転生魔法女王、2度目の人生で魔王討伐を目指す。   作:”蒼龍”

14 / 49
皆様おはようございます、第14話目更新でございます。
今回罠に飛び込んだ誓いの翼の面々に待つものとは…?
後お知らせとしてストック不足な為毎日投稿から不定期更新に速度ダウン致します。
楽しみにしていた皆様、誠に申し訳ありません。
では、本編へどうぞ。


第14話『誓いの翼、罠に飛び込む』

 エミルの念話傍受魔法(インターセプション)により、魔族がビーエ山に何らかの罠を張った事を知り、少し離れた場所で馬車から降りた後誓いの翼(オースウイングズ)は山道を登りその足で廃坑入口まで辿り着く。

 それから入口の外から中を覗き、武器を構えながらエミル達は陣取り、そして陣形を組みながら突入する。

 

「さて魔族の野朗共、どんな罠を仕掛けやがったか見せて貰おうじゃねぇか…!」

 

 前衛に立つアルは早速魔族の罠に熱り立ちながらミスリルアックスを構え前へと進み始める。

 それに続きロマンとフードを取ったルルが、そして後衛にサラとエミルが立ちながら周りを警戒しながら進み、エミルに至っては透視(クリアアイ)観察眼(アナライズ)を使い、岩場に隠れても直ぐに見つけられる様にしながら警戒心を最大限にしていた。

 

【カラカラ】

 

「むっ? 

 …コイツはミスリル鉱石じゃねえか! 

 こっちにも、あっちにも沢山ありやがる! 

 こりゃまさか、ミスリルゴーレムの残骸か?」

 

「…うん、僕ミスリルゴーレムや他のゴーレムを倒した事があるから分かるよ。

 ゴーレムは倒したらこんな風に体を構築してた鉱石が崩れて動かなくなるって」

 

 それからある程度奥に進んだ中で前衛のアルとロマンはミスリルゴーレムの残骸を発見し、それがあちこちにある事を確認し合い更に本当にミスリルゴーレムの残骸かを確認し合いながら残骸を手に触れ、何故残骸になっているかを疑問に思っていた。

 

「…ねえアル、ロマン、それに皆、ミスリルってこんな削れ方をする? 

 ほらこの残骸、まるでミスリルより硬い何かに抉る様に攻撃された痕、みたいなのが沢山付いてる」

 

「あ、本当だ! 

 でも可笑しいよね、ミスリルより硬い物なんて言ったらこの世界で1番硬い鉱石、『オリハルコン』しか無いよね?」

 

 するとシーフと言う目利きが働く(ジョブ)に就いてるルルがミスリルゴーレムの残骸から『より硬い何かに攻撃され削られた痕』を発見し、サラも確認するとミスリルより硬い鉱石はこの世界には1つしか無く、それはミスリル以上に採掘が難しく発見され辛い超希少鉱石オリハルコンしかないと断言する。

 それを聞いたアル、エミルは更に周りを警戒し始め少しずつではあるが後ろに後退し始めていた。

 

「あ、あれ、如何したのアルにエミル?」

 

「如何したもこうしたもねぇよ‼︎

 今お前言っただろ、ミスリルより硬いモンはオリハルコンしか無ぇって‼︎

 つまりこれをやった奴はな…‼︎」

 

 サラはエミルやアルの反応に質問をすると、アルはサラの天然ボケ振りに頭を抱えながら先程彼女が言った事を反復し、ミスリルゴーレムをこんなにした者にある程度予測が出来た為後退し始めている事を告げようとしていた。

 

【ズン、ズン…】

 

 すると廃坑の奥から重い足音が響き渡り、その方向をエミル達は覗き見る。

 するとエミルが発動している2つの眼の魔法にミスリルゴーレムをこんな無惨な残骸に変えた主が移り、更に観察眼(アナライズ)で一体何なのか判別出来てしまった為固唾を呑み始めていた。

 

【カラカラ、ズン、ズン!】

 

 そして、その悪魔はミスリルゴーレムの残骸を踏み荒らしながら現れた。

 ミスリルの銀の光とは違う、金の光を放ち銅のような色合いを持つこの坑道には存在しない筈のモノがエミル達に近付いていた。

 

「…チッ、マジでで出やがったぜ…‼︎」

 

「こ、このゴーレムは…⁉︎」

 

「…『オリハルコンゴーレム』‼︎

 討伐推奨レベル210、ゴーレム種の…最上位の魔物…‼︎」

 

 そう、其処に居たのはミスリルゴーレムを超える最上位の魔物、全身がオリハルコンで構成された怪物、オリハルコンゴーレムであった。

 エミル達はこのゴーレムこそが魔族達が用意した罠だと判断し、1歩相手が近付く毎に後ろに下がり始める。

 

「…今よ、入口まで走って‼︎」

 

 そしてある程度後ろに下がった瞬間、全員でオリハルコンゴーレムから背を向けて入り口まで走り始めた。

 ゴーレム種は体内の核部分に攻撃を当て破壊すれば倒せるが、上位に上がる程体の硬さや魔法ダメージ減衰が上がって行き、オリハルコンゴーレムにもなれば生半可な魔法は反射され、強度アップIVの魔法祝印(エンチャント)が無いミスリル製武器はあっさり刃が砕け散る正真正銘の怪物と化すのだ。

 

「クソが、こんな所じゃエミルの魔法なんかも撃てはしないし真っ直ぐ来て殴り殺されるシンプルな図にしかならねぇ‼︎

 早く入口までずらかれぇ‼︎」

 

「魔族め、あんな怪物を用意するなんて…‼︎」

 

 アルもルルも完全に愚痴を溢しながら全速力で走り、エミルは後ろを振り返りながらオリハルコンゴーレムが真っ直ぐ、しかしゴーレムらしくゆっくりと近付いて来ている事を確認し、本来なら無差別に暴れ回るしか無い魔物が明確に自分達を狙いに来ている。

 これは魔族が直接操っている、エミルはそう確信していた。

 

「出口だ、皆頑張って‼︎」

 

 そうしている内にロマンが声を上げ、出口の光に全員で近付き、一気に走り抜け出した。

 更に後ろを見ればまだオリハルコンゴーレムは近付いて来ており、坑道の出口の少し先は崖になっており、エミルはその崖下を覗きながら杖を構えていた。

 

「おい、早く転移魔法(ディメンションマジック)を使って馬車まで行くぞ‼︎

 幾ら俺様自慢の武器でもミスリル製の武器で倒せる敵にも限度があるってもんだ‼︎

 エンシェントドラゴンより硬いオリハルコンゴーレムの相手は流石に想定出来てねぇぞ‼︎」

 

「…確かに竜鱗よりも硬い鉱石相手にミスリル製の武器で戦うのは無謀。

 だけど魔法祝印(エンチャント)IVで強度アップを付けたミスリル製武器はエンチャント抜きのオリハルコンに近い硬度まで上げられる! 

 そして魔物には魔法祝印(エンチャント)は付かない、ならちょっと苦しいけど戦えるわ‼︎」

 

 アルは流石にミスリルより硬い相手は自身の自慢の武器でも砕かれてしまうのを自覚はしてる為か、エンシェントドラゴンを引き合いに出し馬車まで転移する事をエミルに叫ぶ。

 しかしエミルは誓いの剣(オースブレード)がミスリル製武器で如何にオリハルコンゴーレムを倒したかを記憶している事、更に自分達の武具は対魔族用に魔法祝印(エンチャント)を施している為戦えると叫びながら杖を構えたまま立っていた。

 

【ズン、ズン、ズン‼︎】

 

「わぁ、来た来た来た来た来たぁ⁉︎」

 

「チッ、戦えるなら戦えるで早く指示しろ‼︎

 エミルさんよぉ‼︎」

 

「…後、少し」

 

 そうこうしている内にオリハルコンゴーレムが入口に辿り着き、サラが慌てふためきアルが腹を括る中、エミルはタイミングを図りながら杖を構え続けていた。

 そうして崖の直ぐ手前まで追い詰められたロマン達の前にオリハルコンゴーレムが腕を振り被る──。

 

「今、皆捕まって‼︎」

 

 その刹那、エミルから自身に捕まる様に叫ぶと全員がエミルに手を振れる。

 そしてそれを確認した0.2秒の内に転移魔法(ディメンションマジック)を使用、エミル達はその場から消える。

 するとオリハルコンゴーレムの振り被った腕は空振りに終わり、更に崖を攻撃してしまい崖先の岩場を崩してしまいオリハルコンゴーレムはそのまま崩れ行く足場と共に山から転げ落ち、高い地面へと真っ逆様になった。

 

 

 

 転移魔法(ディメンションマジック)でもしも先程の足場が崩れた際に落下する岩が何処に落ちるかを計算しながら崖の下にエミルは転移する。

 すると予想通り岩はエミル達には当たらず、オリハルコンゴーレムは転げ落ちて行く様を見ていた。

 

「わぁゴーレムがゴロゴロ〜」

 

「だがあればオリハルコン、『メタルゴーレム』程度ならこの山から落ちればそれでバラバラだが硬さが違い過ぎて落下してもダメージにはならないぜ? 

 一応倒し方なら存在するが…」

 

 サラはオリハルコンゴーレムが転がる様を見て呑気な事を言い始めたが、アルは流石にオリハルコンともなれば山から滑落させたとしても無意味と理解しており、如何に戦うかをエミルに問い質し始める。

 但し、鍛治職人としての知識を敢えて出さない様にしてである。

 

「職人のアルなら分かるんじゃないかな? 

『硬い物を熱して急に冷やして思い切り叩く』と如何なるか?」

 

「…やっぱりそれだよな。

 分かった、だったらやってやるぜ、とことんまでな!」

 

 するとエミルは少し余裕が生まれた為アルに笑みを浮かべながら『硬い物を熱して冷やして叩く』と言う言葉を投げ掛けた。

 それをアルも予想していた、と言うより現状はそれ以外にオリハルコンで出来た怪物を倒す手段が無い為、エミルの案に最後まで付き合うとして武器を構えた。

 そうして直ぐにオリハルコンゴーレムが落ちて落ちて来て、丁度エミル達が後ろに居りロマン達は前衛となっていた。

 

「お前等、一点狙いだ‼︎

 火の魔法、絶技で熱した後は水でも氷でも良い、兎に角熱した石野朗がキンキンに冷える奴を使って最後は俺達前衛の誰かが土の絶技でアイツをぶっ叩くんだ‼︎

 それを一点狙いで繰り返して戦うぞ‼︎」

 

「アル…そう言う事か、ロマン、サラもエミルも合わせる事、用意は良い?」

 

「分かったよ、アル、ルル! 

 その作戦で行くよ‼︎」

 

 オリハルコンゴーレムが起き上がる間にアルが周りに作戦を説明し、ルルが如何言う事なのかを理解すると次にロマンもエミルが伝えたヒントからアルが練った作戦でもあり、村に鍛冶屋があり其処で石や硬い物を同じ事をしたら如何なったか見ていた為理解し、声を張り上げながら応えた。

 その間にエミルは身体強化(ボディバフ)IVを全員に掛けていた。

 

「…ああ、そう言う事⁉︎

 なら私から行くよ、弓なら一点狙いが得意だからね、爆炎弓‼︎」

 

 最後にサラが理解すると矢を構え、火の上級絶技を使用して狙い易い胸の中心に矢を放つ。

 当然相手はオリハルコンその物の為矢自体は弾かれるが、矢に纏った炎はそのまま燃え移り始める。

 しかしその炎も直ぐに消えようとしていた。

 

「まだだ、もっと火で熱するぞ、爆炎斧‼︎」

 

『爆炎剣‼︎』

 

 だが其処にアル、ルル、ロマンの3人が同時に『サラが狙った箇所』に火の上位絶技を更に当て、アルは力任せに振り、ルルとロマンは斬り伏せた後に直ぐに離脱して距離を作りエミルが最上級魔法を使う環境を整える。

 

「まだまだよ、灼熱雨(マグマレイン)‼︎」

 

「爆炎弓‼︎」

 

 其処にエミルが動き出し、まだ熱するとして灼熱雨(マグマレイン)を出来るだけ小さく収束し、しかし威力は据え置きのまま熱し始めた箇所をサラと同時に熱する。

 すると矢が弾かれるのは一緒であったが、オリハルコンゴーレムの方に変化が現れた。

 炎で熱した金色に輝く胸部の中心がその炎の隙間から赤く熱せられた痕が見えていた。

 そしてそれをエミル達は見逃さなかった。

 

「今よ、大水流(タイダルウェイブ)‼︎」

 

「『絶氷弓』、いっけぇ‼︎」

 

 次にエミルが水の最上級魔法、サラが氷の上位絶技を使用し、熱せられていた箇所を一気に冷やし、元の熱せられていない状態に戻した。

 其処にアルが動き出し、ミスリルアックスを思い切り振り被る用意をしていた。

 

「うおりゃぁ、震撃斧ゥゥ‼︎」

 

 オリハルコンゴーレムが動き出す前に軽量化魔法祝印(エンチャント)をされた武具のお陰で1手早く動き、土の上位絶技を胸部の中心に力任せに叩き込み更に吹き飛ばし、地面に転ばせる。

 

「(確かにエミルの言う通りだ、武器に傷が付いちゃいねぇぜ‼︎)」

 

 そして本来ならオリハルコンに此処までミスリル製の武器を加減抜きで叩き付ければ武器側が折れる筈だが、エミルの強度アップIVのお陰で本当にミスリルの刃その物の硬度がオリハルコンに近くなっていた為刃毀れすらしていなかった。

 

【ググググ】

 

 それを確認したアルの目の前でオリハルコンゴーレムが起き上がりだし、再び行動開始をしようとしていた………だが、その胸部の中心を良く見るとオリハルコンに僅か、本当に僅かだが傷が付き、エミルやアルの考えた作戦が正しい物だったと証明された。

 

「おし、やっぱオリハルコンと言えど急に熱した後に更に急に冷やしてぶっ叩けば傷が付く‼︎

 お前等この調子で戦うぞ‼︎」

 

「OKだよ、アル‼︎」

 

 アルはエミルのヒントにより思い付いた事が正しかったとガッツポーズを取りながらこの調子で行けばオリハルコンゴーレムを倒せる、そう確信し全員に檄を飛ばしオリハルコンゴーレム討伐に集中し始める。

 

「………っ、エミル上‼︎」

 

 そう思っていた矢先にサラの危険予知が発動し、エミルに危機が迫っている事を叫び、エミルとサラが上を見ると魔族が上から迫り来ており、双剣を構えようとしていた。

 

「っ、結界魔法(シールドマジック)‼︎」

 

「はははバカめ、結界魔法(シールドマジック)は何もせずに懐に飛び込めば無意味と言う物‼︎

 アギラ様は何故こんな魔法使いや勇者を狙えと仰ったか分からんが、兎に角死ぬが良い‼︎」

 

「エミル‼︎」

 

 エミルは魔族の接近で咄嗟に結界を張るが、敵も結界魔法(シールドマジック)の欠点は熟知している為剣の柄から手を離しそのまま結界内に飛び込もうとし、ロマン達はエミルの危機に走り始める。

 …だが此処でルルは思考する、エミルは結界魔法(シールドマジック)とは言ったが何番であるかを宣言していないと。

 その為もしかしたらと思いながらも走っていた。

 そして………。

 

【ガンッ‼︎】

 

「グエッ⁉︎

 な、何故、結界魔法(シールドマジック)は攻撃以外はすり抜ける様になってた…筈…⁉︎」

 

 するとその魔族は結界に阻まれてしまい、素通りする事が叶わなかった為一旦距離を置き、何故そうなったのか分からず慌てふためきながらエミルを見ていた。

 

「大成功、岩が降って来る時もこれを使わないで正解だったわ‼︎

 そうよ、結界魔法(シールドマジック)はその欠点があったから改良型を作ったのよ、名付けて結界魔法(シールドマジック)Vよ‼︎」

 

 そのエミルは落石時にも結界魔法(シールドマジック)Vを使わず落石を避けれる形で転移した理由は魔族が何処かで見ている可能性を、オリハルコンゴーレムが自分達を明確に狙って来ている為近くで操っていると考えた為であった。

 そしてその予想は当たり、レベル200の魔族が現れ不意打ちを行おうとしたのである。

 因みに魔物は魔族に造られた生命の為レベル差に関係無くあらゆる魔族、そして魔王の命令を受け付けると過去の自分(ライラ)は魔族から直に聞いている。

 

「さてレベル200の魔族と討伐推奨レベル210のオリハルコンゴーレム…押さえるならやっぱり何時でもやれるオリハルコンゴーレムを押さえるべきね、結界魔法(シールドマジック)V‼︎」

 

 するとエミルは魔族とオリハルコンゴーレムの何方を押さえるべきかを考え、何時でも倒せて鈍重なオリハルコンゴーレムを押さえ、知性を持ち素早く行動する魔族を斃すべきだと考えたエミルはオリハルコンゴーレムに結界魔法(シールドマジック)Vを張る。

 但し逆張りであり、内側に効力が発揮される拘束タイプの結界を張ったのだ。

 

「な、あの結界は逆張りで魔物まで押さえる事が可能なのか⁉︎

 アギラ様が仰った魔法使いと勇者が危険な理由の一端が知れたわ…‼︎

 貴様、一体何者だ、名を名乗れ‼︎」

 

「あらこれは失礼を。

 私はセレスティア王国第2王女エミルよ。

 ああ覚えなくて良いわよ、どうせこの戦闘で何方が死ぬか片が付くから、ね‼︎

 大地震(ガイアブレイク)灼熱雨(マグマレイン)‼︎」

 

 双剣の魔族はアギラが言った勇者は神剣を万が一使える可能性がある為だが、魔法使いの方の危険性…既存の魔法を改良してしまうその人間離れした才覚に汗を流し、名乗る様にエミルに叫ぶ。

 そのエミルは片手間に身体強化(ボディバフ)IVを全員に掛け直し、切れる時間を延長しながら名乗りながら大地震(ガイアブレイク)灼熱雨(マグマレイン)を放った。

 

「くっ、結界魔法(シールドマジック)IV‼︎」

 

 双剣の魔族は上からの灼熱雨(マグマレイン)、下からの大地震(ガイアブレイク)を防ぐべく結界魔法(シールドマジック)IVを使い両方を防御する。

 しかし、その結界は2つの魔法の威力により結界が破れて行き、最終的に2つの魔法を結界分と魔法祝印(エンチャント)分を差し引きエミルの魔法大砲を受ける事になった。

 

「ぐおぉ、我が魔界の鎧を以てしてもこの威力を発揮するとは…貴様、これではまるで魔界で忌まわしき者と聞き及ぶセレスティア初代女王ライラの様ではないか⁉︎」

 

「私はライラ様の子孫よ? 

 ならその才覚を継ぐのは当たり前だと思わないの、魔族! 

 大水流(タイダルウェイブ)‼︎」

 

「極雷剣‼︎」

 

「暴風弓‼︎」

 

 魔族はこの魔法威力に噂に聞く誓いの剣(オースブレード)の魔法使いライラの様だと口にすると、エミルは子孫だからと言う理由付けをしながら大水流(タイダルウェイブ)を使い、其処にロマンも駆け付けサラと共に3人で攻撃をする。

 それを双剣の魔族は流石に危ないと感じたのか避ける選択を取り、魔法と絶技を避けて態勢を立て直す。

 其処にアル、ルルも駆けつけフルメンバーで双剣の魔族を相手にする事になり、全員で武器を構える。

 

「…はっ、アギラ様が警戒しろと仰った理由は良く分かった! 

 ならば我が双剣の餌食にし、名を授かりアギラ様に更に貢献させて貰う事としようではないか‼︎

 さあ来い下等な地上界の者共等貴様達の死に場所は此処だ‼︎」

 

「何方が死ぬかは最後まで分からない…全力で抵抗する‼︎」

 

「さあ来やがれ、今度は俺様が大嫌いな魔法祝印(エンチャント)次の武具で相手だ、覚悟しやがれよ魔族が‼︎」

 

 双剣の魔族はアギラが言った言葉を全て理解した上で下等な地上界の者共等とエミル達を蔑み、彼女達を殺して名を授かろうと言う欲を見せながら双剣を構える。

 対するルルは死ぬかは最後まで分からないとした上で逆手でミスリルダガー2本を構え、アルも大嫌いな魔法祝印(エンチャント)を受け入れた上での魔族との第2戦に挑む事となる。

 

「さあ、その首寄越せ‼︎」

 

「断る、僕達はこんな所で負けられない‼︎」

 

 双剣の魔族は先ず1番前に出たロマンから狙いを定め、漆黒の双剣で首を斬ろうとする。

 それをロマンが盾と剣で受け止め、その瞬間にアルやルルが割り込み引き剥がす。

 そして魔族の双剣を受け止めた剣と盾は傷が付かず、魔法祝印(エンチャント)とアルの腕前が合わさり魔族の武具と魔法祝印(エンチャント)に負けない様になっていた。

 

「凄い…刃毀れもしない、これなら皆を守る為に戦える!」

 

「そうよロマン、貴方は貴方の戦いをしなさい!」

 

「敵を能動的にぶっ斃すのは俺たちの役目だ‼︎

 さあ、行くぜぇ‼︎」

 

 ロマンが武具を見ながら心から誓いの翼(オースウイングズ)や心の中に思い浮かべた者達を守る為に戦えると気合を入れながら叫ぶ。

 それを聞きアル、ルルもロマンは自分自身の戦い方をする様にアドバイスし、エミルの魔法とサラの弓が飛び交う中3人の前衛は突撃し、双剣の魔族と戦いを更に繰り広げて行くのだった。

 

 

 

 一方ビーエ山の先頭箇所を覗き見出来る場所にて、アギラは頬を掻きながらロマンとエミル、特にエミルの方を見て苦々しい顔をしていた。

 

「ん〜む…あの結界魔法(シールドマジック)を欠陥を改良したのと魔法自体の威力と熟練度………更に私の眼から視える『魂の色』、あの女は矢張り…」

 

 アギラはエミルを見て様々な事柄から、特に魔族の眼が捉える『魂の色』を指摘しながら考え込みながら、このままエミルが育つのは危険だと判断し、次からは更に妨害工作を強めるべきか、それとも自らが立てた『プラン』を早々に決行し地上界を混乱に陥れてしまうか考えていた。

 

「…あの戦いを視ながら何かを思案する。

 当ててみせようかしら、魔法使いエミルと勇者ロマン達の妨害を更に続けるか、それとも貴方が魔王様に進言し許可を貰った計画を実行して地上界全てを混乱させようか…遊戯遊びが大好きな貴方が考えそうな事ね、アギラ?」

 

「む…おやおや、シエルにその唯一の部下3名様がいらっしゃるとは。

 これは失礼、突然来訪されては茶菓子を用意出来なくてなぁ」

 

 そのアギラの背後から転移魔法(ディメンションマジック)を使用し、以前アギラと会話していた魔族の少女、シエルが現れ、その背後には彼女の部下と呼ばれた赤髪の少年の魔族に青髪の少女の魔族、そして4人の中で最も背丈が高く、片目の瞼周りや頬等に斬り傷がある白髪の屈強な魔族が立っていた。

 

「それで、一体貴方は何を恐れているのかしら? 

 例え彼女達が脅威的になろうとも精々250が限界よ、それが『地上界の者達の限界ライン』よ。

 ならば貴方が無駄に恐れる必要は無い筈よ? 

 

「はっ、流石魔界1の剣士様は言う事が違うなぁ。

 確かに、地上界の者共は『レベル250を現状は超えられない』。

 だがその方法に気づいてしまったら? 

 その可能性に至る人物があの中に居るとしたら? 

 それを考えずに済むのは次元が違う化物の領域に立つ君らしい考えだよシエル!」

 

「アギラ、貴様シエル様に何たる態度を!」

 

 シエルとアギラは地上界の者がレベル250を超えるか否か、その口論となりながらシエルはその可能性は薄いと話しながら、アギラは逆にエミルの魂の色を目撃している為その方法を知る可能性を指摘しつつ、シエルを化物と呼称しながらその可能性を考えない事を嗤いながら遠回しに能天気だとアギラはシエルを馬鹿にしていた。

 それを聞き赤髪の少年が剣を引き抜こうとし、アギラもやる気かと挑発的な態度を取った。

 

「『ティターン』、止せ。

 アギラも挑発が過ぎるぞ、少しその口を直せ。

 それにお前が心配性ならばそれを私達が解消してやろうではないか?」

 

「…ほう、貴女から動くのは本当に珍しいですねぇ。

 其処まで私が神経質になってしまったから謝るよ、シエル殿?」

 

 シエルは赤髪に少年、ティターンを叱り付けると同時にアギラに対しても口が過ぎている事を指摘し、ティターンはシエルに謝罪の一礼をしながら矛を収める。

 更にシエルは続けて自分達でアギラの懸念を確かめると話しながら戦いを覗き見し始める。

 それに対してアギラはやや神経質気味になっていたとして謝罪しようとしていた。

 

「口先だけの言葉は必要無い、私達が結果を示してから何か言え」

 

「…アギラ、私『ティターニア』やティターン、『アザフィール』様、そしてシエル様が動く。

 それで貴方の懸念が杞憂であるなら真に謝罪なさい、それが挑発をして来た対価」

 

 そしてシエルはアギラの口先だけの謝罪を断り、自分達の行動で得られた結果を見て何か発言する事を求める。

 更に自らを『ティターニア』と呼ぶ魔族の少女はティターンと屈強な魔族、『アザフィール』で動き杞憂で終わるならシエルに謝罪せよと口にしながらシエルと共に戦いを視る。

 それをアギラは面白く無いと思いながらも、自身の手を汚さずシエル達が動くならと思いながら作り笑いを浮かべ、同じ様に戦闘を視るのであった。

 




此処までの閲覧ありがとうございました。
オリハルコンゴーレムと魔族との戦いを見て不穏な影をチラつかせるアギラとシエル達名あり魔族。
それらが絡み合った末の結末はまた次回に。

次回もよろしくお願い致します。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。