転生魔法女王、2度目の人生で魔王討伐を目指す。 作:”蒼龍”
今回はエミルの修行と冒険者ギルドに入ろうとする話になります。
では、本編へどうぞ。
エミルが10歳の誕生日を迎えた時の事。
早速エミルは国王より魔王討伐の勅令書を作って貰った後に荷造りをして付き添い人抜きで城に書き置きを残して自身の世界地図を見て危険な場所が多い世界樹の群生地を目指す旅が始まった。
「しかし王女様良かったのですか?
王家の習わしである世界樹での修行には付き添い人が付く事を無視して家出同然に飛び出すなんて」
「これで良いのです、私が向かう場所は本来なら高濃度の
付き人を迂闊に付けよう物ならその付き人を死なせてしまいます。
ならば1人で行き、修行をする事が理不尽なる死を回避する事となるのです」
「王女様…」
そう、エミルはアレスターの死から例えレベル100オーバーでも死ぬ時は死ぬと言う理不尽を改めて思い出し、ならば付き人を付けず1人で修行をした方がそんな理不尽な死を回避出来ると思い馬車で家出同然に城を飛び出したのだ。
しかし馬主はその理不尽な死に自分を抜いているエミルの危うさに悲痛な表情を向けるが、エミルは覚悟の上だと言う表情を向け返し何も言わせようとしなかった。
それから馬車に揺られて1週間が過ぎた。
セレスティアの港街に何事も無く辿り着いたエミルは船に乗り込み、門が1番近くにある国、深緑なる森の木々溢れるエルフとダークエルフの国、『フィールウッド』の更に門の遺跡群に近い魔素が海を渡り届いてしまっている世界樹を目指して船旅に入った。
「フィールウッド国か〜。
ロックやリリアナは元気かな〜?
まぁそれよりも、先ずはこの聖地でありながらトレントやダークドライアド、ドラゴンにゴブリンと言った知能があるモンスターが跳梁跋扈する危険地帯に着くのが楽しみだなぁ〜。
体内魔力回復用と体力回復用ポーションも買いに買い込んだし、準備万端!
さあ最北の世界樹でビシバシレベル上げするぞ〜‼︎」
エミルは甲板の上でかつての仲間達のリリアナやロックの事に一時想いを馳せたが、あの2人は長命で元気だろう、殺しても死なないと改めて思いそれよりも知能ある魔物の群の中の上位種が跋扈する世界樹で只管レベルを上げるぞと吼えて周りを驚かせた。
それもこんな身形の良い小さな女の子があんな危険地帯を修行地に選ぶなど自殺行為でしか無いのだから。
「お、お嬢ちゃん、悪い事は言わねえからあの場所は止めとけって!
命が幾つ有っても足りないって言われてる危険地帯なんだぜ⁉︎
そんなトコよりもフィールウッド国なら手頃な世界樹が沢山あるからそっちに」
「大丈夫大丈夫!
だって其処で修行しないと魔王討伐なんて夢のまた夢なんだから!」
「へっ⁉︎」
船員が南に位置するフィールウッド国の最北の世界樹に行くと叫んだエミルに彼処は危険だ止めておけと警告をしたが、当然ながらエミルは聞く耳を持たず魔王討伐の悲願を口にして更に船員を驚かせた。
そうして船に揺られて3日でフィールウッド国の港に着き、早速最北の世界樹付近に行く馬車に乗り込みその日の昼頃に世界樹のある森の前まで辿り着いた。
「うっわ、やっぱりおどろおどろしいねぇ〜」
「わ、悪いなお嬢ちゃん、この先からは魔物のテリトリーなんだ。
近付いたら俺の命が無いんだ、だからこの先は」
「うん分かってるよ、後は自分の足で向かうから!
じゃあね〜!」
そうして馬車の主はこの先からは魔境であり、魔物のテリトリーに入る為にエミル1人で向かう様に告げるとそのままUターンをして港町に戻って行った。
それを見届けたエミルは1本森の中に踏み入る。
すると全方位から殺気が飛び交い、まるで500年前の戦場に似た空気を感じ取り武者震いをしていた。
「…来た来た、この感覚、死と隣り合わせの戦いの感覚‼︎
さあ魔物達、新しい大魔法使いエミル様の伝説の始まりを刮目なさい‼︎」
エミルは杖を手に持つと自らを鼓舞して此れから4年間この地で修行をし、最低でも遠い場所を見渡す『
そして木の影からゴブリンロード、ダークドライアリード、ダークトレント等の魔物が襲い掛かり始め、エミルはこの1年で覚え直した上級魔法の数々を体内魔力回復用ポーションをガブ飲みしながら連発して使い、世界樹の下に向かい始めるのであった。
「さあ来なさいゴブリンロード達‼︎
私はアンタ達の罠を看破したわ、それでも怯えずに戦うなら掛かって来なさい‼︎」
『ガァァァァァ‼︎』
修行開始から2年目になり、エミルはフィールウッド国の最北の世界樹
が危険と言われている所以、海の向こうに門がある遺跡群がどの世界樹よりも近い位置にあり、魔素が濃い為に強い魔物達が集まり
そしてその巣に突入し、魔物退治によるレベリングを行なっているのである。
「
はぁぁぁぁ、やぁぁぁぁぁぁ‼︎」
そんな危険地帯の洞窟内で威力をやや絞った火の上級魔法2連発と風の中級魔法で洞窟内を逃げ場のない炎が魔物を襲う灼熱地獄にさせ、更に自分が焼かれない様にする為と近接攻撃をする為に身体の強度や力、速さや反射神経等を一時的に上げる『
因みにゴブリンロードの討伐推奨レベルは90であり、群れを成す為実際はそれ以上のレベルが必要だとエミルは記憶していた。
「さあエンシェントドラゴン、受けなさい‼︎
『
『
『
そして修行開始から4年後、1年目はモンスターを倒しながら世界樹の下で精神統一や睡眠をし、2年目には
因みに1年目に遭遇していたダークドライアリードは無害なドライアドが魔物化したダークドライアドの上位種で討伐推奨レベルは85、ダークトレントは森の番人のトレントが様々な理由で魔物化した存在であり、これが討伐推奨レベル70の最低値の魔物であった。
「
『
『
それ等を倒して倒してレベリングをした事によりエミルは最上級魔法を操る立派な14歳になり、最早最北の世界樹に生息する魔物でも寝首を掻こうとしても下級魔法で屠られ、起きてる時は最上級攻撃魔法の連発の実験台にされ魔物の方から出会い頭に逃げ出す様になってしまっていた。
今のエミルの魔法大砲には最早アレスターを殺害したエンシェントドラゴンも迂闊に近寄らなくなっていた。
「ふう、自己レベル換算でレベル150台は堅いかな?
実際に
後はダークドライアリードとダークトレントの素材から作り出した
エミルは自分の4年前から比べて遥かに強くなり、アレスターを上回る魔法使いになったと実感を得ており天に手を掲げていた(但し前世の全盛期の50%の実力を漸く超えた程度であると認識している)。
それから魔物や周囲の木々や草むらから手に入れた素材を冒険者ギルド…今の世界の冒険者パーティを管理する組織に冒険者登録をし、素材を売り魔王討伐の更なる1歩を踏み出そうと早速リリアーデ港に転移した。
因みにこの光景を陰から見ていた魔物達は漸くエミルが消えた事で平穏を取り戻し溜め息を吐いていた。
「はい早速リリアーデ冒険者ギルド前に転移完了!
それじゃあ早速…お邪魔しまーす!」
エミルは周りの人間が同時に宿屋から目を離したタイミングで転移を終え、冒険者ギルド経営の宿屋を開けて受付にまで早歩きで向かった。
宿屋内に居た冒険者や一般人達は赤いセミロングの髪の毛や色白の肌の手入れだけは行き届きつつも、服はボロボロと言う若者あるまじき異様な姿に目を引かれて直ぐに世界樹での修行を終えた人間だと察知する。
「貴女は…世界樹での修行を終えたばかりの子ね?」
「あ、分かりますか?
はい、此方の世界樹で修行をして色々服もボロボロになったりしたので冒険者登録と世界樹近辺で手に入れた素材を売りに来ました!」
「やっぱりね。
貴女みたいにボロボロな若者が良く冒険者ギルドに登録に来るから直ぐに分かったわよ。
良いでしょう、冒険者登録と素材売却を承ります。
此方にサインと素材を出して下さいませ」
ギルド経営宿屋の受付のエルフの女性はエミルの様なボロボロな若者でギルド登録に来るのは世界樹での修行を終えたばかりの者だと経験則から理解しており、スムーズに冒険者登録書を取り出しエミルも自身の名や出身国をスラスラと書きながらセレスティア国王の勅令書を出しつつ普通なら持てない量の物を入れて重さも無く持ち運ぶ
「ほいしょっと!」
『…⁉︎
っ!
っっっ!?!?』
それも最北の世界樹近辺でしか生えない『月光花』や魔物素材に至ってはゴブリンロードの王冠やエンシェントドラゴンの牙等高額換金素材をドサドサと取り出し床一面に広げていた。
その素材の山を見て冒険者達や受付嬢達は目が飛び出る程見開き、その素材を見て声が上がらずに居た。
「…と、名前書き終わりましたし勅令書も見せましたし素材を出し終わりました、換金と冒険者登録をお願い致します」
「は、はぃぃぃぃ‼︎」
エミルはそんな周りの様子などいざ知らず受付嬢に登録と換金を終える様にお願いすると奥からギルド員達が大慌てで素材を調べ上げたり等をし始め、エミルは隙になった為宿屋のテーブル椅子に腰を掛け久々の都会の空気に伸び伸びとしていた。
「な、なぁ、今のゴブリンロードの王冠とかダークドライアリードの惑葉とかあったよな?
見間違いじゃ無いよな?」
「あ、ああ、俺もエンシェントドラゴンの牙とか初めて見たぞ⁉︎
まさかあの子、最北の世界樹で…」
「いやいやいや、あの若さでそんな………いやしかし………だが勅令書って…」
そんな中で周りの冒険者一同はザワ吐き始め、最北の世界樹でしか取れない魔物素材や月光花の様な高級アイテム用素材を見て、更に勅令書と言う単語を聞きエミルを何者なのだと思い始めていた。
そんなザワ吐きを気にせず換金や冒険者登録が済むのを待つ事30分後、受付嬢がエミルの席まで小走りで少し息を切らしながら直接呼びに来ていた。
「エ、エミル王女殿下お待たせしました‼︎
冒険者登録と換金が終わりましたので受付までお越し下さいませ‼︎」
「はい、分かりました。
それと冒険者になるんだから敬語は」
「とんでもありません、セレスティア王国の第2王女殿下に粗相を働いたとなれば国際問題に発展してしまいます‼︎
なのでどうかこのまま敬語や敬称を使われる事をお許し下さいませ‼︎」
「うーん、お父様やお母様は其処まで器量は狭く無いんだけど…まぁ、仕方無いよね。
分かりました、では受付に参りますね」
エミルはエルフの受付嬢に身分を堂々と明かされた事を特に何も思わなかったが敬語等はこそばゆい為それを抜いて貰おうとした所で国際問題になると言われて引き下がりながら受付まで歩いて行った。
因みに周りの冒険者達はエミルの名を聞きセレスティア王国希代の魔法王女と言う2つ名を思い出しその2つ名に偽りは無かったと唖然としていた。
「で、ではまず素材の換金額をお伝え致します!
全ての素材が良質に保たれていた事と全ての素材が何れも此れも高額換金素材であった為、総額で500万
それから、冒険者登録に当たり最後にスタートランクを決めたい為に
で、では失礼致します!」
エミルは受付嬢から全ての素材が良質であった為相場が落ちる事無く、また全て高額換金素材だった為この世界の通貨である
これは
そして次にエミルのレベルを測る為に受付嬢は
すると受付嬢は腰を抜かしてしまう。
「は、はわわわわわわ、レ、レベル163⁉︎
そんな、まるで500年前の冒険者の推奨レベルですよこれぇ⁉︎」
「ありゃ、150台と思ったら163だった。
…まあ良いかな、私の悲願達成のスタートラインとしてはまぁまぁかな?」
エミルのレベルは何と163と言う魔法の天才と言わしめたアレスターを更に超える、500年前の冒険者に必要ラインである150を有に超えた実力となっていた。
これはエミルとっては良くもあり、ある意味悪い誤算でもあった。
「こ、ここここんなの前例にはありませんのでギルド協会本部と協議してランクを決めさせて頂きますぅぅぅぅぅ‼︎」
「あ、ちょっ…!
…まぁ、確かに私が調べた限りで冒険者ギルド登録で1番レベルが高かったのは78。
その方達はCランクから冒険者を始めたってあったからなぁ。
その倍以上だからそりゃこうなっちゃうか。
でもそうなると協議するって言ってたから何れだけ時間が掛かるか分からないなぁ…如何しようかな?」
すると受付嬢は前例に無い事態の為冒険者ギルド協会本部と協議してランクを決めると言い奥へと走り去ってしまいエミルは置いてけぼりを食らってしまう。
しかし1番レベルが高かった前例は200年前のレベル78で冒険者ギルドに登録に来たエルフの女の子とドワーフの男の子の2人組であり、その時も今の様に置いてけぼりを食らいギルド協会本部と協議し合ったとされている。
これが悪い意味での誤算である。
因みにCランクの査定が下りたのは登録日から3日掛けての事だった。
「うーん、最低でも3日、最悪それより時間が掛かる訳だし…王族として理由も無くブラブラ遊びに行く訳にも行かないし………あ、そうだ‼︎」
当のエミルは冒険者ランクを早く決めて欲しい、しかしそれは前例的に3日以上掛かると計算してその間に何をするか決めようとしていた。
無論セレスティア王国第2王女として国の品格を落とす遊んで回るのを頭の中で排除しながら考えていた。
その時エミルは1つの案を思い浮かび手をポンと叩き、それを見ていた周りは何を思い浮かんだのかを注目していた。
「──ー『勇者』を誘おう、それも飛び切り強くて本当の勇気を持つ勇者を‼︎
私の悲願達成の為もそれが1番良い、うん‼︎」
その案とは勇者──ー生まれた時から絶技と魔法を使う事の許された初代勇者ロアの血筋を継ぐ者。
その中でも特に強く、勇者らしい優しさや勇気を持つロアの様な勇者を共に冒険しようと勧誘する事、それがエミルの案であった。
「魔王討伐には絶対に勇者の存在が必要不可欠‼︎
今は何処にあるか行方知れずになったけど、『神剣』の担い手として一緒に冒険に出てくれる勇者を探さなきゃ!
うん、これが1番だ‼︎」
更に魔王を倒す為には現在何処にあるのかあらゆる書物から秘匿され名前のみの存在となりし剣、真の勇者にしか使い熟せない『天界』の『神』の遣い、『天使』よりロアが授かった『神剣ライブグリッター』を振るう本当の優しさ、勇気を持つ勇者を探す事。
これが次の最優先事項だとエミルは決定した。
「じゃあ早速………あ、皆様、此処で見聞きした事は絶対に口外しないで下さいませ。
私が求める勇者が寄り付かなくなってしまう可能性がありますので。
もし口止め料が欲しいなら差し上げますが…」
『いえ、大丈夫ですっ‼︎』
エミルはそうと決めて宿屋の外に向かい勇者勧誘をしようとした──ーその前に、宿屋に居た全員に此処であった事を口外しない様に頼み込み、口止め料をたった今貰った換金された500万
が、この宿屋に居た全員は相手がセレスティア王国の王族、しかもレベル160オーバーのトンデモ存在である為逆らったら何をされるか分からないと思い全員一斉に口を揃えて口外しない事を誓うのであった。
「あ、はい、ではありがとうございます。
………さあ私の求める勇者さん、共に私の悲願達成をしましょう、そう、魔王討伐を‼︎」
口止め料を払おうとしたエミルは宿屋に居た冒険者や一般人全員のやたら良い反応の良さに面食らってしまうが、直ぐに思考を切り替えて未だ見ぬ勇者に想いを馳せ、共に魔王討伐をしようと外に聞こえない程度の声で鼓舞すると宿屋の戸を引き外に出た。
魔王討伐の為に勇者を募る為に。
「っと、その前にこの服もボロボロだからその前に防具屋で防護服の新調とお風呂に入って汚れを落とさなきゃ」
しかしその前にパツンパツンでボロボロな服を見たエミルは先ず宿屋の風呂に入ってから防具屋に行き、手に入ったお金から超良質な魔法使い用の赤と黒を基調とした『ミスリル』を服の繊維内部に粒子レベルで融合させた防護服、ミスリルローブを買い、魔法使い用の大きなお洒落帽子も買いその後は勇者勧誘に必要な物を意気揚々と買いに行くのであった。
此処までの閲覧ありがとうございました。
エミルは作中修行する事に浮かれていましたが別にバトルマニアではありません、単純に魔王討伐の為のレベリングにうずうずしていただけです。
因みに
さて、今回は港街リリアーデについて書きます。
リリアーデ港街:初代勇者一行の1人、予言者リリアナがよく海を眺めていた場所として人々が集まり出来たフィールウッド国際大の港街。
近くには最北の世界樹があり、貿易品を乗せた馬車は回り道を強いられるが、この街はリリアナが直接魔物避けの結界を張ったとして最北の世界樹に生息する魔物達も近寄らず、ある範囲をテリトリーとする習性を魔物達は得るに至った由緒正しい街である。
次回もまたよろしくお願い致します。