、左におもいっきり投げて木に叩きつけた。

 あと4人…

 1人が剣を持ってこちらに走ってきた。

 私は動かず、じっとする…相手は剣を上から振ってきた。

 その動きを見てから少し左に避け、右手に持っていた槍をその兵士の喉に刺す。

 あと3人…

 二人が走ってきた。

 1人は槍、もう1人は二刀流だった。

 何の武器を持っているのかを確認し終えた後、二人は右と左に別れた。

 挟み撃ちにするのであろう…しかし、そんな事は関係ない。

 先程と殆ど一緒な感じで行くつもりだ。

 私はじっとして様子を伺うと、私の横まで来た瞬間にこちらにへと一気に詰め寄って来て、二人は同じタイミングで武器を振ろうとする。

 私は槍を離して、右翼のマントに仕込んでいる火縄銃二本を右手と左手に取った。

 その時、矢が刺さっている左腕から激痛が走ったが、それを我慢して私はしゃがんで兵士二人の下から顎に目掛けて射った。

 あと1人…

 こんな雑魚に用はない、さっさと片付けて爺を追うとしよう。

 私は落ちた槍を手に掴み、立ち上がろうとする時…

 

ドンッ!

 

 ………ッ!

 銃の発砲音が聞こえ、胸から激痛がした。

 残り1人の兵士を見ると、手には銃?らしきものを片手で持って私に向けて居た。

 痛い、痛い、痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!

 

 

「へ、へへ…ざまぁ見ろよ」

 

 

 …ッ!!!

 

 

「アンタも死ぬんだよっ!!」

 

 

 私は掴んでいた槍を兵士に投げ付ける。

 投げた槍は腹に貫通し、後ろの木にぶつかった。

 兵士は声もなく死んだ。

 私はそれを見届けた後、胸からの激痛と目眩に堪らず、倒れた。

 

 

「…あの……クソ爺!」

 

 

 爺の事を思い出し、追おうと体を起こそうとするが、うまく立ち上がれない。

 こんな所で倒れている訳にはいかないのに…!

 

 

「…呼んだかのー?」

「!?」

 

 

 突如と、森の影から声が聞こえた。

 そこからは、あの爺が出てきた。

 

 

「はっ、隠れてたって言うのかしら…?」

「そうじゃ」

「悪趣味ねー?」

「ほほほ、どうとでも言うが良いわ」

 

 

 爺は最後に倒した兵士から、銃を拾った。

 色は黒く、あれが銃なのかは分からないけれど、あれが銃以外に何があるのか。

 …私を射ったのだから。

 

 

「この銃はな、火縄銃なんかより素晴らしい物だよ」

「………?」

「…何故だと思う?ほほほ、それはのー」

 

 

 爺が持っていた銃を私に向けてきた。

 まさか、いや、そんなハズが!

 

 

「まだ射てるからだよ」

 

 

ドンッ!

 

 

「いッ!!?」

 

 

 左腕を射たれた。

 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!

 もう今日で何回痛い思いをしたのであろう。

 目眩が先程よりも酷くなってきた。

 あぁ…永樹、ごめん……

 

 

「さあ、次は頭でも「おい、そこの爺」ねら…ッ!?」

 

 

 声が聞こえた。

 何故だろう、凄く…落ち着けるなー……

 

 

「俺の大事な嫁を、よくも汚してくれたなぁ?」

「誰だ!」

「紅夜真夏、天魔様の夫、赤眼永樹だクソ爺!」

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